MTG │ 解説記事 │ 井川良彦【ヒストリックデッキ紹介】
皆さんこんにちは。Rush Prosの井川(@WanderingOnes)です。
カラデシュリマスターがリリースされてから2週間、ヒストリックのメタゲームも大分固まってきました。
現在のメタゲームはスゥルタイ(タッチ白)・ゴブリン・ラクドス/ジャンドの3強といった形で、9月に開催されたミシックインビテーショナルのときと似たようなメタゲームが形成されています。
スゥルタイ(タッチ白)は《致命的な一押し/Fatal Push》、ゴブリンは《反逆の先導者、チャンドラ/Chandra, Torch of Defiance》、ラクドスは《屑鉄場のたかり屋/Scrapheap Scrounger》とそれぞれ一線級のカードを手に入れており、元々強かったデッキがさらに強化されて盤石といえる状態です。
これらトップメタのデッキは旧環境からほとんどデッキが変わっておらず味気ないので、今回の記事ではゼンディカーの夜明けカラデシュリマスターのカードを多めに採用している、最近活躍した新しいデッキを紹介していきたいと思います。
※ラッシュメディア記事内紹介のカードは
カード名のリンク、記事末尾のバナーを
クリックで通販サイトへアクセスできます
通販サイト(https://www.cardrush-mtg.jp/)
■マルドゥ機体
Sean Bishop マルドゥ機体
11/22 $5K Kaldheim Championship Qualifier (7-2)
4 《模範的な造り手/Toolcraft Exemplar》
4 《ボーマットの急使/Bomat Courier》
4 《経験豊富な操縦者/Veteran Motorist》
4 《屑鉄場のたかり屋/Scrapheap Scrounger》
3 《砕骨の巨人/Bonecrusher Giant》
2 《致命的な一押し/Fatal Push》
2 《思考囲い/Thoughtseize》
3 《無許可の分解/Unlicensed Disintegration》
4 《キランの真意号/Heart of Kiran》
4 《黒き剣のギデオン/Gideon Blackblade》
2 《反逆の先導者、チャンドラ/Chandra, Torch of Defiance》
4 《血の墓所/Blood Crypt》
4 《神無き祭殿/Godless Shrine》
4 《聖なる鋳造所/Sacred Foundry》
4 《針縁の小道/Needleverge Pathway》
3 《秘密の中庭/Concealed Courtyard》
2 《感動的な眺望所/Inspiring Vantage》
2 《陽光昇りの小道/Brightclimb Pathway》
1 《産業の塔/Spire of Industry》
3 《墓掘りの檻/Grafdigger’s Cage》
2 《致命的な一押し/Fatal Push》
2 《思考囲い/Thoughtseize》
2 《害悪な掌握/Noxious Grasp》
2 《霊気圏の収集艇/Aethersphere Harvester》
2 《残骸の漂着/Settle the Wreckage》
2 《エルズペス、死に打ち勝つ/Elspeth Conquers Death》
カラデシュ霊気紛争スタンダードの絶対王者、その名はマルドゥ機体!
