MTG │ 高橋優太のMTGファイナンス │ 高橋優太【統率者編】
Hi,
今年はコロナウイルスの影響もあり競技イベントのマジックフェスト(グランプリ)が開催されなかったため、競技ではなくカジュアルに友人と遊べる統率者に人気が集中しました。
そのため統率者で定番カードの需要が高まり、《魔力の墓所/Mana Crypt》などは再録を繰り返したにも関わらず高値を維持しています。
かつては100円レアだったカードも統率者需要で思わぬ値段になっているものも多いです。今日はそんな統率者のカードの価格を見て行きましょう。
(※注意!記事内の価格は英語版を基準にしています。統率者のカードは英語版の需要が多いので、日本語版と英語版で大きく値段差があります)
統率者についての詳しいルールはこちら(MTG日本語公式サイト)
統率者戦
※ラッシュメディア記事内紹介のカードは
カード名のリンク、記事末尾のバナーを
クリックで通販サイトへアクセスできます
通販サイト(https://www.cardrush-mtg.jp/)
■ドミナリア
《墓場波、ムルドローサ/Muldrotha, the Gravetide》 1000円
スタン当時は安レアでしたが、じわじわと上がって来ています。
《生き埋め/Buried Alive》《直観/Intuition》などでデッキからパーツを墓地に落とし、《動く死体/Animate Dead》 《ネクロマンシー/Necromancy》などエンチャント系のリアニメイト呪文で無限コンボが狙えます。《変幻の大男/Protean Hulk》経由でクリーチャーを揃えても良し、《不浄なる者、ミケウス/Mikaeus, the Unhallowed》《歩行バリスタ/Walking Ballista》を揃えて無限しても良し。
マナ加速とドローとサーチの3色なのでコンボ向けのカード。墓地から各タイプのカードをプレイ出来るので、普通に出すだけでも莫大なアドバンテージを稼ぐ統率者です。
《多勢の兜/Helm of the Host》 700円
これも安レアからじわ上がり。毎ターン装備しているクリーチャーをコピーするアーティファクト。
「戦場に出たとき○○」と組み合わせても良いですし、《山賊の頭、伍堂/Godo, Bandit Warlord》に装備すると無限トークン&無限アタックになります。
■イクサランの相克
《原初の災厄、ザカマ/Zacama, Primal Calamity》 2500円
9マナ揃えば除去・置物破壊・回復、何でもできる恐竜。ザカマに限らずこういった重くて派手な効果は海外での統率者需要があり、後々値段が上がる傾向にあります。
土地からのマナを2倍にするエンチャント《ほとばしる魔力/Mana Flare》《春の鼓動/Heartbeat of Spring》と組み合わせてザカマを手札に戻す仕組みを作れば無限コンボも狙えます。
《薄暮薔薇、エレンダ/Elenda, the Dusk Rose》 2500円
ここ最近で一番の高騰を見せたのがこのカード。相手のクリーチャーが死亡したときもカウントするので、複数人でやる統率者戦ではすぐムキムキのサイズになります。
《肉袋の匪賊/Fleshbag Marauder》《疫病造り師/Plaguecrafter》など、各プレイヤーがクリーチャーを生贄にするカードと組み合わせても強い。
《不滅の太陽/The Immortal Sun》 2000円
統率者で対戦相手全員のプレインズウォーカーを除去するのは困難。ならば起動を封じよう!
アーティファクトでどのデッキにも採用できるようなカードは、統率者需要でも特に値段が上がる傾向があります。
《黄昏の預言者/Twilight Prophet》 1000円
アップキープにライブラリートップを公開して、そのコスト分各対戦相手がライフを失う。
本当に強いのかは怪しいラインですが、こういう「各対戦相手」と書かれているカードも値段が付きやすいです。
■イクサラン
《イトリモクの成長儀式/Growing Rites of Itlimoc》 1000円
変身後は《ガイアの揺籃の地/Gaea’s Cradle》となり、各1枚しか入れられない統率者でも《ガイアの揺籃の地/Gaea’s Cradle》を実質2枚に出来ます!
本家 《ガイアの揺籃の地/Gaea’s Cradle》 も最近かなり値段が上がりましたね。
■破滅の刻
《穢れた血、ラザケシュ/Razaketh, the Foulblooded》 1200円
クリーチャーを生贄にすることで好きなカードをサーチするデーモン。黒は《墓穴までの契約/Grave Pact》などクリーチャー生贄によるシナジーが多数あります。
ラザケシュ経由で《不浄なる者、ミケウス/Mikaeus, the Unhallowed》+《トリスケリオン/Triskelion》による無限ダメージコンボを揃えても良し。
「好きなサーチ」「デカくて派手」と高騰条件を満たしています。
《霰炎の責め苦/Torment of Hailfire》 600円
各対戦相手にライフ喪失もしくはパーマネントを要求。
統率者は初期ライフが40なので概ねライフ支払いされますが、それでもX=5以上で撃てれば効果は大きい。
《永遠衆、ネヘブ/Neheb, the Eternal》 600円
相手の失ったライフに等しい赤マナを生み出します。
《連続突撃/Relentless Assault》など、赤には追加の戦闘フェイズを作るカードがあるので相性良し。
《追い討ち/Aggravated Assault》は5マナで戦闘フェイズを得るエンチャントなので、ネヘブと組み合わせて無限アタックできますね。
■アモンケット
《選定された行進/Anointed Procession》 2000円
トークンを2倍にする効果。これもスタン当時は100円レアでしたが、ここまで値上がりしましたね。統率者で「2倍にする」効果は人気があり、セット発売数年後に価格が上昇する傾向あり。
《倍増の季節/Doubling Season》《マナの反射/Mana Reflection》などもスタン当時は安かったですが、今はちゃんと値段が付いています。
ただ、2倍をテーマにしたダブルマスターズに再録されるかも?
