MTG │ 新弾レビュー │ 井川良彦【エルドレインの森】
皆さんこんにちは。Rush Prosの井川です。
毎度おなじみ、最新エキスパンションである『エルドレインの森』のレビューをお届けします。
超強力カード目白押しだった『エルドレインの王権』から早4年が経ったかと思うと、月日の早さにビックリしますね。
今回のエキスパンションは軽いカードに強力な物が多かったので、気になったものを片っ端から紹介していきたいと思います!
それではスタート!
※ラッシュメディア記事内紹介のカードは
カード名のリンク、記事末尾のバナーを
クリックで通販サイトへアクセスできます
通販サイト(https://www.cardrush-mtg.jp/)
★「祝祭」は難しくない!新環境は赤いアグロで相手を圧倒しよう!!
『エルドレインの森』が入る直前=今のスタンダードは、青黒ミッドレンジを筆頭にエスパーコントロール、版図ランプなどが幅を利かせており、アグロ系のデッキはアゾリウス兵士と赤単がちょっといる程度で、かなり肩身が狭い状態です。
そんなところに現れたのが、赤いデッキの救世主!このセットでも屈指のカードパワーを感じる《擬態する歓楽者、ゴドリック》です!!!!
新キーワード能力の「祝祭」さえクリアすれば、なんと最強レベルのスペックともいえる3マナ4/4飛行速攻!!!同じスペックだった《地獄の雷》はエンドに死にましたが、こいつはもちろん戦場に残りますよ!
仮に「祝祭」できなくても3マナ3/3速攻と十分強い上に、上ブレしたときの強さがとにかく凄い。
伝説のクリーチャーではありますが、《輝かしい聖戦士、エーデリン》のように4枚入れられる超優秀なクリーチャーだと思います!
1ターン目にプレイすれば、3ターン目にフリップして戦場に出ます!
「祝祭」の「このターンに土地でないパーマネントを2つ以上出す」条件ですが、1ターン目に《熊野と渇苛斬の対峙》が出ていれば自然と達成できます。赤単ではなく赤黒で組んで、5枚目以降の《熊野と渇苛斬の対峙》として《大牙勢団の襲撃》を使うのなんかも良さそうです。
また、新カードの《魅力的な悪漢》も非常に優秀なカードで、《擬態する歓楽者、ゴドリック》の「祝祭」をサポートしてくれます。
「宝物・トークン」か「役割・トークン」を選べば自身と合わせて2つパーマネントが出る=1枚で「祝祭」の条件を達成してくれますし、1ターン目に動けなかった場合でも2ターン目に宝物を出すことにより3ターン目に《擬態する歓楽者、ゴドリック》+1マナアクションを可能にしてくれます。
最低でも2マナ2/2速攻は担保されているので、《義賊》《血に飢えた敵対者》が使われたことを考えると十分なスペックといえるでしょう。
4マナ域には、新カードの《レッドキャップのどぶ住まい》がピッタリ!!
複数のパーマネントを戦場に出すことができるというポイントはもちろんのこと、単体での打点&回避能力、横展開による処理のしづらさ、そしてアドバンテージを稼ぐ能力を使っても打点が下がらないと良いとこずくめ。再録されたけどまだあまり活躍できていない《かき立てる炎》と相性が良いのも加点要素です。
《擬態する歓楽者、ゴドリック》と合わせて今後の赤の主力クリーチャーとして活躍してくれると期待しています!
既存のカードに目を向ければ、血トークンを生み出してくれるこの2種は「祝祭」と相性が良く、マナカーブ的にも完璧ですね!
新スタンダードは、ここで紹介したカードたちを中心にした赤黒アグロをまずは組んでみたいと思ってます!黒を足せば《黙示録、シェオルドレッド》も怖くない!!
★ローウィン以来のフェアリー時代来るか?
その昔栄華を誇ったフェアリー。先攻2ターン目の《苦花》は圧倒的な展開力を生み出し、4マナのターンでは《霧縛りの徒党》と《謎めいた命令》という不条理な2択を相手に押し付ける、マジックの歴史上でも屈指の完成度を誇るクロックパーミッションでした。
その強さはスタンダードに留まらず、ブロック構築やエクステンデッドも席巻したものです。意外かもしれませんが、僕もフェアリーはかなり好きで色々なフォーマットで使用していました。
あんちゃんといえばフェアリー。フェアリーといえばあんちゃん。
そして2023年秋、フェアリーが復権を果たすときが来ました!!