《模範的な造り手/Toolcraft Exemplar》《キランの真意号/Heart of Kiran》《屑鉄場のたかり屋/Scrapheap Scrounger》といった最序盤の展開はそのままに、失ったカードたちを同じマナ域の優秀なカードたちに変えることで当時と遜色ない攻撃力を再現しています。
《異端聖戦士、サリア/Thalia, Heretic Cathar》が入っていた3マナ域には《黒き剣のギデオン/Gideon Blackblade》《砕骨の巨人/Bonecrusher Giant》を、《ゼンディカーの同盟者、ギデオン/Gideon, Ally of Zendikar》が入っていた4マナ域には《反逆の先導者、チャンドラ/Chandra, Torch of Defiance》を採用。
特にこの2種類のプレインズウォーカーはどちらもスゥルタイ(タッチ白)に対して強く、《屑鉄場のたかり屋/Scrapheap Scrounger》《キランの真意号/Heart of Kiran》と合わせて全体除去をケアしながら戦線を拡大してプレッシャーをかけ続けます。
そして特筆すべきはマナベース。ヒストリックではギルドランド・両面ランド・ファストランドと2色出るアンタップインランドを最大限採用できるため、3色でも不安定な多色土地やタップインランドを使用することなく、ストレスのないマナベースを実現できています。
アグロデッキにとっては淀みない展開=アンタップインの土地が重要となりますので、その点でもこのデッキは非常に安定した展開を見せてくれるでしょう。
■ディミーアコントロール
Alessandro Ventura ディミーアコントロール
11/22 SCG Tour Online – Satellite #6 (5-1)
3 《奔流の機械巨人/Torrential Gearhulk》
1 《スカラベの神/The Scarab God》
4 《致命的な一押し/Fatal Push》
2 《中略/Syncopate》
2 《本質の散乱/Essence Scatter》
2 《否認/Negate》
2 《取り除き/Eliminate》
3 《不許可/Disallow》
2 《シルンディの幻視/Silundi Vision》
3 《ヴラスカの侮辱/Vraska’s Contempt》
2 《暗記+記憶/Commit+Memory》
2 《天才の片鱗/Glimmer of Genius》
2 《衰滅/Languish》
1 《海門修復/Sea Gate Restoration》
2 《サメ台風/Shark Typhoon》
1 《アズカンタの探索/Search for Azcanta》
2 《覆いを割く者、ナーセット/Narset, Parter of Veils》
3 《島/Island》
3 《沼/Swamp》
4 《寓話の小道/Fabled Passage》
4 《湿った墓/Watery Grave》
4 《異臭の池/Fetid Pools》
4 《清水の小道/Clearwater Pathway》
2 《ヴァントレス城/Castle Vantress》
4 《思考囲い/Thoughtseize》
2 《塵へのしがみつき/Cling to Dust》
2 《霊気の疾風/Aether Gust》
2 《神秘の論争/Mystical Dispute》
2 《本質の摘出/Essence Extraction》
1 《トリックスター、ザレス・サン/Zareth San, the Trickster》
1 《影の評決/Shadows’ Verdict》
1 《サメ台風/Shark Typhoon》
かつてスタンダードで人気を博した《奔流の機械巨人/Torrential Gearhulk》がカラデシュリマスターで帰ってきました!
《致命的な一押し/Fatal Push》や《取り除き/Eliminate》といった優秀な除去、そして《不許可/Disallow》《否認/Negate》といったカウンターを使いまわしながら盤面を制圧する姿は、まさに由緒正しき青のフィニッシャーという風格です。
6マナ5/6というサイズも頼もしく、除去が多いスゥルタイ(タッチ白)のようなデッキでも実は対処できるカードが少なく、相手の《致命的な一押し/Fatal Push》《取り除き/Eliminate》《衰滅/Languish》《霊気の疾風/Aether Gust》を無駄牌にしつつ攻め込むことができます。
スタンダードと違ってヒストリックでの《神秘の論争/Mystical Dispute》の採用率は高くないので、サイドボード後もカウンターされるリスクはかなり低く、安心して送り出すことができるのも強みです。
スタンダード時に加えて疑似的なフィニッシャーにもなるのがこのコンボ。それぞれが単体でアドバンテージ源やカウンター/バウンスとして機能するだけでなく、《覆いを割く者、ナーセット/Narset, Parter of Veils》が定着している状態で《記憶/Memory》をプレイすれば、なんと相手の手札を1枚にしながら自分だけ7ドローするという圧倒的アドバンテージ差をつけることができます!!
