MTG │ GPレポート │ 高橋優太【GPバンコク】

Hi,
先週末はグランプリバンコクに参加しました。
以下そのレポートです。

■エルドレインのシールド

MTGアリーナで何度かシールドを練習した感覚では、色の強さは黒→緑→青→赤→白の順です。

エルドレインの王権での黒はベストだと考えています。

黒は《パイ包み/Bake into a Pie》《壮大な破滅/Epic Downfall》等の除去が優秀で、《失われた軍団/Lost Legion》《意地悪な後見人/Wicked Guardian》で中盤を安定させつつ、《墳丘の魔女/Barrow Witches》《夜の死神/Reaper of Night》で後半のアドバンテージも手堅い。

特に《夜の死神/Reaper of Night》は手札破壊に4/5飛行が付いてきて、長引きやすいシールドで輝くカード。

2番手は緑。

前回の記事でも述べたように環境のサイズに3/3以下が多いので、4/4以上がコモンに居る緑はシールドで主力になりやすい色です。

MTG │ 攻略記事 │ 高橋優太【エルドレインの王権リミテッドについて】

3番手は青。「出来事」を持つカードに対して、コンバットトリックの場合は《共に逃走/Run Away Together》のようなバウンスで対象不適正にすれば「出来事」スペルとクリーチャーの両方を防げます。

同様に《無礼の罰/Didn’t Say Please》で打ち消すことで「出来事」の両方をケアできます。「出来事」があるおかげで、打消し呪文をメインに入れることが肯定される環境です。

不可解な幻視/Unexplained Vision》はコモンですが、一徹してプレイした場合はゲームを支配するほどの性能があります。強さの割にドラフトで流れて来やすいのも良い所。

白はシールドを20回以上やってもほとんど使いませんでした。

クリーチャーの質が低く相手の4/4以上に手こずりますし、クリーチャー強化呪文が多いせいで相手の除去やバウンスに2対1交換されがち。
ただここは経験値が少ないだけかも知れないので、もっと試行回数を増やして行きたいです。

■シールドデッキ

1《ヴァントレスのガーゴイル/Vantress Gargoyle
1《通路の監視者/Corridor Monitor
1《恋に落ちた剣士/Smitten Swordmaster
1《黒槍の模範/Blacklance Paragon
1《厚かましい借り手/Brazen Borrower
1《ヴァントレスの聖騎士/Vantress Paladin
1《ロークスワインの聖騎士/Locthwain Paladin
1《鋼睨みのグリフィン/Steelgaze Griffin
1《墳丘の魔女/Barrow Witches
2《月明かりの掃除屋/Moonlit Scavengers
1《夜の死神/Reaper of Night
1《煮えたぎる大釜/Scalding Cauldron
1《魔法の井戸/Witching Well
1《壮大な破滅/Epic Downfall
1《魂裂き/Reave Soul
1《黄金の卵/Golden Egg
1《神秘の論争/Mystical Dispute
1《魔法の眠り/Charmed Sleep
1《凶兆の果実/Foreboding Fruit
1《カボチャ変化/Turn into a Pumpkin
1《パイ包み/Bake into a Pie
1《不可解な幻視/Unexplained Vision
1《神秘の聖域/Mystic Sanctuary
9《島/Island
7《沼/Swamp

サイドボード
1《選択/Opt
1《蛙化/Frogify
1《永遠の若さ/Forever Young
1《よろめく鎧/Shambling Suit


青が一徹するとメリットのカードがあり、序盤に出すカードも青が多いので青寄せの構築。
土地バランスは10:7、もしくは11:6でどちらかに寄せることが多いと思います。

蛙化/Frogify》は最後まで入れるか悩みましたがサイド落ち。こちらのデッキのクリーチャーが多くないため1/1とも付き合う必要があり、相手が白や赤の横並べ戦略だった場合はあまり良いカードではないです。
サイズ重視の緑デッキだった場合にサイドインしていました。

