MTG │ デッキ紹介│ 高橋優太【レガシーの今熱いデッキ紹介】

『ファイレクシア:完全なる統一』はモダン・レガシーでも通用しそうな面白い能力を持ったものが多く、オンライン上の大会でも早速結果を残しています。

新カードでどんな変化が起きているのか、2/12のレガシーチャレンジの結果をもとに分析していきます。

デッキリスト

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■アトラクサ・リアニメイト

レガシーチャレンジ:6位 By _INF_
デッキリスト
2:《溢れかえる岸辺/Flooded Strand
4:《汚染された三角州/Polluted Delta
1:《冠雪の島/Snow-Covered Island
1:《冠雪の沼/Snow-Covered Swamp
4:《Underground Sea
2:《湿地の干潟/Marsh Flats
14 Lands


4:《偉大なる統一者、アトラクサ/Atraxa, Grand Unifier
1:《グリセルブランド/Griselbrand
3:《残虐の執政官/Archon of Cruelty
2:《悲嘆/Grief
10 creatures

2:《思考囲い/Thoughtseize
4:《動く死体/Animate Dead
4:《意志の力/Force of Will
2:《Dance of the Dead
4:《水蓮の花びら/Lotus Petal
4:《再活性/Reanimate
4:《渦まく知識/Brainstorm
4:《目くらまし/Daze
4:《入念な研究/Careful Study
4:《納墓/Entomb
36 other spells


4:《実物提示教育/Show and Tell
1:《棺の追放/Coffin Purge
3:《フェアリーの忌み者/Faerie Macabre
2:《狼狽の嵐/Flusterstorm
1:《厚かましい借り手/Brazen Borrower
3:《叫び大口/Shriekmaw
1:《金線の酒杯/The Filigree Sylex
15 sideboard cards

納墓》や《入念な研究によってコストの重いクリーチャーを墓地に落とし、《再活性で早いターンに出して勝利するデッキです。

偉大なる統一者、アトラクサは戦場に出た時に各タイプのカードを手札に加えるので、このデッキならインスタント・ソーサリー・エンチャント・アーティファクト・クリーチャー・土地と最大6枚が手札に加わります!

その上で7/7飛行・警戒・接死・絆魂というとんでもない性能なので、アトラクサを出したら相手への妨害をしながら3回殴るだけです。

これまで、リアニメイトのようにコストを踏み倒すデッキでは《グリセルブランド》が定番でしたが、《偉大なる統一者、アトラクサ》はその常識を覆しました!このリストでは《偉大なる統一者、アトラクサ》4枚で、《グリセルブランドはわずか1枚に抑えられています。

グリセルブランド》と比較したときに、アトラクサは「ライフを支払わずにカードアドバンテージを得られる」「警戒と絆魂により、相手に押されている場でも《グリセルブランド》よりライフを守る力が強い」「手札に来た時でも《意志の力の代用コストに使用できる」といったメリットがあります。

とはいえ、1ターンに14枚カードを引きたいタイミングもあるので、《納墓》からのサーチで落とす場合がある以上、《グリセルブランド》が0枚になることはなさそうです。伝説のクリーチャーだけだと《カラカスが苦手になってしまうので、非伝説である《残虐の執政官も引き続き採用されています。

悲嘆》は相手の《意志の力》を手札破壊しつつ、リアニメイト対象としても優秀。アトラクサが出たターンに、《悲嘆》想起で手札破壊すれば、ほぼ勝利と言えるでしょう。

Dance of the Dead》は墓地のクリーチャーをタップ状態で戦場に出して、アンタップするにはアップキープにマナを支払う必要があります。しかしアトラクサは警戒を持っているため、一度2マナを払ってアンタップすればそのまま攻撃し続けられるので、デメリットはそこまで重いものではありません。

今回リアニメイトが強化されたので、リアニメイト同系で相手の手助けになってしまう《死体発掘を0枚にするとともに、アトラクサの誘発型能力でエンチャントを拾う確率を上げるためのDance of the Dead》が加入と、カード選択の良さが光ります。

このリストは環境初期にも関わらず、完成度が非常に高いです。アトラクサの誘発型能力を最大限強く使うために、カードタイプを散らして選択している所が素晴らしい!

サイドボードも、リアニメイト同系対決を意識したカード選択になっています。《棺の追放》は《納墓》からサーチしてこれる墓地対策。《フェアリーの忌み者》は同じく墓地対策で、起動型能力なので《意志の力》で打ち消されません。

リアニメイトの常として、サイド後は墓地対策との戦いになるので、相手の墓地対策をすり抜ける役割で《実物提示教育》。

叫び大口》は各種ヘイトベアー対策で、想起した後に《動く死体》などで再び除去としても使えます。

■イゼット呪文踊り

レガシーチャレンジ:優勝 By STU909090
デッキリスト
2:《汚染された三角州/Polluted Delta
4:《沸騰する小湖/Scalding Tarn
2:《霧深い雨林/Misty Rainforest
1:《蒸気孔/Steam Vents
4:《Volcanic Island
4:《不毛の大地/Wasteland
1:《島/Island
18 Lands


