MTG │ デッキ解説 │ 細川侑也【モダン・アゾリウスコントロールのすべて】
ご無沙汰しています。細川 侑也です。
先週末に晴れる屋にて行われた招待制トーナメント・The Last Sun 2021で準優勝いたしました。
The Last Sun 2021は残念ながら準優勝。スタンはイゼット天啓、モダンは青白コンを使いました。
予選ラウンドは
スタン5-2
モダン7-0決勝は相性有利マッチだから勝ちたかったけど残念。相手が強かった。 pic.twitter.com/qDfS1me8yG
— Yuya Hosokawa (@yuyan_mtg) December 26, 2021
フォーマットはスタンダード&モダンの混合フォーマット。スイスラウンドはいずれも7回戦の計14ラウンドを戦ったのですが、スタンダードの成績が5勝2敗だったのに対し、モダンは7勝0敗と土付かずでした。
というわけで、今回の準優勝の立役者となったアゾリウスコントロールについて、本日は解説していきたいと思います。
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■アゾリウスコントロールって?
アゾリウスコントロールはその名の通り、アゾリウスカラー(青白)で構成されたコントロールデッキです。
青の打ち消しと白の全体除去を組み合わせた古典的なコントロールの1つで、古くはミルストーリーからレガシーの青白奇跡など、様々なフォーマットで長い時代愛され続けています。
モダンでは最強のフィニッシャーだった《精神を刻む者、ジェイス》が解禁された後に頭角を現し始めたデッキです。
ただ、当時の青白はというと、フィニッシャーに強力な面々が揃っている一方で、除去枠として採用しているのは序盤に打ちづらい《流刑への道》、打ち消し呪文は《否認》や《論理の結び目》など、対応するカードのパワーが乏しい印象でした。除去のために色を足そうにも、そのためには土地から大量のダメージを食らってしまうため、仕方なく弱いカードに目を瞑って、青白2色でまとめていました。
そんな青白を変えたのがモダンホライゾン2。最強の除去である《孤独》と《虹色の終焉》を、最高の打ち消し呪文《対抗呪文》を獲得したことにより、一気にトップメタへと躍り出ました。
元来、青いコントロールデッキは極端に不利マッチが存在しないアーキタイプです。
コンボやコントロールには打ち消し、クリーチャーデッキには除去と、それぞれに対応するカードがデッキに入っているためです。これだけだと聞こえはいいですが、実際はコントロール相手に除去まみれの手札をキープして負けることもあります。
しかし、今のアゾリウスコントロールに入っている打ち消し呪文は《対抗呪文》と《大魔導師の魔除け》の2種類。《対抗呪文》はビートダウン相手にも先手なら十分使用できますし、後手でも打てないことはありません。《大魔導師の魔除け》はコントロール奪取モードで《ドラゴンの怒りの媒介者》などを奪ったり、2ドローで《至高の評決》を引き込みにいけます。
除去枠も、《流刑への道》が《虹色の終焉》に替わったことで柔軟性が大幅に向上しました。以前はトロン相手に《流刑への道》を引いたらその場で投了したくなるレベルでしたが、《虹色の終焉》であれば《探検の地図》や《彩色の星》を追放できます。
このデッキにとって致命的な《レンと六番》や《時を解す者、テフェリー》にも触れますし、《虹色の終焉》は抜くマッチがほとんどない完璧な除去です。
このように、打ち消しと除去の質が格段に上昇したことにより、アゾリウスコントロールは万能なデッキになったのです。
■デッキリスト解説
The Last Sun 2021:準優勝 By細川 侑也 | |
---|---|
デッキリスト | |
4:《島/Island》 2:《平地/Plains》 2:《神聖なる泉/Hallowed Fountain》 1:《ラウグリンのトライオーム/Raugrin Triome》 4:《溢れかえる岸辺/Flooded Strand》 2:《汚染された三角州/Polluted Delta》 1:《沸騰する小湖/Scalding Tarn》 4:《秘教の門/Mystic Gate》 1:《天界の列柱/Celestial Colonnade》 3:《ヴァントレス城/Castle Vantress》 1:《ストーム・ジャイアントの聖堂/Hall of Storm Giants》 25 lands 4:《孤独/Solitude》 |
