MTG │ 戦略記事 │ 高橋優太【アリーナオープンに向けた『神河:輝ける世界』リミテッド講座】

今週末、MTGアリーナ上で2日制の賞金イベント「アリーナオープン」が開催されます。

初日はシールド戦で、BO1(サイドボードなしの試合形式)もしくはBO3の選択形式。2日目はBO3ドラフトで6勝以上で賞金獲得。フォーマットは『神河:輝ける世界』のリミテッドにて行われます。

初日のシールド戦については1日に何度も参加することが可能で、BO1とBO3をその都度選んでジョインできます。

イベント詳細はこちら→公式サイト

今回の記事では、アリーナオープンに向けて神河リミテッドを考察して行きます。

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■セットの基本知識

環境の基本のサイズは2/1と2/2と2/3と3/2です。3マナ以下のクリーチャーの殆どがこのサイズです。セット全体のクリーチャーのサイズが小さめ。

これが何を意味するかというと、パワー3かつタフネス4以上の価値が高い環境だという事です。

3/3や4/3だと3/2と相打ちしてしまいますが、3/4以上になると相手の3マナ域を止める事が出来るようになります。3/3と3/4を比べると、見た目以上に戦闘性能に差があります。

コモンで戦線を支えやすいのはここらへんのタフネス4軍団。緑は他の色よりも1サイズ大きく、《樹海の保護者はコモンのエースと言える性能です。

通常のリミテッド環境では1マナ1/1が弱い傾向にありますが、今回は1マナ域も大事。「忍術」という能力がある環境なので、1マナの回避能力持ちは十分デッキに入ります。

デッキによってはアーティファクトのシナジーや「改善」能力のために、《鉄の弟子》を入れる場合もあります。

1ターン目から4ターン目までクリーチャーの展開が求められる、かなり序盤の動きが重要となる高速環境です。
クリーチャーの多くがエンチャントやアーティファクトでもあるので、《古代への衰退》は除去として機能します。

相手のエンチャント除去を破壊することも多いので、メインに3枚入れても大丈夫。

ここらへんはエンチャントかアーティファクトの片方しか破壊できない限定的な除去なので、入れすぎに注意。入れても1枚程度です。

序盤の展開にかなり寄っているので、マナカーブを軽くする必要があり、5-6マナの重いカードは2-3枚程度です。

後半のマナフラッドが許容されない環境なので、土地は16枚。ただ2色で基本土地8枚:8枚だと色マナ枚数が不安なので、《陰鬱な僻地》などの2色土地1枚+8枚:7枚の基本土地が理想です。

しかしタップイン土地が展開を阻害する場合も多く、入れすぎても序盤遅れるので、2枚はなるべく入れたくない印象。

序盤にマナトラブルで出遅れるとあっさり負けるので、基本的には2色でデッキを組み、3色目のタッチはしない事が多いです。

■白

アンコモンTOP3

払拭の斬撃》は除去出来る範囲が広い上に、条件を満たせば2/2警戒が付いてくるスーパー除去。タップ状態のクリーチャーを破壊するので、相手が白い時はシステムクリーチャーは《払拭の斬撃ケアで攻撃しない選択肢もあります。攻撃して《放浪者の介入で4点ダメージを受けても嫌ですからね。

白はクリーチャー・エンチャントが多いので、《魅知子の真理の支配》は+2/+2や+3/+3でダメージを稼ぎやすいです。なおかつ変身後《魅知子の肖像は2/2や3/3になり、2マナとしては破格の性能です。

神河はお互いに攻撃し合って激しいダメージレースをする環境なので、絆魂を付与する《無私の侍》は素晴らしく、しかも味方の重要なクリーチャーを破壊不能で守れます。2マナ域のクリーチャーで最高峰です。

相討ちしたクリーチャー・エンチャントを《詩人、山崎典華で回収して行く動きも強いです。

君主今田の凋落は状況を選ぶ除去で、プレイできないこともしばしばありますが、特にシールド戦は相手のレアに対処するために入れています。変身後が弱いので、ほぼ単体除去扱いです。

コモンTOP3

蛾乗りの巡回兵》は忍術の種として良い飛行持ちで、後半もタッパーとして機能するので1位です。侍なので《祖先の刀》を付けて3/2飛行で攻撃する動きも強い!

