MTG │ 解説記事 │ 高橋優太【リミテッド:コモンランキング】

先週末はプレリリース期間でしたね。

僕も友人たちと『ファイレクシア:完全なる統一』の紙でのドラフトを楽しみました。その経験をもとに、今回はリミテッドの所感をランキング形式で紹介していきます。

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■環境の第一印象

毒性を持つクリーチャーの、序盤のプレッシャーが大きいです。毒10個による敗北が早まり、毒3個での「堕落」達成によってカードの質が上がることが要因です。

2ターン目にクリーチャーを展開できないと、そのままフリーで攻撃されて毒カウンターを得てしまいます。そのため2マナ域のクリーチャーは4-5枚は必要で、2ターン目にパスすることは避けたいです。1度毒を得ると増殖で増やされてしまいますからね。

2マナクリーチャーの多くが2/1、2/2、3/1といったサイズで、2マナクリーチャーを出せば概ね相手の2マナクリーチャーを止めることが出来ます。

前述の通り、毒を受けることはダメ―ジよりも敗北に直結しやすいため、「コンバットトリックが怖いから、このターンは攻撃をライフで受ける」といった選択が、通常クリーチャーと比べて取りにくいのが毒性クリーチャー。必然的に毒性デッキは、コンバットトリックが自然と使える印象です。

毒性持ちがブロックされ易い分、コンバットトリックがあれば有利に戦闘を進められて、《完成化の祈り》や《迷宮の外套》は毒性持ちであればボーナスが付きます。

威迫持ちの《シェオルドレッドの首狩り》で攻撃して、ダブルブロックされた所を《不死性の提供》で一方的に戦闘を行う、なんてことも起こります。(どちらもドラフトで点数安めなのが良い)

ドラフトをやった印象として、各色とも2マナ域はクリーチャーの枚数を埋められやすいですが、3マナ域は不足しがちです。3マナ域で強いアクションが少ないので、強い3マナ域が貴重。

特にこの5種類は、それぞれの色をやる上でデッキの中心になりやすく、どれも5-6手目以内には消えている、強いコモンの印象です。

今回の除去は少し弱めなので、相手のクリーチャーを除去するより、質の良いクリーチャーで応戦する方が強い盤面を作りやすいです。

今回のセットに「+1/+1カウンターを置く」「-1/-1カウンターを置く」能力は存在せず、増殖で増やすのは毒カウンターや油カウンターが中心です。

増殖が初登場した『ミラディンの傷跡』ブロックと比較して、増殖が弱めに設定されています。

多色化するためのマナサポートもあります。しかし、《予言のプリズム》《ファイレクシアの大地図》などで序盤を過ごすと、毒性持ちにフリーで攻撃されることになります。

多色化してまで使いたいカードが少ないので、基本的には2色でアグロデッキになることが多いです。もっと遅い環境なら《予言のプリズム》《ファイレクシアの大地図》は役立ちますが、今回はどちらも置いている余裕がなく、マナ変換は弱め。

タップインのドロー土地はドラフトでは概ね1週以上しますが、取っておくと後半のマナフラッドが減り、デッキが引き締まります。

デッキに2-3枚は入れても大丈夫ですが、4枚を超えるとタップインが多すぎて展開に支障が出るので注意。

ここからは、各色のコモントップ5を紹介していきます。

■白コモントップ5

1位


プレインズウォーカーにも触れる《平和な心》です。今回、通常レアのプレインズウォーカーが複数いるため出されやすく、それらに対してコモンで対応できるのが強み。

しかし、《久遠への消失》《人喰い梢》などエンチャントを対処するカードを撃たれる可能性があり、《次元の撹乱》を付けたクリーチャーを生贄にされたりもして、除去として完璧ではないので、過信は禁物。

2位

ダニの突撃》は除去として使う事が多く、白はダニ・トークンを多く並べられる色なので、3-4点のダメージとして運用できます。インスタントタイミングでダニ・トークンを出せるので、2マナの《大顎の大司法官》を4/3にする動きも良く起こります。

3位

高スタッツで、2位の《ダニの突撃のダメージも上がります。しかし、ダニ・トークンの「ブロックに参加できない」デメリットにより、ブロック出来るのが本体の3/3飛行のみになるので、守りに回っている時は弱め。

4位

飛行により継続して毒カウンターを与えやすく、同じく白コモンの《切歯の滑空機》の堕落を達成して、飛行で攻めていきます。

5位

軽くて優秀な毒性持ちで、自ターン先制攻撃により、コンバットトリックである《完成化の祈り》を強く使えます。

総評

白は全体的にクリーチャーの質が高く、低マナが強いためマナカーブも綺麗に組みやすいです。1マナ毒性持ちの《這い回る合唱者》も十分プレイアブルで、コモンが最も強い色です。

