MTG │ デッキ紹介 │ 高橋優太【統率者:《スランの医師、ヨーグモス》】

競技イベントがしばらく先な事もあり、最近は統率者戦を楽しんでいます。

統率者戦のルールはコチラ(公式サイト)

統率者戦にはデッキのパワーレベルがあります。レベルは明確に文章化されているわけではなく感覚的なものですが、0-1マナの教示者やマナ加速、瞬殺コンボが多いほどパワーレベルが高いデッキだと考えています。

デッキパワーレベルが上がる程、レガシーやヴィンテージ級のカードが増えていく印象です。

先日半年ぶりに会う友人たちと遊ぶために、デッキパワーレベルレベル6くらいのデッキを持って行きました。

そしたら《Demonic Consultation》《タッサの神託者》コンボで瞬殺されたり、《最高工匠卿、ウルザ》デッキから《Mishra’s Workshop》を置かれてアーティファクトを高速展開!!!

想像の100倍ガチデッキで、全く勝てませんでした!!!

今回の記事では、そんな友人たちに対抗すべく考えた、《スランの医師、ヨーグモス》デッキを紹介して行きます!

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■はじめに

まず最初に断っておきたいのは、統率者戦では楽しむことが最も大事だということです。僕はいつも、友人たちと楽しむパーティーゲームのような感覚で遊んでいます。

お互いが楽しめるなら《Demonic Consultation》《タッサの神託者のような瞬殺コンボを使っても良いですし、逆にコンボを全く使わずに7-8マナの大技を楽しむのもアリです。

ここは遊ぶ相手とコミュニケーションを取って欲しいところです。「ガチ」「カジュアル」のように、誰かが自分のルールを強制してしまうと、ゲーム自体を楽しめなくなってしまいますからね。

それと過去にレガシーやヴィンテージを始める際にも感じたことですが、古いカードが多く使えるフォーマットだと「○○デッキ使い」のような、一つのデッキを極めるタイプのプレイヤーが居ます。それらのプレイヤーは善意から、同じ統率者や同じデッキタイプを使用する人に対して「AのカードよりBのカードの方が絶対強い!」といったアドバイスをしてしまいがち。

そこは穏やかに「Bという選択肢もあるよ」くらいの温度感で伝えると良いのかなと。相手を否定せず、選択肢を提示するコミュニケーションの方が、和気あいあいとゲームや話ができるのかなと考えています。

■統率者:《スランの医師、ヨーグモス》

統率者:《スランの医師、ヨーグモス》
デッキリスト
17:《沼/Swamp
1:《古えの墳墓/Ancient Tomb
1:《血染めのぬかるみ/Bloodstained Mire
1:《魂の洞窟/Cavern of Souls
1:《宝石の洞窟/Gemstone Caverns
1:《家路/Homeward Path
1:《Lake of the Dead
1:《湿地の干潟/Marsh Flats
1:《泥炭の沼地/Peat Bog
1:《ファイレクシアの塔/Phyrexian Tower
1:《汚染された三角州/Polluted Delta
1:《虹色の眺望/Prismatic Vista
1:《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ/Urborg, Tomb of Yawgmoth
1:《ウルザの物語/Urza’s Saga
1:《新緑の地下墓地/Verdant Catacombs
31 Lands


1:《メムナイト/Memnite
1:《羽ばたき飛行機械/Ornithopter
1:《Shield Sphere
1:《ファイレクシアの歩行機械/Phyrexian Walker
1:《ギラプールの希望/Hope of Ghirapur
1:《ブラッド・ペット/Blood Pet
1:《死を出迎える者/Deathgreeter
1:《巣のシャンブラー/Nested Shambler
1:《よろめく怪異/Shambling Ghast
1:《血の芸術家/Blood Artist
1:《グールの解体人/Butcher Ghoul
1:《闇の腹心/Dark Confidant
1:《ネファリアのグール呼び、ジャダー/Jadar, Ghoulcaller of Nephalia
1:《ズーラポートの殺し屋/Zulaport Cutthroat
1:《恐血鬼/Bloodghast
1:《ダウスィーの虚空歩き/Dauthi Voidwalker
1:《蛇術師/Ophiomancer
1:《敵対工作員/Opposition Agent
1:《武器作り狂/Weaponcraft Enthusiast
1:《ウラモグの手先/Pawn of Ulamog
1:《ゲラルフの伝書使/Geralf’s Messenger
1:《血の取引者、ヴィリス/Vilis, Broker of Blood
1:《搭載歩行機械/Hangarback Walker
23 creatures

