MTG │ 新弾レビュー │ 高橋優太【『統率者レジェンズ:バルダーズ・ゲートの戦い』】

恒例の新弾レビュー記事。

今回は『統率者レジェンズ:バルダーズ・ゲートの戦い』をチェックしていきます。

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■キーワード能力

背景選択

「背景」はエンチャントの新しいタイプで、「背景選択」を持つ統率者と一緒に統率者指定できます。

統率者にボーナスを与える能力が多く、中でも《ギルドの職人》はコストが軽いため使いやすそう。

イニシアチブを得る

ゲームの開始時点では、どのプレイヤーもイニシアチブを持たない。次の3つの方法でプレイヤーはイニシアチブを得ることになる。

・カードの効果によってイニシアチブを得る。
・プレイヤーがコントロールするクリーチャー1体以上がイニシアチブを持つプレイヤーに戦闘ダメージを与えるたび、それらのコントローラーがイニシアチブを得る。これは誘発型能力である。
・イニシアチブを持つプレイヤーがゲームから除外されるなら、アクティブ・プレイヤーがイニシアチブを得る。ゲームから除外されるプレイヤーがアクティブ・プレイヤーであるなら、ターン順で次のプレイヤーがイニシアチブを得る。

感覚としては統治者に近いです。

イニシアチブを得ることで、以下のダンジョンに入ることができます。

■白

 

ゴライオンの養子、アブデル・エイドリアンは自分のパーマネントを追放して、その分のトークンを生み出します。「戦場に出たとき○○」の効果や、生贄にする効果と相性が良い!

1.《ゴライオンの養子、アブデル・エイドリアン》で戦場に居る《霊体の先達》を追放。
2.その後《ファイレクシアの供犠台で《ゴライオンの養子、アブデル・エイドリアン》を生贄にして、《霊体の先達》が戦場に戻る。
3.《霊体の先達》の能力で墓地から《ゴライオンの養子、アブデル・エイドリアン》を戻して戦場に居る《霊体の先達を追放で無限ループが出来て、その過程で無限マナと無限トークン!
20面ダイスの期待値は10.5なので、《エインシャント・ゴールド・ドラゴン》は10.5体ほどのトークンを生み出す事になります。出たトークンは《ファイレクシアの供犠台》《アシュノッドの供犠台でマナに変換して行きたいですね。

ぜひとも速攻を与えて攻撃したい能力なので、《稲妻のすね当て装備がおすすめ。
サーチに牽制をかける《オグマの文書管理人》。

フェッチランドが多用されるレガシーで活躍する可能性があります。ただし他のヘイトベアー系統と比較して「○○を出来なくさせる」ような能力ではないので、「《オグマの文書管理人を放置されてそのままコンボ決められて負け」というのも十分考えられますので、役割としては少し弱めかも。

悪魔の教示者》など、統率者もサーチする機会が多いので、どちらかと言うと統率者向きのカードかなと。
僕が昔好きだった《先祖の結集》の亜種。《先祖の結集から白マナが増えた代わりにプレインズウォーカーも戻るようになり、エンド時に追放もされなくなりました。

低コストのクリーチャーに寄ったデッキなら強そう!
無尽は、「このクリーチャーが攻撃するたび、このクリーチャーのコピーであるトークンを、防御プレイヤー以外の対戦相手1人につき1体、タップ状態でそのプレイヤーまたはそのプレイヤーがコントロールしているプレインズウォーカーを攻撃している状態で生成してもよい。これによりあなたが1体以上のトークンを生成したなら、戦闘終了時に、それらのトークンを追放する」という能力です。

つまり《ティアの戦天使》が攻撃するとき、対戦相手が3人なら最大3回能力が誘発することになります!手札や土地を少なけば莫大なアドバンテージを生み出します!
策略の龍、アルカデス》《包囲の搭、ドラン》など、タフネスをパワーにするクリーチャーは今までも居ましたが、《ラサード・イン・バシール》はその白単色バージョン。

イニシアチブを持っている場合は自分のクリーチャーのタフネスが2倍になるので殴り値が高いです。

ただし《策略の龍、アルカデス》と異なり、防衛が攻撃できる能力では無いので、壁クリーチャーは採用できない点に注意!

