MTG │ 大会レポート │ 高橋優太【プロツアー 指輪物語】

先週末は、スペインのバルセロナにて開催された「プロツアー・指輪物語」に参加しました。

バルセロナでのプロツアーは、前回の「モダン・ホライゾン」から4年振り。イベント会場も前回と同じ場所で、どこか懐かしい気持ちになります。

前日にウェルカムパーティが開催され、現地の美味しいものがたくさん出てきました!画像はスペイン風ネギトロと、生ハム盛り合わせ。

会場ではプロツアー以外にも誰でも参加可能な「MagicCon: バルセロナ」が併催され、コスプレイヤーや販売ブース、統率者スペースなどがあり、お祭りのような雰囲気です。

プロツアー初日はブースター・ドラフト3回戦と、スタンダード5回戦を行い、4勝4敗以上の成績で2日目へ進出。2日目で10勝6敗以上の成績で次回のプロツアーの権利が付与されるため、上位入賞を目指します。

今回は、3回のプロツアー合計ポイントで世界選手権の権利が決まるので、何としても2日目に進出したい!!!
市川ユウキさん、井上徹さん、佐藤レイさん、中村修平さん、原根健太さん、松浦拓海さん、森山真秀さん、矢田和樹さんとチームを組んで練習を行いました。

以下その大会レポートです。

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■1stドラフト

「指輪物語」のドラフトは、「指輪があなたを誘惑する」を軸にしたものです。指輪の能力すべてが攻撃を推奨するものであり、序盤から攻撃を続ける早い環境です。

相手の指輪を止めるために、1/3などのパワーが低くタフネスが高いクリーチャーが役立ちます。クリーチャーの展開で出遅れない事が最優先される環境なので、2ターン目に何も出来ずターン終了は避けたくて、2マナ以下は5-6枚は欲しい。

色は黒がクリーチャーの質・除去ともに最強で、次点で赤。ただレベルの高い大会だと、参加者全員が黒が最強だと認識しているので、黒に人気が集中しやすいです。
練習段階で成績が良かったのは、青→黒→緑の3色から優先してピックする戦略でした。青や緑は5-7手目で取れる中堅カードが強く、《輝かしき突風》や《エントの憤怒》が流れてくるようなら青か緑をピックしようと決めていました。

初手は弱めのパックで、除去もレアも無かったので《忍耐強く企む者、ゴラム》。
単体で指輪を進めていけるクリーチャーなので、2マナの中でもかなり優秀です。しかし黒は人気色なので、ここで黒を固定するのではなく、今後の流れ次第。

2手目は《勇敢なる救い手、グロールフィンデル》。占術を繰り返し行えるデッキなら5/4でブロック強制になり高性能。青緑を意識します。

3手目は《エントの憤怒》。歴代の格闘呪文の中でも屈指の強さですが、黒や赤の除去呪文よりは優先度が低いので、流れてくる事も多いです。これが3-4手目に流れてきたら緑が出来る位置だと意識しています。緑は4マナ4/4の《袋小路屋敷の荷運び人》や、5マナ4/5の《怒り猛るフオルン》から《エントの憤怒》につなげるのが、簡単な勝ちパターンです。

4手目は《アルウェン・ウンドーミエル》!!!
青緑占術はドラフト卓内での許容人数は1人で、独占できないと弱いですが、4手目に《アルウェン・ウンドーミエル》が流れてくるなら出来る位置です。残りは自動的に青緑をピック。

2パック目3手目で《ウンゴリアントの末裔、シェロブ》が流れてきたので、黒をタッチ。緑は《数々の別れ》のおかげでタッチがしやすい。
3パック目で《医術の大家、エルロンド》も流れてきて、バランスの良い青緑占術が組めました。


システムクリーチャーの多い白黒を除去しきれず負けましたが、結果は2勝1敗。

■2ndドラフト

1パック目初手は《悪辣な略奪》。文句なしの爆弾レアです。

2手目は《ドゥリンの扉》を取りましたが、正直これは失敗でした。初手が《悪辣な略奪》だったことで長期戦を狙うデッキを考えましたが、《ドゥリンの扉》は場が少し有利な時でしか強くなく、相手にクリーチャー数で負けている時は攻撃に行けないタイミングも多かったです。

