MTG │ 攻略記事 │ 高橋優太【禁止改定後の環境の変化】
Hi,
先日各フォーマットでの禁止改定が発表されましたね。
それにより各フォーマットにどんな変化が起こるか考察して行きましょう。
禁止制限告知:モダンにて《むかしむかし》、レガシーにて《死の国からの脱出》、ブロールにて《不屈の巡礼者、ゴロス》が禁止に
※ラッシュメディア記事内紹介のカードは
カード名のリンク、記事末尾のバナーを
クリックで通販サイトへアクセスできます
通販サイト(https://www.cardrush-mtg.jp/)
■パイオニア
変更なし
これが今回一番驚いた内容です。
ディミーアインバーターはパイオニアで好成績を残し続けており、ベストデッキとしての地位を確立していました。おそらく《真実を覆すもの/Inverter of Truth》《時を越えた探索/Dig Through Time》のどちらかは禁止されるかと思いきや、まさかの変更なし!
公式発表によれば、マジックオンライン上でディミーアインバーターはミラーマッチを除くゲームで49%の勝率だったため問題なしと判断されたようです。
ディミーアインバーターがトップで、それを追う形で白単ヘリオッド、ロータスコンボ、バントスピリット、スゥルタイ昂揚の環境がしばらく続きそうです。
過去のパイオニア記事も合わせてどうぞ。
サンプルリスト:ディミーアインバーター
3《タッサの神託者/Thassa’s Oracle》
4《真実を覆すもの/Inverter of Truth》
4《選択/Opt》
4《思考囲い/Thoughtseize》
4《致命的な一押し/Fatal Push》
2《思考消去/Thought Erasure》
2《神秘の論争/Mystical Dispute》
2《英雄の破滅/Hero’s Downfall》
4《時を越えた探索/Dig Through Time》
2《覆いを割く者、ナーセット/Narset, Parter of Veils》
4《神秘を操る者、ジェイス/Jace, Wielder of Mysteries》
3《詰まった河口/Choked Estuary》
2《異臭の池/Fetid Pools》
4《湿った墓/Watery Grave》
4《水没した地下墓地/Drowned Catacomb》
4《寓話の小道/Fabled Passage》
5《島/Island》
3《沼/Swamp》
サイドボード
1《神秘の論争/Mystical Dispute》
1《覆いを割く者、ナーセット/Narset, Parter of Veils》
2《ヴリンの神童、ジェイス/Jace, Vryn’s Prodigy》
1《害悪な掌握/Noxious Grasp》
2《最後の望み、リリアナ/Liliana, the Last Hope》
2《衰滅/Languish》
2《暴君の嘲笑/Tyrant’s Scorn》
1《夢を引き裂く者、アショク/Ashiok, Dream Render》
1《悪夢の詩神、アショク/Ashiok, Nightmare Muse》
2《減衰球/Damping Sphere》
僕が最近回しているディミーアインバーターのリストです。
インバーターのミラーマッチを意識した構成にするため《神秘を操る者、ジェイス/Jace, Wielder of Mysteries》は4枚で、相手のジェイスに強い《覆いを割く者、ナーセット/Narset, Parter of Veils》を採用。それらのプレインズウォーカーに強い《神秘の論争/Mystical Dispute》もメイン採用。単体だと機能しにくくサイドアウトも多い《タッサの神託者/Thassa’s Oracle》は3枚に減っています。
最近は白単ヘリオッドが《試練に臨むギデオン/Gideon of the Trials》を4枚入れてコンボ勝ちを封じてくるので、プレインズウォーカーを除去できるカードはメイン2枚、サイド1枚採用しています。
《試練に臨むギデオン/Gideon of the Trials》だけでなく、《黒き剣のギデオン/Gideon Blackblade》《ゼンディカーの同盟者、ギデオン/Gideon, Ally of Zendikar》のギデオン軍団で紋章の効果を維持してくる傾向にあるので、《害悪な掌握/Noxious Grasp》はもう1枚増やしても良いかも知れません。
■モダン
《むかしむかし/Once Upon a Time》禁止
《むかしむかし/Once Upon a Time》はクリーチャーや土地を揃えるコンボデッキを推し進めており、アミュレットタイタンやヘリオッドカンパニー、エルドラージトロンが活躍する原動力になっていました。0マナで5枚デッキをサーチする能力はモダンで禁止されている《思案/Ponder》《定業/Preordain》の性能を超えており、納得の禁止です。
これによりクリーチャーや土地を揃えるデッキは弱体化し、アミュレットタイタンは元々の《古きものの活性/Ancient Stirrings》が入った形に戻るのではないかと予想しています。
サンプルリスト:アミュレットタイタン
3《樹上の草食獣/Arboreal Grazer》
3《桜族の斥候/Sakura-Tribe Scout》
1《迷える探求者、梓/Azusa, Lost but Seeking》
4《イリーシア木立のドライアド/Dryad of the Ilysian Grove》
4《原始のタイタン/Primeval Titan》
4《古きものの活性/Ancient Stirrings》
1《否定の契約/Pact of Negation》
4《召喚士の契約/Summoner’s Pact》
4《精力の護符/Amulet of Vigor》
1《仕組まれた爆薬/Engineered Explosives》