■青

 

今回の神話レアドラゴンはどれも能力がド派手!《エインシャント・シルヴァー・ドラゴン》は期待値10.5枚カードを引くことになります。

10枚引いたら《精神力》で土地をアンタップして、《時間のねじれ》で追加ターンに繋げて行きたい!

ディスプレイサーの仔猫は以下の手順で無限コンボが可能です。
1.3ターン目《時を解す者、テフェリー》4ターン目《ディスプレイサーの仔猫
2.《モックス・アンバー》をプレイして《時を解す者、テフェリー》を明滅。《モックス・アンバーから青か白のマナを生み出す。
3.《時を解す者、テフェリー》の[-3]能力で《モックス・アンバー》を戻して、②に戻る。
4.2と3をループすることで青と白のマナを大量に生み出し、デッキを全て引き切る。その後《タッサの神託者》で特殊勝利。

コンボパーツが青いので、《意志の力をコストとして使いやすいのも強い!
ディスプレイサーの仔猫はコンボに寄せなくても明滅させるだけで強いので、統率者やレガシーで良く見ることになりそうです。
相手の盤面が強ければ強いほど、1枚で逆転できそう。
コストの軽い統率者を何度も出すことでインスタントやソーサリー連打は面白そう。

しかし《サファイアの大メダルの方が前提条件がないぶん強いかな。
3マナ生み出すマナクリーチャー。

手札からの呪文には使えないものの、墓地から呪文を唱えたり、アーティファクトの起動型能力に使ったりとマナの使い道はあります。

アンタップする手段があれば、1ターン中に大量マナも狙える!

無尽能力なので、統率者戦で攻撃すれば最大3体のコピーが生まれます。4体いればインスタント・ソーサリーが4マナ軽くなる!

トークンは戦闘終了時に追放しますが、ソーサリーを瞬速で唱えるので《時間のねじれ系を戦闘中に唱えたら強そう!

■黒

出来事はオマケ程度の性能ですが、本体のアーティファクトは《繰り返す悪夢》に似ていて、墓地から直接戦場に出します。高コストのクリーチャーをマナコストを払わずに出すのが強そう!

繰り返す悪夢》と異なり、コストとして自分のクリーチャーを追放するので、「戦場に出た時○○」能力を何度も再利用できないのは残念ですが、それでも強そう。
不確定要素はあるものの、期待値10.5マナ分を好きなようにリアニメイトできる派手な能力。《納墓》《生き埋め》などと組み合わせたいです。

他のエルダー・ドラゴンと比較して、墓地にクリーチャーを用意しなければいけないので少し使いにくそう。
統率者戦で、黒はクリーチャーの生贄を得意とする色です。クリーチャーを回収できるコンボパーツとして、生贄の多い統率者デッキに入りそう。

ゴースト・ランタンを装備した状態で無限生贄ループができればそのまま攻撃して勝ちますし、《歩行バリスタ》や《トリスケリオン》に装備すれば、継続的な1点砲台としても使えます。

装備すると、ライフ0以下でも敗北しなくなるすごい装備品!装備している状態で《むかつきを撃てばデッキ全部を引き切れます!

黒は他にも《ネクロポーテンスなどライフを支払って手札を増やすカードが多いので、限界ギリギリまでライフを支払うことも可能!ライフを払いまくったあとに《契約武器》や装備クリーチャーが破壊されたら負けるのも、実に黒らしい!

攻撃したときのパンプ能力は《吸血の教示者》《師範の占い独楽などで調整可能なので、統率者に装備してジェネラルダメージ21点も狙えるかも。

■赤

攻撃が通ったら期待値10.5個の宝物トークンを生み出します!年老いた骨齧り》よりも宝物が多く出る可能性が高い!

