MTG │ デッキ紹介 │ 高橋優太【統率者:雇われの剛力、スライサー】

続々と『カルロフ邸殺人事件』のカードが発表されていますね。
特に《喝破》は、《マナ漏出》が青白になって帰って来た!《稲妻のらせん》再録もアグロを強化して、この2つだけでもパイオニアに大きく影響しそうです。

新セット発売前なので競技の練習はお休みして、最近は友人と統率者を遊んでいました。良く使っている《雇われの剛力、スライサー/高速の敵対者、スライサー》について解説して行きます。

※ラッシュメディア記事内紹介のカードは
カード名のリンク、記事末尾の
バナーを
クリックで通販サイトへアクセスできます

通販サイト(https://www.cardrush-mtg.jp/)

 

■統率者《雇われの剛力、スライサー/Slicer, Hired Muscle》

統率者ダメージ21点での勝利を狙う、いわゆる殴りジェネラルです。

「見た目以上のもの」の能力により、最初は3マナの《高速の敵対者、スライサー》としてプレイ。対戦相手の誰かにダメージを与える事で、《雇われの剛力、スライサー》に変身。
雇われの剛力、スライサー》は各対戦相手のアップキープごとにコントロールが移動して、使嗾(※注)により自分以外の誰かに強制的に攻撃します。

生贄にできない能力も持っているので、相手にコントロールが移っている間に《ファイレクシアの塔》などで生贄にされる心配もありません。
3/4二段攻撃でターンが1周する間に合計18点削ってくれて、使っていて爽快感のある統率者です。3/4二段攻撃に装備品やオーラが加われば、更なるダメージ!

※注釈
「使嗾する/Goad」
→使嗾されているクリーチャーは、可能なら各戦闘で攻撃し、可能ならそれを使嗾された状態にした呪文や能力のコントローラーでないプレイヤーを攻撃する。


雇われの剛力、スライサー/Slicer, Hired Muscle》のここがスゴイ!

相手のターンにも攻撃するので、攻撃したときやダメージを与えたときに効果のある装備品との相性が最高!

例えば《梅澤の十手》は、スライサーが二段攻撃なので1回の戦闘でカウンターが4つ乗ります!カウンターを消費して-1/-1修正で除去するのも良し、+2/+2修正で一気に統率者ダメージ21点を狙っても良し。

同様に《火と氷の剣》も、ダメージを与えた時の誘発なので、二段攻撃で2回誘発!4点ばらまきながら2ドローで、しかも各対戦相手のターンごとに誘発!

装備品やオーラでパワーを+3すると、パワー6の二段攻撃なので1回の戦闘で12点ダメージ。2回攻撃が通れば24点なので、統率者ダメージ21点で相手を倒す事が出来ます。

1-2ターン目にスライサーを出して、《血染めの月》や《からみつく鉄線》の妨害で相手の展開を遅くしながら攻撃できるターンを増やして行くのが、主な動きです。

雇われの剛力、スライサー/Slicer, Hired Muscle》の弱点!

統率者で攻撃するデッキなので、単体除去は苦手。《剣を鍬に》《致命的なはしゃぎ回り》などの軽い追放除去が特に苦手です。
スライサーがアーティファクト・クリーチャーなので、《耐え抜くもの、母聖樹》の魂力など、アーティファクトへの除去も受けやすいです。1回や2回の除去なら再キャスト可能ですが、3回以上除去されるとスライサーを出せなくなってきます。

それと、相手のターン中にスライサーを貸し出すので、《幻影の像》などでコピーされると、自分のスライサーを伝説ルールで除去されてしまいます。この伝説ルールでの除去は、破壊不能やプロテクションでも防ぐことが出来ません。しかも相手の場にはスライサーのコピーが残る!(コピーは裏面を持たないので、スライサーのコピーは変身出来ません)

自分のデッキにも入っている《波止場の恐喝者》ですが、相手に使われるのは苦手。スライサーや装備品がアーティファクトなので波止場カウントが増えますし、せっかく《血染めの月》で動きを止めていても宝物トークンから展開されてしまいます。

また、スライサーは対戦相手が多いほど攻撃回数が多い統率者ですが、対戦相手が減るのに比例してダメージ量も減って行きます。
最初の1人を統率者ダメージ21点で倒すのは得意なのですが、対戦相手が減って行って最後1対1になったときに、意外と攻め切れない事があります。

「使嗾」は、可能なら使嗾された状態にした呪文や能力のコントローラーでないプレイヤーを攻撃する能力です。なので1対1の対戦になると、スライサーが裏切って攻撃してきます。
しかしスライサーは相手にコントロールを移動しないことを選んだ場合、裏面の3/2先制攻撃に変身してしまうので、打点が大きく下がってしまいます。

