MTG │ デッキ解説 │ 井川良彦【モダンチャレンジ3位入賞の緑トロンについて】
明けましておめでとうございます。Rush Prosの井川です。
僕は年明けから始まるエリア予選に向けて、毎日モダンの猛練習中です。
久しぶりのモダンチャレンジ。デッキはトロン。同じ人のアミュレットに2回負けて2没!最後は先手2キルされたw
Omnath ◯◯
Living End ×◯◯
Amulet ◯××
Izzet Control ◯◯
Living End ◯×◯
Rakdos ◯◯
Tron ◯×◯Rhinos ◯◯
Amulet ×◯×Top4. I love Tron 🙂 pic.twitter.com/3iwwdcAnkT
— Yoshihiko Ikawa (@WanderingOnes) December 24, 2023
先日久しぶりに参加したモダンチャレンジでトップ4に入ることができましたので、今回の記事では使用したデッキ「緑単トロン」の簡単な解説をしていきたいと思います。
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■使ったトロンのリスト
長い間モダンに存在している、土地コンボを代表するデッキの一つであるトロン。
《激情》の禁止によってラクドスが少し弱体化した=相性が改善されたこと、また比較的相性の良いヨーグモス、ティムールカスケード、リビングエンドといったデッキのポジションが上がってきたことから、以前よりもトロンのポジションも少し良くなったかなと思っています。
マリガンに強くブン回りが爽快な点が魅力ですが、相性差も大きいデッキなので、メタゲームを見極めて使うことをオススメします。
★デッキの拘った部分について
《大祖始の遺産》はリビングエンドに最も強く、イゼットやヨーグモスにもそれなり。
《四肢切断》はラクドス、イゼット、ヨーグモスといったところに強いですが続唱系には全然ダメ。
《歪める嘆き》は続唱には強いですが、他のデッキには効果的とは言い辛いです。
不器用なデッキであるトロンにおいて、これらは数少ない貴重な軽量妨害枠。今回はフラットに作ったので2:2:2のバランスにしましたが、どこを意識するかでこの枚数を変えるといいでしょう。
一般的なリストでは《反発のタリスマン》の枠ですが、《探検》を使用してプレミアム予選を突破していた方がいたので試してみたところ、なかなか好感触。
ブン回りのパターンが増えただけでなく、セットランド回数が増やせるので《耐え抜くもの、母聖樹》合戦に強くなりました。「手札では揃っているけど毎ターン土地破壊されてなかなか場で揃わない」というときでも、《探検》があれば一気に揃えて《一つの指輪》や《大いなる創造者、カーン》に繋げることができます。
ただし緑マナの兼ね合いから重ね引くと厳しかったので、1枚ぐらいが適正かなと。
トロンミラー、アミュレットといった土地コンボを見るなら《解放された者、カーン》が最高の一枚ですが、今のメタゲーム的にはただの単体除去で終わりがちなので、強烈な全体除去として使える《精霊龍、ウギン》の方が勝っていると考えています。
特に対ヨーグモスで《精霊龍、ウギン》の追放が光ります。《忘却石》だと《血の芸術家》/《ズーラポートの殺し屋》を出されて流すと痛い盤面や、《若き狼》《絡み根の霊》の不死軍団で殴られている盤面でも《精霊龍、ウギン》は最強の全体除去として機能してくれます。
これだけは言いたい!!ウルザランドが揃っているときのフラッド受けとしては《ウルザの物語》は優秀ですが、このカードをキープ基準にするのはとても危険です!!
