先週末は、晴れる屋さん主催の「第23期スタンダード神決定戦」に参加しました。
以下そのレポートです。
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■プロツアー後のデッキの答え合わせと、チーム・ハンドシェイクの話
・プロツアー・機械兵団の進軍
・プロツアー・バルセロナ予選(プロツアー3日目開催)
2週間前に参加した「プロツアー・機械兵団の進軍」では、グリクシスミッドレンジを使用し、7勝3敗という成績を残すことが出来ました。(大会レポート)
このプロツアーを優勝したのは、ネイサン・ストイア選手のラクドスミッドレンジ。
もちろん、僕たちの調整チームでもラクドスはテストしました。その上で、グリクシスに対して《死体鑑定士》分のアドバンテージで少し不利と位置付けて、使用を諦めた経緯があります。
しかし結果は予想と異なる物で、プロツアートップ8にチーム・ハンドシェイクの4人のラクドスミッドレンジ。そして、プロツアーのトップ16まで見てもラクドスミッドレンジが最大勢力であり、明らかに勝ち組デッキと言えます。
そしてプロツアー会場の3日目では、プロツアー参加者のうち次回権利を獲得出来なかった人限定で、プロツアー・バルセロナ予選が開催されます。
参加者全員が強いので、世界一レベルの高い予選なのですが、そのトップ8中7人がラクドスミッドレンジで、ここでも最強デッキの風格を表しています。
今のトーナメントシーンを席巻する、チーム・ハンドシェイクの存在。
圧倒的な成績を残し続ける、ネイサン・ストイア選手達に非常に興味があります。自分たちのチーム練習で足りなかったのは何なのか、それを知りたい!
チーム・ハンドシェイクの思考を辿るべく、慣れ親しんだグリクシスではなく、ラクドスを使用しました。
チーム・ハンドシェイクについてもっと知りたい方は、以下の記事もおすすめです。
・20歳の若き傑物ネイサン・ストイア選手(マジック日本公式)
・ハビエル・ドミンゲス選手のプロツアーレポート(晴れる屋)
■ラクドス・ミッドレンジ
【インポートデータ】
今のスタンダードの中心となっているのは、《勢団の銀行破り》《鏡割りの寓話》です。
どちらもクリーチャー除去1枚では対処しにくく、ドロー能力により手札を最適化し、序盤から終盤までいつ引いても役立ちます。そして《鏡割りの寓話》《力線の束縛》《ギックスの残虐》などエンチャントが強い環境だからこそ、エンチャントとクリーチャーをまとめて対処できる《絶望招来》が強い!
環境のトップ3と言えるカードが非クリーチャー呪文なので、相対的に《強迫》や《否認》といったカードもメインデッキに採用しやすいです。
上位に行けば行くほど赤黒系のデッキと当たる回数が増えると考えたため、メインから《強迫》4枚を採用しました。
クリーチャー中心のエスパー・レジェンズに対しては《強迫》がほとんど効かないですが、2本目以降《切り崩し》《石術の連射》の1マナ除去と入れ替えることで最適化されるので、サイド後は問題ないと考えています。
ラクドスとグリクシスの一番の違いはマナベースです。4ターン目以降の《黒割れの崖》を除き、デッキ内の全ての土地がアンタップ状態で出てきます。
これによりマナカーブ通りに動くことが容易で、《強迫》→《税血の収穫者》→《鏡割りの寓話》という理想的な動きを再現しやすい!