6マナと他のエルダー・ドラゴンよりも軽く出しやすいので、ぜひ速攻を付けて攻撃したい!
バロールは神話によく出てくる名前なので期待して読んだのですが、残念ながら構築レベルとは言い難い能力。
焦熱の連続砲撃》は海賊以外に2点ですが、《ブレス攻撃はドラゴン以外に2点。コモン構築のパウパーに影響がありそう。
今回のエルダー・ドラゴンはダメージを与えた時の能力なので、速攻を付与する《カーネリアン・オーブ・オヴ・ドラゴンカインド》はまさに求めていた品質!

ドラゴンが主軸の統率者で良く使われるでしょう。
他のクリーチャーが攻撃しても誘発して、トークンが4/1威迫と打点が高いので、殴り系統率者として優秀。

宝物トークンなど、生贄にしやすいアーティファクトをスケルトン・トークンに変換していきます。統率者デッキを組んでみたくなる、良い能力です。
これまた他のクリーチャーが攻撃しても誘発して、先制攻撃付与+追加の戦闘フェイズ。これも殴り系統率者として優秀!
赤のマナ加速にバージョンが増えた!

5-6マナの統率者を3ターン目に出せるようになりますし、レガシーでもデッキによっては採用されそう!

■緑

他のエルダー・ドラゴンがド派手な能力だったので期待して能力を読んだら・・・+1/+1カウンターか~。とはいえ2体にそれぞれ乗せられるので、実質出目の倍。

攻撃が通ったらすごいサイズにはなるのですが、統率者視点なら《年老いた骨齧り》の方が良いかな。
今までにない面白いテキストで、左の人に格闘を仕掛けて行きます。上手くいけば2マナで複数除去になるのか?
能力は別に強くないのですが、イラストが素晴らしいのと、《甲鱗のワーム》を思い起こすサイズです。初心者の頃は《甲鱗のワーム》をレアだと思っていました。
デカァァァァァいッ説明不要!
赤の《カーネリアン・オーブ・オヴ・ドラゴンカインドは速攻付与で、こっちは呪禁付与。

次のターンまで残れば攻撃できるのですが、ターン帰ってきたら呪禁を失う=インスタント除去を構えられてしまうので、速攻付与より少し見劣ります。

しかしこれもドラゴン中心の統率者なら採用候補。
マナクリーチャーとしてはかなり高品質で、トークンを生み出す背景と組み合わせたい!
起源の波》に似ており、デッキ内をパーマネントに寄せる事で大量のアドバンテージを獲得できます。

7マナや8マナの統率者を使いましょう。
ダンジョンを踏破したら6マナを生み出す驚異のクリーチャー。単体で6マナを生み出すのはマジックでも史上初です。

クリーチャーをアンタップするアーティファクト、《威圧の杖や《パルンズの剣》と相性が良く、ダンジョン踏破した後なら無限マナが狙えますね。
灰色熊》の究極完全体とも言えるのが《上品な灰色熊、ウィルソン》!能力付きすぎ!

打ち消されない、護法2持ち、《カラカス》で守れると考えると、レガシーで使われる可能性もあるかも?

■多色

トークンや土地、生贄にしやすいアーティファクトを用意すれば3ドローもそんなに難しくなさそう。
占術するたびに次に唱えるインスタントやソーサリーのコストを軽減するので、《定業》や《血清の幻視との相性良し。

エルミンスター》自体が少し重いので、なるべくなら出してからコスト軽減で即もう1アクションとれるようにしたいですね。《時間のねじれ》に繋がるのがベスト。

あらかじめ《師範の占い独楽や教示者でライブラリートップに重いマナコストを置いておけば、「-3」で大量にトークンを生成できます。
プレイヤー3人にそれぞれ恩恵をもたらすクリーチャー。

一番弱いのが+1/+1カウンター2個で、クリーチャーをコントロールしていないプレイヤーにこの能力を選びたい。

あとは1ドロー1人と、宝物トークン2個が1人。宝物トークン2個が一番強いので、自分はマナ加速しつつ、他の人に1ドローと+1/+1カウンター2個を与えるのが主な使い道になるでしょう。