仲裁者の拘束》は除去ではあるのですが、環境にエンチャント破壊が多いため、過信は禁物。

放浪者の介入》は使いにくい場面もあるのですが、軽くてタフネス4に触れる除去なのでランクイン。2/3絆魂の《金之尾の門弟》とどちらを3位にするかで迷いました。


最初は全然デッキに入らないくらいの印象でしたが、使っていくうちに《皇国の契り》の評価が上がってきました。

神河はクリーチャーサイズが小さく除去が強いので、2/2警戒を3体出すのは実は環境に合致してます。特にシールドでは、デッキの最後の1枚に迷ったら《皇国の契りがおススメ。

■青

アンコモンTOP3

語られざるものの警告》は英雄譚の弱点である「出たターンに何もしない」を-2/-0能力が補っています。その上で2章は2占術2ドローか4ドローと超強力。相手に4ドローされると大体負けたなと思います。最終的には巨大な飛行クリーチャーになり、攻めても守っても強いカードです。

複製の専門家》は生き残ってターンが帰ってきたら、コピー能力で大体勝ちます。しかも3/4飛行と高スタッツ。

逸失叡智の御神体はタフネス4でガッチリ飛行を止めてくれて、自身が攻撃出来るので忍術の種にもなり、膠着したらライブラリーアウトを狙えるナイスガイ。

コモンTOP3

お互いに攻撃し合う環境なので、相手のブロッカーをどかせる《月罠の専門家》はダメージレースをひっくり返します。忍術よりも4マナでプレイすることの方が多いです。相手の+1/+1カウンターが乗ったクリーチャーを戻せれば最高!

月回路のハッカー》は忍術の軽さから2アクション取りやすく、これが存在することが神河が高速環境な理由だと思います。

ネットワークの攪乱者》は忍術の種になりつつ、出し直して相手のブロッカーをタップする動きが素晴らしいです

青はコモンの平均点が高く、トップ3以外のカードも十分強いです。

タミヨウの完成化はエンチャントである点から破壊されやすいですが、瞬速で相手の装備品を剝がしたりと便利。ただ重い除去なので入れすぎには注意。

忍術を匂わせてアタック→ブロックされたら《装身という動きも自然と行えます。環境が3/3以下のクリーチャーばかりなので、4/5で有利な戦闘を取れることが多く、1ドローも付いてます。

神河はクリーチャーの展開or除去という展開になりやすいので、序盤は打ち消し呪文を構える余裕はなく、メインに入らずサイドボード行きになることが多いです。

相手の重いレアが強かったり、プレインズウォーカーや英雄譚を見たなら《呪文貫きなどの打ち消しのサイドインを考えます。

■黒

アンコモンTOP3

タフネス1が多い環境なので、《梅澤俊郎の生涯》は-1/-1で除去した上で最終的に2/3と、2マナとしては破格の性能!相手にタフネス1が居ない場面でも、+2/+2してかなりダメージを稼いでくれるので、無駄になりにくいです。

暗殺者の色墨》は言わずもがな、強い除去。

波止場の料理人》は1マナ域で忍術の種にもなりつつ、後半でもクリーチャーをドローに変えてくれます。

アンコモンTOP3

クリーチャーのサイズが全体的に小さい環境なので、+1/+1修正しただけでも攻撃しやすくなります。《ねじれた抱擁は除去しながらサイズアップするので、実質5-6点以上のダメージを稼いでいることが多く、コモンの中で最強です。

致命的な不具合》は-2/-2でも十分強い除去。

2/2威迫に2点ドレインが付いてくる《大牙勢団の襲撃は黒のエースで、威迫なので忍術しやすく、戻して出しなおす動きも良い!

クリーチャーのサイズが小さい環境なので、一度出た5/5はカード1枚で対処するのが難しく、ダブルブロックや呪文+クリーチャーの合わせ技などを要求してきます。

忍者をやるなら必須とも言えるのが《毒血勢団の影歩き》。ただ3マナクリーチャーを戻して忍術するのは弱いので、2マナ以下のクリーチャーの枚数と相談です。

■赤

アンコモンTOP3

双弾の狙撃手》はお手軽2対1交換を取りやすく、地味に付いている到達も嬉しい。今回のセットは忍術を危惧してか、やたらと到達クリーチャーが多いです。

地震波》は黒の《梅澤俊郎の生涯と同様にタフネス1キラーで、2対1交換を取りやすいです。どの色もデッキにタフネス1が2-3枚が入ることが多いので、わかっていても避けにくいです。相手にタフネス1キラーが多かったらサイド後タフネス1をサイドアウトする選択肢も考えられます。

熊野と渇苛斬の対峙》は神河のセット内でも至高の1マナ域で、2ターン目に2/2を3/3にしつつ3ターン目に速攻でアタックと、かなりダメージを稼いでくれます。裏面の《熊野の食刻の追放能力も、黒や緑の墓地回収カードに対して地味に効きます。1マナ域でありながら中盤に引いてもそこそこ仕事するのが良い!

