MTG │ デッキ紹介 │ 高橋優太【モダン:ジャンドサーガ】
今、モダンが最高に面白い!
というわけで、今回は1つのデッキを掘り下げて紹介して行きます。
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■参考情報(公式サイト)
先週末に開催されたモダンチャレンジの結果を参考にしています。
この大会で優勝したジャンドサーガが非常に好みのデッキリストで、僕自身も配信内で回したら、とても強いデッキだと感じました。
少し変更を加えたうえで、各カードを紹介して行きます。
■ジャンドサーガ
ジャンドサーガ By 高橋 優太 | |
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デッキリスト | |
4:《黒割れの崖/Blackcleave Cliffs》 2:《血の墓所/Blood Crypt》 4:《血染めのぬかるみ/Bloodstained Mire》 2:《樹木茂る山麓/Wooded Foothills》 3:《新緑の地下墓地/Verdant Catacombs》 4:《ウルザの物語/Urza’s Saga》 1:《草むした墓/Overgrown Tomb》 1:《踏み鳴らされる地/Stomping Ground》 1:《森/Forest》 1:《山/Mountain》 1:《沼/Swamp》 24 lands 4:《タルモゴイフ/Tarmogoyf》 |
4:《ミシュラのガラクタ/Mishra’s Bauble》 4:《邪悪な熱気/Unholy Heat》 2:《稲妻/Lightning Bolt》 4:《コジレックの審問/Inquisition of Kozilek》 2:《思考囲い/Thoughtseize》 1:《黄鉄の呪文爆弾/Pyrite Spellbomb》 1:《虚無の呪文爆弾/Nihil Spellbomb》 1:《真髄の針/Pithing Needle》 1:《影槍/Shadowspear》 4:《レンと六番/Wrenn and Six》 24 other spells 2:《虚空の杯/Chalice of the Void》 |
『モダンホライゾン2』発売以降、環境の中心になった色は赤です。
その理由は1マナ域の大幅強化。《敏捷なこそ泥、ラガバン》《ドラゴンの怒りの媒介者》はどちらも1マナのカードでありながら、序盤から中盤にかけて強く、諜報や相手のライブラリーからリソースを供給することにより、どんどんリソース差を広げていきます。
赤1マナのクリーチャー2種類が強く、それを効率よく除去できるのも《稲妻》《邪悪な熱気》という赤1マナの除去。特に《邪悪な熱気》は昂揚すれば1マナ6点と、とても素晴らしい除去。
《ドラゴンの怒りの媒介者》《邪悪な熱気》は昂揚するようにデッキを組む必要がありますが、それもフェッチランドと《ミシュラのガラクタ》があればすぐに達成できます。
攻守にわたって赤1マナのカードが強く、「ミッドレンジと言えば赤」の時代に突入しました。
そうなると赤いミッドレンジでの同系対決は避けられないので、いかに赤に強いカードを採用するかという方向でデッキが研究されていきます。
《タルモゴイフ》は《稲妻》に強く高いタフネスを持つため、赤が強い時代にこそ輝くカード。《ミシュラのガラクタ》《ウルザの物語》でエンチャントやアーティファクトが墓地に落ちることが多く、以前と比べて6/7サイズになることが多いです。6/7になれば《邪悪な熱気》も耐えられます。
『未来予知』は2007年発売ですが、《タルモゴイフ》は発売から14年間も一線級のクリーチャーでいるなんてすごい!
