MTG │ デッキ解説 │ 高橋優太【スタンダード:ゴルガリミッドレンジ】
先週末はストアチャンピオンシップに参加しました。
Store Championship/BG Mid
×WR Mise
○Jeskai Convoke
○BG Root
○BG Mid
○WR Token○WR Mise
○RG Prowress
○R Aggro優勝🏆
《ウルザの物語/Urza’s Saga》はVintageで1枚制限になったので、プロモ版使います! pic.twitter.com/rrp9XaCtJb— Yuta Takahashi (@Vendilion) September 7, 2024
結果は優勝!
今回の記事では、使用したゴルガリミッドレンジを解説して行きます。
ストアチャンピオンシップは、スタンダードで9月15日まで開催されます。
大会の詳細はこちら(MTG公式サイト)
※ラッシュメディア記事内紹介のカードは
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■スタンダードのメタゲーム
『ブルームバロウ』発売後のスタンダードのデッキは、大まかに分けると以下の4つ。
1.黒ミッドレンジ
除去と手札破壊で相手を妨害しながら、単体性能の高いクリーチャーで攻めて行くデッキです。
もともと前環境から多かったデッキタイプですが、ローテーション落ちで影響が少なかったため、そのまま残りました。
《強迫》《大洞窟のコウモリ》といった手札破壊、《切り崩し》《喉首狙い》といったクリーチャー除去、《黙示録、シェオルドレッド》《最深の裏切り、アクロゾズ》といった残れば勝つクリーチャーと、黒単色だけでも1マナから5マナまで良質のものが揃っています。
ただ黒単色だと少しカードが不足するので、1色足して多色のカードを使う事が多いです。
2.白コントロール
《失せろ》や《一時的封鎖》《太陽降下》で盤面を除去して行き、《跳ねる春、ベーザ》や《世話人の才能》でリソース差をつけて勝つデッキです。
《跳ねる春、ベーザ》は押されている盤面でもライフ回復と魚トークン生成で、逆転性能が高い!
全体除去とライフ回復手段が多いため、アグロデッキに対して耐性があります。
《世話人の才能》を中心にしたデッキは最近増えて来ており、《人参ケーキ》や《噴水港》などのトークン生成カードと組み合わせる事で、継続してドロー出来ます。エンチャント破壊の少ない黒ミッドレンジに対して、《世話人の才能》は特に強いです。
ドメインランプも、分類としては白コントロールに近いと考えています。
《失せろ》《一時的封鎖》《太陽降下》で盤面を除去してから、《偉大なる統一者、アトラクサ》というゴールを目指します。
3.赤アグロ
1マナからクリーチャーを展開して、高速で相手のライフを削り切るデッキです。
《巨怪の怒り》は「雄姿」の誘発に最適で、赤アグロなら4枚必須と言えるカード。
《心火の英雄》を強化すれば、相討ちしても死亡誘発能力で大ダメージ!《熾火心の挑戦者》なら「雄姿」でアドバンテージを得つつ大ダメージ!
