MTG │ デッキ紹介│ 高橋優太【『機械兵団の進軍』後のレガシー環境】

今回はレガシー記事です。

3月の《表現の反復》《白羽山の冒険者》禁止後は、偉大なる統一者、アトラクサを中心にしたコンボデッキが増加していました。
新セット『機械兵団の進軍』発売後の変化を追っていきましょう!

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■参考情報

レガシー神挑戦者決定戦
レガシーチャレンジ(4/23)

先週末に開催されたレガシー神挑戦者決定戦とマジックオンラインのレガシーチャレンジの結果を参考にしています。

前回のレガシー考察記事も合わせてどうぞ。

■ティムールミッドレンジ

レガシー神挑戦者決定戦:優勝
デッキリスト
1:《Taiga
4:《Tropical Island
3:《Volcanic Island
4:《霧深い雨林/Misty Rainforest
4:《沸騰する小湖/Scalding Tarn
3:《不毛の大地/Wasteland
1:《神秘の聖域/Mystic Sanctuary
20 Lands


4:《ドラゴンの怒りの媒介者/Dragon’s Rage Channeler
3:《タルモゴイフ/Tarmogoyf
3:《自然の怒りのタイタン、ウーロ/Uro, Titan of Nature’s Wrath
1:《厚かましい借り手/Brazen Borrower
11 creatures

4:《渦まく知識/Brainstorm
2:《もみ消し/Stifle
1:《紅蓮破/Pyroblast
3:《稲妻/Lightning Bolt
1:《邪悪な熱気/Unholy Heat
3:《目くらまし/Daze
1:《否定の力/Force of Negation
4:《意志の力/Force of Will
4:《思案/Ponder
1:《壌土からの生命/Life from the Loam
3:《ミシュラのガラクタ/Mishra’s Bauble
1:《森の知恵/Sylvan Library
1:《時を超えた英雄、ミンスクとブー/Minsc & Boo, Timeless Heroes
29 other spells


1:《真の名の宿敵/True-Name Nemesis
2:《水流破/Hydroblast
2:《外科的摘出/Surgical Extraction
1:《紅蓮破/Pyroblast
1:《赤霊破/Red Elemental Blast
1:《否定の力/Force of Negation
2:《溶融/Meltdown
1:《紅蓮地獄/Pyroclasm
1:《兄弟仲の終焉/Brotherhood’s End
1:《魂標ランタン/Soul-Guide Lantern
1:《時を超えた英雄、ミンスクとブー/Minsc & Boo, Timeless Heroes
1:《耐え抜くもの、母聖樹/Boseiju, Who Endures
15 sideboard cards

青赤緑各色から選りすぐりの精鋭たちを集めたデッキが、200人規模の大会を優勝しました!

ドラゴンの怒りの媒介者》は諜報により手札を整えながら、《ミシュラのガラクタで素早く昂揚を達成して3点クロックを形成します。

タルモゴイフ》は、禁止改定後に再び目立ち始めています。インスタント・ソーサリー・クリーチャー・土地の4種類で4/5が達成しやすく、《ミシュラのガラクタ》があれば5/6、プレインズウォーカーが落ちれば6/7と、2マナとしては歴代最強のサイズ!
剣を鍬に》《虹色の終焉》を使用するデッキが、以前よりも減ったことが《タルモゴイフの活躍に影響していると考えています。《紅蓮破が当たらない5/6が良い!

表現の反復》の禁止により、イゼット系のデッキはアドバンテージ獲得手段が減り、《濁浪の執政》も巨大なサイズで出しにくくなりました。その「アドバンテージ」「巨大なサイズ」の両方を補ってくれるのが、経戦能力の高い《自然の怒りのタイタン、ウーロ》です。
除去や打ち消しで相手と1対1交換を繰り返していけば墓地が溜まり、《自然の怒りのタイタン、ウーロ脱出が勝ちに繋げてくれます。追放除去や《カラカスを使うデッキが減っているおり、特にフェアデッキ対決では《自然の怒りのタイタン、ウーロ》最強!