強力レアの《厚かましい借り手/Brazen Borrower》を多く引ける幸運もあり、初日8-1で2日目へ。

■1stドラフト

1《石とぐろの海蛇/Stonecoil Serpent
2《恋に落ちた剣士/Smitten Swordmaster
1《通路の監視者/Corridor Monitor
1《惑乱スプライト/Hypnotic Sprite
1《誘いの魔女/Tempting Witch
1《失われた軍団/Lost Legion
1《氷の女王/Queen of Ice
2《意地悪な後見人/Wicked Guardian
1《厳格な者、コンラッド卿/Syr Konrad, the Grim
1《墳丘の魔女/Barrow Witches
1《鋼睨みのグリフィン/Steelgaze Griffin
1《月明かりの掃除屋/Moonlit Scavengers
2《魔法の井戸/Witching Well
1《魂裂き/Reave Soul
1《壮大な破滅/Epic Downfall
2《魔法の眠り/Charmed Sleep
1《カボチャ変化/Turn into a Pumpkin
1《カラスの仕返し/Revenge of Ravens
1《不可解な幻視/Unexplained Vision
1《ヴァントレス城/Castle Vantress
1《魔女の小屋/Witch’s Cottage
7《島/Island
8《沼/Swamp

サイドボード
2《巨人の串/Giant’s Skewer
1《墳丘の魔女/Barrow Witches
1《魔女の復讐/Witch’s Vengeance
1《魔術遠眼鏡/Sorcerous Spyglass


1-1

色を決めずに使える強力レア。この環境の理想の初手ピックです。

1-2

環境最高の除去をピック。レア抜けのパックでしたが、《壮大な破滅/Epic Downfall》はアンコモンの中でもトップです。

1-3

弱めのパックだったので、黒を主張するためにピック。このカード自体は後半でも無駄になりにくく好きです。

1-4

出来事をスムーズに対処できるバウンスは強いです。初手級だと思っているので、このカードが流れてくると青のサインかなと考えます。

2-1

3/3サイズが多いので相手の4マナ域とも交換しやすい優秀除去。

2-2

2-3

サイズ関係なく除去できるカードは大事。

3-1

1枚でゲームに勝つフィニッシャーを引きました。コンラッドは大体のレアより強いです。

3-2

土地含めて良いバランスのデッキが出来ました。しかし3戦目に青黒ライブラリーアウトに手も足も出ず敗北して2-1。
こちらの壁クリーチャーや《カラスの仕返し/Revenge of Ravens》が無駄カードになってしまうため、青黒の遅いデッキ対決ではライブラリーアウト側が圧倒的に有利です。

ライブラリーアウトに当たった時は、サイド後にデッキ枚数を増やしたり《永遠の若さ/Forever Young》を入れてライブラリーを増やすのですが、十分なカードが足りずにサイド後も戦略を変えられませんでした。

青黒を組むなら《永遠の若さ/Forever Young》のピックは意識したいですね。

「ライブラリーアウト対策!」

■2ndドラフト

1《邪悪な貴族/Malevolent Noble
4《失われた軍団/Lost Legion
2《誘いの魔女/Tempting Witch
1《残忍な騎士/Murderous Rider
2《意地悪な後見人/Wicked Guardian
1《揺るぎない騎士/Resolute Rider
2《鋼睨みのグリフィン/Steelgaze Griffin
1《墳丘の魔女/Barrow Witches
1《沼のいたずら好き/Bog Naughty
1《月明かりの掃除屋/Moonlit Scavengers
1《夜の死神/Reaper of Night
1《魂裂き/Reave Soul
2《黄金の卵/Golden Egg
1《カボチャ変化/Turn into a Pumpkin
1《パイ包み/Bake into a Pie
1《魔法の馬車/Enchanted Carriage
11《沼/Swamp
6《島/Island

サイドボード
1《切望するマーフォーク/Wishful Merfolk
2《無礼の罰/Didn’t Say Please
1《物語への没入/Into the Story
1《魔法の井戸/Witching Well
1《ヴァントレスの聖騎士/Vantress Paladin
1《魔術遠眼鏡/Sorcerous Spyglass
1《死霊の金切り声/Specter’s Shriek
1《神秘の聖域/Mystic Sanctuary


1-1

他の候補がそこまで強くないコモンばかりだったので、使えたときに強力なカードをピック。黒単を意識します。

1-2

初手とも噛み合う強力なアンコモンをピック。黒は強いアンコモンが多いです。

1-3

2手目の都合で、食物カードを優先してピック。このカードはその後の受けも広がるので序盤にピックしやすいです。

1-4

色関係なく使える良いカード。4手目は嬉しい。

1-5

単体で非常に強力なカードで、5手目に来るなら緑黒が空いているかも。緑黒食物を検討します。

2-1

強力なアンコモンも除去できるので評価高いです。《パイ包み/Bake into a Pie》の次くらい。

2-2

黒を主張したおかげで最高のプレゼントが届きました。

2-3

1パック目で緑のカードがほとんど流れてこなかったので、ここで青への転向を考えます。

3-1

重いので複数入れにくいですが、サイズもバウンスも良いカード。

3-2

レア抜けでしたが、それでもトップコモンが取れてラッキー!