《レンと六番》は《敏捷なこそ泥、ラガバン》《ドラゴンの怒りの媒介者》など、タフネス1クリーチャーを除去します。モダンでは他にもマナクリーチャーや《エスパーの歩哨》など、タフネス1の使用率が高いので、【-1】が非常に強力。伝説なので手札にかさばってしまう欠点こそありますが、1枚目を引くことが重要なので4枚採用です。
そしてこの《レンと六番》との相性が最高なのが《ウルザの物語》。トークンを出して墓地に落ちた《ウルザの物語》を回収することで、継続して構築物トークンを生成し、粘り強く戦うことが出来ます。
環境初期は赤ミッドレンジと、アーティファクトを大量に入れた《ウルザの物語》デッキという構図で別物でしたが、ここに来て赤ミッドレンジに《ウルザの物語》を足した構築を良く見るようになりました。
《ウルザの物語》は別にアーティファクトに寄せる必要はなく、最小限のアーティファクトだけでも十分強かったということです。
《ウルザの物語》でサーチしてくるアーティファクト候補です。
《虚無の呪文爆弾》は相手の墓地だけ全て追放に1ドローが付いている点で《魂標ランタン》よりも墓地対策として優れており、黒いデッキの利点になっています。
《黄鉄の呪文爆弾》は小回りの利く除去。最近は赤黒系デッキへの対策として《ヴェクの聖別者》をサイドボードに見るようになったので、プロテクション(赤)(黒)に引っかからない除去として良いサーチ先です。
《真髄の針》は主に相手のプレインズウォーカーを指定します。
元のリストで採用されている《探検の地図》は2枚目の《ウルザの物語》を探す役割ですが、起動が少し重く《レンと六番》と役割が被るので不要に思えます。
このデッキはフェッチランドとショックランドでライフを失うことが多いので、ライフ回復+トランプル付与の《影槍》はおススメです。
黒を足す理由が、手札破壊と《夢の巣のルールス》相棒指定です。
1マナクリーチャーから1マナ除去、そして1マナ手札破壊。今のモダンは速度を求められる高速環境であり、マナ効率の良さが重要です。1+1+1という理想的な動きがそこそこ安定して行えることが、このデッキの最大の長所なのです。
最近は赤いデッキが多いことでライフ2点の損失のデメリットが目立つので、《思考囲い》よりも《コジレックの審問》が優先されます。
そして《夢の巣のルールス》相棒。これにより《敏捷なこそ泥、ラガバン》《タルモゴイフ》《レンと六番》すべてを回収出来て、《虚無の呪文爆弾》《黄鉄の呪文爆弾》の使い回しで墓地やクリーチャーにも継続して干渉できます。
デッキ内のマナカーブを軽くし過ぎると後半の息切れが不安ですが、《夢の巣のルールス》を相棒に据えることにより、ゲーム後半でもアドバンテージを稼ぐことができるため、その懸念を解消できます。
サイドボードも解説していきます。
《巻き添え》はイゼットテンポの《濁浪の執政》が主な対象。7/7以上のサイズで《濁浪の執政》を出されると《邪悪な熱気》で倒せないので、大型飛行をわずか1マナで倒せる《巻き添え》は使いやすいです。最近流行の独創力コントロールの《引き裂かれし永劫、エムラクール》も対処できたりします。
《虚空の鏡》《虚空の杯》は主に《死せる生》《衝撃の足音》などの続唱デッキ対策で、マナを払わずに唱えた呪文や0マナの呪文を打ち消します。《虚空の鏡》は《白日の下に》から唱えられた呪文も打ち消すことができます。
《仕組まれた爆薬》は1マナ域が多いハンマータイムや、《衝撃の足音》トークン、《ウルザの物語》トークンなど、除去できる範囲が広いです。《夢の巣のルールス》で回収できるのも《仕組まれた爆薬》の長所。
《虚空の杯》《仕組まれた爆薬》はどちらも今のモダンでかなり強いサイドカードで、アーティファクトなので多くのデッキが使えるのが良いですね。
ウルザトロンや《ウルザの物語》を使うデッキへの対策。
対戦相手の土地だけに影響するので、《ウルザの物語》を指定しても自分は使えます。
エレメンタル用のサイドボードですが、エレメンタル以外にサイドインできる相手が少ないので専用スロットに近いです。
ここは変えても良さそうな枠です。
ちなみに、エレメンタル相手に《倦怠の宝珠》は基本的に強力ですが、想起時の生け贄に捧げる能力も誘発しないという点に注意です。《倦怠の宝珠》を2ターン目に置いた返しに想起で《激情》などを並べられて一気に盤面を制圧されてしまうこともあります。
サイドボードで追加するか悩んでいる枠です。
最近、ワフォタパ型の青白コントロールが増えて来ており、青白には《稲妻》《邪悪な熱気》が手札に余りやすいので、入れ替えるカードが欲しいところ。
対コントロール枠として《死の飢えのタイタン、クロクサ》を検討中ですが、《ヴェクの聖別者》などの墓地対策に弱いのが悩みです。ルールス相棒を維持しながら青白コントロールに強い枠は難しい!
《イリーシア木立のドライアド》を使うデッキと青白コントロールを両方見ることのできる枠として《沸騰》が良いかも知れません。
■ジャンドサーガ プレイ動画
このデッキを使用したプレイ動画です。動画は途中までですが、最終成績は5勝2敗でした。
■おわりに
1か月前はラガバンとウルザの物語の対決になるかと思われましたが、環境が進むにつれ、2つが共存したデッキが勝ち上がるように変化してきました。
《ウルザの物語》がアーティファクトに寄せなくても強いというのは予想外でしたね。今回紹介したジャンドサーガは『モダンホライゾン2』が中心のデッキであり、MH2トライバルなどと呼ばれてもいます。強いカードを組み合わせるとなお強い!(当たり前)
ジャンド系のデッキが好きな方には特におすすめのデッキですので、ぜひ回してみてください。
それではまた。