1ターン目に置いて第三章で《探検の地図》をサーチできるので、初手にウルザ土地2種+《ウルザの物語》でも結果として揃うとはいえ、貴重な序盤のセットランド権をこのカードに使ってしまうため、最速で揃っても「4ターン目に7マナ」しか出ません。これでは《忘却石》《精霊龍、ウギン》といった全体除去も使えないですし、ツーアクションで相手のカウンターを乗り越えることもできません。
昔の記事で書いたことがありますが、基本的にトロンというデッキは「3ターン目7マナ」もしくは「4ターン目8マナ」を狙うべきデッキ。《一つの指輪》《大いなる創造者、カーン》のおかげで多少緩和されたとはいえ、トロンが揃わずにゲームするより、トロンを揃えてゲームを進めた方が強いに決まってます。
《ウルザの物語》をキープ基準にするのは「先攻で」(大前提)かつ、相手がリビングエンドである(《大祖始の遺産》サーチ)もしくは《一つの指輪》が確定しているときだけにしておくのが良いでしょう。
初手回りで引きたくないのと、《ウルザの物語》でトークンを出して勝つパターンも、1枚あれば十分かなと思い、1枚に削りました。なおお試しに0枚のリストも試しましたが、後半の《探検の地図》《森の占術》が腐りまくったので、0枚はやめた方が良いです。
★サイドボーディングについて
《大いなる創造者、カーン》用のカードでほぼ全てを占められていますが、細かいサイドボーディングが勝敗を左右します。各カードについて、簡単にコメントしていきます。
主なターゲットはリビングエンド。
基本的にはサイドインしませんが、僕は4Cオムナスにはサイドインすることにしています。負け筋となる《耐え抜くもの、母聖樹》+《レンと六番》コンボを止めましょう。
主なターゲットは《血染めの月》/《ウルザの物語》/《一つの指輪》など。
《血染めの月》が入ってきそうなイゼットやティムールには1枚だけサイドイン、1枚は《大いなる創造者、カーン》用に温存しましょう。対バーンだけは2枚ともサイドインしてチャンプブロック&ライフゲインとして使います。
主なターゲットはハンマータイムの《墨蛾の生息地》、鱗親和の各クリーチャー、ヨーグモスなど。
正直範囲が狭いですし、《アガサの魂の大釜》が出てからは裏目も発生するようになりました。《呪われたトーテム像》でほぼ補完できるので不要だと思います。
大会中も一度も使わなかったので、次回出る際は苦手なアミュレットに対して効果的な《倦怠の宝珠》に差し替えたいと思います。
主なターゲットはヨーグモスや鱗親和。
《大いなる創造者、カーン》からサーチしてすぐ出せる軽さが魅力なので、基本的にサイドインしません。
主なターゲットはトロン、アミュレットなどの土地コンボ。
こちらも《大いなる創造者、カーン》からサーチしてすぐ出せる軽さが魅力なので、基本的にサイドインしません。サーチしたあとに《大いなる創造者、カーン》を除去されるとゴミになってしまうので、対土地コンボ以外ではできる限り他のカードをサーチすることをおすすめします。
主なターゲットはトロン、アミュレット、独創力など。
トロンやアミュレットのようなキーカードデッキにはサーチ用で使った方が良いですが、リビングエンドやティムールカスケードなどには先手のみサイドイン可能です。(2Tプレイ→3T起動が可能なので)
主なターゲットはラクドス、ティムール、リビングエンドなど。
《大いなる創造者、カーン》からサーチしてすぐ出せる軽さが魅力なので、基本的にサイドインしません。トロンはキャントリップが多く、意外と手札が減らないことも多いので、早いターンだと機能しない場合も多々あります。注意!
主なターゲットは特にナシ。
悩んだら持ってくる枠。僕はメイン4よりもメイン3サイド1にして、《大いなる創造者、カーン》からもアクセスできる構成の方が好みです。
主なターゲットはラクドス、イゼット、ティムール、バーンなど。
ティムールやリビングエンドには《大いなる創造者、カーン》からサーチする優先度が低い&通常プレイが強力なので、サイドインしましょう。
主なターゲットはオムナス、ティムールなど。
対オムナス最強カード。土地5枚割る爽快感たるや。ティムールなどにも盤面に余裕があるときには蓋として機能します。基本的にはサイドインしませんが、不要カードが多いトロンミラーでは例外的にサイドインできます。
主なターゲットはティムール、アミュレット。
設置→起動が軽いので、基本的にはサイドインしません。
主なターゲットはティムール、リビングエンド。
初手に欲しく、またティムールには《仕組まれた爆薬》、リビングエンドには《トーモッドの墓所》があるのでサイドインしましょう。相性が悪いアミュレットにも、せめてもの抵抗として《召喚士の契約》を止めるためにサイドインします。
主なターゲットは特にナシ。
余ったマナの使い先として、盤面の整理要員として使用します。ラクドスやイゼットに対して、《敏捷なこそ泥、ラガバン》への対抗策にサイドインするのもアリです。
■終わりに
トロンは揃えて重いカードを出すだけの簡単なデッキだと思われがちですが、マリガン判断やキャントリップ/サーチ呪文の打つ順番、サイドボーディングなど細かい知識が多く、見た目以上にスキルが出るデッキです。
他のデッキでは味わえない豪快な勝ち方ができるので、他のデッキに飽きた際には気分転換に回すと楽しいですよ。
紙初めとして、1/3(水)に晴れる屋TC東京で開催されるチーム戦に友人たちと参加予定です。ゆるふわメンバーとカジュアルマジックをエンジョイしたいと思います!
※ゆるふわなチームメンバー。楽しみですね。
それでは今回の記事はここまで。また次回の記事でお会いしましょう!