MTG │ カード紹介 │ 井川良彦【《砕骨の巨人》のいない世界】

皆さんこんにちは。Rush Prosの井川です。

ついに『イニストラード:真夜中の狩り』が発売。それと同時にスタンダードがローテーションし、『エルドレインの王権』『テーロス還魂記』『イコリア:巨獣の棲処』『基本セット2021』の4つのエキスパンションがスタンダード落ちしました。

そしてローテーションということは、そう、ついに赤い悪魔からの卒業です!

世界中でタフネス2以下のクリーチャーを屠ってきた《砕骨の巨人》の退場により、これまで見向きもされなかったクリーチャーたちにスポットライトが当たる日が来ました!

『イニストラード:真夜中の狩り』レビューを行う前に、今回の記事ではローテーション後に活躍するかもしれない、期待のタフネス2以下クリーチャーを特集していきます!

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■「魔技」、覚えてますか?

『ストリクスヘイヴン』で登場したキーワード能力「魔技」。インスタント/ソーサリーのプレイやコピーで誘発する能力であり、強力なカードもいくつかあるのですが、そのタフネスの低さが響きこれまで一線級で使われることはありませんでした。

レオニンの光写し》は魔技で全体強化。スペック自体はかなり高いので、トークン系のデッキや軽いビートダウンデッキで輝く性能です。

そして《セッジムーアの魔女》は《砕骨の巨人》存命のときでもたまにラダーなどで見かけることもあった、若き紅蓮術士》《僧院の導師》を彷彿とさせるパワーカードです。

この2種類は相性がいい(並べる・全体強化)のでこの両方を使えるとベストですし、それぞれ単体でも強力です。『イニストラード:真夜中の狩り』では《ショック》《選択》《送還/Unsummon》のアップデート版がそれぞれ収録されており、軽いスペルと相性のいいこれら「魔技」クリーチャーも活躍が期待できます!

■ライフゲインデッキの時代が来る!

これまで虐げられてきたためあまり記憶に残っていないかもしれませんが、ローテーション後も残るクリーチャーのうち、《アジャニの群れ仲間》のようにライフゲインで強化されるクリーチャーが複数存在します。

どちらもリミテッドではエース級の活躍でしたし、《砕骨の巨人》というお手軽な2:1交換カードがなくなったなら構築でもいけそうです。

ヒストリックで活躍した《正義の戦乙女》やウィノータで活躍した《裕福な亭主》に加えて、『イニストラード:真夜中の狩り』でも新型の《魂の管理人》があるそうなので、ライフゲインを主軸としてアグロ/ミッドレンジの登場も近いうちに見られそうです。

■赤の2マナ域にはこんな奴らもいるんです!

今回のローテーションで、赤単アグロの2マナ域として活躍してくれていた《義賊》《リムロックの騎士》はどちらもお別れとなります。ということで、新世代の2マナ域として活躍しそうな2種類をご紹介。

まずはコイツ。上に挙げた2枚が強力だったためこれまで使われていませんでしたが、単体だけの性能で見ればこのカードもかなりのパワーカードです。2マナ3/1という《リムロックの騎士》と同じスペックを持ちつつ、マナを払えば打点の強化とブロッカーの排除が可能!

そして続いてはコイツ。一時期スタンダードの赤単に採用された実績もあります。

単体での打点はそこまで高くありませんが、先制攻撃による安定感と5マナになってからの起動型能力が魅力です。

■白黒の多色クリーチャーは選択肢が多彩!!

2マナ3/2にメリットが付いている、かなり優秀なクリーチャー。カード名の指定は一見難しそうに見えますが、次のターンにプレイされそうなカードを言うだけで大抵の場合は大丈夫です。

『イニストラード:真夜中の狩り』では「フラッシュバック」カードが多数収録されているので、墓地に落ちているフラッシュバック持ちのスペルを指定するのも良いですね。

『ストリクスヘイヴン』ドラフトで暴れまくったレジェンド。絆魂、威迫、コスト軽減とメリット能力が3つも付いているという異次元の性能で、伝説にも関わらず4枚入れても許せそうなほどのコストパフォーマンスです。

砕骨の巨人》さえいなければ、と言われてから早や5ヶ月。ついに真価を発揮するときが来るか?

■マナ加速をしたいあなたに!

2→4のマナ加速はいつだって強力。2マナのマナ加速の質が鍵になりますが、今の環境には多数存在します。

水蓮のコブラ》《絡みつく花面晶体》《裕福な亭主》あたりは有名なので、今回はマイナーなこの2枚をご紹介!

どちらも《砕骨の巨人》のいい的だったため全く注目されませんでしたが、《冬を彫る者》は《不詳の安息地》をアンタップできたり、《創発的配列》は強化できる/+1カウンターシナジーがあったりとなかなか可愛い奴らです。

基本的には土地でもある《絡みつく花面晶体》が一番優先度高いと思いますので、2スロット目以降に悩んだ際にはちょっと考えてみても良いかも。

■青は、うーん。。。。

青のクリーチャーにも目を向けて見ましたが、砕骨の巨人》どうこうの前に力不足のカードばかりでした。強いて挙げるならコイツでしょうか。

『イニストラード:真夜中の狩り』で再録される《秘密を掘り下げる者》と共に、青い軽量クロックパーミッションを形成できるのか?カードパワー的に少し厳しい気もしますが、1マナ2/2飛行で殴れるならワンチャンあるので是非チャレンジしてみたいところ。

■相方に恵まれなかった君たちに未来はあるのか?

部族デッキはそのクリーチャータイプが収録される=強化かどうかに焦点が当たりますが、残念ながらこの2枚はローテーション後も厳しそうです。

『ゼンディカーの夜明け』発売時には「D&Dコラボの先駆けか?」と期待されたものの、結局『フォーゴトン・レルム探訪』で特に強化されず、パーティとは一体なんだったのかと全世界のプレイヤーが首を傾げたものでした。

『イニストラード:真夜中の狩り』では戦士を始めとしたパーティを構成する種族が最低限しかおらず、最高の戦士だった《歴戦の神聖刃》が落ちたのが致命的に見えます。

そしてエルフ。ヒストリックでは部族デッキとして一定の人気を博していますが、スタンダードでは悲しい状況。そしてそれに追い打ちをかけるように、『イニストラード:真夜中の狩り』にエルフは0枚!次のエキスパンションを待ちましょう。残念。

■終わりに

ということで少し軽めでしたが、新セットレビューを行う前に《砕骨の巨人》の前に散ってきた期待のカード特集をお届けしました。

個人的なイチオシは《カルガの威嚇者》です。2マナで4点クロックは流石に強い!使われてほしい!!

ローテーションや環境によってカードの価値が変わるがカードゲームの面白いところです。今回紹介したような、隅に追いやられていたカードたちがどうリベンジをするのか、新環境が待ち遠しいですね。

次回は『イニストラード:真夜中の狩り』のレビュー記事です。お楽しみに!


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