MTG │ 戦略記事 │ 高橋優太【リミテッドランキング表】
先週末、時のらせんリマスターが発売されました。(カードリスト一覧はこちら)
(注:3/21時点での買取価格です。買取価格はカードの状態や在庫により変更される場合があります)
時のらせんリマスター Foilの買取価格はこちらも参照してください。(カードラッシュの買取価格一覧はこちら)
今回の目玉と言えるのが旧枠での人気カードの収録。特にレガシーで人気のある《思案》《思考囲い》《虚空の杯》といった旧枠のFoilカードは、カードラッシュでも高価買取中です。
特定の旧枠Foilは封入率が非常に低く、3267パックを剥いて1枚程度の確率だという話も聞きました。あまりにも出ない珍しいカードなため、高騰していますね。
パックから高額レアが出るのには夢がありますし、実際に《思案》Foil目当てに時のらせんを剥いている方も多いでしょう。僕も《思案》Foilを集めているところです。
しかし開封するだけではなく、時のらせんはリミテッドとして遊んでも非常に面白いセットです。キーワード能力が多いためデッキの種類が多く、多色化しやすいため出来る事が多い。
今回の記事では時のらせんリミテッドを、カードの強さのランキング形式で紹介して行きます。
※ラッシュメディア記事内紹介のカードは
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■前提
時のらせんは序盤は待機、2ターン目には2/2を展開するかなり早い環境です。マナカーブが何よりも大事で、1マナ域は待機含めて2枚、2マナ域は待機含めて5枚は欲しいです。
クリーチャーのサイズは全体的に小さめ。2マナ2/2、3マナも2/2、4マナ3/3。除去も3点や-3/-3なため、4/4以上だとエース級クリーチャーです。
タフネス1で強いクリーチャーが多いので、1点火力や-1/-1系の除去はメインに1枚入れて問題なし。除去は軽くて強いものが多く、特に黒除去の質が良いです。
『時のらせん』発売当時はダメージがスタックに乗る前提でデザインされていたため、《補強》や変異でタフネスの上がる《水深の予見者》など、現代のルールでは弱体化したカードも少しあります。
■コモンランキング
白
【1位】
白と黒はレベルの色です。クリーチャータイプ・レベルは中堅クラスが多く、それをサーチできる《アムローの偵察兵》。
あればあるだけデッキが強くなりますが、4枚目以降は除去である《静寂の捕縛》優先しても良いでしょう。
【2位】
エンチャントでありながらレベルのタイプを持っているので、上記の《アムローの偵察兵》からサーチできる便利な除去です。
【3位】
回避能力持ちの軽い待機クリーチャーはだいたい初手級です。
【デッキに率先して入れたい】
クリーチャーの基本サイズが小さい為、《ベナリアの騎兵》は2ターン目に出ると6点以上は殴れます。
白は除去がいずれもエンチャントなので、バウンスや明滅、生贄にされる事に弱いのが欠点。
《城の猛禽》はサイズが良く、コモンの中ではかなり制空権があります。
【その他】
《筋力スリヴァー》は自分のデッキにスリヴァーが3枚以上入っている時に入れたいです。ただの2/2として入れると相手のスリヴァーを強化してしまいます。
《一瞬の瞬き》は青白用のカードですが、「戦場に出た時○○」の効果を再利用したり、除去を避けたりとかなり便利。
《淡色のマイコダーム》はドラフトで1周するくらいのコモンですが、白緑苗木なら終盤の盤面強化に良い、いぶし銀のクリーチャー。
青
【1位】
待機2で4ターン目に3/1速攻は早すぎる!シャドーは少ないのでほぼブロックされず、5マナで出しても強い。
1点除去に弱いですが、それでも1位。
【2位】
先ほども言いましたが、回避能力持ちの軽い待機クリーチャーはだいたい初手級です。ただ素出しが7マナと重いため《コー追われの浸透者》よりは低め。
【3位】
最近は減ってしまったルーター能力。序盤は事故を防ぎ、後半はマナフラッドを防ぎます。捨てたカードをマッドネスしても良いので、青黒で特に強いです。
【デッキに率先して入れたい】
《歪んだ爪の変成者》はパワー0のクリーチャーを除去出来ますし、相手のパワーを下げるカードと組み合わせてトリッキーに動けます。
《予感》は重コントロール、緑多色でタッチして使っても良いアドバンテージ源。
《夢次元の芸術家》は多色サポートになりますし、手札を捨てるので青黒マッドネスでも良し。《絞殺の煤》のフラッシュバック用の基本地形を1枚だけ入れるのをよくやります。
【その他】
《現実の酸》を相手のパーマネントに付けて《トレイリアの歩哨》で戻すと、毎ターン相手のパーマネントを破壊できます。
どちらもドラフトで1周するくらいのコモンですが、枚数が揃ったらコンボを狙ってみましょう。
黒
【1位】
