MTG │ 新弾レビュー │ 井川良彦【Jumpstart: Historic Horizons】

皆さんこんにちは。Rush Prosの井川です。

当初の予定よりは遅くなってしまいましたが、ついに『Jumpstart: Historic Horizons』がMTGアリーナにてリリースされます!

今回の記事では『Jumpstart: Historic Horizons』の注目カードや、活躍しそうな新デッキたちを紹介していきます。

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■新キーワード

今回の新キーワードは、現時点でMTGアリーナ専用のキーワード能力となっています。デジタルならではの強みを生かした、リアルではできない挙動をするものであり、他のDCGなどでも使われている能力に近いものとなっています。

「抽出/Seek」

「抽出/Seek」は、特定の条件に合致したカードを、ライブラリーからシャッフルせずに直接手札に加える能力です。チューター系のサーチほど確実ではありませんが、構築によっては手札に入れるカードの種類をかなり絞ることができます。

例えば上記の《Skyshroud Lookout》であれば、普通のエルフデッキで使えば「《集合した中隊》や土地は引けない分、確実にエルフが引ける」《エルフの幻想家》です。最序盤に土地が欲しい際は微妙ですが、十分な土地枚数/マナを確保している状態であり、これ以上土地を引きたくないときには嬉しい1枚と言えます。

また、「《Skyshroud Lookout》を1枚+何か特定のエルフカード1枚」という構築であれば、そのデッキの《Skyshroud Lookout》はそのエルフカード専用の《悪魔の教示者》となります。こういった使われ方をされるようになると非常に危険なメカニズムですが、現状だとその心配はなさそうですね。

「創出/Conjure」

「創出/Conjure」は特定のカードを生成する能力です。画像左の《Kiora, the Tide’s Fury》であれば「+1」能力で《クラーケンの幼子》を手札に加えますし、画像右の《Freyalise, Skyshroud Partisan》であれば、「-6」能力で《威厳の魔力》を戦場に出します。

この「創出/Conjure」で生成されるカードは「最初からデッキに入っているカードと全く同じ性質」であり、コピーやトークンではありません。「創出/Conjure」で生成されたカードは、バウンスされたら手札に入りますし、死亡したり使用した場合は墓地に行きますので、その点ご注意ください。

「永久に/Perpetually」

「永久に/Perpetually」は文字通り、永久に=領域を移動しても永続的に効果を発揮する能力です。

例えば上記の《Darviel’s Withering》であれば、一度対象のクリーチャーを-1/-2すれば、そのクリーチャーが手札に戻っても、墓地に行ってから戦場に戻っても、ずっと-1/-2されたままとなります。「領域を移動すると別オブジェクトになる」という既存のマジックの総合ルールとは一線を画する能力ですが、これぞデジタルならではの能力といえるでしょう。

■注目の新規カード

《Shoreline Scout》

Tropical Island》を創出するという新戦力。フラッド気味の手札なら土地を、スクリュー気味の手札ならマーフォークを《Tropical Island》に変えることができるので、デッキの安定性を上げてくれますし、単体でもパワー2相当の打点があるので1マナ域としては最上級。

そして今回、この2種類の強力マーフォークたちが再録!《集合した中隊》やカウンターと合わせて使われること間違い無しですね。

《Reckless Ringleader》

手札のクリーチャーに速攻を付与する、マジックの歴史上でも類を見ない画期的な1枚。自身のクリーチャータイプがゴブリンなのも嬉しいですね。

ゴブリンデッキに投入して《群衆の親分、クレンコ》や《軍勢の戦親分》といったカードに速攻を付与しても良し。また、《首席議長ヴァニファール》に速攻を付与して《出産の殻》デッキのようなコンボに特化しても良し!

無限の可能性を秘めたこのカード、デッキビルダーの腕の見せどころですよ!

《Darviel’s Withering》

キーワード能力の説明でも紹介したこのカード。「永久に-1/-2」という能力を用いた、今回再録された《夕暮れヒバリ》との無限コンボが既に発見されています。
《Darviel’s Withering》を打ち込むことにより、墓地にあっても1/-1クリーチャーになるため、場を離れたときの能力で自分自身をリアニメイト→タフネスが-1なので墓地にいく→場を離れたときの能力が誘発、と無限ループ!横に《血の芸術家》や《残酷な祝賀者》がいれば無限ダメージ!

白黒2色で組むよりは《集合した中隊》を採用してアブザン3色で組まれることになると思います。無限コンボに頼らずとも殴り切れる形ができるとベスト。

《Tome of the Infinite》


そして今回のセットで個人的に一番好き&注目しているのがこのカード!

「ランダムなカードを生成する」とありますが、そのプールは決まっており、以下の10種類から選ばれます。

かなり上ブレ下ブレがありますが、がっつり守るような純粋のコントロールであれば《巨大化》《突撃のストロボ》以外はある程度プレイできますし、毎ターン1マナで手札を補充できるのは非常に強力です。

デッキ外からリソースを持ってこれるカードはマジックの歴史上ありません。理論上はフィニッシャーをコレのみにすることも可能!実際はハズレばかり引いてガッカリするかもしれませんし、《剣を鍬に》《稲妻》のような超強力なカードを連続で引いて圧勝するかもしれません。

新時代のMTGアリーナを楽しみたい方に、超オススメです!!