そして《時を超えた英雄、ミンスクとブー》は、4/4速攻トランプルで攻めも守りも兼ね備えており、「-2」でブーを生贄にして4点火力4枚ドローすれば大きく有利になるので、実質1ターン守れば勝ちの超強力なプレインズウォーカーです!

レガシー神挑戦者決定戦の配信でも《時を超えた英雄、ミンスクとブーは大活躍で、出たゲームはほぼ勝っていました。4マナは少し重いのでメイン1枚サイド1枚と枚数が抑えられていますが、今後は《時を超えた英雄、ミンスクとブーを軸にしたデッキがもっと増えてもおかしくないです。

昔の「カナディアン・スレッショルド」に似た、《もみ消し》《不毛の大地》で相手の土地を攻める戦略も取り入れられており、相手のマナを攻めることで、《目くらましが強いターンも増えます。

もみ消しは相手のフェッチランドの起動を打ち消して序盤を出遅れさせたり、相手の《不毛の大地》起動を打ち消して自分の土地を守ります。フェッチランドの入っていないアグロには腐りやすいカードでしたが、イニシアチブの誘発を消せるので、今は弱いマッチが少ないのです。

レガシーは青いデッキが強く、相対的に《紅蓮破もメイン採用しやすい環境です。《紅蓮破》や《溶融など赤の対策カードが強いからこそ、《Volcanic Island》がデュアルランドの中で一番人気なのも頷けます。

神秘の聖域》は島タイプを持つため、フェッチランドからサーチ可能で、メイン1枚差しの《紅蓮破》《邪悪な熱気》などを再利用できます。さらに《神秘の聖域を《目くらまし》で戻せばもう1回!

そのためサイドボードは、相手によってクリティカルなインスタントやソーサリーの《水流破》《兄弟仲の終焉》《紅蓮地獄》《溶融が散らして採用されています。1枚差しでも、ゲーム中に2回以上プレイできるようになるのも《神秘の聖域の良い所です。

壌土からの生命》は《不毛の大地を回収して相手の土地を攻めると共に、発掘によって墓地が増えるので《自然の怒りのタイタン、ウーロが脱出しやすくなり、ウーロを使うデッキなら是非1枚は入れたいです。
ごくまれに、自分の《神秘の聖域》を《不毛の大地》で破壊して、壌土からの生命》回収から《神秘の聖域を置き直してインスタント・ソーサリーを回収することがあります。

■ジェスカイテンポ

 

レガシーチャレンジ:優勝
デッキリスト
1:《霧深い雨林/Misty Rainforest
4:《沸騰する小湖/Scalding Tarn
2:《Tundra
2:《Volcanic Island
4:《溢れかえる岸辺/Flooded Strand
1:《Plateau
2:《冠雪の平地/Snow-Covered Plains
3:《冠雪の島/Snow-Covered Island
1:《神秘の聖域/Mystic Sanctuary
20 Lands


3:《瞬唱の魔道士/Snapcaster Mage
4:《フェアリーの黒幕/Faerie Mastermind
1:《永久のドラゴン/Timeless Dragon
8 creatures

4:《意志の力/Force of Will
4:《思案/Ponder
4:《渦まく知識/Brainstorm
4:《剣を鍬に/Swords to Plowshares
3:《覆いを割く者、ナーセット/Narset, Parter of Veils
2:《時を解す者、テフェリー/Teferi, Time Raveler
2:《否定の力/Force of Negation
4:《虹色の終焉/Prismatic Ending
2:《激しい叱責/Dress Down
1:《放浪皇/The Wandering Emperor
2:《呪文貫き/Spell Pierce
32 other spells


2:《溶融/Meltdown
2:《紅蓮破/Pyroblast
3:《外科的摘出/Surgical Extraction
2:《赤霊破/Red Elemental Blast
2:《イゼットの静電術師/Izzet Staticaster
2:《封じ込める僧侶/Containment Priest
2:《水流破/Hydroblast
15 sideboard cards

マジックオンラインのレガシーチャレンジで《フェアリーの黒幕4枚入りのデッキが優勝!早速レガシーで活躍していて、嬉しい限りです。

レガシーは多くのデッキが《思案》《渦まく知識を使用するので、それにスタックで《フェアリーの黒幕を出すことで自分も1ドロー出来ます。《呪文貫き》や《紅蓮破を構えながら、ターン終了時に《フェアリーの黒幕を出す動きは、まさしくイメージしていたものです!

