MTG │ デッキ紹介 │ 井川良彦【新スタンダードの注目デッキ】
皆さんこんにちは。Rush Prosの井川です。
『イニストラード:真夜中の狩り』、楽しんでますか?ローテーション直後ということもあり、スタンダードは今が一年で最も楽しい時期ですね!
アリーナ/MOでのリリースから10日間ほど経ち、ラダーや各種大会結果が揃ってました。ということで今回の記事ではスタンダードの上位メタデッキを特集していきたいと思います!
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■緑単アグロ
Standard Challenge:優勝/By medvedev【インポートデータ】 | |
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4:《不詳の安息地/Faceless Haven》 21:《冠雪の森/Snow-Covered Forest》 25 lands 2:《茨橋の追跡者/Briarbridge Tracker》
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4:《吹雪の乱闘/Blizzard Brawl》 1:《豊穣の碑文/Inscription of Abundance》 4:《エシカの戦車/Esika’s Chariot》 4:《レンジャー・クラス/Ranger Class》 4:《不自然な成長/Unnatural Growth》 17 other spells 3:《豊穣の碑文/Inscription of Abundance》 |
環境初期こそはグルール狼男の方が流行っていましたが、先週末の大会では緑単アグロが無双。Magic Onlineで土日に開催されているStandard Challengeを、なんと2日間連続で優勝しました!
《群れ率いの人狼》・《老樹林のトロール/Old-Growth Troll》・《エシカの戦車》という各マナ域最高峰のクオリティであるクリーチャーを出しつつ、《吹雪の乱闘》で除去しながら殴るという王道ビートダウン。
《レンジャー・クラス》や《不詳の安息地》でマナフラッドのカバーもできており、使えるエキスパンションが少ない最初期のスタンダードとは思えない程の完成度で仕上がっています。
比較的『イニストラード:真夜中の狩り』からの新戦力が少ない緑単アグロですが、今回優勝したリストには超派手な倍エンチャント、《不自然な成長》がなんと4枚フル投入されています!!!
除去が多い相手には強くないカードですが、クリーチャー対決、特に緑同系で無類の強さを発揮します。先攻の《レンと七番》に対して後攻の《レンと七番》では勝てないので、後攻でも押し切れるように5マナ域にカードをガッツリ採用したのでしょう。お見事!
ローテーション前にはあまり見なかったこのカード。サイクリングこそ無くなりましたが、能力自体はサイドカードとして活躍した《切り裂かれた帆》と近い性能を持っています。《巻き添え》《レッドキャップの乱闘》を失ってしまったので、後述するイゼットドラゴンなどには優秀なサイドカードとしてインすることとなります。
■イゼットドラゴン
Clearly Frame Advantage featuring MTG Arena:優勝/By Regis Farias【インポートデータ】 | |
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デッキリスト | |
8:《島/Island》 4:《山/Mountain》 4:《プリズマリの学舎/Prismari Campus》 2:《バグベアの居住地/Den of the Bugbear》 2:《ストーム・ジャイアントの聖堂/Hall of Storm Giants》 4:《河川滑りの小道/Riverglide Pathway》 24 lands 4:《くすぶる卵/Smoldering Egg》
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4:《ドラゴンの火/Dragon’s Fire》 4:《バーニング・ハンズ/Burning Hands》 4:《プリズマリの命令/Prismari Command》 4:《襲来の予測/Saw It Coming》 2:《多元宇宙の警告/Behold the Multiverse》 2:《髑髏砕きの一撃/Shatterskull Smashing》 4:《表現の反復/Expressive Iteration》 4:《アールンドの天啓/Alrund’s Epiphany》 28 other spells 2:《星山脈の業火/Inferno of the Star Mounts》 |
旧スタンダードでも大活躍したイゼットドラゴン。デッキの核である《黄金架のドラゴン》→《アールンドの天啓》のラインはもちろんのこと、スタンダード屈指のドローカードである《表現の反復》もローテーション落ちしていないので、当然のごとくトップメタの一角として鎮座しています。
《氷の中の存在》を模してデザインされたであろうこのカード。0/4というスタッツが序盤のブロッカーとして最適で、かつ変身後は盤面を整理しながら殴る巨大フライヤーとして活躍してくれます。
カウンター7つというのも絶妙で、しっかりと2ターン目に着地できれば3ターン目、4ターン目の計7マナをキレイに使えればピッタリ変身できる親切設計。「支払ったマナの点数に等しい数のカウンターを乗せる」という珍しい誘発型能力なので、《パラディン・クラス》や《精鋭呪文縛り》でマナが重くなった結果、友情コンボするパターンもあるのでお忘れなく!
