MTG │ 大会レポート │ 高橋優太【チャンピオンズカップファイナル サイクル1レポート】

先週末はチャンピオンズカップファイナル サイクル1に参加しました。

公式カバレージ

今年の公式競技イベントの締めくくりとも言える大会で、優勝者と準優勝者には世界選手権2023の権利が付与されます。

トップ18には2回目のプロツアーの権利が付与されるため、上位入賞を目指してチームを組んで練習。

井川良彦さん、井上徹さん、小澤毅さん、河野融さん、熊谷陸さん、小泉祐真さん、斉藤徹さん、佐藤レイさん、中村修平さん、矢田和樹さんと、11人でパイオニアの練習を行いました。

以下その大会レポートです。

※ラッシュメディア記事内紹介のカードは
カード名のリンク、記事末尾の
バナーを
クリックで通販サイトへアクセスできます

通販サイト(https://www.cardrush-mtg.jp/)

■使用デッキ:イゼットフェニックス

チャンピオンズカップファイナル サイクル1:高橋 優太
デッキリスト
4:《蒸気孔/Steam Vents
4:《河川滑りの小道/Riverglide Pathway
1:《ストーム・ジャイアントの聖堂/Hall of Storm Giants
2:《嵐削りの海岸/Stormcarved Coast
1:《天上都市、大田原/Otawara, Soaring City
4:《尖塔断の運河/Spirebluff Canal
2:《島/Island
18 Lands


4:《弧光のフェニックス/Arclight Phoenix
4:《帳簿裂き/Ledger Shredder
3:《弾けるドレイク/Crackling Drake
11 creatures

4:《考慮/Consider
4:《焦熱の衝動/Fiery Impulse
3:《稲妻の斧/Lightning Axe
3:《棘平原の危険/Spikefield Hazard
4:《パズルの欠片/Pieces of the Puzzle
4:《選択/Opt
2:《かき消し/Make Disappear
4:《宝船の巡航/Treasure Cruise
1:《時間への侵入/Temporal Trespass
1:《感電の反復/Galvanic Iteration
1:《呪文貫き/Spell Pierce
31 other spells


3:《否認/Negate
3:《霊気の疾風/Aether Gust
1:《弾けるドレイク/Crackling Drake
1:《引き裂く流弾/Rending Volley
2:《丸焼き/Fry
3:《削剥/Abrade
2:《神秘の論争/Mystical Dispute
15 sideboard cards

以前の記事でも紹介した、《弧光のフェニックス》を軸にしたデッキです。
帳簿裂き》の謀議や《パズルの欠片を駆使して墓地の枚数を増やし、《弧光のフェニックスを復活させたり、2種類の探査呪文に繋げて行きます。

直近の大会結果から、パイオニアのメタゲームは「ラクドスミッドレンジ」「緑単信心」「イゼットフェニックス」の3強環境と認識されていました。
イゼットフェニックスの、練習中の各デッキへの相性は以下の通りです。

・有利

緑単信心に対しては、1マナ除去の多さから相手の《ラノワールのエルフ》《エルフの神秘家スタートに追い付きやすく、《帳簿裂きが相手のプレインズウォーカーに対して攻撃で落としやすいため、少し有利。

創案の火》や《奇怪な具現》といった、ラクドスに強いエンチャントを主軸にしたデッキは、サイド後の打ち消し呪文で対応できるため少し有利。

アブザンパルへリオンには、1マナ除去が多く《帳簿裂きがアタッカーブロッカー両方で強く謀議も誘発しやすいので、有利。

その他1マナや2マナのクリーチャーを連打するようなデッキに対しては、1マナ除去が多く《帳簿裂きがアタッカーブロッカー両方と強く謀議も誘発しやすいので、有利。

・不利

ラクドスミッドレンジに対しては《未認可霊柩車》《墓地の侵入者》《真っ白》と複数の種類の墓地対策を取られて、ドロー呪文を多用するデッキの構造上、《黙示録、シェオルドレッドが生き残ってしまうとそのまま負けるので、少し不利。

青白コントロールには除去が腐りやすく、サイド後の《安らかなる眠り》が効くため不利。

ロータスコンボには除去が腐りやすく、相手のコンボで5ターンキルの速度に対して《帳簿裂きスタートしつつ《弧光のフェニックス2体が落ちるブン回りでないと攻めきれず、ものすごく不利。