1:《不敬な教示者/Profane Tutor
1:《金属モックス/Chrome Mox
1:《宝石の睡蓮/Jeweled Lotus
1:《ライオンの瞳のダイアモンド/Lion’s Eye Diamond
1:《水蓮の花びら/Lotus Petal
1:《魔力の墓所/Mana Crypt
1:《モックス・ダイアモンド/Mox Diamond
1:《オパールのモックス/Mox Opal
1:《魔力の櫃/Mana Vault
1:《師範の占い独楽/Sensei’s Divining Top
1:《頭蓋骨絞め/Skullclamp
1:《太陽の指輪/Sol Ring
1:《バネ葉の太鼓/Springleaf Drum
1:《弱者選別/Culling the Weak
1:《暗黒の儀式/Dark Ritual
1:《納墓/Entomb
1:《致命的な一押し/Fatal Push
1:《伝国の玉璽/Imperial Seal
1:《再活性/Reanimate
1:《吸血の教示者/Vampiric Tutor
1:《秘儀の印鑑/Arcane Signet
1:《防御の光網/Defense Grid
1:《友なる石/Fellwar Stone
1:《起源室/Genesis Chamber
1:《厳かなモノリス/Grim Monolith
1:《黒玉の大メダル/Jet Medallion
1:《精神石/Mind Stone
1:《動く死体/Animate Dead
1:《陰謀団の儀式/Cabal Ritual
1:《悪魔の教示者/Demonic Tutor
1:《悪魔の意図/Diabolic Intent
1:《無名の墓/Unmarked Grave
1:《想起の拠点/Bastion of Remembrance
1:《スカラベの巣/Nest of Scarabs
1:《ヨーグモスの意志/Yawgmoth’s Will
1:《不気味な教示者/Grim Tutor
1:《法務官の掌握/Praetor’s Grasp
1:《黄泉からの橋/Bridge from Below
1:《ネクロポーテンス/Necropotence
1:《霊気貯蔵器/Aetherflux Reservoir
1:《致命的なはしゃぎ回り/Deadly Rollick
1:《むかつき/Ad Nauseam
1:《闇の誓願/Dark Petition
1:《ボーラスの城塞/Bolas’s Citadel
1:《深淵への覗き込み/Peer into the Abyss
45 other spells


1:《スランの医師、ヨーグモス/Yawgmoth, Thran Physician
1 commander cards

統率者は《スランの医師、ヨーグモス》。

クリーチャーを生贄にすることで-1/-1カウンターを乗せながら1ドロー。特に緑のマナクリーチャーや白のヘイトベアー系はタフネス1のものが多く、対クリーチャーデッキに強い統率者です。

感染クリーチャーで毒カウンターを増殖するタイプのヨーグモスもありますが、今回のデッキはヨーグモスをアドバンテージ源として活かせるように組んだものです。

以降はクリーチャーを生贄にすることを「サクる」と表記します。(生贄の英語、Sacrificeが語源)

ヨーグモスで生贄にして1ドローに変換できるので、歴代の0マナクリーチャー達を採用しています。

アーティファクトなので《オパールのモックスの金属術達成にも役立ちますし、《血の芸術家などの死亡誘発能力も誘発させやすいです。

ブラッド・ペット》《よろめく怪異》は、サクることでマナ加速。

死を出迎える者はクリーチャーが死亡する度に1ゲインするので、ヨーグモスのライフ1点支払いを帳消しにしてくれます。

巣のシャンブラー》は1枚で2体分のクリーチャーで、サクるときお得!

クリーチャーを沢山サクるデッキなので、《血の芸術家》《ズーラポートの殺し屋》は大量のライフを削ってくれます。

血の芸術家は全員のクリーチャーをカウントするが1点ドレイン出来るのは1人だけ、《ズーラポートの殺し屋は自分のクリーチャーのみカウントするが、1点失うのは各対戦相手と、少し違いがあります。

ネファリアのグール呼び、ジャダーは腐乱のゾンビを毎エンドステップに供給するので、最低でも2体、上手く行くと3体以上のサクることが可能。

搭載歩行機械》はX=1で2体サクれて、+1/+1カウンターを増殖で増やせばトークンの生成数も増えます。《オパールのモックス》の金属術達成にも役立ちますし、X=0で死亡誘発型能力も誘発するので便利!

ヨーグモスは対象のクリーチャーに-1/-1カウンターを乗せるので、不死クリーチャーが墓地から戻ってくるときに乗る+1/+1カウンターと-1/-1カウンターを相殺することで、再度不死が誘発します。

不死クリーチャーを2体並べると、ライフを払うごとに大量ドローのコンボ!横に《血の芸術家》《ズーラポートの殺し屋》がいれば、デッキをすべて引きながらその枚数だけライフドレインできます。

想起の拠点》はエンチャント版の《ズーラポートの殺し屋》で、トークンのおまけも偉い!

