MTG │ デッキ紹介 │ 井川良彦【今アツいヒストリックのデッキたち】

皆さんこんにちは。Rush Prosの井川です。

『ストリクスヘイヴン』がリリースされてから2週間、ヒストリックのメタゲームが少しずつ固まってきました。詳しくはあんちゃんの記事をご覧ください。

先々週にディミーアローグが優勝した後、ヒストリックはどう動いているのか?

今回の記事では、先週の大会で活躍したデッキを紹介していきます。上に挙げたあんちゃんの記事と合わせて読んでいただければより理解が進むと思いますので、そちらもどうぞ。

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■ラクドスアルカニスト

Insight Esports Historic Open:優勝/By Luis Salvatto【インポートデータ
デッキリスト
4:《血の墓所/Blood Crypt
2:《山/Mountain
5:《沼/Swamp
4:《寓話の小道/Fabled Passage
4:《荒廃踏みの小道/Blightstep Pathway
2:《竜髑髏の山頂/Dragonskull Summit
21 lands


4:《戦慄衆の秘儀術師/Dreadhorde Arcanist
4:《死の飢えのタイタン、クロクサ/Kroxa, Titan of Death’s Hunger
4:《縫い師への供給者/Stitcher’s Supplier
2:《若き紅蓮術士/Young Pyromancer
14 creatures

 

4:《思考囲い/Thoughtseize
4:《村の儀式/Village Rites
2:《アガディームの覚醒/Agadeem’s Awakening
4:《立身+出世/Claim+Fame
1:《灯の収穫/Spark Harvest
2:《初子さらい/Claim the Firstborn
1:《致命的な一押し/Fatal Push
2:《コジレックの審問/Inquisition of Kozilek
4:《信仰無き物あさり/Faithless Looting
1:《血の長の渇き/Bloodchief’s Thirst
25 other spells


2:《削剥/Abrade
3:《魔女の復讐/Witch’s Vengeance
1:《コジレックの審問/Inquisition of Kozilek
3:《マグマのしぶき/Magma Spray
3:《大群への給餌/Feed the Swarm
2:《ひっかき爪/Scrabbling Claws
相棒
1:《夢の巣のルールス/Lurrus of the Dream Den
15 sideboard cards

先述した通り、《渦まく知識》《コジレックの審問》《記憶の欠落》といった強力なミスティカルアーカイブを上手く活用した、あんちゃんのディミーアローグが先々週の大会で優勝。それによりローグが一気にトップメタに踊り出ました。

そのローグを倒すなら?スタンダードでもお馴染みの流れですね。そう、死の飢えのタイタン、クロクサ》の出番です!!

死の飢えのタイタン、クロクサ》を最も上手く使えるヒストリックのデッキ、ラクドスアルカニストがここに来て復活を遂げました!苦手だったジャンド系のデッキが衰退し、得意なローグが流行しているという間隙を突いたデッキ選択といえるでしょう!

ライバルズリーグのメンバーであるLuis Salvattoはラクドスアルカニストを手に2020ミシックインビテーショナルでトップ4に残ったこともあり、実力と経験、メタゲームの把握とすべてが100点だからこその優勝です。お見事!

ただメタゲーム上のポジションが良かっただけではありません。ラクドスアルカニストもミスティカルアーカイブによって大幅に強化されています。

「《思考囲い》→《戦慄衆の秘儀術師》」がベストムーブであるこのデッキにとって、《コジレックの審問》の加入はとても喜ばしいことです。《強迫》のような裏目の大きいカードをメインに採用することなく、安定して手札破壊を4枚以上取れるようになり、デッキの安定感がアップ。

そして何より大きいのが《信仰無き物あさり》。これまではスクリュー・フラッドだったり、「《初子さらい》+《村の儀式》」コンボが片方しか揃わない、などというデッキ特有の事故がありましたが、その問題を一手に引き受けて解決してくれる最高級の一品です。

死の飢えのタイタン、クロクサ》の4T脱出の確率も大幅に上がり、デッキ全体がこの《信仰無き物あさり》により一段階上のレイヤーに昇華したといえます。

■セレズニアカンパニー

Insight Esports Historic Open:準優勝/By Francisco Sanchez【インポートデータ
デッキリスト
4:《枝重なる小道/Branchloft Pathway
4:《寺院の庭/Temple Garden
4:《平地/Plains
4:《森/Forest
2:《ハシェプのオアシス/Hashep Oasis
2:《陽花弁の木立ち/Sunpetal Grove
20 lands


