MTG │ 大会レポート │ 高橋優太【ニューカペナ・チャンピオンシップ レポート】

先週末に参加した、『ニューカペナ・チャンピオンシップ レポート』の大会レポートです。

今回の大会はスタンダードとヒストリックの混合フォーマット。
それぞれのデッキ選択の過程を記していきます。

 

ヒストリックとは
(公式サイト: https://mtg-jp.com/gameplay/format/historic.html)

 

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■事前準備

今回はいつものリーグメンバー(井川・熊谷・佐藤・高橋・原根)に加えて、予選や前回のチャンピオンシップで権利を獲得した8名(市川・加藤・小泉・河野・小原・中村・森山・矢田)に協力してもらい、13名で調整を行いました。

予選を抜けてきた、新進気鋭の若手たちが練習相手に増えて喜ばしい!

スタンダードとヒストリックをそれぞれ分担し、僕はスタンダードで主にゴルガリフードとイゼットフェニックスのデッキを担当していました。

■スタンダード「エスパーミッドレンジ」

エスパーミッドレンジ
デッキリスト
1:《沼/Swamp
1:《平地/Plains
4:《陽光昇りの小道/Brightclimb Pathway
4:《清水の小道/Clearwater Pathway
4:《連門の小道/Hengegate Pathway
2:《さびれた浜/Deserted Beach
2:《難破船の湿地/Shipwreck Marsh
2:《砕かれた聖域/Shattered Sanctum
4:《ラフィーンの塔/Raffine’s Tower
24 Lands


3:《光輝王の野心家/Luminarch Aspirant
4:《しつこい負け犬/Tenacious Underdog
4:《策謀の予見者、ラフィーン/Raffine, Scheming Seer
2:《軍団の天使/Legion Angel
13 creatures

1:《呪文貫き/Spell Pierce
3:《冥府の掌握/Infernal Grasp
3:《消失の詩句/Vanishing Verse
3:《ジュワー島の撹乱/Jwari Disruption
4:《婚礼の発表/Wedding Announcement
1:《食肉鉤虐殺事件/The Meathook Massacre
2:《漆月魁渡/Kaito Shizuki
4:《放浪皇/The Wandering Emperor
2:《蜘蛛の女王、ロルス/Lolth, Spider Queen
23 other spells


3:《レイ・オヴ・エンフィーブルメント/Ray of Enfeeblement
2:《軽蔑的な一撃/Disdainful Stroke
2:《否認/Negate
2:《軍団の天使/Legion Angel
2:《食肉鉤虐殺事件/The Meathook Massacre
3:《エメリアのアルコン/Archon of Emeria
1:《勢団の銀行破り/Reckoner Bankbuster
15 sideboard cards

エスパーカラー(常夜会一家)の各色のパワーカードを詰め込んだデッキです。
デッキの中心になっているのは《策謀の予見者、ラフィーン》。護法とタフネス4により除去で2ターン目に倒すのが難しく、2マナクリーチャーから3ターン目ラフィーンはそれだけで勝ててしまう事もあります。

光輝王の野心家》はラフィーンと組み合わさってすごい速度で+1/+1カウンターが乗って行き、《しつこい負け犬》は奇襲能力で後半のマナの使い道とドローに変わり、ミシュラランドのような働きをします。
そしてこれらの攻撃を《放浪皇》の「+1」の先制攻撃で補助。《放浪皇》は能力3つが攻めても守っても強い、スタンダード屈指の性能です。

漆月魁渡》は中盤のドローエンジンとして。
ブロックされない忍者トークンは《光輝王の野心家》で強化するのに最適ですし、相手の《蜘蛛の女王、ロルス》の「-3」能力のあとに忍者の攻撃1回で落とすことが出来ます。

蜘蛛の女王、ロルス》は蜘蛛トークンで盤面形成。互角の場から一気に有利にしてくれる、特に中速デッキ対決で強いプレインズウォーカーです。
どちらも強いカードではあるのですが、ある程度強い盤面を作らないと攻撃で落とされやすいので、ゲーム中1枚引くくらいの感覚で2枚採用です。

他のチームメイトのリストと異なり、僕は打ち消し呪文が少し多めのデッキ構成にしました。
この理由はスタンダードの強いカードが3マナと4マナに集中しており、今は打ち消し呪文が強いメタゲームだと感じたからです。