ウラモグの手先はトークン以外をサクるたびにエルドラージトークンが付いてくるので、サクる頭数を水増しできるのはもちろん、マナ加速にもなります。

武器作り狂》は1枚で3体サクれます。トークンがアーティファクトなので、《オパールのモックスの金属術達成にも役立ちます。

敵対工作員》は、統率者というフォーマットがサーチが多い環境なのでそれに対する妨害!《敵対工作員》は強すぎるため、出すと全員から攻撃されるのは覚悟してください。

ヨーグモスとすさまじいシナジーを発揮するのがこの2つ。

蛇術師》は各アップキープに蛇がいないと蛇を生み出すので、ヨーグモスと揃うと毎ターン蛇をサクリながらドローを進められます。統率者は対戦相手が何人もいるので、自分のターンになるまでに大量ドローのチャンス。

スカラベの巣》は、ヨーグモスの能力で-1/-1カウンターを置くと昆虫トークンを生み出します。つまり、ヨーグモスと《スカラベの巣》とサクり用のクリーチャーがいるだけで、相手の場のクリーチャーのタフネスの合計分だけライフを失ってドローすることができます。

教示者系の呪文で《スカラベの巣》を探すことが多いですし、クリーチャーデッキを壊滅させる、超強力なコンボです!

2種類の墓地に落とすサーチ呪文とその主な対象。

恐血鬼》を落とせば土地を置くたびにサクれます。フェッチランドがあれば2回!

黄泉からの橋は自分の場にトークンでないクリーチャーが並んでいれば、それを墓地に落とすことでゾンビが出るので、サクり回数が増えます。相手のクリーチャーが死亡すると追放されてしまうので、落とすタイミングに注意。

統率者は99枚デッキなので、デッキのキーカードを探すために教示者を多く採用。教示者が強いのは黒の特権です!《スカラベの巣》や後述する《ネクロポーテンス》などを探します。

伝国の玉璽》はものすごく高額で手を出しにくいですが、本気で黒のデッキを組むなら2枚目の《吸血の教示者として必要な枠だと思います。

不敬な教示者》《不気味な教示者は即効性やマナコストの面から、他の教示者系よりも1段落ちます。ただ教示者に1ターンを費やしたとしても、それを補うほど《スカラベの巣》《ネクロポーテンス》はゲームを決める力があります。

法務官の掌握》は相手の《魔力の墓所を奪えばマナ加速になりすし、緑相手に《ガイアの揺籃の地を奪えばすさまじいマナ加速が望めるかも!

教示者に加えて、統率者での黒の強さはライフを手札に変換できる所です。初期ライフ40なので払いやすい!

ネクロポーテンスはライフさえあれば毎ターン手札を7枚以上にすることが出来ます。3マナと軽いため設置しやすく、次のターンに溢れる手札から超展開!

デッキのマナコストを低めに組むことで、《むかつき》《ボーラスの城塞》を強く使うことが出来ます。《ボーラスの城塞は《師範の占い独楽》とコンボで、《師範の占い独楽でドローしてデッキトップに戻る→ライフを1点支払うことで《師範の占い独楽》を0コストでプレイを繰り返せます。

黒は上記のカードでライフを手札に変換するので、周りのプレイヤーから攻撃を受けやすいです。そんな状況でも《深淵への覗き込み》なら半分で済むので、ライフが1桁になっても安心。デッキの半分=40枚程度引ければ、マナ加速から手札を使って行けます。

統率者では《グリセルブランド》が強すぎて禁止で、代わりになるドロー悪魔として《血の取引者、ヴィリスが使われています。《再活性で墓地から釣ればその時点で8点支払って8ドロー。他にも黒は自分からライフを払うカードが多数あるので、戦場に出れば大量ドローに繋がっていきます。

大量ドローしたあとはマナ加速。クリーチャーの生贄には困らないデッキなので、《弱者選別》は《暗黒の儀式》より強い場面が多いです。

マナ加速後に《ヨーグモスの意志で再度マナを増やしていきます。

ヨーグモスの意志》で墓地から呪文を唱えて、最終的には《霊気貯蔵器》で大量回復してから、対戦相手全員に50点砲を発射して勝利します。

黒は《ネクロポーテンスなどでライフを手札に変換しやすいので、早いターンに設置するために《金属モックスなどのマナ加速は多めです。

オパールのモックス》は金属術する必要がありますが、0マナのアーティファクトクリーチャーやマナアーティファクトやトークンカードで容易に達成できます。

頭蓋骨絞め》はタフネス1を2ドローに変換、《起源室は相手にもトークンを与えてしまいますが、自分のクリーチャーが出るたびにマイア・トークンを生み出すのでヨーグモスとの相性が良いです。相手のトークンはヨーグモスで-1/-1できるので、デメリットもさほど気になりません。