クリーチャー除去多めの相手でも、《ウラブラスクの溶鉱炉》で軸をずらして戦えるのが強み。
《失せろ》ではアーティファクトを破壊できませんし、《一時的封鎖》でも《ウラブラスクの溶鉱炉》は対処できません。
《ウラブラスクの溶鉱炉》を除去するカードとクリーチャー除去の併用が難しいのが、赤アグロが活躍する理由になっています。
4.召集
最近では青を入れたジェスカイ型の方が増えてきました。
《遠眼鏡のセイレーン》《ひよっこ捜査員》でアーティファクトを生成して、《上機嫌の解体》でゴブリンを3体生成。そこから2ターン目《イーオスの遍歴の騎士》と、環境最速のブン回りを持つデッキです。
クリーチャーを大量展開することを得意としており、単体除去1・2発ではなかなか止まりません。
このデッキが存在するからこそ《一時的封鎖》のような軽い全体除去が必要になってきます。
メタゲームはこの4種類のデッキタイプになると考えました。
4つ全てのデッキを攻略するには「序盤から攻めれて速度負けしない」「相手のキーカードを手札破壊」「エンチャント・アーティファクト破壊」「3マナの全体除去」などの条件が必要。
ゴルガリミッドレンジがこれらの条件を満たしていたいたため、MTGアリーナで調整して大会に参加しました。
■ゴルガリミッドレンジ
黒ミッドレンジは、白や青など他の色を補色にする場合もあります。その中で緑を選んだ理由は、序盤の安定性と《眠らずの小屋》です。
《眠らずの小屋》は墓地追放と食物によりライフ回復が後半に強く、他の2色ミシュラランドと比較しても突出した性能。
《苔森の戦慄騎士》は序盤の攻撃・ブロック両方で役立ち、出来事で唱えられるので後半引いても無駄にならない。黒ミッドレンジは2マナ域のクリーチャーが不足しているので、相手によって強さがブレない2マナの《苔森の戦慄騎士》が安定性を高めてくれます。
《名もなき都市の歩哨》は赤アグロ相手に3/4警戒のサイズが強く、地図で4/5まで育てばほとんどのクリーチャーがブロックで止まります。
除去されても地図トークンが残るのでアドバンテージ面で損せず、複数回攻撃出来れば地図起動が1-2ドロー相当。《ウラブラスクの溶鉱炉》もブロックで数ターン止められます。
地図で《大洞窟のコウモリ》を2/2に育てることでライフ回復量が増えて、サイド後の《締めつける瘴気》キッカーでコウモリが生き残るのも大事。
《グリッサ・サンスレイヤー》は、接死と先制攻撃で地上戦は無敵!白コントロール系のデッキがエンチャントを多く使うので、エンチャント破壊能力が強い!しかし伝説のクリーチャーなので、グリッサを複数引くよりはグリッサと歩哨を1枚ずつ引く方が良いので、2枚に抑えています。
これらの2マナと3マナのクリーチャーが攻撃してもブロックしても強く、他の色より序盤が安定していると考えたため、緑を補色に選びました。
黒ミッドレンジの強さを支えている2マナ域。2マナアクションの中で最上級。
除去には弱いですが、これに除去を撃つことで相手も1-2マナを使うので、マナ交換の観点ではそこまで損になりません。
《強迫》は白コントロールに強く、《切り崩し》は赤アグロに強い。
しかし逆にアグロに《強迫》、コントロールに《切り崩し》と引くと、あまり強く使えない事が多く、相手のデッキ次第で強弱の差が激しいです。ただ1マナアクションは少し欲しいので、2枚2枚のバランスに。どちらも適切な相手に対しては、サイド後に4枚欲しくなります。
《羅利骨灰》は、白コントロールが使う《世話人の才能》《力線の束縛》といったエンチャントや、《ウラブラスクの溶鉱炉》を対処するカードが欲しくてメイン採用。入れてからは《世話人の才能》《ウラブラスクの溶鉱炉》で負ける回数が大きく減りました。
ゴルガリミラーでもキッカーで《最深の裏切り、アクロゾズ》やプレインズウォーカーを追放できたりと、悪くないです。
次にゴルガリを使うなら、サイドボードに3枚目の《羅利骨灰》を取りたいくらい、好感触でした。
《喉首狙い》は環境を定義する除去。悩まず4枚入れましょう。
《亭主の才能》をレベル3にした状態で、《裏切りの棘、ヴラスカ》を唱えると、ヴラスカの忠誠値が2倍の状態で戦場に出るため、即「-9」能力を使う事が出来ます。本来は毒カウンターを9個与える能力ですが、これも《亭主の才能》レベル3により2倍になるので、相手に毒カウンター18個を与えて一撃で勝利!
この際、ヴラスカを完成化で5マナで唱えたとしても、忠誠度10の状態で出て「-9」能力を使えます。
これは「同時に置換される効果の処理順は影響を受けるプレイヤーが決定できる」というルールによるもので、2倍にする→完成化で-2するの順で適用する事で、忠誠度10で出す事が可能になります。
お互い手札を使いあった後の消耗戦になったあと、《亭主の才能》のレベル3でクリーチャーを超強化して勝つ事もあります。
ヴラスカは[0]能力で忠誠度カウンターや+1/+1カウンターを増やしながらドローして、[-2]能力で相手のクリーチャーを宝物に変えて除去。ここでも《名もなき都市の歩哨》の地図トークンで+1/+1カウンターを乗せる効果が、増殖先として活躍します。
《亭主の才能》も《裏切りの棘、ヴラスカ》も、どちらもカード単体で機能するので、コンボパーツにありがちな「片方だけ引くと弱い」という弱点がない!