4:《精鋭呪文縛り/Elite Spellbinder
4:《ラノワールのエルフ/Llanowar Elves
4:《エメリアのアルコン/Archon of Emeria
4:《スカイクレイブの亡霊/Skyclave Apparition
4:《カザンドゥのマンモス/Kazandu Mammoth
4:《恋煩いの野獣/Lovestruck Beast
4:《光輝王の野心家/Luminarch Aspirant
3:《漁る軟泥/Scavenging Ooze
1:《傑士の神、レーデイン/Reidane, God of the Worthy
1:《不屈の神ロナス/Rhonas the Indomitable
33 creatures

 

2:《グレートヘンジ/The Great Henge
1:《エメリアの呼び声/Emeria’s Call
4:《集合した中隊/Collected Company
7 other spells


3:《石の宣告/Declaration in Stone
3:《変容するケラトプス/Shifting Ceratops
2:《傑士の神、レーデイン/Reidane, God of the Worthy
2:《安らかなる眠り/Rest in Peace
2:《巨人落とし/Giant Killer
2:《スレイベンの守護者、サリア/Thalia, Guardian of Thraben
1:《秋の騎士/Knight of Autumn
15 sideboard cards

2週連続で開催されたInsight Esportsによる$5,000 Historic Open。高橋優太、Luis Salvattoというトッププロに優勝こそ阻まれてしまったものの、2週連続準優勝という輝かしい成績を残しているのがこのセレズニアカンパニーです!

スタンダードでお馴染みの《恋煩いの野獣》《カザンドゥのマンモス》《グレートヘンジ》のパッケージを組み込みつつ、《スカイクレイブの亡霊》や《エメリアのアルコン》といったクリーチャーで相手を妨害しながら殴る、比較的シンプルな構造になっています。

これまでにも存在していたデッキでしたが、セレズニアカンパニーを大幅に強化したのがこのPVこと《精鋭呪文縛り》。そのまま3マナでプレイしてももちろん強力ですが、《集合した中隊》によりインスタントタイミングで出すことで、相手のプランを崩すこともあります。

カラーリングの都合上これまで盤面にしか触れませんでしたが、このPVが加入したことにより相手の手札に干渉できるようになり、全体除去やコンボデッキに対する耐性が大幅に上がりました。

そして注目なのがサイドボードの《安らかなる眠り》。ラクドスアルカニスト、イゼットフェニックス、《奔流の機械巨人》+《マグマ・オパス》コントロールなど、直近で活躍しているデッキの多くが墓地に依存しているため、大いに活躍したであろうことは想像に難くありません。

基本的には「相手の墓地」を追放するのに使われるこのカードですが、副次的に自分の墓地も追放してくれるため、ディミーアローグに効くのもお忘れなく。

一度戦場に出てしまえば《盗賊ギルドの処罰者》も《空飛ぶ思考盗み》も怖くない!《物語への没入》は永遠に7マナ、《湖での水難》はトークンしか倒せなくなります!

■汚れた契約+タッサの信託者コンボ

Insight Esports Historic Open:5勝3敗/By Tommy Harding【インポートデータ
デッキリスト
1:《荒廃踏みの小道/Blightstep Pathway
1:《血の墓所/Blood Crypt
1:《泥濘の峡谷/Canyon Slough
1:《ロークスワイン城/Castle Locthwain
1:《清水の小道/Clearwater Pathway
1:《竜髑髏の山頂/Dragonskull Summit
1:《水没した地下墓地/Drowned Catacomb
1:《進化する未開地/Evolving Wilds
1:《寓話の小道/Fabled Passage
1:《異臭の池/Fetid Pools
1:《冠雪の沼/Snow-Covered Swamp
1:《島/Island
1:《河川滑りの小道/Riverglide Pathway
1:《冠雪の島/Snow-Covered Island
1:《山/Mountain
1:《尖塔断の運河/Spirebluff Canal
1:《蒸気孔/Steam Vents
1:《硫黄の滝/Sulfur Falls
1:《沼/Swamp
1:《欺瞞の神殿/Temple of Deceit
1:《湿った墓/Watery Grave
1:《ゼイゴスのトライオーム/Zagoth Triome
22 lands


2:《タッサの神託者/Thassa’s Oracle
1:《願いのフェイ/Fae of Wishes
1:《破滅の龍、ニコル・ボーラス/Nicol Bolas, the Ravager
1:《海門の嵐呼び/Sea Gate Stormcaller
5 creatures

 

