MTG │ 解説記事 │ 井川良彦【スゥルタイミッドレンジ】
こんにちは。Rush Prosの井川(@WanderingOnes)です。
今回の記事では、先週末に開催されたミシックインビテーショナルで僕たちのチームの4名が使用した「スゥルタイミッドレンジ」の解説と反省を行っていこうと思います。
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■使用したデッキの解説
井川良彦 スゥルタイミッドレンジ
2020ミシックインビテーショナル
4 《自然の怒りのタイタン、ウーロ/Uro, Titan of Nature’s Wrath》
2 《ハイドロイド混成体/Hydroid Krasis》
4 《思考囲い/Thoughtseize》
4 《成長のらせん/Growth Spiral》
2 《取り除き/Eliminate》
2 《無情な行動/Heartless Act》
1 《霊気の疾風/Aether Gust》
1 《本質の散乱/Essence Scatter》
1 《物語の終わり/Tale’s End》
1 《軽蔑的な一撃/Disdainful Stroke》
2 《衰滅/Languish》
1 《絶滅の契機/Extinction Event》
4 《世界を揺るがす者、ニッサ/Nissa, Who Shakes the World》
1 《精霊龍、ウギン/Ugin, the Spirit Dragon》
1 《アズカンタの探索/Search for Azcanta》
1 《サメ台風/Shark Typhoon》
2 《島/Island》
2 《森/Forest》
1 《沼/Swamp》
4 《寓話の小道/Fabled Passage》
4 《ゼイゴスのトライオーム/Zagoth Triome》
4 《繁殖池/Breeding Pool》
4 《草むした墓/Overgrown Tomb》
2 《異臭の池/Fetid Pools》
1 《湿った墓/Watery Grave》
1 《森林の墓地/Woodland Cemetery》
1 《水没した地下墓地/Drowned Catacomb》
1 《ヴァントレス城/Castle Vantress》
1 《ボジューカの沼/Bojuka Bog》
2 《長老ガーガロス/Elder Gargaroth》
2 《覆いを割く者、ナーセット/Narset, Parter of Veils》
2 《否認/Negate》
2 《見栄え損ない/Disfigure》
1 《精神迷わせの秘本/Mazemind Tome》
1 《サメ台風/Shark Typhoon》
1 《霊気の疾風/Aether Gust》
1 《軍団の最期/Legion’s End》
1 《肉儀場の叫び/Cry of the Carnarium》
1 《神秘の論争/Mystical Dispute》
1 《大渦の脈動/Maelstrom Pulse》
今回のデッキはこれら4種類を4枚ずつ搭載するところから構築をスタートしました。デッキの核です。
妨害を最低限挟みつつマナ加速→ニッサでクロックを押し付けつつ、起きた土地(2マナ)を利用してさらに蓋をするというのがデッキコンセプトとなっています。
トップメタであるゴブリンはアドバンテージに長けるため長期戦に強く、青白コンやバントのようにただ捌いているだけではジリ貧になってしまい、いずれ押し負けてしまいます。
《世界を揺るがす者、ニッサ/Nissa, Who Shakes the World》をフル投入してこちらから時間制限をかけられるスゥルタイであればゴブリンに対して優位が取れるということが練習で判明したため、今回調整チームの大多数がスゥルタイを使用することになりました。
《覆いを割く者、ナーセット/Narset, Parter of Veils》や《漁る軟泥/Scavenging Ooze》、《ハイドロイド混成体/Hydroid Krasis》にも触れる《取り除き/Eliminate》のほうが基本的には優秀ですが、《取り除き/Eliminate》に寄せすぎると《群衆の親分、クレンコ/Krenko, Mob Boss》や《探索する獣/Questing Beast》のような4マナ以上のクリーチャーに苦戦することもあるので2:2のバランスに。
実際は緑単やグルールのようなデッキがほぼ存在しなかったため、セス・マンスフィールド選手のリストのように《無情な行動/Heartless Act》を減らして《霊気の疾風/Aether Gust》を増やすべきでした。
特に対ゴブリン(《上流階級のゴブリン、マクサス/Muxus, Goblin Grandee》)を意識して、《世界を揺るがす者、ニッサ/Nissa, Who Shakes the World》から蓋をできるよう2マナのカウンターを各種採用。どれも複数枚引くと腐るマッチアップがあったため、1枚ずつ散らすことによりリスクを下げています。
ゴブリンを意識したため《絶滅の契機/Extinction Event》より《衰滅/Languish》を優先。その分スゥルタイのミラーマッチには少し弱くなっています。(《絶滅の契機/Extinction Event》は《自然の怒りのタイタン、ウーロ/Uro, Titan of Nature’s Wrath》を対処できるために有効札になるが《衰滅/Languish》は不要牌)