《ヴェールのリリアナ》は、《亭主の才能》《裏切りの棘、ヴラスカ》の両方と相性が良く、忠誠度カウンターを増やして行く事で早めに[-6]能力が狙えます。白コントロールやドメインランプ、ゴルガリミラーで強いですが、1マナからクリーチャーを展開してくる赤アグロや召集に弱いため、サイドアウトする機会も多いです。
《最深の裏切り、アクロゾズ》は除去耐性と絆魂が、黒ミッドレンジと赤アグロに対して特に強いです。
ただ《太陽降下》に弱いため、白コントロールにはサイド後に《向上した精霊信者、ニッサ》と入れ替える枠です。
アクロゾズは強いのですが、5マナは既にヴラスカ4枚が入っているため、1枚が適正に感じます。
無色土地は悩む枠です。土地総数26枚で無色を4枚入れると色マナが不足するので、3枚が限界。
《噴水港》はマナの余る後半で魚トークンを生成したり、《眠らずの小屋》の食物を生贄にしてドローしたりできます。
しかしゴルガリは《苔森の戦慄騎士》の死亡誘発や、地図トークンなどでマナの使い先が多く、《噴水港》を起動する機会はそこまで多くない印象でした。
《世話人の才能》を使う白コントロールに対して、自分が《噴水港》を起動するよりも相手の《噴水港》を破壊したいと考えたので、《解体爆破場》を優先しました。相手のミシュラランドにも強いです。それと変身した《最深の裏切り、アクロゾズ》への対策も兼ねています。
《苦痛ある選定》は、赤アグロに対して追加の軽除去が欲しいのと、ミラー対策。《苔森の戦慄騎士》を追放できて、2マナ除去が《喉首狙い》だけだと《分派の説教者》《グリッサ・サンスレイヤー》への除去が足りません。
《締めつける瘴気》は、赤アグロと召集への対策。全体除去が無いと、特に召集に対して不利になるので、枚数を多めに取っています。
《向上した精霊信者、ニッサ》は白コントロールへの対策。白コントロールはエンチャントと《太陽降下》を使いますが、その両方に対してニッサは耐性があります。
《魂標ランタン》は、《もがく出現》とか青白メンターとか、たまに墓地利用デッキ当たるので少し対策。2マナも3マナも埋まっているデッキなので、他の墓地対策よりも軽い1マナを優先。
■採用候補カード
使う人によってはメイン採用も見られる《腐食の荒馬》ですが、今回はサイドに1枚だけです。
理由は赤アグロに対する弱さです。ブロッカーとして2/2は弱く、攻撃してもライフ喪失が痛い。赤アグロ、召集に対して、荒馬が敗因になりやすい。
白コントロールやドメインランプ、ゴルガリに対して強い場面もあるのですが、これにより赤アグロに負ける事が気になりました。
ゴルガリミラーでも、先手2ターン目は強いのですが、それ以降はクリーチャーで止まりやすく、強いターンが限定的。
生き残れば勝つカード。生き残れば!
《失せろ》や《喉首狙い》で除去されてしまった場合に、その2マナでの行動回数差の影響が大きく、シェオルを使う事がハイリスクに感じてしまいます。《裏切りの棘、ヴラスカ》の[-2]や《太陽降下》が間に合ってしまう事が多い。
シェオルよりは、除去されても地図が残る《名もなき都市の歩哨》や、除去されても復活する《最深の裏切り、アクロゾズ》の方が好みです。
悪くない性能。
ただ赤アグロの増加に伴い、《名もなき都市の歩哨》の方がブロック時の性能が強いと感じたため、《名もなき都市の歩哨》を優先。
■おわりに
ゴルガリミッドレンジの詳細を解説して行きました。
スタンダードは2マナと3マナが大事で、攻撃してもブロックしても良いクリーチャーが欲しくてゴルガリを選びました。
特に《名もなき都市の歩哨》は一押しです!!!
ストアチャンピオンシップは9月15日まで開催まで開催されるので、この記事が参考になれば幸いです。
それではまた。