1:《覆いを割く者、ナーセット/Narset, Parter of Veils
1:《イゼット副長、ラル/Ral, Izzet Viceroy
1:《精神迷わせの秘本/Mazemind Tome
1:《願い爪のタリスマン/Wishclaw Talisman
1:《アズカンタの探索/Search for Azcanta
1:《血の長の渇き/Bloodchief’s Thirst
1:《表現の反復/Expressive Iteration
1:《絶滅の契機/Extinction Event
1:《信仰無き物あさり/Faithless Looting
1:《不気味な教示者/Grim Tutor
1:《コジレックの審問/Inquisition of Kozilek
1:《衰滅/Languish
1:《首謀者の収得/Mastermind’s Acquisition
1:《方程式の求解/Solve the Equation
1:《思考消去/Thought Erasure
1:《思考囲い/Thoughtseize
2:《汚れた契約/Tainted Pact
1:《多元宇宙の警告/Behold the Multiverse
1:《渦まく知識/Brainstorm
1:《喪心/Cast Down
1:《検閲/Censor
1:《塵へのしがみつき/Cling to Dust
1:《取り除き/Eliminate
1:《致命的な一押し/Fatal Push
1:《無情な行動/Heartless Act
1:《記憶の欠落/Memory Lapse
1:《選択/Opt
1:《否定の契約/Pact of Negation
1:《プリズマリの命令/Prismari Command
1:《シルンディの幻視/Silundi Vision
1:《至高の意志/Supreme Will
1:《ヴァラクートの覚醒/Valakut Awakening
33 other spells


1:《霊気の疾風/Aether Gust
1:《悪夢の詩神、アショク/Ashiok, Nightmare Muse
1:《肉儀場の叫び/Cry of the Carnarium
1:《軽蔑的な一撃/Disdainful Stroke
1:《強迫/Duress
1:《永遠神の投入/Enter the God-Eternals
1:《墓掘りの檻/Grafdigger’s Cage
1:《死の飢えのタイタン、クロクサ/Kroxa, Titan of Death’s Hunger
1:《神秘の論争/Mystical Dispute
1:《影の評決/Shadows’ Verdict
1:《魂標ランタン/Soul-Guide Lantern
1:《汚れた契約/Tainted Pact
1:《タッサの神託者/Thassa’s Oracle
1:《思考のひずみ/Thought Distortion
1:《嘘の神、ヴァルキー/Valki, God of Lies
15 sideboard cards

デッキリストが長い!編集さんごめんなさい!!

成績自体は5-3と並ですが、新デッキの可能性を加味してピックアップ。

1.1.1.1….と並ぶカードたち、そして2枚ずつ入った《汚れた契約》《タッサの神託者》。もうお分かりでしょう。コンボパーツ2枚以外はハイランダー(1枚)で構築された、新機軸のコンボデッキです!

汚れた契約》と《タッサの神託者》の2枚を手札に揃えればコンボスタート!この2枚が手札にある=ライブラリーはすべて1枚になっているので、《汚れた契約》でライブラリーをすべて追放することができ、その後に《タッサの神託者》出すことによりゲームに勝利します。

使用したリソースは2枚と4マナのみという超お手軽コンボであり、構築難易度こそ高いものの、ヒストリックの広大なカードプールから様々なカードを採用することができるため、ハイランダーとは思えないほどの安定感を実現しています。

タッサの神託者》と《汚れた契約》のコンボですが、《汚れた契約》で《タッサの神託者》をサーチすることができるので、《汚れた契約》2枚でもコンボが成立します。そのため汚れた契約》をコピーして即ゲームに勝てるように、《海門の嵐呼び》が採用されているようです。盤面をさばくときに《致命的な一押し》をコピーするなど、コンボ以外の用途もありそうですね。

コンボパーツ以外は全部1枚ずつという制約のためか、このリストでは赤をタッチして《信仰無き物あさり》《ヴァラクートの覚醒》といったドローソース、《破滅の龍、ニコル・ボーラス》といったパワーカードを採用しています。僕がこれまで見たリストだと、緑をタッチして《探検》《成長のらせん》そして《新たな芽吹き》(これもミスティカルアーカイブですね)を採用したパターンもありました。

また僕が個人的に調整しているものは青黒2色でまとめて、青黒コントロール風に動けるよう、メインから《奔流の機械巨人》を採用したりもしています。

デッキの根幹以外はかなり自由に構築できる、楽しくかつ可能性を感じる新世代のコンボデッキ。ぜひあなただけの信託者+契約コンボを作ってみてください!

■終わりに

メタ上のポジション良し、デッキパワー大幅アップと、まさに今が旬なラクドスアルカニストがこのままトップを走り続けるのか、それともアルカニストキラーなジャンド系(カンパニー・フード)が台頭してくるのか。

実は先週の大会でもジャンドフードが久しぶりに上位(3位)に残っており、復権の兆しを予感させています。

メタが回れば、またコイツらの出番が来そうな予感。

今週末にもヒストリックで3,000$OPEN、そしてPTQと大型大会が開催されます。これらの大会の結果が今後のメタゲームを左右することになるでしょう。楽しみですね。

それでは今回の記事はここまで。次回の記事は5月中旬、ライバルズリーグ#6のレポートをお届けする予定です。
正念場なので頑張ります&応援よろしくお願いします!


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