4:《虹色の終焉/Prismatic Ending》 4:《対抗呪文/Counterspell》 4:《大魔導師の魔除け/Archmage’s Charm》 4:《至高の評決/Supreme Verdict》 2:《記憶の氾濫/Memory Deluge》 3:《激しい叱責/Dress Down》 3:《サメ台風/Shark Typhoon》 1:《虚空の杯/Chalice of the Void》 4:《時を解す者、テフェリー/Teferi, Time Raveler》 2:《ドミナリアの英雄、テフェリー/Teferi, Hero of Dominaria》 31 other spells 3:《ドビンの拒否権/Dovin’s Veto》 |
4《孤独》
最強の除去にしてフィニッシャー。《孤独》という名前とは裏腹に、よく2体の《孤独》でつがいになって相手のライフを詰めにいきます。
3/2絆魂なのでなるべく想起せずに5ターン目に唱えたいクリーチャーです。
ハンマーがついて今まさに負けるという時にはもちろん想起するしかありませんが、とりあえず序盤のライフを守るために想起をするのは考え物です。《ドラゴンの怒りの媒介者》は放置できるので想起しません。
4《虹色の終焉》
最強の除去。初手に最も欲しいカードはこれと《対抗呪文》。ほぼすべてのマッチで引きたいカードです。
1ターン目に打てる1マナのカードにもかかわらず、マナ総量を調整できるので、《虚空の杯》をX=1で設置しても問題なく使用できます。
3マナ以下のカードを追放したい場合が多いので、フェッチランドから《ラウグリンのトライオーム》を真っ先にサーチしておきましょう。ただし《広がりゆく海》が入っている相手には1ターン目にサーチしないことをオススメします。《広がりゆく海》を張られて2色しか出なくなり、相手の《時を解す者、テフェリー》に触れないという事案が発生するためです。
4《対抗呪文》
説明不要の最強の打ち消し。初手にあるだけで安心感が違います。
以前は《マナ漏出》や《論理の結び目》が入っていましたが、《対抗呪文》の登場でお役御免となりました。「マナが余ったトロンに《解放された者、カーン》を出されて《マナ漏出》しかなくて泣いた…」などということはもうありません。
とりあえず《対抗呪文》は常に構えたいので、可能な限り青マナだけを並べ続けましょう。5ターン目に《大魔導師の魔除け》+《対抗呪文》が必要な場合もあります。
4《大魔導師の魔除け》
《対抗呪文》に2ドローとコントロール奪取能力をつけて3マナと破格。さすがは大魔導師。
2ドローと打ち消しモードで打つ機会が半々ぐらいです。手札にこれと《対抗呪文》を持っていると、便利であるがゆえに《大魔導師の魔除け》を温存しがちですが、きちんと次の次のターンの動きぐらいまで考えて、問題ない場合に温存しましょう。
たとえば《時を解す者、テフェリー》があるなら5ターン目に《時を解す者、テフェリー》バウンス+《対抗呪文》と構えるかもしれませんし、《虹色の終焉》で除去しつつ《対抗呪文》構えもあります。手札が濃厚であれば、さっさと打ち消しとして使って今後の展開をスムーズに行えるようにしましょう。
4《時を解す者、テフェリー》
いまやアゾリウスの顔と言える存在の《時を解す者、テフェリー》。無理して忠誠度を貯めずに、さっさとキャントリップしてしまうのが最も強い使い方です。
忠誠度1の《時を解す者、テフェリー》を守るために《孤独》を想起で使ってしまうのは損なので、基本は使い捨ててOKです。もちろんカウンターが入っている相手には全力で守りに行きますが。
同型では《虹色の終焉》で触られるため、マイナスから入るのが基本です。ただし、《サメ台風》で落とされたくないので、相手がX=1以上のサメを作るマナが起きている状態では、《時を解す者、テフェリー》はプラスから入りましょう。