なので2人倒した後の1対1の対戦で勝ち切れるように、スライサー以外のクリーチャーで攻める手段も必要になります。

■採用カード解説

まず、このデッキは1ターン目か2ターン目にスライサーを出せる初手をキープする必要があります。

1.2ターン目に出せないと、相手のマナ加速やクリーチャーの展開、コンボを決めるなどでスライサーでの攻撃が間に合わなくなります。なのでマナ加速は他のデッキに比べて多めです。
魔力の墓所》《宝石の睡蓮》があれば1ターン目スライサーなので、採用は確定。《金属モックス》などモックス系もほぼ採用。無色2マナを使いやすいデッキなので《古えの墳墓》《裏切り者の都》も良し。

Mishra’s Workshop》は、アーティファクトを唱える事にしか使用できない3マナを生成。スライサーもアーティファクトなので唱えやすく、装備品も土地1個から出せる!
しかし値段が超高い!通常の感覚なら、1枚30万以上のカードなんて!と思うでしょう。スライサーを組む上での最難関は《Mishra’s Workshop》の入手と言えます。

それでも《Mishra’s Workshop》の有無でデッキの強さが格段に変わります。高いけど、高いけど、、それでも入れた方が強い!

僕はマジックに脳をやられているので、《Mishra’s Workshop》のような高いカードを買う事に喜びを感じてしまいます。

0マナから赤マナを生み出す《水蓮の花びら》《猿人の指導霊》は、他の無色2マナ出すカードと組み合わせて1ターン目スライサーが狙えるのが強いです。

炎の儀式》は1マナから2マナなので《水蓮の花びら》《猿人の指導霊》よりも弱いですが、2ターン目スライサーがキープ基準なので必要。
発熱の儀式》《捨て身の儀式》はマナ加速の中ではあまり強く無いのですが、これもまた2ターン目スライサーの確率を上げるためには必要。

装備品の効果が複数誘発するのが、スライサーを使っていて最も楽しい瞬間です。

梅澤の十手》はスライサーの最強の装備品で、ターンが1周する間にカウンターが最大16個乗るので、盤面のクリーチャーを全部除去しながら大ダメージを与えて行きます。

精霊信者の剣》はターンが1周する間に土地が4枚伸びるので、その後スライサーが除去されたとしても再キャストが容易になります。

火と氷の剣》は除去しながらドロー。《饗宴と飢餓の剣》は土地アンタップで行動回数を増やして、《作戦室》や《ウルザの物語》の2章があれば、何回も起動して行けます。

筋腱と鋼鉄の剣》は、相手の《太陽の指輪》や《魔力の墓所》を破壊して行き、《愚者滅ぼし、テヴェシュ・ザット》に対しても強いです。

Strength-Testing Hammer》は攻撃時に6面ダイスを振って、出た数のぶんパワーを+X/+0。その後自分がパワーが最大のクリーチャーをコントロールしていたら1ドロー。スライサーに装備すれば概ねドローできるのですが、装備コストが3と重めなので、採用するか悩んでいる枠です。

記憶の仮面》はダメージが通ったら2ドロー1ディスカードで、スライサーなら二段攻撃で4ドロー2ディスカード!うまくいけば爆発的に手札が増えます。

英雄の刃》は先出ししておけばスライサーに自動装備されます。パワーが+3されると統率者ダメージ21点が狙いやすくなるので、《英雄の刃》は気に入っています。

スライサーはチャンプブロックされやすいので、《大薙刀》や《伍堂の大槌、天鎖》によるトランプル付与が大事。パワー+3とトランプルはデッキに合っている!
巨怪の怒り》は、プレイしたターンはパワーが3上がるので大型クリーチャーにブロックされても一方的に勝つことが出来て、その後役割トークンで+1/+1トランプルが残るのが強いです。

三度の再誕、ジェスカ》の【0】能力は、スライサーのダメージが次の自分のターンまで3倍になります。スライサーは通常6点なので、その3倍は18点!
ここにトランプルを付与出来れば、統率者ダメージ21点を一瞬で削り切る事も可能です。

スライサーを除去から守る装備品です。

統率者の板金鎧》は+3/+3で打点が高く、プロテクション(白)(青)(黒)(緑)を付与出来ます。
稲妻のすね当て》は被覆なので、他の装備品で強化できなくなるのが欠点ですが、それでも除去されなくなるのが大事。
速足のブーツ》は《稲妻のすね当て》と比べて装備コストが1マナかかりますが、呪禁なので他の装備品でさらに強化できます。
勇者の兜》は少し重いものの、これもスライサーに呪禁を付与出来ます。