■青コモントップ5

1位


タフネス4飛行で多くのクリーチャーを止めてくれて、油カウンターを消費すれば最大パワー4で、攻守ともに強いです。

2位

搭乗のパワー3を用意できなくても自身の能力でクリーチャー化出来るので、相手からしたら攻撃しにくいです。他の色にサイズ負けしやすい青ですが、5/5警戒は攻守ともにエース級。油カウンターを増殖すれば、継続してクリーチャー化出来ます。

3位

除去兼増殖要因。

4位

青は他の色に比べて2マナ域が弱いため、2マナを優先する意味でこの位置に。序盤は相手の2マナ域をブロックしつつ、増殖や呪文のプレイでカウンター4つを達成できれば、ブロックされない3/3で攻めていきます。

5位

単体で見た性能は非常に高いのですが、タフネス3が相手の3マナ域や4マナ域と相打ちになってしまいます。

青は序盤のクリーチャーが弱いため守りに回ることが多く、その時に4/3というサイズが弱め。ただ、盤面を作れていれば4/3飛行はもちろん強いので、これが出る前の序盤のマナカーブをしっかり組む必要があります。

■黒コモントップ5

1位

インスタント・2マナ・追放・堕落を達成したら完全除去と、非の打ち所がない!紛れもなく1位で、このセットの最強コモンです。

2位

相討ちしながらダニ・トークンを残すので、攻守ともに活躍します。何枚あっても嬉しい。

3位

プレインズウォーカーも倒せるコモン除去。今回レアのプレインズウォーカーを出される頻度が高いので、《次元の撹乱と同様にコモンでプレインズウォーカーを倒せるのが大事。なるべくダニ・トークンを出せるデッキで、1マナでも使えるようにデッキを組みたい。

4位

軽い毒性持ちを高評価。5位の《伝染させる吸血者》と比較して、守っているときでも相打ちしやすく増殖で得するので、この位置です。

5位

飛行で毒カウンターを貯めやすいですが、守っているときに相打ちを取りにくく、タフネス1をまとめて除去するカードが存在する環境なので、この位置です。

総評

黒は除去は強いのですが、クリーチャーのタフネスが全体的に低め。メインカラーと言うよりは、他の色と組ませたい色です。

■赤コモントップ5

1位

1マナでテンポよく除去出来ます。毒性持ちに4点のオプションも強く、4マナや5マナの毒性クリーチャーを1マナで倒せたら、ゲームがかなり有利になります。

2位

3マナ3点で十分強いですが、青赤や赤緑など、油カウンターを参照する能力と組み合わせることで、より強く使えます。

3位

自身が5マナ4/5速攻という高スタッツで、他のクリーチャーにも速攻を付与できるので一気に攻めていけます。4/5というサイズはクリーチャー1体では止まりにくい!

4位

レベル・トークンが相討ちした後は装備品としても運用できる、良い2マナ域。+1/-1修正により、装備したクリーチャーが自身の上のマナ域のクリーチャーとも相打ちできるようになります。

5位

自身が2/3威迫と良いスタッツながらメリット能力2つ付き。《逆棘の叩拳》《ヴァルショクの割り斧》を軽くしてくれて、これらを装備しても良し。装備品がテーマの赤白で使うと、より強いです。

総評

赤はコモンの質が全体的に高く、ランクインしなかったものでも《爆片投げ》《アクシオムの彫版師》と良い2マナ域が居て、除去も《溶鉄の咎め》があります。

■緑コモントップ5

1位


クリーチャーもここまで強くなったかと感心する性能。流れてきたら緑をやる理由になる、トップコモンです。

2位

+1/+2により1サイズ大きい相手も除去できる格闘呪文。

3位

攻撃時に5/4でアンタップと高性能で、油カウンターを参照する能力ともシナジーあり!

4位

カウンターを貯める必要がありますがマナクリーチャーとして機能します。気軽に油カウンターを貯めれるので、5位の《油喰らいのトロール》とも相性良し。

5位

油カウンターを用意できれば1ドローが付いて来て、コモンとしては破格の性能になります。《格子刃のカマキリ》《錆蔦の培養者》と組み合わせていきましょう。

総評

緑はクリーチャー・格闘呪文の質が共に良く、マナカーブも埋まりやすい、強い色です。

■おわりに

コモン全体で見た、1位から5位はこちら!

苦痛ある選定》が最強コモンですが、緑も強コモン2種類がランクイン。色の強さは、白>赤=緑>黒>の順だと考えています。

早速、MTGアリーナでのドラフトでも試してみて下さい。

それではまた。


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