2《ドミナリアの英雄、テフェリー》
場に出るだけで勝手に勝つカード。出して《対抗呪文》を構えながら《孤独》を想起で待機する動きを、天地魔闘の構えと呼んでいます。
《時を解す者、テフェリー》には《孤独》を想起する価値は薄いですが、《ドミナリアの英雄、テフェリー》を守るためには喜んで切ります。
本当はあまりに勝利貢献度が高すぎて3枚目を入れたいのですが、《記憶の氾濫》の2枚目を入れるスロットのため、なくなく2枚にしています。
《邪悪な熱気》で焼かれてしまう点に注意。
4《至高の評決》
3枚のリストがほとんどの中、僕は一貫して4枚にしていました。
というのも、現在のモダンでは《至高の評決》が効く相手が驚くほど多いのです。ジャンドサーガを除くラガバンデッキ以外に劇的に刺さり、ハンマータイムにも強力で、2種の続唱デッキにも強いカードです。
メイン戦で《大魔導師の魔除け》と《至高の評決》しかない手札がよく来ますが、喜んでキープします。《至高の評決》が必要ない相手にはゆっくりできる場合が多いですからね。
アゾリウスコントロールは序盤のアクションが《虹色の終焉》と《対抗呪文》ぐらいしかなく、かといってそれらをマリガンで探しにいきたくはありません。キープ基準にもなる《至高の評決》は4枚採用すべきだと思います。
2《記憶の氾濫》
最大で手札にカードを4枚もたらす素晴らしいカード。《孤独》の想起で手札が枯渇するため、《大魔導師の魔除け》を打ち消しで使った場合は、《記憶の氾濫》がないと手札が足りなくなりがちです。
《思考囲い》を打ってくる相手にも強いカードで、《神秘の論争》が当たるマッチでは《ドミナリアの英雄、テフェリー》から先に抜くので、サイドアウトするマッチが実はあまりありません。
3《サメ台風》
アゾリウスコントロールを使ったプレイヤーが一度は悩むのが「《サメ台風》はメインに入れるべきか?」ということでしょう。
ここまで紹介したカードたちは、ほぼすべてのアゾリウスコントロールが同じ枚数を採用していますが、《サメ台風》は人によって枚数が分かれます。そして75枚の中に入れていない人もいません。《広がりゆく海》と《サメ台風》のいずれかがメインで、もう一方がサイド。あるいは両方が少しずつメインに入っていたりします。
《サメ台風》の主な役割はプレインズウォーカー対策です。《虹色の終焉》以外で《時を解す者、テフェリー》や《レンと六番》を落とすことが困難なため、《サメ台風》は対プレインズウォーカー戦において必須。
最初はそう考えて、《サメ台風》をサイドボードに落として《広がりゆく海》をメインに入れていました。
しかし、ある時に友人の木原くんが「《広がりゆく海》が強いマッチではどうせ《サメ台風》も強いから、《サメ台風》をメインに入れるべき」と主張して、今までの考えを改めることとなりました。
そもそも《広がりゆく海》がメインに入っている理由は《ウルザの物語》対策です。トークンを2回作られて攻撃されるだけで簡単に敗北してしまいますし、土地に対して《至高の評決》や《虹色の終焉》を使うのは損です。そのため、未然にトークン生成を防ぎつつ、カードを引ける《広がりゆく海》が採用されていました。
《広がりゆく海》自体は《ウルザの物語》に強いカードであるのは事実です。しかし《サメ台風》もまた、《ウルザの物語》を使うハンマータイムやジャンドサーガに強いカードなのです。
サメがハンマータイムの《エスパーの歩哨》を打ち取ってくれる可能性がある他、一撃死をトークンによるチャンプブロックで耐えることができ、返しのターンの《至高の評決》に繋げられます。1/1飛行を置いておくだけで《墨蛾の生息地》へのプレッシャーにもなります。
ジャンドサーガの《レンと六番》に殴っていけるのも重要で、《敏捷なこそ泥、ラガバン》をブロックする機会も少なくありません。
《サメ台風》は《ウルザの物語》というカード自体には何もしませんが、《ウルザの物語》が入ったほとんどのデッキに対してサイドインしていたカードだったのです。
メインボードに3枚以上入れることを強くオススメします。
3《激しい叱責》
今回のリストで最も異質なのが、このメインの《激しい叱責》でしょう。本来このスロットはすぐ上で話題に上がった《広がりゆく海》であるはずですが、僕は《ウルザの物語》対策として《激しい叱責》を採用しました。