宝物でマナ加速になり、リソース獲得にもなる《敏捷なこそ泥、ラガバン》は、赤の統率者の必須パーツだと思っています。
同様に《波止場の恐喝者》も、赤いデッキなら必ず入れたい。

カズールの徴収者》は、スライサーが何度も除去された時のサブプランで、場に残った装備品たちを一気に0マナで装備して攻めて行けます。

背信のオーガ》は、統率者の初期ライフ40を使って10マナ生み出して行きます。ただこれを強く使うなら、《影槍》のようなライフ回復が必要かも。

スライサーはアーティファクトを多用するデッキなので、《汚損破》のような全体アーティファクト破壊が苦手です。
なので全体除去をリカバリーできる非アーティファクトクリーチャーとして、ゴブリンたちを採用しています。

ゴブリンの溶接工》《ゴブリンの技師》は、破壊されたアーティファクトや《からみつく鉄線》を再利用。《ゴブリンの修繕屋スロバッド》《溶接の壺》は、スライサーや装備品を破壊から守ります。

統率者を競技的に遊ぶと、基本地形が減って特殊地形が多くなる傾向があります。
それらのデッキを妨害する特殊地形対策。相手の展開が遅れている間にスライサーで殴り切りましょう。

相手の展開を遅くする妨害アーティファクトたち。妨害しながら殴るので、デッキの動きがレガシーの赤単プリズンに近い感覚があります。

1マナ除去枠。
スライサーは《幻影の像》などコピー系を苦手としているので、それらを打ち消すためにも《紅蓮破》《赤霊破》は必要です。

統率者は青が強いので、相手の《神秘的負荷》《リスティックの研究》を破壊するためにも《活火山》も入れています。

統率者を何回もプレイするデッキ構成上、相手に出される《ドラニスの判事》が苦手なので、火力はインスタントで3点以上与えられるものがおススメです。

3種類のアーティファクト破壊枠。《戦慄大口の怒り》は統率者ダメージの計算も早まります。

ティボルトの計略》は貴重な赤の打ち消し呪文。より強い呪文に代わる可能性はありますが、《むかつき》《死の国からの脱出》などを打ち消せるのは唯一無二です。
統率者を積極的に出して行くデッキなので、《ジェスカの意志》は両方のモードでプレイしやすいです。

スライサーは相手ターン中に移動するので、《偏向はたき》が0マナでプレイできないタイミングも多々あります。しかし自分のターンに装備にスタックで除去されるときに、0マナで除去を跳ね返すのが大事なので、デッキから抜く事は無さそうです。

■採用候補カード

以下がスライサーに入れるか悩んでいるカードです。

撃砕確約》は修正値とトランプルが強いが、ただの巨大化呪文よりは《巨怪の怒り》《戦慄大口の怒り》のような、少し得をする巨大化が良いと感じる。

破壊の衝動》は決まれば土地2個破壊なので、ゲームに勝てる性能。ぜひ試したい。卓内ヘイトはものすごく上がりそう。

稲妻曲げ》は能力も変更できるのが強い。パワー4を自然に満たせそうなので試したい。

山賊の頭、伍堂》は状況に応じた装備が強いが、6マナが重い。

Jeweled Amulet》は追加のマナ加速。2ターン目スライサーに寄与して、マナを次のターンに持ち越すと考えると悪くないが、儀式系よりも優先度は低そう。

もぎ取り刃》《金脈のつるはし》はターンが1周する間に宝物がたくさん出るが、修正値の低さと、合計3マナの重さが気になる所。

微風のブーツ》は飛行付与とルーティングで手札を最適化。パワーが上がらないのが少し惜しい感じ。

時の剣》はスライサーに+1/+1カウンターが沢山乗るが、合計4マナと少し重く、トランプルやプロテクションが無いので結局チャンプブロックされやすい。

家庭と故郷の剣》は通った時に土地がアンタップ状態で出るので一気にマナ加速。ただブリンク対象が少ないのと、合計5マナが少し重い。まだ試せていないので、ぜひ使いたい枠。

ナザーンの槌》もまだ試せていないので、ぜひ使いたい枠。

■おわりに

相手のターン中に攻撃する統率者、《雇われの剛力、スライサー》を紹介していきました。

挙動が面白く、装備品が誘発する瞬間が特に楽しいので、殴りジェネラル好きは試してみて下さい!

それではまた。


↓クリックで通販サイトへ↓

関連記事一覧