どちらも「フェアリーをコントロールしていれば」という条件こそあるものの、使えさえすれば圧倒的なコストパフォーマンス!!言うなれば《思考囲い》と《致命的な一押し》みたいなもんです。
そしてその条件をクリアするために、ちゃんと相方が用意されているのが嬉しい!
その能力により、1ターン目に出しても殴り始めるのは5ターン目(起動型能力をプレイすればもう少し早い)ですが、上記のスペルを打つためサポートしてくれる「待機」クリーチャーだと考えれば問題なし。しかも一度動き出せばその能力を使って疑似警戒としても活躍してくれます。
毎回1ターン目にコレを出されてウンザリする自分(もしくは相手)の姿が目に浮かびませんか?僕は容易に想像できます。
2マナ域のフェアリーは選り取り見取り。あんちゃんこと《フェアリーの黒幕》を筆頭に、多くの優秀なクリーチャーが揃っているので数に困ることはないでしょう。
そしてなんといってもコイツ!!自身で条件を達成しつつ、4ターン目に《自我の流出》《フェアリーの剣技》をフラッシュバックすることができます!この動きはまさに《瞬唱の魔道士》といって差し支えないでしょう!!!
フェアリーデッキで使えばほぼ《かき消し》の上位互換である2マナカウンターも来て、まさに使えと言わんばかりのラインナップですね。
唯一今回のエキスパンションで欠けている要素=カードアドバンテージは《漆月魁渡》のようなカードに任せて、相手とすれ違いのダメージレースを行うクロックパーミッションを楽しみましょう!
★今回のイチオシ「出来事」クリーチャーはコイツ!!
前回の反省からか、かなり絶妙な調整が施されている印象がある出来事カード。
ですがその中で、過去の強力カードたちと同じように活躍できそうなカードを見つけました!それがこちら!!
まずは2マナと3マナの両方のマナ域がマナカーブ通り埋まる点を評価。実績のある出来事カードたち=《恋煩いの野獣》《砕骨の巨人》《厚かましい借り手》を見ても分かる通り、自然に順番にプレイできるのは重要な要素です。
クリーチャーとしての能力を見てみましょう。長々とよくわからない能力が書いてあるが書いてあるせいで弱く見えるかもしれませんが、単体でも純粋に3マナパワー4相当と合格ライン。最悪ポン出ししても強い点が《砕骨の巨人》を彷彿とさせます。
そして2マナ=出来事呪文のサーチ能力はかなり柔軟性に富んでいます。
装備品でもある《兎電池》《獅子の飾緒》のようなクリーチャー、もしくは「ミラディンのために!」で実質クリーチャーである《竜翼の滑空者》をサーチするのがとにかく強力!!《イーオスのレインジャー長》のように、しっかりと1枚で2枚分の働きをしてくれます!!
それだけではありません。相手に合わせて《過去と未来の剣》のようなメタカードを持ってこれる点は《石鍛冶の神秘家》を彷彿とさせますし、状況によっては除去である《骨化》をサーチできる点も考えるとそれ以上の可能性も!
《一斉蜂起》のように優秀なもののあまり出番がなかったカードもありますし、《フェイの血筋のケラン》を軸にボロス・装備品アグロが組めそうですね。
果たして《フェイの血筋のケラン》は次世代の《恋煩いの野獣》《砕骨の巨人》になれるのか??
★2ターン目に6点殴りませんか?
2ターン目に6点クロック。過去のスタンダードだと《ゴブリンの先達》×3や《ステップのオオヤマネコ》+フェッチ+《ゴブリンの先達》、他には《熱烈な勇者》×3など、かなりの上ブレムーブでしか達成できませんでした。
ですが今回はたったの2枚で達成できます!黒緑「協約」アグロ、行けるのか!?
1ターン目に《悪意ある呪詛術士》で自分に「呪われし者・役割・トークン」を付け、2ターン目にそのトークンを《僻境との対峙》の「協約」で生け贄に捧げれば、なんと2ターン目にして3/2と3/3が対戦相手に襲いかかります!!こいつはすげーや!