《激しい叱責》は《ウルザの物語》が生み出すトークンを除去できるカードです。トークンを出させない《広がりゆく海》と比べると、第三章で1マナのカードをサーチされる点のみがマイナスですが、逆に言えばそれ以外の状況では《激しい叱責》に軍配が上がります。
たとえば既に《ウルザの物語》が第2章の状態で《広がりゆく海》をトップデッキしても、トークンを生み出されてしまいます。
また、《広がりゆく海》は先手2ターン目に貼れない場合があるのも気になりました。
相手が1ターン目にフェッチランドを置いてエンドしてくると、こちらの先手2ターン目で《広がりゆく海》でカードを引くことができないのです。《広がりゆく海》がさほど重要ではないマッチでは、どんどんキャントリップとして使っていきたいカードです。とはいえ、自分の土地にエンチャントはしたくありません。
そしてソーサリーアクションであるため、3ターン目以降は貼るまでに少し時間を要します。《激しい叱責》はインスタントなのでカウンターを構えながら隙を見てカードを引きにいける点も大きいと考えています。
また、《激しい叱責》をメインに採用したことで、4色ブリンクに対して明確に強くなりました。《空を放浪するもの、ヨーリオン》を打ち消さずに済むようになるのは非常に大きいのです。
同じ《ウルザの物語》対策でありながら、《石鍛冶の神秘家》の無効化など様々な用途がある《激しい叱責》は、《広がりゆく海》よりも優れていると判断しました。
1《虚空の杯》
メインサイド合わせて合計で3枚欲しいカードだと考えているので、今はこの比率で落ち着いています。
ハンマータイムや各種ルールスデッキには強いものの、サイド後は明確に意識されるので、過信は禁物です。
自分でX=1で置いた後に《虹色の終焉》を打つときは気を付けましょう。
2《ドビンの拒否権》
《神秘の論争》のバックアップ込みで《時を解す者、テフェリー》などの致命的な呪文を通されることが多々あるので、《ドビンの拒否権》を多めに採用しています。続唱デッキに対しては一番引きたいカードです。
《創造の座、オムナス》などにも触れる《神秘の論争》と散らしている時期もありましたが、結局長引いた時に弱いので、すべて《ドビンの拒否権》になりました。
2《霊気の疾風》
アミュレット、赤単、4色ブリンクなど、やたらと色々な相手に入れられるスーパーサブ。3枚目が欲しかったのですが、赤い相手に《ヴェクの聖別者》を入れることから、計4枚に押さえるべく、枚数を調整しました。
《ドミナリアの英雄、テフェリー》を出して《霊気の疾風》を構えると大体勝ちます。《ヴェクの聖別者》が抜ければその分だけ《霊気の疾風》の枚数が増えていきます。何枚あっても困らない便利なカード。
2《ヴェクの聖別者》
グリクシスシャドウがかなり増えると予想していたため、サイドボードに2枚採用。ラガバンデッキにはとりあえず入れたくありますが、イゼットにはほぼ効果がないのでサイドインしません。ラガバンが止まるだけで、それ以外のクリーチャーが止まらないためです。
ラクドスやグリクシスシャドウはスペルが赤か黒なため、《ヴェクの聖別者》が出ると昂揚も達成しなくなり、《ドラゴンの怒りの媒介者》も止まるのです。
地味にバーンにも入れられます。
2《安らかなる眠り》
ジャンドサーガとイゼットラガバンに対して最も効果的なカード。かぶってしまうのが嫌なので3枚目は取りたくありません。
1《約束された終末、エムラクール》
ミラーマッチと4色ブリンクに対してサイドインします。後半は7マナぐらいとまあまあ軽くなります。
青い同型対決は《時を解す者、テフェリー》をめぐる戦いで幕を開け、互いに譲らなかった場合は、《約束された終末、エムラクール》を出した方が勝利となります。
1《引き裂かれし永劫、エムラクール》
ライブラリーアウト対策です。《ターシャズ・ヒディアス・ラフター》で追放された時に重ければ重いほど良いので、《引き裂かれし永劫、エムラクール》推奨です。
