MTG │ 新弾レビュー │ 井川良彦【イニストラード:真夜中の狩り】

皆さんこんにちは。Rush Prosの井川です。

ということで毎度おなじみ、最新エキスパンションである『イニストラード:真夜中の狩り』のレビューをお届けします。

今回はローテーション直後=これからの環境を占うということもあり、実際に使われそう/強そうなカードを順に紹介していきたいと思います。

それでは、スタート!

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■このシリーズは流石に強い!こういうカードを神話レアにしないでほしい!!(本音)

「誰が見ても強力なカード」を紹介するのはあまり好きではありませんが、流石の僕もこのシリーズには言及せざるをえませんでした。

いつ引いても強い、まさに現代に求められているカードといえます!!こういう絶対4枚使うカードが神話レアなのはワイルドカードやお財布的にはちょっと悲しいものがありますよね。

5枚全部に共通して言えるのが、クリーチャーとして平均以上のスペックを有しているということ。どれも2-3マナ域のクリーチャーとして通常プレイしても差し支えないですし、同じマナ域のアクションがあるならば中盤以降に温存しておくこともできます。

そしてもう一つ重要なのが、このカードたちの後半の使い方は「追加コスト」ではなく「誘発型能力」であること。これが何を意味するかというと、カウンター呪文への耐性の高さです。

たとえば8マナあるときに《血に飢えた敵対者》をプレイした場合、相手視点だと通してしまうと2回誘発型能力を使われてしまうのでほとんどマストカウンターですが、プレイした側はまだ2マナ払っただけなので、カウンターされても他のアクションにマナを使うことができます。

重いカードなのに軽く仕掛けられる。こういったカードが様々なデッキで使われるなら、カウンターをプレイするようなコントロールデッキはかなり厳しい戦いを強いられるでしょう。

■赤いデッキの3マナ域はこれに決まり!

そしてタダ強枠としてもう1枚。狼男シリーズの中でも別格の性能である《無謀な嵐探し》です!

単体でも3マナ3/3速攻とかなりのスペック。《群れ率いの人狼》の次のターンに出せば一緒に6点殴りながら1ドローできますね。これだけでも単純に強力!

ですが本領発揮は次のターン以降。「対象のクリーチャーに+1/+0と速攻を与える」誘発型能力のおかげで、4マナ域、5マナ域といったクリーチャーたちを次々と投げつけることができます。まさに生ける《ヤヴィマヤの火》!

特に相性が良いのが《エシカの戦車》。ただでさえ環境を定義しうる程の強力なカードですが、その《エシカの戦車》が速攻を持って突撃してくることの、なんと強力なことか!!

それをケアして《軽蔑的な一撃》のようなカウンターを構えようとすると、「狼男」であるコイツは変身してしまってさらに盤面が強くなってしまいますし、相手からするとたまったものじゃありません。

今後赤いアグレッシブなデッキではほぼ確実に採用されるのではないかというほどのカードパワー。ぜひお試しあれ!

■《ジャッカルの仔》もここまで来た!腐らない1マナ域=最強?

赤単使いに愛され、そしてそれ以外の人すべてに憎まれてきたといっても過言ではない《熱烈な勇者》がスタンダード落ちしたことにより、赤単の1マナ域はどうなるのか心配されていました。

ですがその心配は杞憂でした。最上級の1マナ域が登場です!

やったぜ、1マナパワー2!これだけでもビートダウン好きとして嬉しいですね。これまでだと1ターン目に《恋煩いの野獣》から出てくるトークンに止められてうんざりしていましたが、既に《恋煩いの野獣》は存在しません。《よろめく怪異》こそ天敵ではありますが、それ以外はそこまで障壁なく、ちゃんとした1マナアタッカーとして機能してくれそうです。

そして付いている能力がまた強い!!基本的に軽量クリーチャーは途中で盤面が止まった際に役立たずになりがちですが、能力によってドローに変換することができるのです。

しかもコイツは珍しく自分自身を生贄に捧げられるので、これ以外に無理やり吸血鬼を採用する必要はありません。最後まで腐らない1マナクリーチャーと考えると、屈指の性能に見えますね。

■テキストをよく読むと…えっ、自分が殴らなくていいの?

お次にご紹介するのは、過去にも似たようなカードがあったように見せかけて全く違う、最新型のクリーチャーです。

パッと見は《オレスコスの王、ブリマーズ》《刃砦の英雄》のような「殴ったときにトークンが出る」系のカードなのですが、なんとコイツは歴代のクリーチャーたちと一線を画した性能を持っており、自分以外のクリーチャーが殴っても誘発するのです!

