MTG │ 新弾レビュー │ 高橋優太【イコリア:巨獣の棲処 前編】

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先週末に「イコリア:巨獣の棲処」のフルスポイラーが発表されました。
早速どんなカードがあるのか見て行きましょう。強力なカードが多いため、今回の記事は前後編に分かれています。

Ikoria: Lair of Behemoths

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■白

相手だけ手札以外から呪文を唱えることを防ぐクリーチャー。

自然の怒りのタイタン、ウーロ/Uro, Titan of Nature’s Wrath》《死の飢えのタイタン、クロクサ/Kroxa, Titan of Death’s Hunger》の脱出、出来事、《僻境への脱出/Escape to the Wilds》など、スタンダードでも意外と手札以外から唱えることは多いです。主な役割はティムール出来事への対策なので、サイドボードで少し見かけるかも。

モダン以下では《瞬唱の魔道士/Snapcaster Mage》《炎の中の過去/Past in Flames》などのフラッシュバック、《戦慄衆の秘儀術師/Dreadhorde Arcanist》などを防ぎます。
しかし防げる範囲が狭いので、《安らかなる眠り/Rest in Peace》の方がサイドとしては強いと思います。

クリーチャーが死亡するたびに場に戻せる能力。

何らかの方法で飛行カウンターを取り除くことが出来れば、クリーチャーを生贄にするカードと組み合わせて無限コンボが可能ですね。

厳粛/Solemnity》なら飛行カウンターが乗らないので、《死の飢えのタイタン、クロクサ/Kroxa, Titan of Death’s Hunger》《狂信的扇動者/Fanatical Firebrand》を無限に生贄に捧げて無限ダメージ!
起動に1マナはかかりますが、《呪詛の寄生虫/Hex Parasite》も飛行カウンターを取り除けます。


場に沢山並んだ状態で無いと強く使うのが難しいので、実質7-8ターン目に使うカード。
ただマナ拘束の強さと、4ターン目に使うなら《空の粉砕/Shatter the Sky》の方が良い事から現状ではイマイチ。

■青

「戦場に出たとき○○」の能力を持ったカードと相性が良いので、青白ブリンクなどで可能性がありそう。

1マナのサイクリングカードを使って《永遠の証人/Eternal Witness》などの回収系クリーチャーを明滅すれば、マナの数だけ大量にドローが出来ます。
砂時計の侍臣/Vizier of Tumbling Sands》をサイクリングして、《睡蓮の原野/Lotus Field》《金粉の水蓮/Gilded Lotus》などタップで青3マナ以上を生み出すカードをアンタップし、《永遠の証人/Eternal Witness》を明滅すれば無限ドローも出来ますね。

新しいコンボデッキが出来るかも。


この手のコピーカードにしては珍しく、相手のプレインズウォーカーもコピー対象に選べます。また3色のマナを払えば格闘するので、4マナの除去としても使えて使い勝手が良いです。

相手の《エルズペス、死に打ち勝つ/Elspeth Conquers Death》をコピーして「打ち勝つ返し」が出来るので、非常に強いカードに思えます。
ティムールカラーに限らず、青が入った色んなデッキで見かけることになりそう。

カードを複数枚引けるドロースペルと相性が良く、《渦まく知識/Brainstorm》や《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor》との相性は抜群。

他にも《ミシュラのガラクタ/Mishra’s Bauble》《通りの悪霊/Street Wraith》など0マナドローと組み合わせれば、高速でクラーケンを生み出すことも夢ではない。
2マナと軽く青いので、レガシーやヴィンテージでもチャンスがありそうなカードです。

クラーケンは何故か伝説ではないので、16枚引けば2体目も生み出せます。《よりよい品物/Greater Good》と組み合わせれば、クラーケンを生贄にして8枚ドローできるので再度クラーケン生成、デッキを全て引き切ることが出来ますね。


これは懐かしの《深き刻の忍者/Ninja of the Deep Hours》の強化版!
先攻で1マナクリーチャー→《海駆けダコ/Sea-Dasher Octopus》はあまりにも強力。

最近はシミックベースのランプデッキが主流なので、《海駆けダコ/Sea-Dasher Octopus》を使ったクロックパーミッションはそれに風穴をあける存在になるかも。
ただし《ショック/Shock》《砕骨の巨人/Bonecrusher Giant》擁する赤には弱いカードです。


サイクリング能力は《時を解す者、テフェリー/Teferi, Time Raveler》の影響を受けないので、インスタントタイミングでクリーチャーを生み出せてテフェリーを倒せます。

サメ台風/Shark Typhoon》を出して《意志の力/Force of Will》《否定の力/Force of Negation》で守ればデカいサメがついてくるので、モダンやレガシーでもサメコントロールには十分可能性があると思います!
アカデミーの学長/Academy Rector》からサーチしたり、《実物提示教育/Show and Tell》で出すなど色々方法はありそう。