3手目から5手目はすべて《エントの憤怒》。6-7手目で《ロスロリアンの見張り番》や《賢者ケレボルン》で、緑が空いているポジションなので続行。
緑は空いていますが、逆に赤は全く出来る気配がありません。

パック運は良く、強力レアの《ゴンドールの角笛》を引けたものの、結果的に人間が0体の青緑なので《ゴンドールの角笛》がデッキに入らず。

緑だけ決まって、すぐに青緑に行けば良かったのですが、強力レアの《悪辣な略奪》があるため決断が遅れて、赤と青を少しずつピックした状態でフラフラしたので、デッキが弱くなってしまいました。


結果は残念ながら1勝2敗。
強力レアにより色の判断が遅れるのは良くあるので、パックの流れから色を判断できるようにしないと!

■モダンのデッキ選択経緯

モダンはデッキの種類が多く、たくさんのデッキを回しました。
それぞれのデッキの簡単な感想は以下の通り。

ウルザトロン:トップメタであるラクドス想起に不利で、《悲嘆》だとトロンが揃わず、《激情》だとクロックが早すぎて負ける。ラクドス想起以外のデッキには有利が多いが、トップメタに不利なのをどう見るか。

イゼットマークタイド:特に後攻時に《オークの弓使い》を乗り越えられない。《オークの弓使い》も《一つの指輪》の両方が苦手なのがマイナス評価。

カスケードクラッシュ:メインはラクドス想起に対して有利なのでチーム内でも使用候補に挙がった。しかしサイド後にあらゆるデッキから《虚空の杯》《仕組まれた爆薬》を出されるのが苦手で、サイドボードの枚数を多く取られていると勝ちにくい。

オムナス:ラクドス想起には有利だが、土地が多い、重いデッキであるゆえの不安定性が気になる。土地に関するトラブルが他のデッキに比べて多い。トロンにとても不利。

特にイゼットマークタイドは好きなデッキなので調整しましたが、自分が《オークの弓使い》《一つの指輪》を使う事が出来ず、相手に《オークの弓使い》《一つの指輪》を出されるとキツイ事から使用を諦めました。今のモダンは、《オークの弓使い》《一つの指輪》のどちらか、あるいは両方を使いたい!

■モダン:ラクドス想起

プロツアー指輪物語:ラクドス想起
デッキリスト
3:《汚染された三角州/Polluted Delta
3:《新緑の地下墓地/Verdant Catacombs
3:《血染めのぬかるみ/Bloodstained Mire
4:《血の墓所/Blood Crypt
4:《黒割れの崖/Blackcleave Cliffs
3:《沼/Swamp
20 Lands


4:《敏捷なこそ泥、ラガバン/Ragavan, Nimble Pilferer
4:《オークの弓使い/Orcish Bowmasters
4:《悲嘆/Grief
4:《激情/Fury
4:《ダウスィーの虚空歩き/Dauthi Voidwalker
4:《歴戦の紅蓮術士/Seasoned Pyromancer
1:《砕骨の巨人/Bonecrusher Giant
25 creatures

3:《フェイン・デス/Feign Death
3:《不死なる悪意/Undying Malice
3:《終止/Terminate
4:《思考囲い/Thoughtseize
2:《稲妻/Lightning Bolt
15 other spells


2:《未認可霊柩車/Unlicensed Hearse
2:《血染めの月/Blood Moon
2:《虚空の杯/Chalice of the Void
1:《真髄の針/Pithing Needle
2:《碑出告が全てを貪る/Hidetsugu Consumes All
2:《コラガンの命令/Kolaghan’s Command
1:《戦慄の朗詠者、トーラック/Tourach, Dread Cantor
2:《鏡割りの寓話/Fable of the Mirror-Breaker
1:《黙示録、シェオルドレッド/Sheoldred, the Apocalypse
15 sideboard cards

手札破壊と軽量クリーチャーにより、妨害しながら攻撃して行くデッキです。

想起クリーチャーを《フェイン・デス》《不死なる悪意》で戦場に戻す事で1ターン目から強大なクロックを用意する事が出来て、《悲嘆》なら2枚捨てながら4/3威迫、《激情》なら8点ダメージを振り分けながら4/4二段攻撃が爆誕します!
思考囲い》などが絡むとさらに手札がボロボロになり、序盤から相手に何もさせずに勝つこともあるほど、押し付けの強いデッキです。

