MTG │ 大会レポート │ 高橋優太【BIGMAGIC OPEN レガシー】
先週はBIGMAGICさん主催のレガシー大会、BIGMAGIC OPENに参加しました。
以下そのレポートです。
■使用デッキ:イゼット帳簿裂き
イゼット帳簿裂き | |
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デッキリスト | |
2:《溢れかえる岸辺/Flooded Strand》 2:《霧深い雨林/Misty Rainforest》 2:《汚染された三角州/Polluted Delta》 2:《沸騰する小湖/Scalding Tarn》 1:《島/Island》 1:《蒸気孔/Steam Vents》 4:《Volcanic Island》 1:《神秘の聖域/Mystic Sanctuary》 4:《不毛の大地/Wasteland》 19 Lands 4:《ドラゴンの怒りの媒介者/Dragon’s Rage Channeler》 |
4:《表現の反復/Expressive Iteration》 4:《思案/Ponder》 4:《渦まく知識/Brainstorm》 3:《目くらまし/Daze》 4:《意志の力/Force of Will》 1:《稲妻/Lightning Bolt》 1:《紅蓮破/Pyroblast》 4:《邪悪な熱気/Unholy Heat》 4:《ミシュラのガラクタ/Mishra’s Bauble》 29 other spells 3:《紅蓮破/Pyroblast》 |
レガシーでも長らく活躍を続けている、イゼットデルバーと同系統のデッキです。
《秘密を掘り下げる者》を《帳簿裂き》に置き換えて、より長いゲームを見た構成になっています。
《秘密を掘り下げる者》は1マナクリーチャー連打からの《不毛の大地》とテンポよく動ける、マナ効率の良さが強みです。しかしその反面後半引いたときや、変身しないターンが続いたときが弱いです。
比較した時に《帳簿裂き》は2マナと《秘密を掘り下げる者》より重く、序盤から1マナ連打で軽く攻める事は出来ないです。ですが《秘密を掘り下げる者》よりもタフネスが高い為ブロッカーとしての性能が高く、謀議により手札を最適化しやすいメリットがあります。
そしてレガシーは《思案》《渦まく知識》などドロー呪文が強い為、1ターンに2回呪文を唱える事が多く《帳簿裂き》も誘発しやすく、すぐにサイズアップして行きます。
2マナであることで《虚空の杯》X=1に引っかからず、謀議で1マナのカードを捨てて《虚空の杯》X=1の上から勝つ事もあります。
《ドラゴンの怒りの媒介者》《帳簿裂き》《ミシュラのガラクタ》での諜報・謀議によってデッキの安定感が抜群で、《濁浪の執政》を早く出したり《邪悪な熱気》の昂揚達成も容易。
《秘密を掘り下げる者》と比較して、《帳簿裂き》の方がデッキ全体の安定感が高いと考えたので、このデッキを使用しました。
1ヵ月前のレガシー大会では、バントコントロールを使用して入賞しました。その時に気づいたのは、レガシーで中速デッキを使うなら《表現の反復》と《紅蓮破》は必須で、これを使わないのは一方的に不利になってしまうと言う事。
たしかに《自然の怒りのタイタン、ウーロ》は強いカードなのですが、今のレガシーは飛行クリーチャーが多く、ウーロが6点回復する間に8/8の《濁浪の執政》が2回攻撃してウーロの上から勝つ事も多い。
環境を定義しているのは《表現の反復》と《濁浪の執政》であり、それに対抗する《紅蓮破》も必須。今回は考えを改めて、バントコントロールを諦めて素直にイゼットを使いました。
青が強い環境なのでメインから《紅蓮破》ですが、青くないデッキに手札で腐るリスクもあるので1枚が限度だと思います。
メイン1枚でも、《神秘の聖域》があれば墓地から回収できますし、《目くらまし》で《神秘の聖域》を戻す事でもう一度回収できます。
《濁浪の執政》が居る場で《神秘の聖域》で墓地からデッキトップに戻すと、+1/+1カウンターが乗る事は覚えておきましょう。
サイドボードのコンボ対策。
《否定の力》は、序盤の1-2ターンが勝負になるマッチ、リアニメイト、ANT、スニークショー、赤単プリズンなどにサイドイン。
《外科的摘出》はリアニメイトや、《自然の怒りのタイタン、ウーロ》を使うデッキにサイドイン。レアケースですが、自分の墓地のカードを《外科的摘出》で追放することで《濁浪の執政》がサイズアップするのも覚えておきましょう。
イゼット同型対決のサイド後は《紅蓮破》こそが最重要カードであり、《紅蓮破》4枚だけでは足りないので《赤霊破》も追加。《紅蓮破》が強いからこそ、相手の《紅蓮破》から《濁浪の執政》を守るために《水流破》の採用も増えて来ています。
今回の大会はイゼット同型対決が多いと予想したので、合計8枚と多めに《紅蓮破》《水流破》を取りました。
サイド後は《意志の力》4枚、《ミシュラのガラクタ》3枚、《目くらまし》1枚を、《紅蓮破》《水流破》に入れ替える事を想定しています。
《水流破》は最近増加傾向の赤単プリズンに対しても効きますが、《虚空の杯》で無効化されやすい事にも注意!