1:《厚かましい借り手/Brazen Borrower
4:《濁浪の執政/Murktide Regent
4:《ドラゴンの怒りの媒介者/Dragon’s Rage Channeler
3:《気まぐれな呪文踊り/Mercurial Spelldancer
12 creatures

3:《ミシュラのガラクタ/Mishra’s Bauble
4:《思案/Ponder
4:《表現の反復/Expressive Iteration
4:《目くらまし/Daze
4:《稲妻/Lightning Bolt
4:《渦まく知識/Brainstorm
4:《意志の力/Force of Will
3:《軽微なつまづき/Minor Misstep
30 other spells


1:《溶融/Meltdown
2:《外科的摘出/Surgical Extraction
1:《墓掘りの檻/Grafdigger’s Cage
1:《削剥/Abrade
1:《水流破/Hydroblast
3:《紅蓮破/Pyroblast
2:《否定の力/Force of Negation
2:《狂乱の呪詛/Maddening Hex
1:《祭典壊し/End the Festivities
1:《兄弟仲の終焉/Brotherhood’s End
15 sideboard cards

レガシーで長らく環境を定義している、イゼット・デルバー系統のデッキで、このリストでは《秘密を掘り下げる者の代わりに新戦力の《気まぐれな呪文踊り》が採用されています。

気まぐれな呪文踊り》は《ミシュラのガラクタ》や《目くらましなど、0マナでプレイできるカードと組み合わせて速やかに油カウンター2個を達成した後に、《稲妻》《表現の反復をコピーできれば最高!
ブロックされない能力が自然とイニシアチブデッキに対して強く、イニシアチブの奪い合いでも役立つのが長所です。

タフネス1で脆いのが短所ですが、レガシーでは《レンと六番が禁止されているため、1点除去に怯える必要はありません。《レンと六番》が禁止であること、《目くらましで守りやすいことから、《気まぐれな呪文踊りはモダンよりレガシーで強い性能です。

新しい打ち消しの《軽微なつまづきもメイン3枚と多めに採用されています。レガシーの主な除去である《稲妻》《剣を鍬にから自身のクリーチャーを守り、相手の《紅蓮破を打ち消す役割があります。

先ほど紹介したリアニメイトも1マナが多いデッキなので《軽微なつまづき》が効きますし、イゼット系のデッキは相手から《花の絨毯》《紅蓮破》をサイドインされやすいので、《軽微なつまづき》メインは良さそう。ここはまだ未知数なので、僕も試してみたい!

■セファリッド・ブレックファースト

レガシーチャレンジ:5位 By HJ_KAISER
デッキリスト
4:《溢れかえる岸辺/Flooded Strand
2:《汚染された三角州/Polluted Delta
3:《Tundra
2:《Underground Sea
2:《虹色の眺望/Prismatic Vista
2:《平地/Plains
2:《島/Island
3:《ウルザの物語/Urza’s Saga
20 Lands


4:《セファリッドの幻術師/Cephalid Illusionist
3:《ナルコメーバ/Narcomoeba
3:《石鍛冶の神秘家/Stoneforge Mystic
3:《コーの遊牧民/Nomads en-Kor
1:《タッサの神託者/Thassa’s Oracle
14 creatures

2:《手甲/Shuko
1:《カルドラの完成体/Kaldra Compleat
3:《時を解す者、テフェリー/Teferi, Time Raveler
1:《陰謀団式療法/Cabal Therapy
1:《戦慄の復活/Dread Return
4:《思案/Ponder
2:《通り抜け/Step Through
4:《目くらまし/Daze
4:《意志の力/Force of Will
4:《渦まく知識/Brainstorm
26 other spells


2:《青霊破/Blue Elemental Blast
2:《外科的摘出/Surgical Extraction
4:《剣を鍬に/Swords to Plowshares
2:《狼狽の嵐/Flusterstorm
1:《水流破/Hydroblast
2:《否定の力/Force of Negation
2:《虹色の終焉/Prismatic Ending
15 sideboard cards

対象に取られた時に自身のライブラリーを3枚削る能力の 《セファリッドの幻術師》を中心とした、コンボデッキです。

コーの遊牧民は0マナで自分のコントロールするクリーチャーにダメージを移し替え、《手甲》は0マナで装備出来ます。これらで《セファリッドの幻術師》を何度も対象に取ることにより、ライブラリーを0枚にします。