たった2枚なのでそれなりに決まりそうですし、どちらも「協約」デッキであれば単体でも結構強いカードだと思います。
ただトップスピードだけだとデッキとしては二流ですが、
「協約」カードとしてはトップクラスの性能を持つ《おかわり》もありますし、
「協約」のエサもこれまたトップクラスの性能といえる《望み無き悪夢》も用意されているので、デッキとしてしっかり成立しそうです。
色こそ増えてしまいますが、「祝祭」の項で取り上げた《ヴォルダーレンの美食家》《税血の収穫者》は「協約」デッキのお供としても最適です。強いカードはシナジーの塊だ!
2ターン目に6点殴る速攻プランと、《黙示録、シェオルドレッド》+《おかわり》による中長期戦プランを兼ね備えたデッキとしてうまく構築できれば、環境を席巻するのも夢ではないかもしれません。
★その他、気になったカードたちをザックリ紹介します
後引きしても本体火力として機能しそうな、最高級の《サバンナ・ライオン》。カードタイプがハツカネズミなのでシナジーは薄めですが、単体性能だけで採用されるだけのスペックがあります。
強いだけじゃなくてイラストも可愛い。
こちらも《サバンナ・ライオン》にオマケ付き。中盤~後半に引いても、コイツを出す→サクって「英雄・役割・トークン」を出すことにより即「祝祭」を達成できる優れものです。アンコモンとは思えない性能。
3ターン目にパワー5二段攻撃=10点!!!
どちらも単純に強く、さらに合わさるとめちゃくちゃ強いので、これもよく見る光景になりそう。特に《巨怪の怒り》はスタンダードだけに留まらずパイオニアなどで使われる可能性ある程のパワーカードだと思います。
ひたすらにデカいバニラ。《骨化》《婚礼の発表》《放浪皇》など気づけばパーマネントが並んでいるのが今のスタンダードなので、2マナ5/5ぐらいは余裕でいきそうです。
初動がこいつだとしても、3ターン目に《婚礼の発表》や《下水王、駆け抜け侯》をプレイするだけで2マナ3/3です。これだけでも十分やりおる。
《喉首狙い》が当たらないアーティファクト・クリーチャーというのがまず加点要素。そして今のスタンダードでは《漆月魁渡》《ヴェールのリリアナ》《放浪皇》など強力なプレインズウォーカーが活躍しているので、トランプル・呪禁・速攻を持つタイミングも多そうです。
「協約」デッキやフード系のデッキだけでなく、単純に強い2マナ域として色々なアグロデッキに使われるかも。
コントロールプレイヤー垂涎の1枚。対アグロでは除去+大型ブロッカー(しかも護法持ち)として機能しますし、対コントロールでは瞬速持ちのフィニッシャーとして機能します。
こういう相手を選ばないカードがあるのは嬉しいですね。青白系コントロールで試してみたい1枚。
《蛇皮のヴェール》が強くなって帰ってきた!!!
プレイしたターン以降も修正があるのはそのままに、なんと護法1が残るというとんでもないスペルです。除去りたい生物を守られた上に護法が付いたら溜まったもんじゃない!
2マナと4マナの両方のマナ域が埋まりつつ、サイズもGood。《黙示録、シェオルドレッド》という超強力なライバルこそいますが、このカードもいつか日の目を見る時が来ると思います。
マナカーブ通りに「出来事→本体」とプレイできるカードは強い!
オマケ。《死を食うもの》世代の僕はこのカードを見て目ん玉飛び出ました。2マナって。
こちらが《死を食うもの》です。
★おわりに
ということでお届けしました『エルドレインの森』レビュー。
今年はローテーションのルールが変わったため心機一転の新スタンダードとはならない=この時期のエキスパンションとしては少し厳しめにカードリストを見ていきましたが、それでもエルドレインの名に恥じないカードパワーを感じましたね。
とにかく低マナのクリーチャーや呪文が非常に粒揃い!!僕の趣味もあり、書いた内容を見返してみると軽いクリーチャーばかりピックアップしてしまいましたが、これも期待の表れです。アグロデッキの復権頼む!!!
今回の僕のオススメはこの3枚!環境のエースになりえる、強力なカードたちだと感じました。どれも4枚からスタートしてデッキを組みたいですね!
次点で《レッドキャップのどぶ住まい》。これも4枚デッキに採用できる4マナ域だと思います。《エシカの戦車》程はないものの、盤面のプレッシャー&アドバンテージはかなりのものと言えるのではないでしょうか。
それでは今回はここまで。また次回の記事でお会いしましょう!