同じくインビテーショナルカードである《瞬唱の魔道士がセットで採用されているのも、時代を超えた共闘といった感覚があって良い!自分のカードが瞬唱と一緒に攻撃している光景を見たい!

フェアリーの黒幕》に加えて《覆いを割く者、ナーセットも採用されており、相手の追加ドローを妨害する意志が感じ取れます。

放浪皇》はレガシーでは珍しい採用ですが、マナを構えてエンドするデッキの動きに合っており、2/2の盤面形成とタップ除去の両方を担ってくれます。《紅蓮破に当たらないのも、青対決では大事。

剣を鍬に》《虹色の終焉》もしっかりフル採用で、特に《虹色の終焉》は相手の《虚空の杯》や《花の絨毯といったエンチャント・アーティファクトにも対処できるのが強み。

ただ白除去が多いデッキはコンボデッキに少し相性が悪いのですが、その欠点を解消するために《覆いを割く者、ナーセット多めに加えて、《激しい叱責》。《偉大なる統一者、アトラクサ系デッキを意識しての《激しい叱責》メイン採用でしょう。

同様にサイドボード《封じ込める僧侶》も、《実物提示教育》や《再活性》などで《偉大なる統一者、アトラクサを高速で出してくるタイプのデッキに対してよく効きます。

■スニークショー

レガシー神挑戦者決定戦:4位
デッキリスト
1:《島/Island
1:《山/Mountain
2:《裏切り者の都/City of Traitors
2:《溢れかえる岸辺/Flooded Strand
2:《汚染された三角州/Polluted Delta
1:《Tropical Island
3:《Volcanic Island
4:《沸騰する小湖/Scalding Tarn
3:《古えの墳墓/Ancient Tomb
19 Lands


1:《猿人の指導霊/Simian Spirit Guide
1:《原初の征服者、エターリ/Etali, Primal Conqueror
3:《偉大なる統一者、アトラクサ/Atraxa, Grand Unifier
1:《グリセルブランド/Griselbrand
2:《残虐の執政官/Archon of Cruelty
2:《引き裂かれし永劫、エムラクール/Emrakul, the Aeons Torn
10 creatures

4:《意志の力/Force of Will
4:《思案/Ponder
4:《渦まく知識/Brainstorm
2:《狼狽の嵐/Flusterstorm
2:《夏の帳/Veil of Summer
1:《定業/Preordain
4:《実物提示教育/Show and Tell
4:《水蓮の花びら/Lotus Petal
2:《鏡割りの寓話/Fable of the Mirror-Breaker
4:《騙し討ち/Sneak Attack
31 other spells


1:《溜め込み屋のアウフ/Collector Ouphe
2:《月の大魔術師/Magus of the Moon
2:《激情/Fury
1:《外科的摘出/Surgical Extraction
2:《兄弟仲の終焉/Brotherhood’s End
2:《墓掘りの檻/Grafdigger’s Cage
3:《防御の光網/Defense Grid
2:《花の絨毯/Carpet of Flowers
15 sideboard cards

実物提示教育》《騙し討ち》によって、重いクリーチャーのコストを踏み倒して高速で出して勝利するデッキです。《騙し討ち》《実物提示教育》の英語名から、スニークショーと呼ばれており、レガシーの代表的なデッキの1つです。

意志の力を使うデッキは通称ブルーカウントと呼ばれる数字があります。青が22枚以上あると《意志の力を代用コストでプレイしやすいですが、《偉大なる統一者、アトラクサ》は青いので《意志の力の代用コストに出来るので青いカードの枚数を担保できます。

グリセルブランドと違いライフを支払わずに莫大なアドバンテージを得る7/7絆魂のフィニッシャーなので、最近はアトラクサがグリセルより優先される傾向にあります。とは言えグリセルは14枚ドローが強いタイミングがあり、0枚になることは無いでしょう。《偉大なる統一者、アトラクサ》《グリセルブランド》《引き裂かれし永劫、エムラクールが速攻で攻撃するのは壮観です。

新セット『機械兵団の進軍』からは《原初の征服者、エターリが採用されています。
お互いのライブラリートップからコストを踏み倒して唱えられるので、例えば《渦まく知識》で《引き裂かれし永劫、エムラクール》をトップに置いておけば、「唱える」なのでそのまま追加ターンを得て攻撃!22点と滅殺6で超エキサイティング!