冒頭でも述べた通り、この環境はデッキ構築を序盤に寄せていることから、マナフラッド時の受けが少ないので、《孤独な鍛錬》はなかなか強力。

コモンTOP3

相手の3マナ域や4マナ域とも交換出来る《電圧のうねり》《神の火炎》の軽さは今回の高速環境に合致しており、赤をやる理由になります。

悪忌の浪人がここにランクインしているのは違和感があるかも知れません。ただ、1/3と最低限のスペックを持ちつつ、赤白や赤黒はマナフラッドしやすい色なので、後半の土地をカードに変えられるのは地味ながら良い仕事をします

赤に限った話ではないのですが、デッキに2枚ほどはルーター能力(カードを引いて捨てる能力)を入れてマナフラッドの受けが欲しいですね。

■緑

アンコモンTOP3

エンチャントやアーティファクトが多い環境なので、《機械壊しの河童》が忍術で出てきた際は何かしら除去してくれます。その上2マナで出しても1/3接死と良い性能。

旋輪脚》は6マナで使うことが多い2体除去で、特に接死クリーチャーと相性が良いです。X=3以上が決まると圧倒的に有利になるので、ゲームがものすごく長引いたときにも《旋輪脚を引けば逆転できる!と希望が持てます。

花咲く跳獣》は5マナ4/4+クリーチャーかエンチャントをサーチと高スタッツで、地味に付いている到達も偉い!

天空に到る母聖樹》の裏面《母聖樹の枝》は7/7を超えてフィニッシャーになることも多い良いカード。戦場に出たターンに盤面に触らないのと、エンチャント破壊を受ける弱点もありますが、緑のデッキならほぼ入ります。

網紡ぎの袖飾り》はかなり固い到達持ちで、クリーチャーに装備すると乗り越えるのが困難です。

コンバットトリックですが、コモンの《樹海の保護者の方が似た効果な上にクリーチャーとしても出せる分優秀で、《物語編み》はあまり強くない印象です。

コモンTOP3

コストの軽さが重要な環境なので、《達人の咎め》が1位。

樹海の保護者》は自身を4マナ4/4にしても良し、3マナ域をサイズアップして殴っても良し、魂力でコンバットトリックにしても良しと、緑のコモンのエースです

樹海の練習生》は戦闘時は3/3と、2マナ域の中でもかなり優秀で、+1カウンターが乗れば攻撃し続けられます。

上記コモンに加えて《せし郎師匠の伝承》により、緑は1サイズ上がって戦闘で優位に立ちまわりやすいです。緑だけ4/4や5/5がすぐに作れます

ただその分軽い除去やエンチャント除去も受けやすいので、《タミヨウの保管》が1枚ほどあると便利。

シールド向きの後半のアドバンテージ源。《樹海の保護者》《せし郎師匠の伝承》を回収しましょう。

序盤のクリーチャー展開が重視される環境なので、3マナでマナ加速する動きはあまり強くない印象です。

特に《大狸はマナ加速としてもクリーチャーとしてもイマイチで、デッキに入れたくない寄りのカード。出してもエンチャント除去されてしまうのがダメです。

基本的に2色環境で、《融合する成長から色をタッチするようなカードも少ないです。

■マルチカラー

ここらへんはエース級の性能なので、これらの枚数次第でメインカラーにする理由になります。

唯一《闇叫び》だけは、緑がタッチで使う可能性あり。

■アーティファクト

アンコモンTOP3

回路の修理屋》は忍術で戻すと1ドローできますし、本体も2/3で2点ゲインと良い性能で、デッキに必ず入るカードです。

継ぎ接ぎ自動機械は赤黒や青赤のアーティファクトシナジーのあるデッキで。

高速ホバーバイク》は飛行で攻撃が通りやすく、忍術で戻して出しなおしてタップする動きが強いです。実質青黒のカード。

コモンTOP3

忍者の苦無》は「改善」の条件を低コストで満たしつつアーティファクトなので、特に赤と相性が良いです。

折り紙細工のおとりは低マナ域の枚数確保として悪くない性能で、シールドではだいたい入っていました。

神社の世話役》は黒の《ねじれた抱擁》とセット運用。青や白のエンチャント除去もサーチできますが少し重いので、除去が足りない時の補助程度として考えており、あまり狙いたくはないです。それと地味に祭殿クリーチャーもサーチできます。


神河は出たターンに攻撃やブロックできる事が重要なので、他に乗り手を必要とする「機体」というテーマ自体が弱め。

機体はアンコモン以上でないと、なるべく入れたくないです。

■おわりに

各色のコモンアンコモンで良く使うものを述べて行きました。

色の強さとしては「黒>青>赤>緑>白」ですが、今回はすごく差があるわけではなく、どの色にもプレイアブルなコモンが多いように思えています。

この記事がアリーナオープンの参考になれば幸いです。

それではまた。


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