3-3

沼のいたずら好き/Bog Naughty》用の食物が取れていないのと、《月明かりの掃除屋/Moonlit Scavengers》のシナジーも考えて早めにピック。

序盤に黒単ピックしたことで黒のカードは十分集まりましたが、2色目を決めかねていたせいで2マナ域が不足しています。

ただ《失われた軍団/Lost Legion》4枚なので3ターン目以降はスムーズに動けそうです。3ターン目の《失われた軍団/Lost Legion》を確定させるためにも沼11にしました。

赤黒騎士、白赤騎士と当たり、後手で《魂裂き/Reave Soul》をちゃんと引ける幸運もあり2-0。
3戦目はID(合意の引き分け)して、トップ8進出!

■決勝ドラフト

1《マーフォークの秘守り/Merfolk Secretkeeper
1《フェアリーの荒らし屋/Faerie Vandal
1《惑乱スプライト/Hypnotic Sprite
1《願いのフェイ/Fae of Wishes
1《氷の女王/Queen of Ice
1《秘本の略奪者/Tome Raider
1《誘いの魔女/Tempting Witch
1《誓いを立てた騎士/Oathsworn Knight
1《残忍な騎士/Murderous Rider
1《意地悪な後見人/Wicked Guardian
1《鋼睨みのグリフィン/Steelgaze Griffin
1《滝の賢者/Sage of the Falls
1《沼のいたずら好き/Bog Naughty
1《厳格な者、コンラッド卿/Syr Konrad, the Grim
1《月明かりの掃除屋/Moonlit Scavengers
1《夜の死神/Reaper of Night
1《選択/Opt
1《黄金の卵/Golden Egg
1《湖での水難/Drown in the Loch
2《魔法の眠り/Charmed Sleep
1《欲深い衝動/Covetous Urge
1《不可解な幻視/Unexplained Vision
1《神秘の聖域/Mystic Sanctuary
1《魔女の小屋/Witch’s Cottage
8《島/Island
7《沼/Swamp

サイドボード
2《鋼睨みのグリフィン/Steelgaze Griffin
1《永遠の若さ/Forever Young
1《乱闘の華/Belle of the Brawl
1《選択/Opt
2《ヴァントレスの聖騎士/Vantress Paladin
1《荒くれたちの笑い声/Outlaws’ Merriment


1-1

文句なしの最強クラスの神話レアをピック。赤白騎士を意識します。

1-2

と思いきや黒の強力アンコモンが流れて来たのでピック。ドラフトの序盤は色にこだわらず、単純に性能でピックして空いている色に行きます。

1-3

2-1

また強力レアを引いてしまった。これで黒を確定、2色目を考えます。

2-2

後半の土地をスペルに変えて、「2枚目のカードを引いたとき○○」効果とシナジーがある強力アンコモン。流れてきたので青は空いていると考えます。

2-3

壁として相手の5マナ域まで止めますし、願いとして使っても良い。青は空いてそう。

3-1

2マナでありながら3/4飛行まで育つ、プレミアムアンコモン。

3-2

一緒のパックにFoilの《貪るトロールの王/Feasting Troll King》と《カタカタ橋のトロール/Clackbridge Troll》がいて頭を抱えました。
カタカタよりもコンラッドの方が強いです。

3-3

3ターン目に出すと8点以上は持っていけます。黒のポジションは成功してそう。

3-4

青も黒も理想的なポジションにいたと思います。このGPでは青黒ばかりやっていましたが、その中でも最高の青黒が組めました。
優勝できるデッキかと期待しましたが、松本さんの赤単に先手で押し込まれて1没。
怒り狂うレッドキャップ/Raging Redcap》に除去を打つか壁を出すかの2択で壁を出して、巨大化で10点くらい負け。素直に除去すべきでした。

■おわりに

青黒は一周するようなカードでも強いデッキを組みやすく、比較的成功しやすいアーキタイプです。
鋼睨みのグリフィン/Steelgaze Griffin》《不可解な幻視/Unexplained Vision》など5マナ以上が増えやすいので、3マナ以下が9-10枚になるようなピックを目指したいですね。

今回のGPトップ8で来年のプロツアーの権利も獲得できたので、またしばらくはプロとして情報発信をして行きます。
それではまた。

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