MTG │ 大会レポート │ 井川良彦【The Last Sun 2021レポート】

皆さんこんにちは。Rush Prosの井川です。

先週末に開催されたThe Last Sun 2021に参加しましたので、今回はその簡易レポートとなります。

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■スタンダード

使ったのはイゼット天啓。前回のチャンピオンシップが終わってからほとんどスタンダードをプレイしていないので、基本的には前回使った感想&メタゲーム予想による微調整のみです。

The Last Sun 2021 スタンダードラウンド By井川 良彦
デッキリスト
4:《河川滑りの小道/Riverglide Pathway
4:《嵐削りの海岸/Stormcarved Coast
2:《ストーム・ジャイアントの聖堂/Hall of Storm Giants
5:《島/Island
6:《山/Mountain
21 lands


1:《黄金架のドラゴン/Goldspan Dragon
1:《溺神の信奉者、リーア/Lier, Disciple of the Drowned
2 creatures

 

4:《ゼロ除算/Divide by Zero
4:《表現の反復/Expressive Iteration
4:《予想外の授かり物/Unexpected Windfall
4:《棘平原の危険/Spikefield Hazard
3:《ジュワー島の撹乱/Jwari Disruption
3:《感電の反復/Galvanic Iteration
3:《アールンドの天啓/Alrund’s Epiphany
2:《多元宇宙の警告/Behold the Multiverse
2:《消えゆく希望/Fading Hope
1:《家の焼き払い/Burn Down the House
1:《才能の試験/Test of Talents
1:《軽蔑的な一撃/Disdainful Stroke
1:《轟く叱責/Thundering Rebuke
2:《削剥/Abrade
1:《セレスタス/The Celestus
1:《悪魔の稲妻/Demon Bolt
37 other spells


1:《環境科学/Environmental Sciences
1:《マスコット展示会/Mascot Exhibition
1:《アルカイックの教え/Teachings of the Archaics
3:《くすぶる卵/Smoldering Egg
1:《才能の試験/Test of Talents
1:《黄金架のドラゴン/Goldspan Dragon
1:《轟く叱責/Thundering Rebuke
1:《溺神の信奉者、リーア/Lier, Disciple of the Drowned
2:《星の大魔導師、ヴァドリック/Vadrik, Astral Archmage
1:《バーニング・ハンズ/Burning Hands
1:《燃えがら地獄/Cinderclasm
1:《船砕きの怪物/Hullbreaker Horror
15 sideboard cards

メインボードは一般的な形です。ミラーマッチの《黄金架のドラゴン》および緑単の4マナ域を見据えて《軽蔑的な一撃》を採用した以外はコレといって特筆すべき点はありません。

ミラーマッチで差が付く(というよりメインは「引かないと勝てない」と言っても過言ではない)《感電の反復》の4枚目は最後まで悩みましたが、4枚目を入れる場合は《黄金架のドラゴン》や《溺神の信奉者、リーア》のようなスロットが抜けることとなり、その分相手の《才能の試験》に弱くなるので見送りました。

今回の秘密兵器はサイドボードの《星の大魔導師、ヴァドリック》。このカードを使いたかったがためにイゼット天啓を選んだといっても過言ではありません。

知らない方も多いかと思いますので簡単にこのカードを説明すると、「自分のインスタント・ソーサリーがどんどん軽くなる」クリーチャーです。最低でもパワー1あるので4マナで出しても《才能の試験》や《ジュワー島の撹乱》を構えられますし、生きてかえってくればすぐに夜にして自分のスペルを2マナ軽くしてマナ差=アクション数で差を付けて圧倒できます。

よくあるパターンとしては、「3ターン目に着地→生存してターンが帰ってきたので4ターン目をドローゴー→夜になるのでパワーが上昇。青青赤赤のマナ基盤からカウンター2枚構えつつ《予想外の授かり物》をプレイ(実質9マナ相当のアクション!)」というものです。

4ターン目にこんなビッグアクションができるのは《星の大魔導師、ヴァドリック》だけ!