例えば《鏡割りの寓話》《婚礼の発表》《漆月魁渡》は、クリーチャー除去されても何かしらアドバンテージを稼いでおり、除去するより打ち消す方がスマートに対処できます。
特に後攻2ターン目はインスタント除去と《ジュワー島の撹乱》を構えてターン終了する方が、2マナクリーチャーを出すよりも良いと感じる場面があったので、プレイに選択肢を生むためにも打ち消し呪文を入れました。

大会結果を見たら、《黄金架のドラゴン》デッキはかなりの数いたので、それに対する打ち消しとして《軽蔑的な一撃》はサイドに3枚目があっても良かったと感じました。

しかし、打ち消しのマナを構えてエンドするなら相手のエンド時に動けるカードが欲しいです。
勢団の銀行破り》は特にサイド後のマナを構えてエンドする展開で強いので、今後様々なデッキで見かける事になりそうです。

レイ・オヴ・エンフィーブルメント》は《策謀の予見者、ラフィーン》を護法込み2マナで倒すことが出来ます。
チーム内ではナヤルーンも有力候補に挙がっていたので、ナヤルーンとエスパー同系を見れる除去の《レイ・オヴ・エンフィーブルメント》はサイドに多めの採用。

エメリアのアルコン》もナヤルーンを意識したサイドボードで、1ターン中に複数アクションさせない能力が活きます。イゼットの呪文を連打するコンボデッキにもそこそこ効きますが、除去耐性が無いに等しいので過信は禁物。

■ヒストリック「ゴルガリフードタッチ赤」

ゴルガリフードタッチ赤(相棒:ルールス)
デッキリスト
4:《草むした墓/Overgrown Tomb
4:《花盛りの湿地/Blooming Marsh
4:《闇孔の小道/Darkbore Pathway
1:《岩山被りの小道/Cragcrown Pathway
1:《血の墓所/Blood Crypt
2:《荒廃踏みの小道/Blightstep Pathway
1:《ファイレクシアの塔/Phyrexian Tower
2:《目玉の暴君の住処/Hive of the Eye Tyrant
1:《見捨てられたぬかるみ、竹沼/Takenuma, Abandoned Mire
1:《耐え抜くもの、母聖樹/Boseiju, Who Endures
1:《カルニの庭/Khalni Garden
22 Lands


4:《大釜の使い魔/Cauldron Familiar
4:《金のガチョウ/Gilded Goose
4:《貪欲なるリス/Ravenous Squirrel
12 creatures

4:《思考囲い/Thoughtseize
4:《致命的な一押し/Fatal Push
1:《骨の破片/Bone Shards
4:《魔女のかまど/Witch’s Oven
2:《魂標ランタン/Soul-Guide Lantern
4:《パンくずの道標/Trail of Crumbs
4:《命取りの論争/Deadly Dispute
3:《食肉鉤虐殺事件/The Meathook Massacre
26 other spells


1:《夢の巣のルールス/Lurrus of the Dream-Den
2:《辺境地の罠外し/Outland Liberator
3:《選別の儀式/Culling Ritual
2:《未認可霊柩車/Unlicensed Hearse
2:《定命の槍/Mortality Spear
3:《フェイに呪われた王、コルヴォルド/Outland Liberator
2:《探索する獣/Culling Ritual
15 sideboard cards

魔女のかまど》で《大釜の使い魔》を生贄にしてライフドレインしつつ、地上クリーチャーの攻撃をシャットダウン。
食物を生贄にする過程で《パンくずの道標》でアドバンテージを獲得しつつ、生贄により《貪欲なるリス》がすごい速度で成長して行きます。

ヒストリックはゴルガリフードとイゼットフェニックスの2強状態が長らく続いており、この2つを倒すべく色んなデッキを試しました。
トップ2つに対抗として青白オーラ、青白コントロールが候補でしたが、青白オーラはゴルガリに微不利。青白コントロールはゴルガリには強いものの、青白オーラに超不利、イゼットフェニックスのサイド後悪くなると、不安要素がありました。

そして、ゴルガリフードとイゼットフェニックスの直接対決だと《食肉鉤虐殺事件》+《魂標ランタン》というパターンが強く、ゴルガリフードが有利です。どちらもパーマネントなため《パンくずの道標》から探して、再現性が高いです。

そうしてゴルガリフードを伸ばす方向で調整が進みました。

ゴルガリフードを使う上での懸念はミラーマッチです。
お互いに《パンくずの道標》を出し合って破壊しあって、猫かまどでドレインしあって、ゲームがものすごく長引く事が多い!
何か打開策がなければゴルガリミラーはやりたくない!