グリクシスだと、どうしても《黒割れの崖》《闇滑りの岸》のタップインや、《ザンダーの居室》のタップインが響いて理想的なマナカーブにズレが生じ、「《絶望招来》の5マナ目欲しい!→タップインかよ!」なんてことも起こります。
アンタップインでの行動回数の差とメインの《強迫》により、僕たちの調整チームでの想定よりもグリクシスに勝率が良く、感覚としてラクドス対グリクシスは5分程度です。
《剃刀鞭の人体改造機》は特にグリクシス系統のデッキに対して強く、血・トークンや《鏡割りの寓話》の2章で捨てた時に、お得に墓地から戻って来ます。
基本地形重視のマナベースになっていることで、相手に《剃刀鞭の人体改造機》を強く使わせないのも、ラクドスがグリクシスよりも良いと思える理由の一つです。
ただ《ザンダーの居室》など能力持ちの土地が少ないので、マナフラッドの受けとして《反逆のるつぼ、霜剣山》が2枚入っています。スピリット・トークンが相手の《絶望招来》の生贄になったり、意外と4ターン目魂力でライフを攻めたりで便利なので、2枚に納得です。
プロツアーで台頭したデッキの一つに、5色ランプがあります。《ゼンディカーへの侵攻》でのマナ加速から、《怒りの大天使》《偉大なる統一者、アトラクサ》《原初の征服者、エターリ》の高コストで相手を圧倒し、ラクドスに有利と言われていました。
しかし練習するうちに、ラクドスでも5色ランプに普通に勝てるようになっていました。
理由としては、メインに《強迫》を4枚投入したため相手の《ゼンディカーへの侵攻》に干渉しやすくなり、更に《税血の収穫者》《鏡割りの寓話》と動くと、5色ランプ側が軽い除去を複数持っていないと、そのまま押し切る展開があるためです。5色ランプ側は、軽い除去、マナ加速、十分な土地、フィニッシャーとバランスよく引く必要があり、これは思ったよりもハードルが高いです。
とは言え、早いターンにマナ加速されるとラクドスが負けやすいので、5色ランプを意識したカード選択をしました。
メインは《強迫》4枚に加えて《ヴェールのリリアナ》で相手のリソースを絞っていきます。
サイド後は相手の高コスト帯に対抗すべく、《刃とぐろの蛇》で3枚手札破壊、《多元宇宙の突破》で相手の7マナを奪います。対5色ランプのほとんどのゲームで《多元宇宙の突破》で勝利していました。
《鋼と油の夢》は、《装飾庭園を踏み歩くもの》を捨ててマナ加速を防ぎつつ、《怒りの大天使》《偉大なる統一者、アトラクサ》《原初の征服者、エターリ》も捨てられます。エスパーレジェンズに対しても、《敬虔な新米、デニック》を捨てさせて追放できるのが良いです。
メインが《強迫》4枚で赤黒系やランプを意識している分、エスパーレジェンズにガードが下がっているので、サイド後は最適化出来るように軽い除去を多めに取っています。
《夜明けの空、猗旺》を意識して、追放除去は2枚。《覆い隠し》は新カードで、インスタントな分《魂転移》より使いやすく、相手に《英雄の公有地》を構えられたとしても関係なく除去する事が出来ます。
■大会結果
・スイスラウンド
〇5色ランプ
〇オルゾフミッドレンジ
〇グリクシスリアニメイト
〇エスパーレジェンズ
〇5色ランプ
ID
・決勝ラウンド
〇5色ランプ
〇グリクシスミッドレンジ
〇グリクシスリアニメイト
・タイトルマッチ
×エスパーレジェンズ
タイトルマッチは、残念ながら2勝3敗で敗北。
しかしお互いの攻め合い、読み合いが面白いゲームでした。youtube動画もあるので、こちらもどうぞ。
■おわりに
「彼を知り己を知れば百戦殆からず」
「孫子」という兵法書の一節で、相手の実力や思考を把握していれば、自分のことを良く知ることが出来れば、何度戦っても勝つことが出来るという、僕の好きな言葉です。
ラクドスミッドレンジを使用して、ネイサン・ストイア選手およびチーム・ハンドシェイクの実力や思考を把握することで、また少し上達出来ました。自分のことを良く知るということでは、やはり最強デッキを最高のプレイングで回すのが性に合っています。
強い対戦相手たちの存在により、とても良い刺激を受けているので、次回のプロツアー・バルセロナまでに実力を高めていきます。
それではまた。
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