相手の一番強いクリーチャーを無効化するのがタッパー。しかもレベルなのでサーチできます。いつの時代もタッパーは強し。
【2位】
白と黒はレベルの色です。白のサーチ《アムローの偵察兵》と比較しても、中盤以降に1点ルーズできる《荒廃語り》が少し優れています。
黒は《荒廃語り》《ラースのわな師》があればあるだけデッキが強くなります。
【3位】
昔は《遍歴のカゲロウ獣》《絞殺の煤》はソートの関係で一緒のパックから出る事が多く、よくどちらをピックするか議論されていました。僕は黒好きなので《絞殺の煤》派です。
インスタント除去として強い上にフラッシュバック付き。良くこれのフラッシュバックの為に《山》を1枚入れて《広漠なる変幻地》からサーチしたりします。
【デッキに率先して入れたい】
黒はコモンの層が厚く、除去性能が高いです。
《滑る胆液》は3マナのソーサリー除去としても強く、サイクリングすればマッドネスできるので、6マナインスタントで1ドロー付きのの-3/-3としても使えて便利。
《堕落の触手》をピックしたら沼9-10枚はデッキに入れたいです。《堕落の触手》の存在もあるため黒はメインカラーになる事が多いです。
黒には《暗殺》もあるので、大事なシステムリーチャーは攻撃しないで《暗殺》ケアするプレイングもあります。逆に黒側は《ラースのわな師》でタップして《暗殺》する事もあります。
《ゴルゴンの世捨て》はマッドネスで出てくると相手のクリーチャーを討ち取りやすい。
タフネス1が多い環境なので、3ターンに1回-1/-1除去が出来る《死胞子のサリッド》はなかなか優秀なシステムクリーチャーです。
《アーボーグの吸魂魔道士》《ヴェク追われの侵入者》はマッドネスを誘発させつつ、後半のライフ押し込み要因としても優秀。
【その他】
ドラフトで1周するくらいのコモンですが、自分から手札を捨てるカードが多いなら採用の余地あり。
マッドネスで唱えた時はインスタントタイミングでプレイできるので、相手のドローステップ中に撃てます。
赤
【1位】
赤はストームカードを使うので、1マナの除去は便利。
【2位】
次のターンのストームカードの準備として待機して、呪文の数を増やします。普通に3マナ3点でも強い。
【3位】
環境のサイズが小さい為、暴勇で5/5はエース級クリーチャー。
しかも手札を捨てれば赤マナを払わずに変異オープンできるので、赤をやっていなくてもピックして良いナイスコモンです。
手札を捨てるのでマッドネスとも相性良し。
【デッキに率先して入れたい】
《石炭焚き》はストームカウントを増やしたり、青赤で変異クリーチャーに繋げたりします。
《オークの連続砲撃》は自分に3点は痛いですが、大抵の3マナ以下のクリーチャーは除去できて1ドローなので2枚までなら入れてOK。
【その他】
赤をやる上で意識したいのが《巣穴からの総出》《ぶどう弾》の2種類のストーム呪文。なるべくストーム2回以上は狙いたい所。
待機が明けるターンなら呪文の回数を増やせますし、《にやにや笑いのイグナス》はマナがある限り、起動し続けることでストーム回数を増やせます。
緑
【1位】
緑黒苗木、白緑苗木などの中核になるクリーチャー。苗木が出るスピードが2ターンに1回に早まります。
自身もサイズが良く、あればあるだけデッキが強くなります。
【2位】
3度目になりますが、回避能力持ちの軽い待機クリーチャーはだいたい初手級です。珍しく緑の飛行クリーチャー。
【3位】
緑は《明日への探索》《進化の魔除け》などの基本地形サーチで多色化しやすいです。
その中でも《宝革スリヴァー》は、多色スリヴァーでも緑多色でも中心になる存在。早めにピックするとその後の戦略がかなり広がるカードです。《絞殺の煤》などのフラッシュバックも使いやすい。
【デッキに率先して入れたい】
緑は《暗影の蜘蛛》や苗木でガッチリ守って後半に《シタヌールの樹木読み》でアドバンテージを取る戦略になる事が多いです。
《進化の魔除け》は多色化デッキの色マナ安定化はもちろん、墓地のクリーチャー回収も強い。
【その他】
《宝革スリヴァー》が2枚以上取れたらフラッシュバックが狙いやすくなるので、《平地》を入れずに《狩りの興奮》を入れる事もあります。
その他
《宝革スリヴァー》に限らずコモンに3種類マナ変換があるので、多色化がしやすい環境です。
■アンコモンランキング
白
【1位】
味方にダメージを分散。ダメージで倒すのはかなり困難で、アタッカーとしてもブロッカーとしても超優秀。しかもレベルなのでサーチできます。
【2位】
《塩平原の世捨て》はかつてコモンでしたが、強すぎてアンコモンに格上げされました。レベルなのでサーチできます。
相手のパワーを下げて0にしてから青のコモンの《歪んだ爪の変成者》でパワータフネスを入れ替えると除去にもなります。
【3位】
《グリフィンの導き》はバウンスや《静寂の捕縛》に弱いですが、お手軽に飛行フィニッシャーを作れます。除去されても2/2飛行が残るのはすごい!