前回CSの調整時に「ミラーで差をつけるカード」として着目したものの、後半引いたときの不安定さ(トップデッキして弱い)やデッキ公開との噛み合わなさ(存在を知っていれば除去を多めに残せる)から、最終的に不採用となりました。

ですが今回のTLSは久しぶりのデッキ非公開制の大会!CSで使ってあげられなかった《星の大魔導師、ヴァドリック》先生の供養をすべく、ミラー専用枠として2枚採用して臨むことにしました。

本戦の結果

R1 イゼット天啓 ○○
R2 イゼット天啓 ○○
R3 緑単アグロ ××
R4 白単アグロ ××
R9 イゼット天啓 ○○
R10 イゼット天啓 ××
R11 イゼット天啓 ××

3-4。ミラーマッチこそ3-2でしたが、緑単・白単とアグロに連敗してしまい残念な結果となりました。

星の大魔導師、ヴァドリック》先生自体はミラーマッチで活躍しましたが(2ゲームは取りました)、これを採用するためのスロットとしてサイドの除去を減らしており、そのためアグロに負けるという分かりやすいパターンでした。

成績は振るいませんでしたが、「使いたいカードを使うこと自体が目的」という、リーグやCSでは普段絶対できないことをあえてやったので、後悔はありません。《星の大魔導師、ヴァドリック》自体はちゃんと活躍して対戦相手を圧倒できたので楽しかったです。

ありがとう、そしてさよなら。《星の大魔導師、ヴァドリック》。

■モダン

普段はスタンダードとヒストリックしか触っていなかったので、100年振りのモダン。

久しぶりにMagic Online村に帰省して大量にカードを購入し、色んなデッキでリーグに潜りました。トロン、ハンマータイム、4色ブリンク、ドレッジ、感染、5色《白日の下に》ヨーリオン…。モダンというフォーマット自体が久しぶりすぎてプレイも拙く結構負けましたが、様変わりしたモダンを存分に楽しみました。

期間は短かったですが、100マッチ近くプレイ。

そして最終的に使ったのは、一番手に馴染んだ&使ってて楽しかったイゼットラガバン。

The Last Sun 2021 モダンラウンド By井川 良彦
デッキリスト
3:《冠雪の島/Snow-Covered Island
1:《霧深い雨林/Misty Rainforest
1:《焦熱島嶼域/Fiery Islet
2:《沸騰する小湖/Scalding Tarn

2:《溢れかえる岸辺/Flooded Strand
2:《汚染された三角州/Polluted Delta
4:《尖塔断の運河/Spirebluff Canal
3:《蒸気孔/Steam Vents

18 lands


4:《ドラゴンの怒りの媒介者/Dragon’s Rage Channeler
4:《濁浪の執政/Murktide Regent
4:《敏捷なこそ泥、ラガバン/Ragavan, Nimble Pilferer
1:《厚かましい借り手/Brazen Borrower
13 creatures

4:《考慮/Consider
3:《稲妻/Lightning Bolt
4:《邪悪な熱気/Unholy Heat
2:《血清の幻視/Serum Visions
1:《呪文貫き/Spell Pierce
4:《対抗呪文/Counterspell
4:《表現の反復/Expressive Iteration
2:《血染めの月/Blood Moon
4:《ミシュラのガラクタ/Mishra’s Bauble
1:《仕組まれた爆薬/Engineered Explosives

29 other spells


2:《仕組まれた爆薬/Engineered Explosives
1:《否定の力/Force of Negation
2:《神秘の論争/Mystical Dispute
2:《激しい叱責/Dress Down
2:《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor
2:《大祖始の遺産/Relic of Progenitus

1:《緻密/Subtlety
1:《倦怠の宝珠/Torpor Orb
1:《激情/Fury
1:《狼狽の嵐/Flusterstorm
15 sideboard cards

同じアーキタイプをあんちゃんも使っていた&既に解説記事がありますので、違う点だけ簡単に解説します。

厚かましい借り手》《仕組まれた爆薬》が入ったこの形がMagic Onlineで流行している一般的なものであり、特に不満がなかったのでこのまま使用しました。

青赤というカラーは一度出てしまったものへの対処が難しく、メインの《虚空の杯》やサイズの大きい(7/7以上の)《濁浪の執政》など厳しいものが多々あります。《考慮》《血清の幻視》《表現の反復》《ドラゴンの怒りの媒介者》とデッキを掘るのに長けたデッキですので、《厚かましい借り手》《仕組まれた爆薬》のような器用なカードをメインに採用することのバリューは高く感じています。