モダンで様々なデッキを試しましたが、1ターン目《悲嘆》からの《フェイン・デス》は全てのデッキを粉砕する力があり、結局ラクドス想起を倒せるデッキが作れなかったので、素直にトップメタのデッキを使用しました。

メインの除去は意見が分かれる所だと思います。

致命的な一押し》は紛争で相手の《創造の座、オムナス》《黙示録、シェオルドレッド》を倒せる、《稲妻》は本体に撃てるのでライフを詰めれる、《激情》や《孤独》を除去できると、どちらも長所があります。

ライフが詰めれる点を評価して今回は《稲妻》でしたが、サイド後《致命的な一押し》の方がクリーチャーデッキ相手に幅広く対処できる事が多いので、総合的には《致命的な一押し》の方が良いと考えています。

終止》は相手の《濁浪の執政》を倒せること、想起のコストにしやすい事から3枚固定枠。

砕骨の巨人》は、ラクドス想起同系の消耗戦で強いのと、相手の《一つの指輪》のダメージ軽減を《踏みつけ》で貫通する狙いでした。しかし2マナ2点と3マナ4/3がモダンのパワーレベルとしては少し低いので、1枚入れるか悩むラインです。

3マナ域を《歴戦の紅蓮術士》にするか《鏡割りの寓話》にするかは最後まで悩みました。

想起により手札の消耗が激しいデッキなので、手札0枚から2枚引ける《歴戦の紅蓮術士》は非常にデッキに合っています。1/1が並ぶので、相手の単体除去に対しても強い。
比較して《鏡割りの寓話》は、出したターンが2/2のみなので盤面は弱め。しかし3章まで行けば、《悲嘆》や《激情》をコピーする動きが強力です。

オークの弓使い》を相手に出されたときに、《歴戦の紅蓮術士》だと必ず2枚引くので除去されてしまいますが、《鏡割りの寓話》なら2章で引く枚数を自分で選べるメリットがあります。
デッキの最高のパターンとしては《歴戦の紅蓮術士》の方が強いのですが、相手に《オークの弓使い》を出された際には《鏡割りの寓話》の方が良い事が多いので、ここは悩む部分です。

プロツアーの上位デッキリストを見ても、《歴戦の紅蓮術士》型と《鏡割りの寓話》型の両方がありました。
僕個人としては、ミッドレンジとして動ける方が好みなので、次回同じデッキを使うなら《鏡割りの寓話》を優先しそうです。

今回のプロツアーはデッキ公開制だったので、メインに1枚《血染めの月》を入れるべきでした。
例えメイン1枚だったとしても《血染めの月》はハマる事があるので、相手のフェッチランドを自由に使わせないためにも必要でした。

墓地対策は《虚空の力線》や《虚無の呪文爆弾》なども試しましたが、消耗戦の後に攻撃できる分《未認可霊柩車》が最も良いという結論になりました。
実際に、相手は《虚空の力線》だが自分は《未認可霊柩車》だったおかげで、ラクドス想起同系のサイド後に勝つゲームも多かったです。

■大会結果

・初日
×イゼットマークタイド
〇イゼットマークタイド
×ハンマータイム
〇ラクドス想起
×カスケードクラッシュ
・2日目
×ディミーアコントロール
×ジェスカイブリーチ
×ハンマータイム
〇黒単コントロール
〇オムナス

ドラフト3-3、モダン4-6、合計7勝9敗で144位。

たくさん負けましたが、3つのプロツアーの合計ポイントが上位だったため、9月に開催される世界選手権の権利を獲得。
なんとか目標を達成出来ました。

■おわりに

今回は大会後に1日滞在日を設けて、バルセロナ市内を観光しました。

4年振りに訪れた、世界遺産のサグラダファミリアは増築されて様子が変わっており、観光客も多かった!中に入るにはアプリでの予約が必須なので、スペインに行く方は予約推奨です。
市場でココナッツジュースを飲んだり、イカ墨で真っ黒のパエリアを食べたりして、観光を楽しみました。

こうやって大会に出ながら、世界各国を楽しむのは、以前マジックの標語だった「Play the Game,See the World」という言葉そのものです。
やっぱり旅しながらマジックする生活が好きです!

それではまた。


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