何このランド?と思った方もいるかも知れません。『ストリクスヘイヴン』で収録されたコモンのタップイン土地です。なんと今回紹介したリストでは、一般的に採用されているいわゆる「見せランド」の《凍沸の交錯》を押しのけて4枚投入されています。
個人的には序盤でアンタップインできる確率が一定以上ある《凍沸の交錯》の方が好きなのですが、こちらのプレイヤーはロングゲームを見据えて「占術」を評価しているようです。《ヴァントレス城》がローテーション落ちしたからこその採用と言えますね。
■イゼットワープ
2021年9月度ミシック1位/By 山川 洋明【インポートデータ】 | |
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デッキリスト | |
3:《ストーム・ジャイアントの聖堂/Hall of Storm Giants》 1:《凍沸の交錯/Frostboil Snarl》 4:《河川滑りの小道/Riverglide Pathway》 9:《山/Mountain》 7:《島/Island》 24 lands 0 creatures
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3:《消えゆく希望/Fading Hope》 1:《軽蔑的な一撃/Disdainful Stroke》 4:《ジュワー島の撹乱/Jwari Disruption》 2:《否認/Negate》 3:《安堵の火葬/Cathartic Pyre》 3:《霜と火の戦い/Battle of Frost and Fire》 2:《燃えがら地獄/Cinderclasm》 4:《表現の反復/Expressive Iteration》 2:《感電の反復/Galvanic Iteration》 4:《ゼロ除算/Divide by Zero》 4:《記憶の氾濫/Memory Deluge》 4:《アールンドの天啓/Alrund’s Epiphany》 36 other spells 1:《軽蔑的な一撃/Disdainful Stroke》 |
かつて関東草の根で天才デッキビルダーとして名を馳せた山川くん(@pironekogift)。その彼が環境に一石を投じたのがこのイゼットタイムワープ。
各種除去やカウンター、《ゼロ除算》といったカードで捌きつつ、《アールンドの天啓》+《感電の反復》の8マナコンボでゴールイン!追加2ターンの間に《記憶の氾濫》を打ったり《ストーム・ジャイアントの聖堂》で殴ることで、相手にターンを渡すことなくゲームを決めることができるコンボ・コントロールです!
上弦の壱。黒死牟さんだ。これが世界1位の景色なのだね。
サイドにリムソ投入したけど、ビミョーだった。僕の役目はここまで。細かい調整やプレイングは昔からあんまり得意じゃないから、あとはみんなに任せた!デッキは最高に楽しいし、勝ちまでの道筋を形にしてくのは刺激的だよ! pic.twitter.com/GpqQnroZs1— 山川 洋明 (@pironekogift) September 23, 2021
彼がミシック1位に到達したことにより、このデッキが爆発的に流行。それまではイゼットといえばイゼットドラゴンでしたが、今ではそのイゼットドラゴンと二分するほどの上位デッキとなっています。
コピー系のカードは『ストリクスヘイヴン:魔法学院』に《実例指導》がありましたが、それにフラッシュバックが付いたというスグレモノ。
デッキの勝ち筋が《アールンドの天啓》コピーなので温存したくなりますが、場面によっては他のスペルに使うことも念頭に置いてプレイしましょう。単体除去や《ゼロ除算》をコピーして盤面を捌いて時間を稼ぐこともあれば、《表現の反復》をコピーしてリソースを稼ぐことも多々あります。
マジックの歴史上でもかなり上位のドロースペル。4マナで4枚見れるのは《嘘か真か》に近いですし、フラッシュバックは《時を越えた探索》と同義です。このスペルを活用して、捌くカードとコンボパーツをバランス良く手札に揃えるのが、勝利への第一歩となります。
ミラーマッチやコントロール対決では、この《記憶の氾濫》のフラッシュバックに《ゼロ除算》を当てると損なくカウンターできるので、基本的なプレイとして覚えておくと良いでしょう。
最近の青いデッキほぼ全てに採用されているのがこの《心悪しき隠遁者》。
表面はクロックとして機能しつつ、置きカウンターとしての性能もグッド。そして裏面はなんと「自分の非クリーチャー呪文はカウンターされない」という圧倒的アンチカウンター!これを降霊で出せればあとは《アールンドの天啓》を通してイージーウィンですね!