1-2ターン目のどちらかにクリーチャーを展開できていれば、出して即能力が誘発するので即座に3/4。さらに次のターンにはそれ以上のサイズで殴ることもできます。出てくるトークンもコイツ自身も同じ人間クリーチャーなので、《兵員の結集》を使ってさらに強化していきたいところ。

ただし強カードである反面、白の3マナ域は超激戦区。精鋭呪文縛り》《スカイクレイブの亡霊》という2大レガシー級クリーチャーがいる上に、《傑士の神、レーデイン》《スカイクレイブの大鎚》などもあります。コイツが伝説のクリーチャーであることも考えると、採用されても2枚程度に落ち着きそうです。

■腐乱ゾンビトークンの使い道はこのカードがベスト!

今エキスパンションで推されているギミックの1つが「腐乱」を持ったゾンビトークンの生成。トークンといえば響きが良いのですが、ブロックができず、1回アタックすると生贄に捧げてしまうため、攻防ともに微妙な性能なので工夫して使わなければ大した働きにはなりません。

その腐乱ゾンビを生成してくれるカードの中では、条件付きではありますが《ネファリアのグール呼び、ジャダー》は毎ターントークンを生成できるため、上手く使えれば大化けする可能性が高いです。

「腐乱トークンを出すカード」以外に「それを活用するカード」を用意しようとすると、その分のリソースやそれを出すテンポが必要となってしまう。そんな問題を解決してくれるのがこのカード!

土地として置いておけるこのカードなら、リソースとテンポの両方の問題を一挙に解決!しかも毎ターン生贄に捧げられるため、《ネファリアのグール呼び、ジャダー》の能力を最大限活用することができます。変身が完了すれば、高いクロックのクリーチャーの誕生です!

黒いビートダウンを組むならこの2種類は真っ先に採用していきましょう!

■その他、気になったカードたちをザックリ紹介します

今回のエキスパンションの中で、最も驚いた(目を疑った)カードがこちら。

2マナ3/1瞬速?生贄に捧げてエンチャント/アーティファクト破壊?そして何より、コモン??????

世が世ならレアでもおかしくない、圧倒的なスペックのカードです。《解呪》能力の強さは環境に左右されるのですが、サイドボードが存在しないBo1を意識して作られたのかなという印象を持ちました。凄すぎ!

由緒正しき再録カード。最初の『イニストラード』の際にも再録されていたので、対フラッシュバックという意識が込められているのは間違いありません。

再録は嬉しいのですが、正直に申し上げますと《自然の怒りのタイタン、ウーロ》《死の飢えのタイタン、クロクサ》がいたときに欲しかったのは僕だけじゃないでしょう。遅刻ちゃう?

恐怖》の系譜のカードとしては初かな?対象に取れるクリーチャーに制限がない、完全な黒単色の2マナインスタント除去がついに登場しました。

万能なのは嬉しいですが、2点のライフがどれだけ痛いかは《残忍な騎士》で皆さんも学んだことでしょう。できればコントロールではなくアグロ寄りのデッキで使いたいですね。夜鷲のあさり屋》と一緒にどうぞ。

信仰無き物あさり》の亜種。スタンダードは現状のカードプールだと厳しそうですが、ヒストリックでは《信仰無き物あさり》《プリズマリの命令》と一緒に、ジェスカイカラーのコンボデッキで使われそうです。《記憶の欠落》と一緒に構えつつ、《掘葬の儀式》や《ミジックスの熟達》に繋げるムーブは中々にエグそう。

見ることのできるカードは5枚と《集合した中隊》に比べて少なめですが、土地を出すこともできるのでほとんどスカることがないのが魅力。

6マナで最大10マナ分の踏み倒しを行えるので、最適なデッキを組んだ場合は大暴れしそうな予感がします。

おまけ。今回の犬枠です。6マナ6/6というサイズは多相を除くと歴代でも最大の犬かもしれません。

でもどちらかというと犬よりも馬に見えるんですよね。サラブレッド的な。

■おわりに

ということでお届けしました『イニストラード:真夜中の狩り』レビュー。

狼男や吸血鬼がテーマなイニストラードが舞台なだけあり、赤・緑・黒の3色に強いカードが多いように見受けられました。特に《無謀な嵐探し》からの《エシカの戦車》という流れは非常に強力で、今後の環境を定義しうるコンビといえるでしょう。

逆にコントロール系はそこまでめぼしいカードがなく、従来のカードをベースに戦うことになること、そして《敵対者》シリーズという天敵が登場したこともあり少し下火になりそうです。《出現の根本原理》《エンバレスの宝剣》といった一撃必殺カードがなくなったので、じっくり戦うミッドレンジ系のデッキの出現にも期待したいですね。

それでは今回はここまで。また次回の記事でお会いしましょう!


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