MTG │ デッキ紹介 │ 高橋優太【オブ・ニクシリス考察】

2022年4月、スタンダードに悪魔が降り立った。

「+1」でライフ2点喪失か手札1枚を要求して、
「-2」のデビルトークンでオブ自身を守りつつ、「+1」によって2点回復が可能になり
「-7」は相手に使えば実質7点火力、自分の手札が少ないなら7枚ドロー。パワー7のクリーチャーを生贄にして犠牲能力で唱えれば、いきなり「-7」が出来ます。

その上で、唱えるときにクリーチャーを生贄に捧げることで、もう1体オブ・ニクシリスが付いてくる!

犠牲能力により、複数のオブ・ニクシリスがスタック上に乗るので、打ち消し呪文1枚だけでは対処しにくい!同様に単体除去1枚でも対処しにくい!

デビルトークンのブロックにより攻撃で倒しにくく、序盤3ターン目に出てくる2枚のプレインズウォーカーを倒すのはかなり困難です。

最初にプレビューで公開された時、能力が強すぎて誤植だと思うほどでした。

今回は、セットの目玉神話レアである《敵対するもの、オブ・ニクシリス》を中心に、スタンダードのデッキを考察・紹介する記事です。

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■ラクドスサクリファイス

ラクドスサクリファイス
デッキリスト
5:《沼/Swamp
4:《山/Mountain
4:《荒廃踏みの小道/Blightstep Pathway
2:《バグベアの居住地/Den of the Bugbear
1:《目玉の暴君の住処/Hive of the Eye Tyrant
1:《反逆のるつぼ、霜剣山/Sokenzan, Crucible of Defiance
1:《見捨てられたぬかるみ、竹沼/Takenuma, Abandoned Mire
4:《憑依された峰/Haunted Ridge
22 Lands


4:《ヴォルダーレンの美食家/Voldaren Epicure
4:《税血の収穫者/Bloodtithe Harvester
2:《しつこい負け犬/Tenacious Underdog
10 creatures

4:《命取りの論争/Deadly Dispute
4:《電圧のうねり/Voltage Surge
4:《実験統合機/Experimental Synthesizer
4:《鬼流の金床/Oni-Cult Anvil
4:《鏡割りの寓話/Fable of the Mirror-Breaker
2:《食肉鉤虐殺事件/The Meathook Massacre
4:《敵対するもの、オブ・ニクシリス/Ob Nixilis, the Adversary
2:《不笑のソリン/Sorin the Mirthless
28 other spells


0 sideboard cards

『ニューカペナの街角』発売前の大会でも上位入賞していた、ラクドスサクリファイス。クリーチャーを生贄にすることをサクリファイス(Sacrifice)と呼びます。

ヴォルダーレンの美食家》《税血の収穫者》で序盤攻めながら、これらで出てきた血トークンを生贄に《鬼流の金床》で構築物トークンを生成し、ライフを詰めていきます。

実験統合機》《命取りの論争で低コストでアドバンテージを稼ぎます。《実験統合機がアーティファクトかつ生贄にしたときも誘発するので、《鬼流の金床》との相性は抜群。《命取りの論争で出た宝物トークンを生贄にしても《鬼流の金床から構築物トークンが出ます。

デッキ全体のマナコストが軽く、ドローしながら展開や除去と複数アクションが得意。軽い構成にも関わらず、後半もリソースが尽きないデッキです。

細かくライフを削っていくラクドスサクリファイスに《敵対するもの、オブ・ニクシリス》は文句なしの性能で、犠牲能力のための生贄も用意しやすい。「-2」スタートから「+1」連打が主な使い道です。

しつこい負け犬》は序盤はライフを削ったり相打ちして、マナの余る後半は墓地から奇襲能力で戻りつつ1ドロー!ただラクドスサクリファイスは4枚入れる固定スロットが多く、《しつこい負け犬》を何枚入れるかは悩みどころです。

クリーチャーの生贄を繰り返すデッキなので、《食肉鉤虐殺事件が誘発型能力でジワジワとライフを吸い取って行きます。もちろん全体除去としても優秀。

宝物トークンや血トークンで、アーティファクトを確保しやすいデッキなので1マナ4点として機能して。《黄金架のドラゴン》もわずか1マナで除去!《鬼流の金床》の誘発も助けます。

序盤から終盤まで腐りづらく、かなり使いやすいので、今後のスタンダードの基準となる除去になっていきそうです。

■ジャンドミッドレンジ

ジャンドミッドレンジ
デッキリスト
4:《ジアトラの試練場/Ziatora’s Proving Ground
4:《荒廃踏みの小道/Blightstep Pathway
4:《闇孔の小道/Darkbore Pathway
4:《岩山被りの小道/Cragcrown Pathway
3:《憑依された峰/Haunted Ridge
3:《死天狗茸の林間地/Deathcap Glade
2:《バグベアの居住地/Den of the Bugbear
1:《耐え抜くもの、母聖樹/Boseiju, Who Endures
1:《見捨てられたぬかるみ、竹沼/Takenuma, Abandoned Mire
26 Lands