どちらもロングゲームを意識した採用。《アズカンタの探索/Search for Azcanta》はミラーマッチで差が付くと共に、アグロ相手でも《自然の怒りのタイタン、ウーロ/Uro, Titan of Nature’s Wrath》の脱出を早めたり、除去を探し当てたりと見た目よりも活躍します。
《精霊龍、ウギン/Ugin, the Spirit Dragon》は逆転の一手であり、コレでないと解決できない盤面も多々あったので1枚のみ採用。
ただし8マナはやはり重く、《世界を揺るがす者、ニッサ/Nissa, Who Shakes the World》がないときは手札に余ることもあるため、今回のメタであれば不要だったと思います。
今回のデッキを構築する上でケシスや王神といったマイナーデッキへのガードはかなり下げたのですが、《ボジューカの沼/Bojuka Bog》はそこを最低限担保してくれる1枚。《自然の怒りのタイタン、ウーロ/Uro, Titan of Nature’s Wrath》が重要になるスゥルタイミラーやバントのようなマッチアップでも活躍してくれます。
マナバランスは「青19:緑19:黒19」、サイクリングは6枚、1ターン目に《思考囲い/Thoughtseize》が打てる黒マナも6枚と、かなり苦心して組み上げたので土地配分はかなりオススメできます。
サイドボードのMVP。
ゴブリンはもちろんのこと様々なマッチアップで活躍してくれました。《世界を揺るがす者、ニッサ/Nissa, Who Shakes the World》と《長老ガーガロス/Elder Gargaroth》という5マナのゴールがあるからこそ、除去や手札破壊でリソースをお互い削りあったあとに速やかにゲームを終わらせることができるのです。
ほぼゴブリン専用サイドとなる《魔女の復讐/Witch’s Vengeance》を採用せず、アグロ相手に広くサイドインできるよう構築しました。これによりジャンドサクリファイス(カンパニー)や赤単、オーラといったアグロに対する勝率を上げることが可能に。
この2枚は今回の大失敗枠であり戦犯。
《精神迷わせの秘本/Mazemind Tome》はアドバンテージを稼げる上に事故を防げるということで《覆いを割く者、ナーセット/Narset, Parter of Veils》の3枚目を差し置いて採用。
これが活躍した試合もありましたが、《覆いを割く者、ナーセット/Narset, Parter of Veils》の枚数の方が重要でした。
《神秘の論争/Mystical Dispute》も青単やバントスピリットのようなクロックパーミッションを見つつ、《覆いを割く者、ナーセット/Narset, Parter of Veils》や《ドミナリアの英雄、テフェリー/Teferi, Hero of Dominaria》、カウンター合戦用に採用しましたが微妙でした。
《ゴブリンの首謀者/Goblin Ringleader》多めのゴブリンや、ジャンドサクリファイス/フードの《フェイに呪われた王、コルヴォルド/Korvold, Fae-Cursed King》用にサイドインできたので完全に無駄ではなかったのですが、他のカードでも良かった枠でした。
■今回の反省点
4人使用して4人とも初日突破とスタート自体は悪くありませんでしたが、終わってみると「佐藤9-5、井川8-6、熊谷7-7、小澤5-7ドロップ」と大敗。
何がいけなかったのでしょうか?
それはスゥルタイ・ミラーマッチにガードを下げてしまったことです。
最後に悩んだ枠で《覆いを割く者、ナーセット/Narset, Parter of Veils》《サメ台風/Shark Typhoon》の枚数を減らしてしまったことが大きく響き、なんとスゥルタイミラーは4人トータル7戦で0-7と完敗。
従来のGPやPTでは多少下げてもここまで負けることはなかったので、ミシックインビテーショナルの参加者のレベルの高さを実感すると共に、自分たちの想定の甘さを痛感しました。
ミラーにガードを下げたことで大きく負けたのが今回の敗因であり間違いなく失敗ではありますが、悪かった点だけではありません。良かったこともあります。
想定していたゴブリンには14戦で11-3、ジャンドサクリファイスには8戦で6-2と大きく勝ち越すことができました。
特にゴブリンには《魔女の復讐/Witch’s Vengeance》という専用枠を採用せずともここまで勝つことができたのは、自分たちの調整の正しさを証明できたことでもあり嬉しかったですね。
■今後について
ミシックインビテーショナルが終わり、ゼンディカーの夜明けが発売されれば、10月からはついにライバルズリーグが始動します。
世界中から選ばれたトッププレイヤーたちと戦えるのはとても楽しみですし、光栄でもあります。そこで自分の力をしっかりと発揮し好成績が残せるようベストを尽くしていきます。めっちゃ練習してめっちゃ勝つぞー!!!!!
ライバルズリーグは1週間に2フォーマットで戦うこともあり、概ね今後もスタンダードと(多分)ヒストリックに注力していくことになると思います。よって来月以降もスタンダードとヒストリックの記事を中心にお届けしていきたいと思いますので、どうぞよろしく!
ということで今回はここまで。また次回の記事でお会いしましょう。
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