原初の征服者、エターリ》はコストが5赤赤なので、《裏切り者の都》《古えの墳墓》+3マナで通常プレイも可能な範疇と、素出ししやすいのも特徴。面白い試みです。

■グルールイニシアチブ

レガシー神挑戦者決定戦:7位
デッキリスト
3:《山/Mountain
1:《森/Forest
2:《魂の洞窟/Cavern of Souls
4:《裏切り者の都/City of Traitors
4:《古えの墳墓/Ancient Tomb
1:《成長の揺り篭、ヤヴィマヤ/Yavimaya, Cradle of Growth
1:《バグベアの居住地/Den of the Bugbear
1:《耐え抜くもの、母聖樹/Boseiju, Who Endures
17 Lands


4:《猿人の指導霊/Simian Spirit Guide
4:《エインジーの荒廃者/Anje’s Ravager
1:《エグゾクライン/Exocrine
2:《エルフの指導霊/Elvish Spirit Guide
4:《混沌の洞窟の冒険者/Caves of Chaos Adventurer
4:《アンダーマウンテンの冒険者/Undermountain Adventurer
4:《激情/Fury
23 creatures

3:《むかしむかし/Once Upon a Time
3:《虚空の杯/Chalice of the Void
4:《金属モックス/Chrome Mox
4:《水蓮の花びら/Lotus Petal
3:《三なる宝球/Trinisphere
3:《時を超えた英雄、ミンスクとブー/Minsc & Boo, Timeless Heroes
20 other spells


2:《溜め込み屋のアウフ/Collector Ouphe
3:《忍耐/Endurance
4:《赤霊破/Red Elemental Blast
2:《活性の力/Force of Vigor
1:《未認可霊柩車/Unlicensed Hearse
2:《花の絨毯/Carpet of Flowers
1:《目覚めた猛火、チャンドラ/Chandra, Awakened Inferno
15 sideboard cards

白羽山の冒険者禁止により白単イニシアチブは見なくなりましたが、イニシアチブという能力自体は依然として強力!

1-2ターン目に《虚空の杯》や《三なる宝球を出して相手の軽いアクションを制限しつつ、《混沌の洞窟の冒険者》《アンダーマウンテンの冒険者と2種類のイニシアチブで相手にプレッシャーをかけていく、いわゆるストンピィ系統のデッキです。

むかしむかし》は0マナで土地かクリーチャーを探せて、マナ加速が欲しいタイミングなら《猿人の指導霊》《エルフの指導霊》を探して1マナ増やしたり、状況に合わせてイニシアチブ持ちや《激情》も持ってこれます。ストンピィ系デッキは序盤の強い動きを求めてマリガンすることが多いのですが、《むかしむかしはデッキの安定感を底上げする、縁の下の力持ち。

このデッキでも《時を超えた英雄、ミンスクとブーが多く採用されており、赤緑のデッキなら定番になってきましたね。


マジックオンラインで未実装な関係で、デッキ画像が59枚なのですが、《エグゾクラインが1枚採用されています。
「バイオプラズマ砲撃!」は是非声に出して読みたい能力で、クリーチャーを横並べするエルフや、デス&タックスに特に効きそうです。

■おわりに

大会結果から新環境レガシーを考察していきました。

ティムールミッドレンジのバランスが良く、今後増えていくデッキタイプだと考えています。
フェアリーの黒幕は今後もっと色んなデッキで使われていくと嬉しいですね!僕もプロツアーが終わったらレガシーを積極的に遊んでいきます。

それではまた。


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