■注目の再録カード/デッキ

新規カード以外にも、『モダンホライゾン』『モダンホライゾン2』をはじめ、様々なエキスパンションから大量の再録カードが収録されています。

全カードリストはこちら

枚数が多すぎるので、特にトーナメントレベルで活躍しそうなカードをピックアップしていきます。

人間アグロ系

スタンダードの白単人間やモダンの5色人間で活躍した《サリアの副官》がついにMTGアリーナに登場!それだけでなく、《エスパーの歩哨》《宿命の旅人》といった優秀な1マナ域も同時に再録されています。

また、他のマナ域に目を向ければ《スレイベンの守護者、サリア》《歴戦の神聖刃》《精鋭呪文縛り》といった優秀なクリーチャーが既に多数存在します。これだけ揃えば人間アグロが第一線で活躍する日も遠くないでしょう。

+1/+1カウンター系

+1/+1カウンターを活用するデッキといえば?そう、《硬化した鱗》デッキですね!一緒に使えと言わんばかりに《鱗の召使い》や《アブザンの鷹匠》、《モノスケリオン》といった+1/+1カウンターを活用するカードたちも再録されています。

元々ヒストリックには《巻きつき蛇》《議事会の導師》がいるため、これらを活用したアブザンアグロは細々と使われてはいましたが、デッキパワーが足りず活躍には至っていませんでした。今回《硬化した鱗》が入ったことにより最大バリューを発揮できるようになったので、どれだけ流行するのか楽しみです。

親和系

アーティファクトクリーチャーを主体にしたデッキ、いわゆる親和系のデッキも今回の再録により大幅にパワーアップ!アーティファクト土地こそ再録されなかったものの、『モダンホライゾン2』のカードたちは非常に強力ですし、《ちらつき蛾の生息地》《宝物庫》など、相性の良い土地も揃ってきています。

また、通常のアーティファクト・アグロ軸と合わせて、《思考の監視者》《マイアの処罰者》という2種類の7マナ親和クリーチャーを活用することにより、《新生化》から《孔蹄のビヒモス》という即死コンボを搭載することも可能になりました!速い!強い!カッコイイ!!!

ゴブリン

これまでは《上流階級のゴブリン、マクサス》を軸にしたゴブリンしか存在しませんでしたが、今回の再録により様々な形のゴブリンデッキが組めるようになりました。

こちらはかなり前のめりなゴブリン・アグロが組めるラインナップの再録。炎樹族の使者》や《アタルカの命令》と合わせることで3-4ターンキルも可能です!

こちらは朽ちゆくゴブリン》が再録されたことによって可能になった無限コンボ。

この2枚に加えてサクリ台があれば完成です。例えばサクり台が《スカークの探鉱者》であれば無限マナ、それに《パシャリク・モンス》などが加われば無限ダメージとなりますし、サクり台が《投石攻撃の副官》であればそれで無限ダメージです。《ゴブリンの女看守》などを駆使して揃えていきましょう。

その他

モダン・レガシーを席巻しているこの2種もヒストリックに登場!フェッチランドや《ミシュラのガラクタ》のような軽いアーティファクトがないので昂揚するのが少し大変ですが、それでもカードパワーが高いので使われることは間違いありません。

イゼットフェニックスのような軽いスペルが多いデッキでの活躍が期待されます。

これまでは《ドワーフの鉱山》を使用した形が多かった《不屈の独創力》デッキですが、これらの再録により、幅広い構築ができるようになりました。

特に《堅固な証拠》はモダンでも活躍しているカードですので、ヒストリックでも同様によく見ることになるでしょう。

■終わりに

本来であれば2週間前に実装される予定だった『Jumpstart: Historic Horizons』。MPLガントレットの練習のためにヒストリックをバリバリやっていくはずだったのですが、実装が遅れたことによりヒストリックが大会のフォーマットから外されてしまい、ヒストリックをやるタイミングを逸してしまいました。悲しみ。

僕は来週のMPLガントレットに向けてスタンダードをやっていますが、他の方はスタンダードのイベントがほぼない今、今夜実装される『Jumpstart: Historic Horizons』、そして激変するであろうヒストリックを楽しむには絶好のタイミングだと思います!

ぜひ好きなカードを使って、新環境を楽しんでください!

来週は今の環境のスタンダードの、そしてこの1年間のシーズンの締めくくりとなるMPLガントレットが開催されます。

参加者24名で、上位8名に入ればMPL昇格、さらにその中で上位3人に入れば世界選手権の出場できるという超ハイバリューな大会です。対戦相手は格上のトッププロ揃いであり厳しい戦いが予想されますが、ベストを尽くして上位を目指しますので、応援よろしくお願いします!

それではまた次回の記事でお会いしましょう!


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