黒単色で《》しかサーチできない《汚染された三角州》をはじめとしたフェッチランドですが、恐血鬼》の上陸回数を増やしたり、《師範の占い独楽で見た不要なライブラリートップをシャッフルしたり、墓地の枚数を増やしてスレッショルドを達成する役割があります。

ウルザの物語》は3章で《魔力の墓所》《太陽の指輪をサーチできるので、実質マナ加速になり、最近では数多くのデッキに採用されていますね。

宝石の洞窟》は後攻時に追い付くために必要な土地で、これも《ウルザの物語》同様に数多くのデッキに採用されており、統率者の必須パーツに近くなっています。

家路》は青のコントロール奪取対策。《魂の洞窟はヨーグモスを安全に通すため。統率者というフォーマットは青が強いので、青対策は自然とメインに入ります。

しかし《ネクロポーテンス》など黒マナの濃いデッキなので、無色マナの土地は入れすぎると黒マナが足りない事故の原因にもなります。3-4枚が限界かなと思います。

■悩んで入れなかったカード

コンボスピードは上がりますが、土地を生贄にしてすべてを投げ打つので、失敗したときのリスクが大きいです。

2マナの不死クリーチャーでコンボパーツですが、1回目に死亡したとき裏切るのでライフを詰められやすい。裏切ったあと《家路》で取り戻すことは出来ます。

黒かアーティファクトクリーチャーをサクって、そのマナ総量分の黒マナを生み出します。瞬間的なマナ加速が良い場面もありますが、召喚酔いで1ターンラグが生じるのと、自身でサクる頭数を稼げないので不採用に。

2マナはクリーチャー2体分になるカードや、《闇の腹心》のようなアドバンテージが欲しいです。

3マナに求める品質は、「クリーチャー3体」や死亡誘発の多いもの。この2枚は出したターンが1体or0体なのが弱め。

精神を刻むもの》をサクれば全員の手札を0枚に。しかし4マナはヨーグモスと被るターンで、手札にあってもヨーグモスのキャストを優先することが多かったです。

墓穴までの契約》はクリーチャー殲滅ですが、基本的には《スカラベの巣》の方が軽くて強いです。

ヨーグモスが生き残ってターンが返ってきたなら、《精神を刻むもの》無しでも結構有利です。

スカージの使い魔》はマナ加速、《アスフォデルの灰色商人》は大量ドレインと良い働きはします。

ただ統率者の5マナ以上のカードは、《むかつき》レベルの、ゲームに勝つ性能が求められます。

上手く嵌れば各ターンにゾンビかと思いましたが、毎ターンクリーチャー死亡はそんなに上手くいきませんでした。

2マナに求めている品質は、クリーチャー2体以上もしくは3体のサクリカウントか、教示者か、マナ加速です。

全体除去にもなり、《血の芸術家》《ズーラポートの殺し屋》に似た性質もあります。少し重いのと、自身がクリーチャーカウントできないのがマイナス。

各プレイヤーのアップキープに白か緑のパーマネントを生贄に捧げさせるエンチャント。累加アップキープで、毎ターン支払うライフが増えていきます。

色対策カードですが、自分は影響を受けないのでもしかしたらメインもアリかも。

■おわりに

今回の《スランの医師、ヨーグモス》が、これから黒の統率者を使う方の参考になれば嬉しいです。そしておすすめパーツなどあれば、ぜひこの記事を引用ツイートしてください!

僕は統率者戦をコミュニケーションツールだと考えています。久々に会う友人と近況報告などを交えながら、ワイワイゲームする。

その上で勝ちを目指したり、何度もゲームして遊んだりして、楽しむことを忘れないで欲しいです!終わった後に飲み会があれば最高!

「ニューカペナの街角」の発売が迫ってきており、徐々に新カードも発表されていますね。モードを選べる呪文は便利で、各種「魔除け」サイクルも強そうです。

新ジャンドチャームこと《土建組一家の魔除け》は、中速デッキで素晴らしい働きをしそう!

次回は「ニューカペナの街角」のプレビュー記事を予定しています。

それではまた。


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