《孤児護り、カヒーラ》を相棒にしているのであれば、《ガイアの祝福》でも良いと思います。《引き裂かれし永劫、エムラクール》をサイドインすると《孤児護り、カヒーラ》を相棒として公開できず、すぐに相手にバレてしまうからです。《引き裂かれし永劫、エムラクール》はバレると、《外科的摘出》を引くまで手札を貯めるなどで結構ケアされます。
《ガイアの祝福》を入れる場合は緑マナもお忘れなく。
1《船砕きの怪物》
4色ブリンクとミラーマッチで打ち消されない何かを1枚入れようと思い、《船砕きの怪物》に白羽の矢が立ちました。《サメ台風》のトークンをバウンスできるのがオシャレ。《孤独》されてしまいますが、大体は《サメ台風》に使っているはずですし、他にインスタントがあれば避けられるので、さほど問題ではありません。
《孤児護り、カヒーラ》不採用
2種類の《引き裂かれし永劫、エムラクール》、《ヴェクの聖別者》と入っているので、《孤児護り、カヒーラ》は入れませんでした。
実は《孤児護り、カヒーラ》は手札に加える機会が比較的多い相棒です。そのため、相棒から外そうとは当初考えていませんでした。
ですが、よく思い返してみると、《孤児護り、カヒーラ》を手札に加えた回数こそ多いものの、勝利貢献度はそこまで高くなかったのです。
《孤独》は想起より5マナで唱えることの方が多く、想起で使用する場合は《孤児護り、カヒーラ》を加えて追放する余裕がない時がほとんど。《孤児護り、カヒーラ》が場に出て攻撃を始めるときは既に盤面を掌握した後であり、必要ないカードだったのです。
土地関連
《孤児護り、カヒーラ》の相棒を外したことで《繁殖池》を抜きましたが、《広がりゆく海》で《ラウグリンのトライオーム》を島にされた時のことを考えると、この判断は微妙かもしれません。《時を解す者、テフェリー》に《虹色の終焉》を当てられないことが致命的になる場合が多く、《ラウグリンのトライオーム》は早いターンでサーチしがちなので、アンタップインで持ってこれる3色目の土地は重要です。
《ヴァントレス城》は必ずセットランドしておきたいので3枚は入れたいカードです。たまにタップインになって展開が悪くなりますが、勝利貢献度があまりに高い土地です。更地で《ヴァントレス城》を起動すれば勝利目前です。
■マリガンについて
《虹色の終焉》、《対抗呪文》、《虚空の杯》がある手札はすべてキープします。《至高の評決》も初手にあれば限りなくキープに近いカードです。
《時を解す者、テフェリー》と《大魔導師の魔除け》は先手であればキープ基準となるカード。後手番では《至高の評決》や《孤独》とセットで揃っていればキープできます。
軽いカードがなくて《孤独》だけある初手の場合は、想起で使うことを想定し、減った手札を回復する手段があるかでキープか判断します。《孤独》を想起した後に手札に4枚の土地が残っていたらまずゲームに負けるので、土地が少なめの手札か、《記憶の氾濫》や《大魔導師の魔除け》とセットでキープしましょう。
《サメ台風》と《激しい叱責》はそれぞれ単品でキープできるカードではありませんが、《激しい叱責》は先手ならラガバンを1ターン無効化したり、《石鍛冶の神秘家》の誘発を防ぐなど、最低限の活躍はしてくれるので、他の手札次第でキープできます。たとえば《激しい叱責》、《サメ台風》、《孤独》、《ドミナリアの英雄、テフェリー》、土地3などはキープです。
アゾリウスコントロールは土地と呪文、どちらもたくさん必要なデッキです。マリガンで土地を1枚下に送る余裕はないので、マリガンを厳しくしないようにしましょう。
■マッチアップガイド
VSイゼットラガバン
In
+2《安らかなる眠り》
+2《虚空の杯》
+1《サメ台風》
Out
-3《激しい叱責》
-2《ドミナリアの英雄、テフェリー》
有利なマッチアップです。《至高の評決》と《孤独》と《虹色の終焉》を引けば引くだけ勝ちに近づきます。
《血染めの月》で負けてしまうのが一番ばからしいので、積極的に基本土地をサーチしましょう。《島》と《平地》があれば《虹色の終焉》で《血染めの月》に触れます。
《時を解す者、テフェリー》は常にプラスから入りましょう。マイナスしてラガバンの疾駆で落ちるのは損です。《濁浪の執政》に対処できない場合はもちろんバウンスします。
VSハンマータイム
Out