カウンター、除去、ドローがバランス良く入っており、フィニッシャーは《奔流の機械巨人/Torrential Gearhulk》《スカラベの神/The Scarab God》《サメ台風/Shark Typhoon》《サメ台風/Shark Typhoon》《トリックスター、ザレス・サン/Zareth San, the Trickster》と各時代を彩った最高峰のカードたちで構成されたコントロールデッキ。対戦相手を完全に捌き切って勝ちたい方にオススメです。
■無色ランプ
Makorito 無色ランプ
11/21 SCG Tour Online – Satellite #4 (5-1)
2 《絶え間ない飢餓、ウラモグ/Ulamog, the Ceaseless Hunger》
1 《不屈の巡礼者、ゴロス/Golos, Tireless Pilgrim》
4 《絶滅の契機/Extinction Event》
4 《守護像/Guardian Idol》
4 《精神石/Mind Stone》
3 《精神迷わせの秘本/Mazemind Tome》
4 《面晶体の記録庫/Hedron Archive》
3 《見捨てられた碑/Forsaken Monument》
4 《大いなる創造者、カーン/Karn, the Great Creator》
3 《ウルザの後継、カーン/Karn, Scion of Urza》
1 《人知を超えるもの、ウギン/Ugin, the Ineffable》
3 《精霊龍、ウギン/Ugin, the Spirit Dragon》
4 《イフニルの死界/Ifnir Deadlands》
4 《霊気拠点/Aether Hub》
4 《次元間の標/Interplanar Beacon》
4 《光輝の泉/Radiant Fountain》
2 《ザルファーの虚空/Zhalfirin Void》
1 《爆発域/Blast Zone》
1 《埋没した廃墟/Buried Ruin》
1 《這い回るやせ地/Crawling Barrens》
1 《スコフォスの迷宮/Labyrinth of Skophos》
1 《総動員地区/Mobilized District》
1 《大瀑布/Cascading Cataracts》
2 《墓掘りの檻/Grafdigger’s Cage》
2 《隕石ゴーレム/Meteor Golem》
2 《魔術遠眼鏡/Sorcerous Spyglass》
1 《石とぐろの海蛇/Stonecoil Serpent》
1 《不屈の巡礼者、ゴロス/Golos, Tireless Pilgrim》
1 《トーモッドの墓所/Tormod’s Crypt》
1 《影槍/Shadowspear》
1 《精神迷わせの秘本/Mazemind Tome》
1 《多勢の兜/Helm of the Host》
1 《神秘の炉/Mystic Forge》
1 《見捨てられた碑/Forsaken Monument》
1 《王神の立像/God-Pharaoh’s Statue》
アグロ、コントロールと来たので最後はランプデッキをご紹介。
ゼンディカーの夜明けからの新戦力である《見捨てられた碑/Forsaken Monument》を使った、無色ランプです!
全体除去として採用された《絶滅の契機/Extinction Event》を除きデッキ内のすべてのカードが無色、土地もすべて無色マナが出せる構成にしており、《見捨てられた碑/Forsaken Monument》の最大バリューを見込めるデッキになっています。
豊富なマナの使い先といえば、モダンのトロンでもお馴染みのこの3種類。その圧倒的なスケールで遅めのデッキに対して非常に強力な構築になっているのが無色ランプの魅力です。
《大いなる創造者、カーン/Karn, the Great Creator》はこのデッキに柔軟性を持たせてくれている1枚であり、《墓掘りの檻/Grafdigger’s Cage》のようなキラーカードをメインからプレイすることにより一部のデッキに大ダメージを与えることが可能です。
《見捨てられた碑/Forsaken Monument》に目を奪われがちですが、この3種類のマナ加速がデッキを支えています。
最序盤からマナ加速することにより《見捨てられた碑/Forsaken Monument》ナシでも各種プレインズウォーカーの早期着地を実現してくれます。
また、ゲーム後半ではドローに変わったりクリーチャー化して攻防に活躍したりと、ただのマナ加速ではないのがこれらの優れた点です。特に《守護像/Guardian Idol》は《見捨てられた碑/Forsaken Monument》が出ていると4/4クリーチャーになることをお忘れなく!
■終わりに
今週末にはセカコロの決勝大会(スタンダード)、そして来週末にはゼンディカーチャンピオンシップ(スタンダード・ヒストリック)と2週間続いて大型大会に予定です。
この記事を執筆している段階ではまだどちらのデッキも決まっていませんが、残り少ない調整時間で悔いのないデッキ選択ができるよう、全力を尽くしたいと思います!
それでは今回の記事はここまで。次回は各大会のレポートをお届けしますので、お楽しみに!応援よろしくお願いします!
※カードラッシュ通販店での『ゼンディカーの夜明け』シングルカード販売は発売日当日より開始いたします。
↓クリックで通販サイトへ↓