授けるもの、グランチ》で統率者を組んでみても面白そうで、強い能力だと思います。
アーティファクト・クリーチャーを宝物トークンに変えて、生み出した宝物トークンをアーティファクト・クリーチャーに変えていきます。

マナもクリーチャー数も増えて、なおかつ速攻持ちなので即能力起動できます。サクリ系統率者としては強い部類!
出た時にブー・トークンを生成し、+1で強化できるので実質4/4速攻トランプル。

次のターンに「-2」能力で4/4のブー・トークンを生贄にすれば、4点飛ばしながら4ドロー。

速攻・トランプルという点で相手のプレインズウォーカーに対して攻撃で倒しやすく、次のターンに4ドローと考えるとかなり強い能力に見えます。

今後レガシーで1-2枚採用されていくかも。
マナクリロード。《ラノワールのエルフ》や《極楽鳥がガンガン攻撃できるようになります。

呪文に7マナ払ったときの打点も高く、《ゴアガッツ団の親分、ラッガドラッガ》での統率者ダメージ21点も狙えそう!
「+1」で相手の墓地を追放して、追放したカードを使う度にデーモントークン生成。

しかしデーモン生成までのタイムラグがあり、忠誠度もそこまで高くないので攻撃で倒されやすいことを考えると、そこまで強くない印象です。

■アーティファクト

これ1枚で3個のアーティファクトと考えると、かなりの数のアーティファクトを生贄に出来るカードです。

パッと思いつくのは《電結の荒廃者》の相性の良さと、統率者で《クラーク族の鉄工所》で3回生贄です。

コモンなのでパウパーにも影響がありそう。
こちらは時間がかかるものの、計4個のアーティファクトを生み出せるカード。単純にマナ加速として使っても良し、生贄にして良しと便利。
今までにない、マナ加速とクリーチャーのアンタップを兼ねたアーティファクト。

タップ能力を持つ統率者と組み合わせたいですね。
100個取り除く!?

ファンカードに見える能力ですが、起動さえできればマナコスト無視で場に出せるので強力。《ボーラスの城塞》を持ってきたいです。

20面ダイスの期待値は10.5なので、10回起動すればカウンターが100個乗る計算になります。《多用途の鍵》とかでアンタップすれば、案外難しくなさそう。

■土地

自身がアンタップインかつ無色マナかつ、門が合計4つ以上あればマナ加速になります。

今回のセットで優秀な門が増えたので、門デッキも可能性がありそう。

各種門たち。コモン構築のパウパーで影響がありそう。
単体でも+1/+1修正で、アンタップインなので展開を阻害しません。

複数引くとどんどん修正値があがり後半の打点補助になるので、構築レベルの性能かも。パウパーの単色デッキに、マナベースの余裕があれば入りそう。
門デッキはタップインで展開が遅れやすいのを緩和してくれる性能

過去のラヴニカで出た《ディミーアのギルド門などもアンタップインします。
『時のらせん』に収録された《石灰の池》《戦慄艦の浅瀬》などの通称「貯めランド」は相手のエンド時にマナを貯めることが出来て、コントロール対決で強いカードでした。

この《岡門》は「貯めランド」に似た性質を持っており、相手のエンド時に宝物を生成します。土地から1マナでパーマネントを生み出せるのは破格の性能で、書いてあることはかなり強いです!

今回《岡門》《バジリスク門》がコモンなので、パウパーに影響がありそうで、とても楽しみです。

■おわりに

僕の考えるトップ3はコチラ!

ディスプレイサーの仔猫》は統率者・レガシー共に活躍しそう。まずは4枚揃えたい!

時を超えた英雄、ミンスクとブー》は《紅蓮破》されず、マナコストが重いので《虹色の終焉》も喰らいづらいため、レガシーで使いたい1枚。

バルダーズ・ゲート》の登場で門デッキは行けるのか?ついでにコモンの門がパウパーに与える影響も気になります。

それではまた。


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