緑単信心に少し有利で、ラクドスには不利。ただこの有利不利は7対3ほどではなく、どちらも4対6や6対4程度で、プレイやサイドボード次第で改善も可能だと感じました。

最終的にはデッキの好みと、《宝船の巡航が使える事を評価して、イゼットフェニックスを使用しました。

通常のフェニックスと異なる所は、《かき消しを2枚採用した点です。これは緑単信心とラクドスに対して、特に後攻は2ターン目に《航路の作成でドローするよりも相手の3マナ域を打ち消したいと考えたからです。

呪文貫き》だと相手の《墓地の侵入者》や《老樹林のトロールに対処できず、これらを出された後に《パズルの欠片だと相手の場が強いため、追い付けなくなります。3ターン目に安全に《パズルの欠片》をプレイしするためにも、《かき消し》が少し必要だと考えました。

棘平原の危険》は、緑単信心のマナクリーチャーを除去しつつ、パズルの欠片》でヒットする土地として多めに採用しました。《焦熱の衝動》と合わせることで《老樹林のトロールを追放したりも出来ます。

前の週のパイオニアの大会結果でイゼットフェニックスが多く勝っていたこともあり、墓地対策が増えることを予想していました。
真っ白》は使われた後に《パズルの欠片》で復旧出来たり、《未認可霊柩車》は《削剥》したりと、いずれもケア出来る範囲ですが、《安らかなる眠り》は解決策がなく、特に苦手です。

練習でも、過剰なほど墓地対策されて文字通り頭が《真っ白になっていましたが、墓地対策されても勝てた試合がいくつかあり、勝因の多くは《弾けるドレイク》でした。

除去されても1ドローなので消耗戦に強く、追放領域もカウントするため墓地追放後も打点が高い。最初はサイドボードでしたがサイドイン率が非常に高く、《弾けるドレイクを引いたゲームはラクドスに勝つ展開が多かったため、メイン3枚サイド1枚の構成に変更。《弾けるドレイクに全幅の信頼を置きました。

氷の中の存在》は緑単信心には強いのですが、ラクドスや青白コントロールに対してあまり強くなかったため減量。ただこれによりオーラ系デッキに弱くなり、早いクロックが必要なロータスコンボにも勝てなくなるので、ここは悪い変更だった可能性もあります。

墓地対策を無視できるカードとしてサイドボードに《第三の道の偶像破壊者》《鏡割りの寓話を試したりもしましたが、ラクドスの《砕骨の巨人》に弱く、結局3/2や3/3をブロック出来る《弾けるドレイクの方が良いという考えになりました。

パズルの欠片》を使う都合で、インスタント・ソーサリー以外のカードを多くするとパズルが外れる可能性が上がってしまうので、サイドボードは《弾けるドレイク以外はインスタント・ソーサリーに。

■大会結果

〇5色《奇怪な具現》ヨーリオン
×セレズニア天使
×アブザンパルへリオン
〇ラクドスミッドレンジ
×緑単信心
〇ラクドスミッドレンジ
〇緑単信心

4勝3敗で初日落ち。

セレズニア天使には除去を使い切った後で5/7飛行や6/8飛行になった《若年の戦乙女》を突破できず、ライブラリーアウトで負け。《氷の中の存在の不在が響きました。

アブザンパルへリオンには、十分な飛行クロックがあり次のターンに勝てる場なのに、手札の《稲妻の斧》を構えずフルタップでターン終了した結果、返しに《パルヘリオンⅡ》が墓地に落ちて負けと、ひどいミスをして負け。終わった後、自分のミスに対して呆然としていました。

■おわりに

久しぶりの紙マジックの大会は、会場全体が非常に楽しい雰囲気で、コロナ前のグランプリに戻ってきたような懐かしい感覚を得ました。やっぱり紙のマジックは最高!
紙マジックはMTGアリーナでの対戦と異なり、目の前の対戦相手の表情や仕草から洞察できる部分もあります。

僕の場合、この2年間アリーナでの対戦に慣れ過ぎたせいか、洞察力や、盤面を冷静に見る力が衰えていました。《稲妻の斧を構えないミスも、盤面から先の展開を考える洞察力が衰えていたことが原因に思えます

幸いなことに、紙の大会が開催される頻度は上がってきているので、大会に参加して感覚を取り戻していきます。大会で会ったら、気軽に話しかけてください!

それではまた。

↓クリックで通販サイトへ↓

関連記事一覧