セファリッドの幻術師》は必ずコンボに必要なので、サーチ用に《通り抜け》も採用されています。

ライブラリーを0枚にする過程で、複数体の《ナルコメーバが墓地に落ちるので、能力により直接戦場に出ます。

ナルコメーバ》を生贄に《戦慄の復活をフラッシュバックで唱えて、《タッサの神託者をリアニメイト。ライブラリーが0枚なので、誘発型能力で特殊勝利します。

墓地対策やクリーチャー除去によって妨害されるコンボですが、コンボパーツが2枚と少なく、最速2ターンキルが出来てコンボスピードも速いデッキです。

セファリッド・ブレックファースト自体は昔から存在するデッキなのですが、ここ最近になって再び脚光を浴びており、大会での入賞率も高いです。

イニシアチブがメタゲームの一角となったことにより、それに対して速度勝負できるコンボデッキが再検証されて来ていると、僕は考えています。

クリーチャーを中心としたコンボデッキなので、《稲妻》《剣を鍬に》の妨害を受けやすく、なるべくなら 《セファリッドの幻術師》以外に除去を使わせたい所。

このリストでは、コンボ以外にも《ウルザの物語》のトークンや《石鍛冶の神秘家》からの《カルドラの完成体でミッドレンジプランを取れて、攻撃でも勝てる構成になっています。《石鍛冶の神秘家はコンボパーツである《手甲》サーチと、《カルドラの完成体》》での攻撃の両方を満たしてくれます。

クリーチャーで攻めている展開なら《稲妻》《剣を鍬に》を使わせることが出来て、そこで《セファリッドの幻術師からのコンボと狙えるのが良いですね。

時を解す者、テフェリー》が居れば、相手の妨害を気にせずにコンボに向かえます。

■謎鍛冶コンボ

レガシーチャレンジ:14位 By CCDSMASH
デッキリスト
1:《Volcanic Island
4:《古えの墳墓/Ancient Tomb
4:《ウルザの物語/Urza’s Saga
2:《マイコシンスの庭/The Mycosynth Gardens
11 Lands


4:《謎鍛冶/Riddlesmith
1:《アゴナスの雄牛/Ox of Agonas
4:《隔離用構築物/Containment Construct
3:《執念深い炎焚き/Vindictive Flamestoker
12 creatures

3:《防御の光網/Defense Grid
4:《ウルザのガラクタ/Urza’s Bauble
1:《トーモッドの墓所/Tormod’s Crypt
4:《ライオンの瞳のダイアモンド/Lion’s Eye Diamond
4:《水蓮の花びら/Lotus Petal
4:《オパールのモックス/Mox Opal
4:《ミシュラのガラクタ/Mishra’s Bauble
2:《金属モックス/Chrome Mox
2:《打開/Breakthrough
1:《ぶどう弾/Grapeshot
4:《ギャンブル/Gamble
4:《永劫のこだま
37 other spells


2:《蒸気の連鎖/Chain of Vapor
1:《巣穴からの総出/Empty the Warrens
2:《殺戮の契約/Slaughter Pact
1:《沈黙/Silence
1:《うねりの結節/Surge Node
1:《歩行バリスタ/Walking Ballista
4:《虚空の力線/Leyline of the Void
1:《影槍/Shadowspear
1:《機能不全ダニ/Haywire Mite
15 sideboard cards

最近オンライン上の大会で見かけるようになって来たのが、《謎鍛冶》コンボ。ドローしながら次につなげていく、チェインコンボデッキです。

謎鍛冶》は、アーティファクト呪文を1つ唱えるたびに1枚引いて1枚捨てます。0マナのアーティファクトと組み合わせることで、デッキを掘り進めていきます。

隔離用構築物》は手札から捨てたカードを、そのターン中プレイできる能力。

謎鍛冶》《隔離用構築物の2つが揃った状態で0マナのアーティファクトをプレイして、1枚引いて1枚捨てて、捨てたカードを《隔離用構築物でプレイ。デッキに0マナのアーティファクトが大量に入っているので、これを連続で行うことにより、デッキの大半を引きに行けます。

ライオンの瞳のダイアモンド》の手札を捨てる能力は《隔離用構築物》との相性が良く、2マナで《隔離用構築物》→《ライオンの瞳のダイアモンド》で《謎鍛冶》を捨てて青3マナ→《謎鍛冶》をプレイしてコンボスタート、なんて動きも可能です!

打開》はX=0でプレイすると1マナで4ドローですが、手札をすべて捨てるデメリットがあります。しかしそのデメリットも《隔離用構築物》によって無視できて、捨てたカードをプレイできます!

ギャンブル》はランダムに手札を1枚捨てますが、これも同様に《隔離用構築物》でデメリット無視!なんと1マナの《悪魔の教示者》に早変わり!

新セットから加入した《執念深い炎焚きは0マナを連打するデッキの特徴と合っていて、これも次のドローに繋げていきます。

永劫のこだまは引いて捨てることの多いデッキなら墓地に落ちしやすく、3マナで7枚ドロー!勿論《ライオンの瞳のダイアモンドで捨ててから撃つパターンも強い!

最後は20点を超える点数の《ぶどう弾》でフィニッシュ!

■おわりに

『ファイレクシア:完全なる統一』で変化した新環境のレガシーを紹介しました。

偉大なる統一者、アトラクサ》には驚き。まさか《グリセルブランドを超える逸材が出るとは思いませんでした!今後はしばらくリアニメイトや《実物提示教育系のデッキが主流になりそうです。

サイドボードに墓地対策や、《封じ込める僧侶》をお忘れなく!

それではまた。


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