そんな中、赤を足すアイディアが発案されました。確かに《フェイに呪われた王、コルヴォルド》は戦場に出た時点でカードをたくさん引けるし、今のゴルガリフードの除去が《致命的な一押し》《食肉鉤虐殺事件》が中心なので除去するのも難しい!

最初は《波乱の悪魔》も入れてがっつり3色のデッキも回しましたが、3色だとマナベースがショックランド中心になりライフ喪失が激しく、ライフを失うとイゼットフェニックスに負ける要因になりやすい。
波乱の悪魔》のメリットよりもゲーム開始時に確定しているアドバンテージである《夢の巣のルールス》のメリットの方が大きいと考えて、メインはゴルガリフードのままに。サイド後《夢の巣のルールス》相棒を諦めてメインに移して、《フェイに呪われた王、コルヴォルド》をタッチする方針に変更。

赤マナの出る土地は4枚しか入っていませんが、《金のガチョウ》《命取りの論争》含めると12枚になります。《フェイに呪われた王、コルヴォルド》をサイドインするのは基本的に長期戦になる相手なので、問題なく回ると判断しました。
相手の《耐え抜くもの、母聖樹》で破壊された時に赤マナをサーチできるように、1枚だけ《血の墓所》が入っています。

コルヴォルドを含めてサイドに取りたいものが多かったので、枠を空けるために《思考囲い》がメインに移動しました。
メイン採用の背景としては、チーム内で青白オーラも有力候補だったのでそれに勝率を上げるためと、イゼットフェニックス以外には《思考囲い》が効きやすいのと、《思考囲い》メインでもイゼットフェニックスに勝率を保てた事です。
イゼットフェニックスはドローの多いデッキなので《思考囲い》が効きにくい事が多いです。

ゴルガリフードを対策してくるデッキは《碑出告が全てを貪る》を多用する可能性があったので、サイド後の墓地対策を2マナである《未認可霊柩車》に。
選別の儀式》は特に青白オーラと親和デッキに強烈に刺さるサイドカードで、これをプレイして浮いたマナで《夢の巣のルールス》回収というのが勝ちパターンです。

青白コントロールにも《フェイに呪われた王、コルヴォルド》に変形するので、2マナ以下の縛りが無くなります。青白コントロール用に直前にサイドに追加されたのが《探索する獣》。
面白い相関関係なのが、《探索する獣》は《放浪皇》に対してかなり相性が良いです。警戒なので「-2」のタップ状態除去を受けないですし、パワー2以下にブロックされないですし、通ったらプレインズウォーカーにもダメージが入ります。

■大会結果

・スタンダード

〇ジャンド宝物
×エスパーミッドレンジ
〇エスパーミッドレンジ
×ジェスカイドラゴンコンボ
〇イゼット《災厄招来》コンボ
〇エスパーミッドレンジ
×ジェスカイ《暁冠の日向》

・ヒストリック

〇イゼットフェニックス
×青白オーラ
×青白オーラ
〇イゼットウィザード
〇親和
×エンチャントレス
〇ゴルガリフード
〇イゼットフェニックス

スタンダード4-3,ヒストリック5-3,合計9-6で55位。

■おわりに

今回スタンダードで《黄金架のドラゴン》デッキに対して負け続けており、意識が甘かったと認めざるを得ません。
最近は赤いデッキなら《鏡割りの寓話》が4枚採用が標準になっており、ここで除去を使ったあとに《黄金架のドラゴン》が強いですね。

今は単純なクリーチャー除去だとカードを損するものが多いので、打ち消し呪文が強いメタゲームになっているように感じます。しかし打ち消し呪文も《ジュワー島の撹乱》《軽蔑的な一撃》など裏目があるものが多いので、そこら辺の選択も難しい!

さて、来週には日本選手権が開催されるので、僕も引き続きスタンダードを走り込んでいきます。来週には大会レポートの予定です。

それではまた。


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