4:《闇市場の巨頭/Black Market Tycoon
4:《裕福な亭主/Prosperous Innkeeper
8 creatures

4:《鏡割りの寓話/Fable of the Mirror-Breaker
4:《土建組一家の魔除け/Riveteers Charm
4:《エシカの戦車/Esika’s Chariot
2:《蜘蛛の女王、ロルス/Lolth, Spider Queen
4:《電圧のうねり/Voltage Surge
2:《食肉鉤虐殺事件/The Meathook Massacre
2:《不笑のソリン/Sorin the Mirthless
4:《敵対するもの、オブ・ニクシリス/Ob Nixilis, the Adversary
26 other spells


0 sideboard cards

ジャンドカラー(土建組一家)の各色の強力なカードを組み合わせたデッキです。

敵対するもの、オブ・ニクシリス》は犠牲能力により、伝説でないコピートークンを生み出します。

つまり、このコピーは《エシカの戦車》で増やすことが可能です!マナ加速から3ターン目《エシカの戦車》で、4ターン目犠牲付き《敵対するもの、オブ・ニクシリスからオブ・ニクシリスを量産して行きます!!!

鏡割りの寓話》は宝物によるマナ加速、手札入れ替え、変身後のコピー能力とすべてが強く、最近では多くの赤いデッキで採用されています。赤いデッキを組むならまずは《鏡割りの寓話と、赤の定番になりつつあります。

2種類のマナ加速クリーチャー。どちらも宝物を生み出してくれるので、マナ加速しつつ《敵対するもの、オブ・ニクシリス》の犠牲能力に繋げやすい。

マナ加速後は、《エシカの戦車もしくは2種類のプレインズウォーカーに繋げていきます。

どちらもトークン生成能力があるので、盤面を固めてプレインズウォーカーたちを守るのに適しています。

不笑のソリン》で生み出した吸血鬼トークンを《エシカの戦車で増やしても良いですし、盤面にクリーチャーが多く並ぶデッキなので《蜘蛛の女王、ロルス》も忠誠度が上がりやすいです。

土建組一家の魔除けは今回の魔除けシリーズの中でも屈指の性能を持っています。除去、3枚アドバンテージ、墓地追放とできる範囲が広い。

「次のターン終了時までプレイ可能」なので、相手のエンド時に撃って次の自分のターンに持ち越すことが出来るのを覚えておきましょう。

■緑単

緑単
デッキリスト
21:《冠雪の森/Snow-Covered Forest
2:《ハイドラの巣/Lair of the Hydra
2:《耐え抜くもの、母聖樹/Boseiju, Who Endures
25 Lands


4:《装飾庭園を踏み歩くもの/Topiary Stomper
2:《産業のタイタン/Titan of Industry
4:《老樹林のトロール/Old-Growth Troll
4:《冬を彫る者/Sculptor of Winter
4:《群れ率いの人狼/Werewolf Pack Leader
2:《作業場の戦長/Workshop Warchief
20 creatures

3:《八百長試合/Fight Rigging
4:《吹雪の乱闘/Blizzard Brawl
2:《レンと七番/Wrenn and Seven
4:《エシカの戦車/Esika’s Chariot
2:《レンジャー・クラス/Ranger Class
15 other spells


0 sideboard cards

もう一つ、アーリーアクセスで使用して感触の良かったデッキを紹介します。

ベースは緑単アグロですが、新カード《八百長試合が採用されており、うまく条件を満たせれば《産業のタイタンをコスト0で唱えることが出来ます!

コスト踏み倒しの面が注目されている《八百長試合》ですが、普通に使っても強いカードなので、《群れ率いの人狼》《老樹林のトロール》がガンガン攻撃していきます。

八百長試合》を引かなかったときに《産業のタイタンが重すぎる問題がありますが、そこは新加入の《装飾庭園を踏み歩くもの》がカバー。マナ加速しつつ、自身のパワーが4なので、《八百長試合》の誘発に一役買うこともあります。

攻撃やブロックができない状態でも、3マナ4/4には変わりないので、《吹雪の乱闘》の格闘元としても良し!

作業場の戦長》は意外と奇襲能力で唱えることが多かったです。6マナでパワー5の速攻で、ターン終了時に4/4が出るので、攻防一体の能力と言えます。

■常夜会一家について

常夜会一家の魔除け》にはかなり注目しているのですが、「多色のパーマネントを戻す」モードで強いのが今のところ《漆月魁渡》と《策謀の予見者、ラフィーン》くらい。

今後に期待。モダンなら、インスタントタイミングで《時を解す者、テフェリー》を戻すのが強そうです。

クリーチャーのタフネスが1ばかりで、場持ちが悪いのも短所。もう少し低マナで強いクリーチャーが居たら良かったのに!

■おわりに

オブ・ニクシリス中心のデッキを紹介しました。

正直強すぎると感じているので、今後はオブ・ニクシリスを使うか、それを対策するかでデッキが二極化しそうです。

とはいえ、3ターン目に2体プレインズウォーカーが出てくるのは、並大抵のデッキでは対処できません。

今後はメインから《真髄の針》でオブ・ニクシリスを止めるのもあり得るかも。《家の焼き払い》で全体除去するかも考えましたが、2・3回オブ・ニクシリスを起動された後に全体除去しても、間に合っていない感があります。

真髄の針が一番現実的かな。

それではまた。


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