MTG │ デッキ紹介 │ 高橋優太【「カルロフ邸」後のスタンダードデッキ分析】

今回はスタンダード記事です。
大会結果から、直近の環境を分析して行きます!

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■参考情報

STANDARD CHALLENGE 64

先週末にマジックオンライン上で開催された、スタンダードチャレンジの結果を参考にしています。
他にもスタンダードのデッキリストをたくさん見たい方は、以下の情報を参照して下さい。(BIG MAGIC様より引用)

03/09 トーナメントセンターバトロコ高田馬場 プレミアム予選 TOP8
03/09 スポーツカード&カードゲームショップ MINT三宮店 プレミアム予選 TOP8
03/20 MUGEN TABLE GAMES プレミアム予選 TOP8

■ティムールランプ

【インポートデータ】

斡旋屋一家の潜伏先》など、基本地形をサーチする土地(通称オートフェッチ)を主軸にして、爆発的にマナ加速をするコンボデッキです。

序盤はオートフェッチにより色マナを揃えて、《事件現場の分析者》《ファラジの考古学者》の切削と合わせて墓地に土地を貯めて行きます。ある程度墓地に土地が溜まったら、《世界魂の憤怒》で墓地からオートフェッチを戻したり、《事件現場の分析者》の能力を起動する事でオートフェッチが戦場に戻り、さらに土地を伸ばして行きます。

復活した精霊信者、ニッサ》はこのデッキの中心と言えるクリーチャーで、オートフェッチにより2回上陸が誘発するので2マナ出しつつ、エルフをサーチするので《事件現場の分析者》もしくは2枚目の《復活した精霊信者、ニッサ》が手札に加わります。《事件現場の分析者》の能力起動時にニッサが居れば、上陸により爆発的にマナが生み出されて、さらに追加で《事件現場の分析者》をプレイしながら能力起動!上手く回れば、4ターン目に土地が10枚以上並ぶことも起こる、非常に楽しいコンボデッキです!

このデッキは最初の頃は《見事な再生》が入っていましたが、《事件現場の分析者》だけで十分事足りるので、最近のリストからは《見事な再生》が抜けて来ています。《事件現場の分析者》がエルフでなければ、ここまでデッキが安定する事は無かったと思うので、ニッサとのコンボを見越してエルフにしているのなら凄い!

大量に土地とマナを揃えた後は、《記憶の氾濫》でリソースを供給。《事件現場の分析者》《ファラジの考古学者》の切削で墓地に落ちてもフラッシュバック出来るので、デッキの動きに噛み合っています。
強靭の徳目》は、同様に切削で落ちたカードを出来事の《ギャレンブリグの成長》で回収。土地を伸ばした後は、7マナの《強靭の徳目》でプレイする事で、なんとマナが3倍!!!この膨大なマナから、《世界魂の憤怒》X=20で勝つも良し、《ドッペルギャング》で莫大にパーマネントを生み出して勝つのも良し。

マナを揃えるまでに無抵抗では攻撃され続けてしまうので、全体除去も採用されています。《間の悪い爆発》は《記憶の氾濫》を捨てて全体4点な事が多く、《強靭の徳目》を捨てれば7点も狙えて、全体除去しなくて良いタイミングではただの2ドローとしても運用できます。

後述するボロス召集の展開に追い付くために、《吸血鬼の復讐》はメインサイド合わせて3枚採用。血トークンも付いてくるので使い勝手が良いです。

優勝したリストでは、機械の母、エリシュ・ノーン》のためだけに白がタッチされています。
もともとバントとナヤのオートフェッチが入っているので平地は出しやすく、《機械の母、エリシュ・ノーン》が居れば《事件現場の分析者》《ファラジの考古学者》の切削が2倍に、《復活した精霊信者、ニッサ》の生み出すマナも2倍になってお祭り騒ぎ!!!

真価を発揮するのはティムールランプのミラーマッチで、相手のオートフェッチ、ニッサが誘発しなくなってコンボが出来なくなります。除去する手段が《間の悪い爆発》での7点か、《世界魂の憤怒》7点なのでハードルは高め。

機械の母、エリシュ・ノーン》を出された場合に《ドッペルギャング》X=1でコピーする動きが強そうなので、そういう意味でもこのリストはミラーを強く意識していると言えます。
サイドボードの《掘り返し》も切削で墓地に落ちてもフラッシュバック出来る墓地対策です。

同じくサイドボードの《霊都の歩哨》は、見た瞬間「誰?」となってしまいましたが、おそらくライブラリーアウトを防ぐために採用されているのだと思います。実用的かどうかは不明。

ティムールランプは楽しくて強いデッキで、今のスタンダードでは使用者が増えて来ています。《事件現場の分析者》でのマナ加速を防げば減速するので、サイドボードに墓地対策は忘れずに!