これから2年近くはこのカードが青対決の基本になりそうです。ヒストリックなど、他の環境でも使われる可能性がありそうなほどのパワーカードなので、もし持ってないのであればリアルで購入したり、ワイルドカードでクラフトすることを強くオススメします!
■アゾリウスワープ
Standard Challenge:11位/By js2【インポートデータ】 | |
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デッキリスト | |
3:《フロスト・ドラゴンの洞窟/Cave of the Frost Dragon》 4:《さびれた浜/Deserted Beach》 3:《廃墟の地/Field of Ruin》 4:《連門の小道/Hengegate Pathway》 5:《島/Island》 3:《平地/Plains》 2:《宝物庫/Treasure Vault》 24 lands 0 creatures
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4:《日没を遅らせる者、テフェリー/Teferi, Who Slows the Sunset》 4:《アールンドの天啓/Alrund’s Epiphany》 4:《ドゥームスカール/Doomskar》 1:《エメリアの呼び声/Emeria’s Call》 4:《多元宇宙の警告/Behold the Multiverse》 2:《ゼロ除算/Divide by Zero》 4:《運命的不在/Fateful Absence》 3:《ジュワー島の撹乱/Jwari Disruption》 3:《記憶の氾濫/Memory Deluge》 4:《襲来の予測/Saw It Coming》 3:《ストリクスヘイヴンの競技場/Strixhaven Stadium》 36 other spells 2:《軽蔑的な一撃/Disdainful Stroke》 |
また直近では青白カラーの《アールンドの天啓》デッキも登場しています。
《アールンドの天啓》をデッキのフィニッシャーとして据えているのは同じですが、その相方として採用されているのはまさかのこのカード。
《ストリクスヘイヴンの競技場》はリミテッドでも使うのは難しいカードでしたが、《アールンドの天啓》とは相性バツグン。トークンでダメージを当てること、そして追加ターンでの起動も含めてこのカードの勝利条件=カウンター10個での勝利を目指します。
このカードのイラストから、Azorius「Quidditch」Control(クィディッチ:「ハリーポッター」の箒を使ったスポーツ)と呼んでいる人もTwitterで見かけました。最近は少ないですが、こういう少し捻ったデッキ名は好きなので流行ってほしいなと思ってみたり。
そして《ストリクスヘイヴンの競技場》と一緒に採用されているのが新テフェリー。土地と《ストリクスヘイヴンの競技場》の両方をアンタップできるので、実質2マナ分生み出してくれるのが何より嬉しいですし、相手のクリーチャーをタップすることで《アールンドの天啓》の鳥トークンの道筋を開けてくれるのも地味に強力です。
前評判が低かったプレインズウォーカーなだけに、このテフェリーが今後も継続して使われていくのか楽しみですね。
■終わりに
圧倒的カードパワーを誇った『エルドレインの王権』を始めとした4エキスパンションがスタンダードを去り、新しく始まったスタンダードでは『カルドハイム』のレアカードたちが我が世の春を謳歌しています。
ラクドスやオルゾフ、黒単といったミッドレンジ/コントロールも多少は存在していましたが、イゼットワープという天敵が登場したことによりそういった除去系デッキは壊滅状態。現在のラダーでは緑単アグロとイゼットドラゴン/ワープが圧倒的なトップメタとして君臨しているなと感じています。
ここからメタゲームがどう動いていくのか。来週開催される世界選手権2021では、その答えが明らかになることでしょう!
僕もチームメイトたちと共にベストなデッキを選択できるよう調整していますので、お楽しみに!応援よろしくお願いします!!
それでは今回はここまで。次回は世界選手権のレポートをお届けします!