-2《時を解す者、テフェリー》
-1《記憶の氾濫》
相手のリスト次第ですが、やや有利なマッチアップ。《巧妙な鍛冶》や《闇の腹心》が4枚入ったリストなら、結構良い勝負です。
理想的な展開は、更地に《シガルダの助け》と《巨像の鎚》だけが落ちてる状態を作ることです。《虹色の終焉》で《シガルダの助け》を追放して《純鋼の聖騎士》に触れず負けるパターンが多いので注意。
《巨像の鎚》がついてもすぐに負けるわけではありません。《サメ台風》のチャンプブロックもありますし、そもそも《孤独》が飛んでくるので、相手視点でも《巨像の鎚》の装備にはリスクがあります。《虹色の終焉》を《シガルダの助け》に使って良いかどうかは、手札の他のカードと相談しましょう。
VS4色ブリンク
In
+3《ドビンの拒否権》
+2《霊気の疾風》
+1《約束された終末、エムラクール》
+1《サメ台風》
+1《船砕きの怪物》
Out
-4《至高の評決》
-1《虚空の杯》
-3《激しい叱責》
メインは総力戦になります。一見不利なマッチアップですが、実はこのリストであれば、アゾリウスコントロール側に分があると思います。
《時を解す者、テフェリー》の定着は《サメ台風》が許さず、《空を放浪するもの、ヨーリオン》による大量のアドバンテージ獲得は《激しい叱責》が防ぎます。そうなると相手は《激情》や《創造の座、オムナス》、《孤独》を並べて殴るだけなので、《至高の評決》が突き刺さることとなります。
相手は《孤独》と《虹色の終焉》しか除去が入っていないので、こちらが《時を解す者、テフェリー》を通してミシュラランドで攻撃し始めると何もできません。相手が大量に手札を持っていて動かない時は《孤独》が必ずあるので、油断して《ストーム・ジャイアントの聖堂》を追放されないようにしてください。ゲームを決めるのはミシュラランドです。
サイド後は序盤のプレインズウォーカー負けを防ぎつつ、《約束された終末、エムラクール》まで繋ぎましょう。サイド後は打ち消しが増えるので、《空を放浪するもの、ヨーリオン》などに《激しい叱責》を合わせる必要がなくなるため、サイドアウトします。
VSグリクシスシャドウ
In
+2《ヴェクの聖別者》
+2《安らかなる眠り》
+2《虚空の杯》
+1《サメ台風》
Out
-3《激しい叱責》
-4《時を解す者、テフェリー》
有利ではあるものの、手札破壊からのラガバンという黄金パターンがあるため、ひやひやするマッチアップ。《ヴェクの聖別者》と《安らかなる眠り》が引ければかなり楽なゲームになります。
《虚空の杯》は強いものの、《コラガンの命令》には注意。《対抗呪文》などがあるならしっかりと消しておきましょう。大体得をします。
VSバーン
In
+3《ドビンの拒否権》
+2《ヴェクの聖別者》
+2《虚空の杯》
+2《霊気の疾風》
Out
-3《激しい叱責》
-2《記憶の氾濫》
-4《時を解す者、テフェリー》
作戦名、いのちだいじに。
《大歓楽の幻霊》は3マナ以下の呪文を唱えると2点食らうので、《虹色の終焉》を4マナ以上で唱えれば2点食らいません。覚えておきましょう。
VSティムールカスケード
Out
-3《激しい叱責》
-1《虹色の終焉》
-1《ドミナリアの英雄、テフェリー》
ベストマッチアップ。最もアゾリウスコントロールが当たりたいのがティムールカスケードです。
《時を解す者、テフェリー》、《虚空の杯》と一撃必殺のカードがある他、《衝撃の足音》が解決されても《至高の評決》があります。《大魔導師の魔除け》でサイを奪えることもお忘れなく。
《砕骨の巨人》の処理に手を焼くことが多いので、バウンスして忠誠度が1になった《時を解す者、テフェリー》に《砕骨の巨人》を当てられたときは打ち消してしまう場合もしばしば。
《精神を刻む者、ジェイス》だけには注意。注意してもケアできない時はできませんが。
VSリビングエンド
In
+3《ドビンの拒否権》
+2《安らかなる眠り》
+2《虚空の杯》
Out
-1《激しい叱責》
-2《サメ台風》
-4《虹色の終焉》
ティムールカスケードと同じく続唱デッキではあるものの、手札破壊から仕掛けることができる点と、手札がサイクリングで揃いやすい点から、相性は劇的に良いとは言い難いマッチ。