サイド後の除去枠。
《祭典壊し》はタフネス1が並ぶエルフやデス&タックスに対して、1枚で複数除去出来る可能性があります。
しかしどちらのデッキも《ワイアウッドの共生虫》や《ルーンの母》など放置できないクリーチャーが多いので、複数除去しようと欲を出さずに、1:1交換の除去でプレイする事も多いです。
《水没》は《緑の太陽の頂点》を主軸にしたデッキ対策で、《エルフの開墾者》《忍耐》などタフネスの高いクリーチャーも0マナでデッキに戻します。相手がフェッチランドを起動したタイミングで《水没》すると、デッキのトップではなくシャッフルされて行く事を覚えておきましょう。
《溶融》はアーティファクトを大量展開するデッキ、青単8キャスト対策で、《教議会の座席》や《虚空の杯》、《ウルザの物語》の構築物トークンをまとめて破壊します。
ただ、《溶融》はほとんどアーティファクト主体デッキ専用のサイドカードであり、アーティファクトが4-6枚程度のデッキに対してはサイドインしにくいと感じました。
特に赤単プリズン相手が顕著で、《溶融》をサイドインしてもほとんど《虚空の杯》を破壊する専用で、相手がクリーチャーで攻めてくる展開は手札で腐るリスクもあります。
それに加えて、《三なる宝球》を出されたときに《溶融》で破壊するには4マナかかり、レガシーでの4マナは本当に重い!
アーティファクト破壊でありつつクリーチャー除去でもある、《削剥》のような汎用性の高いカードが少し必要だと感じました。次回は《祭典壊し》の枠を《削剥》に変えたいです。
今回悩んで不採用にした枠です。
《相殺》は主に1マナの多いデッキ、イゼット同型やANTなどのコンボ、エルフなどがサイドイン想定です。
《師範の占い独楽》が禁止されている今のレガシーでの《相殺》は《思案》《渦まく知識》でのトップ操作が必要です。置いただけで何も影響しないこともあり、2マナというコストはこのデッキにとって重い。
メインで2マナを使う動きは《帳簿裂き》《濁浪の執政》と既にあり、《相殺》はこの2つよりもプレイ優先度が低い。イゼット同型を見るなら、性能が不安定な《相殺》よりも安定した《紅蓮破》を多く取るべきだと考えて、不採用にしました。
《厚かましい借り手》はメインだと便利に感じますが、サイド後は相手に合わせた《溶融》《紅蓮破》などが増えるので、役割が薄くなります。
レガシーと言う環境のマナコストが全体的に軽いので、2マナや3マナのカードを1度バウンスしても出しなおされて再度対処する必要があり、それならバウンスではなく破壊するカードをサイドインした方が良いのではないかと考えて、不採用にしました。
■大会結果
○対戦相手来ず
○青単8キャスト
○ANT
○ANT
○赤単プリズン
○白緑《暗黒の深部》
×赤単プリズン
×白緑《暗黒の深部》
ID
6-2-1で27位。まさかのイゼットデルバー系が0回!
トップ32までが賞金圏内だったので、最後はID(合意の上の引き分け)を選びました。
赤単プリズンは、新採用の《混沌の洞窟の冒険者》がかなり強そうでした。
イニシアチブを得るクリーチャーは、除去されても残るアドバンテージ源として、今後レガシーでも活躍しそうです。
■おわりに
続々とドミナリアのカードが発表されていますね。
《怒りの大天使/Archangel of Wrath》は本体が絆魂なので、キッカーでダメージを与えるとライフ回復できます。
単色のカードが他の色のキッカーコストで強くなる仕組みは面白く、今後のスタンダードではキッカーコストのために色をタッチするパターンもあるかも知れません。
懐かしのダメージランドも良いですね。
再録が決まった影響で、ダメランの中で一番古いアイスエイジ版の人気が上がっています。旧枠で揃えたい方は早めに揃えると良さそう。
来週はドミナリアの記事を予定しています。
それではまた。