■黒

トークンを生み出す能力が付いているおかげで無駄になりにくく、除去されにくい《ズーラポートの殺し屋/Zulaport Cutthroat》だと考えると強い。
ラクドスやジャンドなど、生贄シナジーの多いデッキで使われそう。《波乱の悪魔/Mayhem Devil》との相性は最高。


これまたクリーチャーを生贄に捧げるデッキと相性が良く、《波乱の悪魔/Mayhem Devil》に接死を付与できるので1点で大型クリーチャーも除去できるようになります。
これと相性の良い《ぬかるみのトリトン/Mire Triton》《死の飢えのタイタン、クロクサ/Kroxa, Titan of Death’s Hunger》と一緒に使いたい所。


ついに2マナの万能に近い除去!これだけ強ければあらゆるフォーマットで使われるでしょう。まずは4枚揃えたい。


相手にクリーチャーが居なければデメリットは無いですし、火力では対処されにくいサイズです。しかし《時を解す者、テフェリー/Teferi, Time Raveler》バウンスに弱いのが短所。
レガシーでコンボデッキがサイド後に《暗黒の儀式/Dark Ritual》から1ターン目に出すプランもあるかも。《朽ちゆくレギサウルス/Rotting Regisaur》よりもデメリットが薄い。


プレインズウォーカー除去にもなり、エンチャントやアーティファクトも除去。
黒単色でもクリーチャー破壊と十分な性能。フォーマットを問わず様々なデッキで使われると思うので、まずは4枚揃えましょう。

■赤

変容を駆使すれば実質4/4飛行のような動きが可能で、赤系アグロに数枚採用されるかも。
しかし《時を解す者、テフェリー/Teferi, Time Raveler》バウンスに弱いのが欠点。テフェリーはバウンスに弱いクリーチャーを否定してしまうから良くない。

デッキ構築に幅が出そうなプレインズウォーカー。

[+1]能力でクリーチャーを場に出さないと盤面干渉出来ないので、必然的にクリーチャー多めのデッキ構築が必要になります。
集合した中隊/Collected Company》デッキという前例から見るに、おそらくデッキ内に28-30枚のクリーチャーが必要になるでしょう。


最近のプレインズウォーカーは5以上の忠誠値が多いので、プレインズウォーカーへの除去としての性能は低め。
赤単やラクドスなど、細かいクリーチャーを並べるデッキに対してサイドボードから入れるカードになりそうです。


通りの悪霊/Street Wraith》《引き裂かれし永劫、エムラクール/Emrakul, the Aeons Torn》を各1枚ずつ入れて、何かしらで《通りの悪霊/Street Wraith》をサーチできれば5ターン目にエムラクールが出来ますね。

現在0マナのサイクリングは《通りの悪霊/Street Wraith》《秋の際/Edge of Autumn》の2種類ですが、デッキ構築に制限がありすぎるので使うのが難しいカードかなと。


サイクリングドローを繰り返していたら自然とフィニッシャーが場に出る、良いデザイン。

サイクリングは呪文でないので打ち消されず、また場に出る能力は誘発型能力なの《時を解す者、テフェリー/Teferi, Time Raveler》の影響を受けずに済みます。
長期戦をするデッキ向きのカード。

■緑

著大化/Colossification》はMTG史上初の+20/+20とロマンあふれるカード。
何らかの方法で《著大化/Colossification》《燃え盛る怒り/Burning Anger》を墓地に落として、《嵐の伝令/Storm Herald》でこの2枚を直接場に出すと23/23が爆誕!

タップする能力にスタックで《燃え盛る怒り/Burning Anger》の能力で本体に23点入ります。3マナと軽く、《信仰無き物あさり/Faithless Looting》などの引いて捨てるカードと組み合わせれば3ターンキルも夢じゃない。


スタンダードは《魔女のかまど/Witch’s Oven》《創案の火/Fires of Invention》《エルズペス、死に打ち勝つ/Elspeth Conquers Death》などエンチャント・アーティファクトを見る機会が多いので、メインに入れても遜色無さそう。
緑の変容を持つカードの影響で、《樹上の草食獣/Arboreal Grazer》がまた強くなりそうですね。


インスタントやソーサリーが回収できないのが欠点。
3色のマナコストを払えば好きなカードをサーチできますが、《伝承の収集者、タミヨウ/Tamiyo, Collector of Tales》と比較してマナコストに対して効果が弱いかなと思います。


銅纏いののけ者、ルーカ/Lukka, Coppercoat Outcast》同様に、ビビアンも能力を活かすためにはクリーチャー多めのデッキ構築が求められます。
赤緑でプレインズウォーカータッグを組めたら良かったですが両方5マナと競合しており、また5マナには《世界を揺るがす者、ニッサ/Nissa, Who Shakes the World》という強力なライバルがいるため使いにくいかなと。

逆に《世界を揺るがす者、ニッサ/Nissa, Who Shakes the World》は今回の3色土地のおかげで強化されています。

後編へ続く

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