とはいえ、《安らかなる眠り》もクリティカルなサイドカードなので、有利なことには違いありません。
《虚空の杯》に触れるカードは《厚かましい借り手》と少しの《基盤砕き》のみ。しっかりと打ち消していきましょう。《虚空の杯》定着後は飛行クリーチャーでビートされる展開があるので、1枚だけ《サメ台風》を残すようにしていますが、《悲嘆》と《基盤砕き》に効くので《激しい叱責》を全部残しても良いと思います。
VSジャンドサーガ
In
+2《安らかなる眠り》
+2《虚空の杯》
+1《船砕きの怪物》
+1《サメ台風》
Out
-4《時を解す者、テフェリー》
-2《至高の評決》
手札破壊、《ウルザの物語》による攻め、《タルモゴイフ》ビートなど、多角的な攻めを展開されます。とはいえ不利かと言われればそんなことはなく、相性は五分といったところ。《記憶の氾濫》が強いマッチアップ。
基本的には相手のアクションにこちらが受け続けることになるので特筆すべき点はありませんが、ジャンドサーガはライフが減りやすいデッキであるということは覚えておきましょう。突然エンド前の《サメ台風》2連打で一気にゲームがひっくり返ります。
VSライブラリーアウト
In
+3《ドビンの拒否権》
+2《虚空の杯》
+1《引き裂かれし永劫、エムラクール》
2種類のカニと《彼方の映像》を何枚引かれるかです。絶望的だと思われがちですが、意外とアゾリウスコントロール側にも分があります。諦めてはダメです。
デッキを削るために相手は手札を使ってくるので、途中でリソースが枯渇します。リソース回復手段である《彼方の映像》を打ち消しましょう。《書庫の罠》は打ち消さないことも多いです。《ターシャズ・ヒディアス・ラフター》は削られる枚数が尋常じゃない場合があるので消したいところ。
カニは土地が切削に繋がるので、見かけたらすぐに対処しましょう。
サイド後は《引き裂かれし永劫、エムラクール》があるので、カニに削られても基本は問題ありません。《根絶》と《外科的摘出》で《引き裂かれし永劫、エムラクール》を抜いてこようとしますが、《虚空の杯》が設置できれば憂いありません。
ただし、《ターシャズ・ヒディアス・ラフター》には注意です。これは切削ではなく追放なので、《引き裂かれし永劫、エムラクール》のライブラリ―修復能力が誘発しません。積極的にカウンターしていきましょう。
VSミラーマッチ
In
+3《ドビンの拒否権》
+1《約束された終末、エムラクール》
+1《サメ台風》
+1《船砕きの怪物》
Out
-4《至高の評決》
-1《虚空の杯》
-1《激しい叱責》
《時を解す者、テフェリー》を場に定着させた方が基本的にはゲームに勝利します。
相手が《否定の力》を採用している場合があるので、不審な動きには注意しましょう。
たとえば相手が先手3ターン目にノータイムで《時を解す者、テフェリー》をプレイしてきた場合は、《否定の力》を持っているかもしれません。こちらの手札に《時を解す者、テフェリー》しかないなら思い切ってプレイしますが、手札に打ち消しがあるなら、構えてエンドするのも手です。
次のターンに相手が《時を解す者、テフェリー》の2枚目を出してきたなら、「テフェリーが2枚あるから連打して通しに行こう」というプレイに見えるので、《否定の力》を持っている可能性は低くなります。
また、同型では《時を解す者、テフェリー》に《虹色の終焉》で触れる一方、《ドミナリアの英雄、テフェリー》は対処するのが非常に困難です。《時を解す者、テフェリー》を通すことに躍起になった結果、《ドミナリアの英雄、テフェリー》を通されて負けるのは同型あるあるです。
《時を解す者、テフェリー》が通せそうな手札が来ても、「返しで《ドミナリアの英雄、テフェリー》が出てきたらどうするか」を考えてからにしましょう。
■おわりに
モダンのアゾリウスコントロールは、最強の除去と最強の打ち消しが揃った、歴代最強のアゾリウスコントロールと言って差し支えないデッキです。
《敏捷なこそ泥、ラガバン》で殴ったり、《ウルザの物語》を起動するのも楽しいですが、たまには《対抗呪文》を構えながら《記憶の氾濫》を打ってみませんか?
それではまたいつか、お会いしましょう。