■カラデシュ
《霊気貯蔵器/Aetherflux Reservoir》 500円
統率者は初期ライフが40。1ターンに呪文を5つ唱えれば《霊気貯蔵器/Aetherflux Reservoir》で15点回復して、50点ライフを支払って一人倒せます。
派手な効果なのでデッキ構築意欲を刺激してくれるカード。サーチで持ってきたい。
《パンハモニコン/Panharmonicon》 800円
「戦場に出たとき○○」の効果を2倍にするアーティファクト。
スタン当時は安いレアでしたが、「どのデッキでも使える」「2倍にする」と人気が集まる要素を持っています。
これも2倍をテーマにしたダブルマスターズに再録されるかも?
■異界月
《折れた刃、ギセラ/Gisela, the Broken Blade》 1200円
もう片方の《消えゆく光、ブルーナ/Bruna, the Fading Light》の方が統率者向きのリアニメイト能力なのですが、ギセラは神話レアなためか先に高騰しました。
合体カードには夢がある!
■ゲートウォッチの誓い
《ゼンディカーの復興者/Zendikar Resurgent》 400円
統率者セットで何回か再録されていますが、それでもジワジワと上がり続けています。
《マナの反射/Mana Reflection》《ミラーリの目覚め/Mirari’s Wake》など、土地からのマナが2倍の効果は総じて人気になりやすい。
特に《ゼンディカーの復興者/Zendikar Resurgent》はドロー能力もあるので、出してターンが帰ってきたら勝てるくらいの性能があります。
■基本セット
《闇の領域の隆盛/Rise of the Dark Realms》 2000円
通称「リリアナわっしょい」
墓地のクリーチャーを全て戦場に戻すド派手な効果。 スタン当時は使われませんでしたが、 気づいたらこんな値段になっていました。
似た効果を持つ《戦慄衆の指揮/Command the Dreadhorde》も今は安いですが、数年後に上がるチャンスがあるかも。
各種神話レアハイドラ
《カロニアのハイドラ/Kalonian Hydra》 1500円
《始源のハイドラ/Primordial Hydra》 1500円
《変幻のハイドラ/Protean Hydra》 400円
信じられないかも知れませんが、何故か神話レアのハイドラ君たちが上がっています。
たしかに「2倍にする」効果ではあるのですが、それにしても奇妙な値上がり。
統率者2020で《警告となるもの、ザクサラ/Zaxara, the Exemplary》という伝説のハイドラが出たことに関係しているのかも。
■教示者
《吸血の教示者/Vampiric Tutor》 9000円
《悟りの教示者/Enlightened Tutor》 3000円
《俗世の教示者/Worldly Tutor》 3000円
《神秘の教示者/Mystical Tutor》 1500円
昔からのプレイヤーは、こんなに値上がりしたの!?と驚くかも知れません。
統率者は全てのカードが1枚なので、それらにアクセスしやすい教示者シリーズは色を問わず需要が集中。
黒いデッキなら必須パーツの《吸血の教示者/Vampiric Tutor》は英語版は大きな値上がりを見せて現在9000から10000円。
《悟りの教示者/Enlightened Tutor》《神秘の教示者/Mystical Tutor》も1.5倍の値段に。
そして《俗世の教示者/Worldly Tutor》も3倍の値上がり。緑教示者だけはマスターズ系での再録が無い為、市場の流通量が少ないことも理由かも知れません。
■おわりに
統率者とは関係ない話ですが、最近は青緑の土地が上がっていますね。
《繁殖池/Breeding Pool》 1800円
《霧深い雨林/Misty Rainforest》 9000円
《Tropical Island》 38000円
これはモダンやレガシーで《氷牙のコアトル/Ice-Fang Coatl》《自然の怒りのタイタン、ウーロ/Uro, Titan of Nature’s Wrath》の流行によるものだと思います。
青緑ベースのコントロールデッキは本当に強い!
そんな青緑のエース《自然の怒りのタイタン、ウーロ/Uro, Titan of Nature’s Wrath》をカードラッシュでは7000円買取中!(2020年6月10日時点での価格です)
買取ならカードラッシュをよろしく。
今回は趣向を変えて、カードの価格に関する記事を書きました。
どのカードにも共通して言えることですが、パックが剥かれなくなり流通量が減ってくると、需要のあるカードの値段は徐々に上がります。
マジックはゲームとして素晴らしいのは勿論ですが、コレクションという楽しみ方もあり、価格に関する動向を見るのも面白い!
反響があれば再録禁止カードの値動きやゴジラシリーズなどの話も書いて行きたいです。Twitterでも反応してね♪
それではまた。