■ディミーアミッドレンジ

【インポートデータ】

打ち消しやクリーチャー除去で相手を妨害しながら、軽量クリーチャーで攻めて行くデッキです。

大洞窟のコウモリ》は相手の除去を手札から追放する飛行戦力で、次の《ヨーグモスの法務官、ギックス》に繋がりやすい。1ターン目《遠眼鏡のセイレーン》→2ターン目《大洞窟のコウモリ》で除去を追放→3ターン目《ヨーグモスの法務官、ギックス》でドローして行くブン回りは圧倒的な強さ。

分派の説教者》はカードを引きながらトークン生成、2/4接死が攻防ともに強いと、かなりハイスペックなクリーチャー。スタンダード・パイオニアともに使用率が上がってきているのも納得の性能です。

2マナを構えて《フェアリーの黒幕》を出すか、《かき消し》《喉首狙い》を使うかを選択できるのは、まさしく僕が《フェアリーの黒幕》をデザインしていたときに考えていた動きそのものであり、こういうデッキが出て来てくれて嬉しい限り!

除去・打ち消し・手札破壊・クリーチャー展開となんでもできるデッキなので相手への対応力が高いです。打ち消しを構えながら動いていくのが好きな方におすすめ!

■ボロス召集

【インポートデータ】

序盤からの大量クリーチャー展開で大ダメージを狙う、高速アグロデッキです。
1ターン目に《ひよっこ捜査員》《ヴォルダーレンの美食家》でアーティファクトを用意して、それを対象に《上機嫌の解体》。これにより2ターン目にクリーチャーが4体揃うので、召集コストから《イーオスの遍歴の騎士》がプレイ出来て、なんと2ターン目にクリーチャーが5-6体並びます!

パイオニアも同タイプのデッキがありますが、《ひよっこ捜査員》が出たことと、カードプールが広がった事でスタンダードでも実現可能になりました。
敬慕されるロクソドン》こそ無いものの、ブン回った時にはパイオニア版ボロス召集と比べても遜色ない動きをする、爆発力のあるデッキです。

クリーチャーを大量展開した後は、《イモデーンの徴募兵》もしくは《血滾りの福音者》《戦導者の号令》で全体強化しながら攻撃して行きます。
門道急行の事件》は除去と全体強化を兼ねていて、デッキにピッタリの動き。ただ全体除去が増えるサイドボード後は弱くなりやすいので、サイドアウトする事も多いです。

3マナ域の《血滾りの福音者》《戦導者の号令》は枚数配分が難しいですが、《イーオスの遍歴の騎士》の召集に繋げる事を考えると、基本的には《血滾りの福音者》の方が良いです。比較して《戦導者の号令》は即効性があってダメージを増やせるのと、1サイズアップするとボロス召集ミラーでは強く、《祭典壊し》での全体1点への対策にもなります。
3マナ域は分散して採用するのがおすすめです。

■ドメインランプ

【インポートデータ】

デッキ名こそドメインランプですが、ティムールランプほどマナ加速に主軸を置いているわけではなく、実際は除去しながら《豆の木をのぼれ》で手札を増やす、コントロールデッキに近い動きをします。

序盤は《装飾庭園を踏み歩くもの》《ゼンディカーへの侵攻》で基本地形タイプを5種類探して、《力線の束縛》を1マナでプレイしやすくマナを揃えます。
マナを揃えてからは、《太陽降下》で盤面をリセットしつつ大型のトークンを生成。

さらに《怒りの大天使》キッカーで盤面を制圧し、《偉大なる統一者、アトラクサ》で莫大なアドバンテージを獲得。
どちらもクリーチャータイプが天使なので、《魂の洞窟》で指定する事で打ち消しを気にせずに動いていく事が出来ます。

最近では《イモデーンの徴募兵》1枚採用がメジャーになって来ていて、出来事面は5マナなので《豆の木をのぼれ》が誘発させながらトークンを展開。マナが伸びるデッキなので後半に《群れの渡り》から《イモデーンの徴募兵》も可能で、速攻付与により一気に23点入ります!

■エスパーミッドレンジ

【インポートデータ】

長らくスタンダード環境に居るエスパーミッドレンジも健在。《大洞窟のコウモリ》《敬虔な新米、デニック》と2種類の絆魂クリーチャーからの《策謀の予見者、ラフィーン》で強化と言う動きは、特にアグロデッキ相手に強いです。《喝破》という信頼性の高い打ち消し呪文も加入しました。

ディミーアミッドレンジと比較して色が増えている分、使えるカードは多色の強力なものが多いです。しかしその反面、マナベースはディミーアよりもタップインが多くなってしまいます。特に4ターン目以降に土地がタップインする事が多い。

スタンダードのカードプールが広がって、環境全体の速度が上がっているので、タップインが多すぎるのは無視できないデメリットだと考えています。特にボロス召集相手にはタップインしたくない!エスパーとディミーア、2つのミッドレンジを比較したときに、アンタップの土地が動き1ターン目から動いて行けるディミーアの方が今は良いのかなと、僕は考えています。

■おわりに

スタンダード環境を分析して行きました。カードプールが増えた影響からか全体的に高速化し、ボロス召集のようにパイオニア並みのデッキが誕生しているのが面白い!
特にティムールランプは面白い挙動をするコンボデッキなので、ぜひ一度MTGアリーナでデッキを回してみて下さい!

それと《復活した精霊信者、ニッサ》は「機械兵団の進軍:決戦の後に」という特殊なパック収録なため流通量が少なく、しかも4枚使う可能性があるので、紙のスタンダードイベントに出る予定のある方は早めに揃える事をお勧めします。

それではまた。


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