青
【1位】
かつてはスタンダードでも使われた経歴がある強力なフィニッシャー。シングルシンボルなのでタッチする事も多いです。
「シャドー・警戒」「シャドー・二段攻撃」で攻撃して、プロテクション赤なので黒除去以外では対処が難しいです。
【2位】
バウンス付き飛行で待機明けが早い。テンポという概念の化身。素出しも許容範囲の重さ。
これもよくスタンダードで使われてました。
【3位】
これもかつてコモンでしたが、強すぎてアンコモンに格上げされました。サイズが小さい環境なので、+2/-2で相手のクリーチャーを除去しやすいです。
黒
【1位】
コントロール奪取はいつのリミテッドでも最強クラス。
【2位】
自分のクリーチャーへのダメージを相手のクリーチャーに移し替えて1対2交換。複数ブロックされたときに使えば1対3交換も狙えます。
【3位】
強い除去。
赤
【1位】
安定して1対3交換して行きます。多色化できるならタッチしてでも使いたい強カード。
【2位】
これもかつてコモンでしたが強すぎてアンコモンに格上げされました。タフネス1が多い環境なので文句なしの初手級。
【3位】
6マナで撃ってもよし、手札を捨ててマッドネスしても良し。
緑
【1位】
かつてはレアでしたがアンコモンに格下げ。本当に良いのか?
2/2や3/3が中心の環境なので1サイズ上がるのは超強力。苗木トークンを強化しましょう。
【2位】
緑が多色にすることが多かった理由の一つが《版図の踏みつけ》。味方全員を+3/+3トランプル修正できればゲームに勝利できます。
メインデッキ2色で、タッチの3色目の基本地形を《明日への探索》《進化の魔除け》で探せるように組みたいです。
【3位】
サリッドたちの成長スピードを上げるアンコモン。自身のサイズも良く、コモンの《スポロロスの古茸》と一緒に揃うと毎ターン苗木トークンを生み出せるようになります。
■レアランキング
S
《隆盛なる勇士クロウヴァクス》は自分が白をやっているなら味方全員を強化、相手のクリーチャーは-1/-1と恐ろしい性能。しかもライフを払うと手札に戻るので除去耐性もあります。
《ザルファーの魔道士、テフェリー》は自分のクリーチャーが全て瞬速で出せて、相手のコンバットトリックは戦闘中に唱えられないため、一方的な戦闘を生み出します。テフェリーが場にいる時はデッキ内のクリーチャーにも瞬速が付与されるので、《神秘の指導》でクリーチャーサーチも出来るようになります。
《ヴェズーヴァの多相の戦士》は変異状態で出して、2マナ払って《水深の予見者》《塩水の精霊》などをコピーすれば「変異が表になったとき」の能力もコピーできます。《塩水の精霊》とのコンボで相手のアンタップステップを飛ばし続けることが可能です。
構築でエースの《タルモゴイフ》ですが、リミテッドでは2/3か3/4程度で普通のクリーチャーです。
■ボーナスシート(旧枠)ランキング
SSS
どうして収録した!?
そう思わずには居られない、リミテッドでは明らかに強すぎる2種類。
《鏡の精体》は多相を持つためレベルでもあります。つまり《アムローの偵察兵》《荒廃語り》でサーチ可能で、お手軽に全員が5/5以上になります。なんてこったい。
プロテクション(選ばれたプレイヤー)を持つ《真の名の宿敵》を除去出来るカード、このセットには《隆盛なる勇士クロウヴァクス》《突然の俗化》《滅び》だけでした。レアにはレアで対抗するしかない。
《リリアナの勝利》でも一応倒せますが、横にクリーチャーがいるだけでダメです。そしてこれもやはりレア(ボーナスシート)。
S
《宮殿の看守》は統治者になった上で除去するので、一度有利になった盤面を逆転不能にする性能。
《神秘の合流点》は打ち消し+クリーチャー2体バウンスと考えると恐ろしい。打ち消しを警戒して展開しないとターン終了時に3体バウンスされてしまうので、ケアのしようが無い。
《水晶の破片》は一見すると不安定なバウンスに思えますが、相手のエンド時に起動+自分のメインフェイズに起動することで、2マナを要求できるため、思いのほか機能します。なおかつ、自分のクリーチャーを戻してエンチャント除去を外しても良し。
■おわりに
時のらせん発売当時はリミテッドの競技イベントが多く、僕もかなり練習したセットなので感慨深いです。色の強さは黒→青→白→赤→緑の印象です。
レアやタイムシフトの内容も良くパックを剥くのが楽しいセットですが、リミテッドも非常に面白いセットなのでドラフトやシールドで是非遊んでみて下さい。
それではまた。