追加の除去枠。複数体の《エスパーの歩哨》、先手で《ゴブリンの先達》からの《大歓楽の幻霊》など、1マナ火力だけでは捌ききれないものを一気に返せるカードとして採用しました。

特にBG《スランの医師、ヨーグモス》デッキの《飢餓の潮流、グリスト》に手こずることが多かったので、「-2」でこちらの飛行クリーチャーを除去したあとの《飢餓の潮流、グリスト》を、他のマナクリーチャーとまとめて流せる《激情》は非常に有効なカードでした。

追加のカウンター枠。ですがこれは少し変わったカードで、対抗できるのはクリーチャーとプレインズウォーカーのみ。早いターンに出てくる《ワームとぐろエンジン》や、《魂の洞窟》経由の《原始のタイタン》などが主なターゲットです。

これは採用しているリストがいくつかあったので最後に入れてみたのですが、正直微妙でした。本来は《狼狽の嵐》や《否定の力》、追加の墓地対策(《魂標ランタン》)のスロットなので、それらの方が良いでしょう。

基本的に不利マッチと言われている、4Cブリンク対策カード。各種除去やキャントリップで時間を稼がれて《孤独》《激情》《永遠の証人》で差をつけられるのが負けパターンなので、相手の軸であるETBクリーチャーをまとめて封じることができるこのカードをキラーカードとして採用しました。

血染めの月》か《倦怠の宝珠》で相手を縛りつつ、《濁浪の執政》を《対抗呪文》で守って勝つのが目指すべきゴールです。

ほとんどのイゼットラガバンが《》を採用していますが、これだけは自信を持って言えます。今すぐ《冠雪の島》に変えましょう!!!!!

理由は簡単かつ明確です。

冠雪土地を咎めるカードはモダンではほとんど使われていない一方、《氷牙のコアトル》という明確なメリットが冠雪土地にはあります。氷牙のコアトル》に接死が付くかどうかで数点のダメージ、そしてそれによる勝敗が決する可能性がある以上、冠雪にすべきでしょう。最近はあまり見ませんが、他にも《薄氷の上》という対象もあります。

本戦の結果

R5 4色ブリンク ○○
R6 バーン ○×○
R7 イゼットコントロール ○××
R8 ハンマータイム ○○
R9 バーン ○×○
R10 青白コントロール ○○
R11 ジャンドサーガ ○××

5-2。偏ったマッチアップとなったスタンダードと異なり、7試合で6つのアーキタイプと戦えて非常に楽しかったです。

1マナ域からのドラゴンでの早い勝ちパターンもあり、ロングゲームを《表現の反復》《精神を刻む者、ジェイス》で制すパターンもあり、かと思えば《血染めの月》だけで勝つ試合もありと、対戦相手によって速度や勝ちパターンを変えつつ戦えるイゼットラガバンは非常にスキルフルで、かつ強力なデッキでした。

1月にはMagic Online Championship Seriesのモダン予選があるそうなので、次はそれを目標にして引き続きモダンをやっていこうと思います。モダン最高!

■終わりに

トップ8入賞とはなりませんでしたが、ヴィンテージ神挑戦者決定戦、そしてThe Last Sun 2021と立て続けにリアルマジックの大会に久しぶりに参加してその楽しさを実感しました。これがやりたくて、これが楽しくて20年以上もマジックを続けてきたんだな、今後も積極的に大会に出たいなと素直に思いました。

今シーズン=2022年の9-10月頃に今のプロリーグ制度が終わることは確定しており、そしてその後競技マジックがどうなるかは分かりません。

ですがきっとガチで戦うマジックを好きな人達が大勢いる限り、何らからの形で競技マジックは続いていくでしょう。

2021年を振り返ってみると自分だけでもMPL昇格・世界選手権出場と飛躍の一年となりましたし、チームとしても世界選手権優勝のあんちゃんを筆頭に好成績を残せた、非常に充実した一年でした。共に練習してきた仲間たち、そして応援してくださっていただいている皆様に改めて感謝です。

来年の今頃どうなっているかは不明ですが、2022年も変わらず目の前に与えられているチャンス(大会)に全力で取り組み、結果を残していけるよう頑張っていきたいと思います。引き続き応援よろしくお願いします!

それではまた来年の記事でお会いしましょう!皆さん、よいお年を!


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