MTG │ 大会レポート │ 井川良彦【MRL#4 -4色ドゥーム-】

皆さんこんにちは。Rush Prosの井川(@WanderingOnes)です。

カルドハイムが入ってからのスタンダードはまさに群雄割拠。毎週勝ち組が変わる、楽しくやりがいがあるフォーマットとなっていますね。

先週末のカルドハイムリーグ・ウィークエンドでは、いつも通りチームで調整して参戦。結果としてはティムールアドベンチャーを選択した佐藤・高橋・熊谷は全員勝ち越し、4色ドゥームを選択した原根・井川はどちらも振るわずとチーム内で明暗が分かれることとなりました。

さて今回の記事では、実際に使用した4色ドゥームの解説と、デッキ選択の理由、そして反省などをお届けしたいと思います。

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■使用したデッキのポイント解説

今回のリーグで使用したのは、単色アグロと《恋煩いの野獣/Lovestruck Beast》デッキを標的にした除去コントロール。

2/20に開催された「SCG Tour Online – Satellite #5」で6-0を記録していたデッキを微調整したものです。

井川 良彦 4色ドゥーム
カルドハイムリーグ・ウィークエンド(2月) 5-5
デッキリスト
2 《平地
2 《
2 《
1 《
4 《寓話の小道
4 《インダサのトライオーム
4 《ゼイゴスのトライオーム
4 《陽光昇りの小道
4 《清水の小道
4 《連門の小道
2 《樹皮路の小道
1 《枝重なる小道
34 Lands



2 《太陽の恵みの執政官
3 《空を放浪するもの、ヨーリオン
5 Creatures

1 《塵へのしがみつき
4 《取り除き
4 《無情な行動
4 《海の神のお告げ
2 《軽蔑的な一撃
2 《眠らせる矢
1 《黄金の卵
3 《エルズペスの悪夢
2 《裏切る恵み
2 《太陽の神のお告げ
1 《魂の粉砕
4 《絶滅の契機
4 《予言された壊滅
4 《古き神々への束縛
1 《屋敷の踊り
2 《エメリアの呼び声
41 Other Spells



1 《空を放浪するもの、ヨーリオン
1 《塵へのしがみつき
2 《軽蔑的な一撃
1 《太陽の恵みの執政官
2 《強迫
2 《ガラスの棺
1 《神秘の論争
1 《魂の粉砕
2 《サメ台風
2 《否認 
15 Sideboard Cards
相棒
1 《空を放浪するもの、ヨーリオン

主に原根くんが好感触で調整していたもので、それに賛同した僕が途中で合流して微調整したという経緯。

彼が抜きたい/減らしたいと考えたものに対して、僕がいくつかの提案をし、最終的に2人で1枚ずつ確認していって完成したのが上のリストです。

以下、いつも通りワンポイント解説。

元々は《否認/Negate》だったスロット。

今のメタゲームを考える上でナヤフューリーやティムールアドベンチャーの「《黄金架のドラゴン/Goldspan Dragon》or《スカルドの決戦/Showdown of the Skalds》/《アールンドの天啓/Alrund’s Epiphany》」の両面を受けれるのは大事ですし、一番《否認/Negate》を撃ちたい対象であろう《出現の根本原理/Emergent Ultimatum》に対してはこちらでも問題ないので、《軽蔑的な一撃/Disdainful Stroke》を優先的に採用。ナヤやティムールを強く意識するためにメインサイド合わせて4枚。

ドゥームの系のデッキでは《空を放浪するもの、ヨーリオン/Yorion, Sky Nomad》でのブリンク、そして《予言された壊滅/Doom Foretold》でのエサ枠として、こういったドロー置物が採用されます。今回僕らは《黄金の卵/Golden Egg》より優先して《眠らせる矢/Sleeper Dart》を使うことにしました。

黄金の卵/Golden Egg》が3ゲインに2マナかかるのに対して、《眠らせる矢/Sleeper Dart》はマナを使うことなく同程度のダメージをプリベントできます。もちろん速攻や警戒クリーチャー、本体火力などに対しては盤面に依存せず回復できる《黄金の卵/Golden Egg》のほうが嬉しいですが、当然能力を使いたい相手はアグロデッキであり、押されていて《黄金の卵/Golden Egg》起動の2マナを用意できない瞬間も多かったのでマナを使わない《眠らせる矢/Sleeper Dart》の方が嬉しい瞬間が多かったのです。

なお《黄金の卵/Golden Egg》のマナフィルター能力はほとんど使ったことないのでほぼ気にしてません。

黄金架のドラゴン/Goldspan Dragon》キラー。スゥルタイ根本原理の《星界の大蛇、コーマ/Koma, Cosmos Serpent》《星界の騙し屋、ティボルト/Tibalt, Cosmic Impostor》にも触れるので、見た目以上に幅広く活躍します。