1《繁殖池/Breeding Pool》
1《寺院の庭/Temple Garden》
4《ギャレンブリグ城/Castle Garenbrig》
1《魂の洞窟/Cavern of Souls》
1《死者の原野/Field of the Dead》
2《森/Forest》
2《冠雪の森/Snow-Covered Forest》
1《幽霊街/Ghost Quarter》
1《ハンウィアーの要塞/Hanweir Battlements》
1《光輝の泉/Radiant Fountain》
4《セレズニアの聖域/Selesnya Sanctuary》
4《シミックの成長室/Simic Growth Chamber》
2《トレイリア西部/Tolaria West》
4《溶鉄の尖峰、ヴァラクート/Valakut, the Molten Pinnacle》
1《霧深い雨林/Misty Rainforest》
1《ヴェズーヴァ/Vesuva》
サイド
3《天界の粛清/Celestial Purge》
3《神秘の論争/Mystical Dispute》
2《四肢切断/Dismember》
2《内にいる獣/Beast Within》
1《ラムナプの採掘者/Ramunap Excavator》
1《再利用の賢者/Reclamation Sage》
1《強情なベイロス/Obstinate Baloth》
1《死者の原野/Field of the Dead》
1《ボジューカの沼/Bojuka Bog》
アミュレットタイタンは《夢を引き裂く者、アショク/Ashiok, Dream Render》によるサーチ禁止と、特殊地形対策の《血染めの月/Blood Moon》を苦手としています。
そのため、両方に対応できる《天界の粛清/Celestial Purge》が最近は採用されてきています。
■レガシー
《死の国からの脱出/Underworld Breach》禁止
僕もジェスカイ《死の国からの脱出/Underworld Breach》コンボを回しましたが、レガシーはドロースペルの質が良いため墓地が簡単に貯まるので、《死の国からの脱出/Underworld Breach》《ライオンの瞳のダイアモンド/Lion’s Eye Diamond》が揃うだけで簡単に大量マナが生み出せます。
その後墓地からドロースペルで《思考停止/Brain Freeze》を探しに行き、ストームの貯まった《思考停止/Brain Freeze》で自分のライブラリーを大量に削って墓地を補充。再度《ライオンの瞳のダイアモンド/Lion’s Eye Diamond》により大量マナを生み出してから、《思考停止/Brain Freeze》《稲妻/Lightning Bolt》を連発して勝利するデッキです。
実質《死の国からの脱出/Underworld Breach》による1枚コンボに近いものとなっており、コンボの達成が非常に簡単でした。コンボに必要なパーツの数が少ないためサポートカードも強く、《意志の力/Force of Will》を持ちながらの2ターンキルも起こってしまい強すぎるデッキだと感じていたので、これも納得の行く禁止です。
サンプルリスト:ジェスカイブリーチ
4《渦まく知識/Brainstorm》
4《思案/Ponder》
4《定業/Preordain》
3《呪文貫き/Spell Pierce》
3《オアリムの詠唱/Orim’s Chant》
2《稲妻/Lightning Bolt》
4《死の国からの脱出/Underworld Breach》
4《思考停止/Brain Freeze》
2《覆いを割く者、ナーセット/Narset, Parter of Veils》
2《時を解す者、テフェリー/Teferi, Time Raveler》
4《ライオンの瞳のダイアモンド/Lion’s Eye Diamond》
4《水蓮の花びら/Lotus Petal》
4《溢れかえる岸辺/Flooded Strand》
4《沸騰する小湖/Scalding Tarn》
1《虹色の眺望/Prismatic Vista》
3《冠雪の島/Snow-Covered Island》
1《冠雪の平地/Snow-Covered Plains》
1《冠雪の山/Snow-Covered Mountain》
1《Tundra》
1《Volcanic Island》
サイドボード
2《剣を鍬に/Swords to Plowshares》
1《静寂/Selenity》
2《僧院の導師/Monastery Mentor》
3《相殺/Counterbalance》
2《紅蓮破/Pyroblast》
1《赤霊破/Red Elemental Blast》
1《轟音のクラリオン/Deafening Clarion》
2《摩耗+損耗/Wear+Tear》
1《仕組まれた爆薬/Engineered Explosives》
《死の国からの脱出/Underworld Breach》により成り立っていたデッキなので、残念ながらデッキそのものが消滅。
これにより元々のレガシー環境、コンボとデルバーと《虚空の杯/Chalice of the Void》のメタゲームに戻るかなと予想しています。
このデッキのおかげで《時を解す者、テフェリー/Teferi, Time Raveler》《オアリムの詠唱/Orim’s Chant》の組み合わせに気づくことが出来たので、今後これを活かしたコンボデッキが組めるかも。
アップキープ中に《オアリムの詠唱/Orim’s Chant》を撃てば、テフェリーの常在型能力のおかげで相手は何もプレイできず実質追加ターンを得ているのと同じ状態になります。
■おわりに
プレイヤーズツアーファイナルはスタンダード+パイオニア。
しばらくはディミーアインバーターと、それに対抗できるデッキを探していくことになりそうです。
それではまた。