■デッキの反省点

従来のリストに入っていた《鴉の警告/The Raven’s Warning》の排除、そして《屋敷の踊り/Dance of the Manse》の削減。この結果としてデッキは多少安定する(半端なカードをゲーム中盤でドローしない)ようになりましたが、その代わり決定力=ゲームを終わらせる力が下がりました。

相性差だけである程度圧倒できるゲームが多いメインボードでは余り気にならない部分ですが、サイドボード後に消耗戦をする際にこの点が大きくマイナスに響きました。五分から微有利な盤面でもデッキの性質上なかなかゲームを決めきれず、相手の《アゴナスの雄牛/Ox of Agonas》で一気に引き離される展開により僕も原根くんも敗れることになりました。

ゲームに速やかに勝てる、もしくは相手が《アゴナスの雄牛/Ox of Agonas》でカードを引いても対処できないようなパーマネント、すなわち《太陽の恵みの執政官/Archon of Sun’s Grace》の4枚目なり《夢さらい/Dream Trawler》なりの採用を検討すべきだったかなというのが反省点です。(《悪斬の天使/Baneslayer Angel》はナヤに《巨人落とし/Giant Killer》されるので微妙)

捌くだけで相手が息切れするメインと、不要牌が減り「脱出」がサイドインされることで超消耗戦になりがちなサイド後ではゲームの趨勢や相性は変わるのが常。もちろんそれを理解した上で練習をしていたつもりではありましたが、この環境でボードコントロールを使う上で「ゲームを終わらせる」ことへの意識が低かったことが、そのまま成績不振に繋がってしまったと感じています。

■なぜベストデッキを使わなかったのか

リーグウィークエンドの結果から、ティムールアドベンチャーが先週末のベストデッキだったことは疑いようがありません。

使用者はMPL・MRLで使用した5人全員が勝ち越し以上の成績を収めており、そのトータル成績は35-19。そしてこのデッキは僕のチームメイトが選んだデッキであり、僕自身も最後まで二択で悩んだデッキの片方だったのです。

ティムールがかなり良いデッキであることはチームの調整からも認識していたのですが、《恋煩いの野獣/Lovestruck Beast》《エッジウォールの亭主/Edgewall Innkeeper》の出し合いをしたくなかった点、そしてマナベースの脆弱さとタップインのもたつきからあまり好印象ではなかったと、そして何よりアグロ/ミッドレンジの土俵に上がらず、自分はメタる側に回りたかったというのが僕自身がティムールを選択しなかった理由です。

ですがこれらはすべて「デッキを選ばないための消極的な理由」であり、もう少し「ティムールを選ぶための積極的な理由」を探すべきだったかなというのも感じています。

デッキを悩んだときにどういう指針でデッキを選ぶのかは今回だけに限らず、常に直面する問題です。言語化やヒアリングをもっと上手く行って、チームとしての良さをより活かせるようにしていきたいですね。

■リーグの結果と今後の目標

今回の4色ドゥームは赤単・白単・グルール・ナヤ・ティムールといった単色アグロ&緑系ミッドレンジに対して五分以上戦えるという認識で選択しました。

メタゲーム自体は比較的予想通りだったのですが、実際に僕が当たったのは、ティムール、ナヤ×2、白単、グルール…ここまではいいのですが、残りは不利マッチであるサイクリング×2、スゥルタイ根本原理、そしてどこから現れた?というアゾリウスコントロール、さらには謎のスゥルタイローグ……。

マッチングを見た際は「良くて6-4、悪いと2-8~3-7だな」と思ったほど絶望したものですが、相性最悪のアゾリウスコントロールに望外の勝利を上げることができ、なんとか2日間トータル5-5で終えることができました。上出来です。

先週末のアーカイブはこちら

現時点で年間で予定されている試合の4/7が終わりましたが、まだまだリーグは続きます。さらに高みを目指せるよう頑張っていきたいですね。

リーグの相手は常に格上。気持ちは常にチャレンジャー!

次なる目標は今週末のセカコロ二次予選の突破、そして月末のカルドハイムチャンピオンシップ!!

特に後者はスタンダード+ヒストリックのダブルフォーマットであり、前回のチャンピオンシップで惨敗を喫した借りを返す絶好の機会です。
今回は権利を取得した友人が多かったおかげで、前回よりも大人数の調整チームで臨むこととなりましたので、一致団結して頑張っていきたいと思います!

それでは、また次回の記事でお会いしましょう!


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