MTG │ 大会レポート │ 高橋優太【イニストラード・チャンピオンシップ トップ8レポート】

先週末に参加した、イニストラード・チャンピオンシップの大会レポートです。

今回の大会はスタンダードとヒストリックの混合フォーマット。

それぞれの過程を記していきます。

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■事前準備

今回はいつものリーグメンバー(井川・熊谷・佐藤・高橋・原根)に加えて、予選や前回のチャンピオンシップで権利を獲得した7人(井上・市川・小泉・河野・斉藤・津村・廣澤)に協力してもらい、12人で調整を行いました。

スタンとヒストリックをそれぞれ分担し、僕はヒストリックで主にイゼット系のデッキを担当していました。

■スタンダード「イゼット天啓」

『イニストラード』チャンピオンシップ:8位 By高橋 優太【インポート
デッキリスト
6:《山/Mountain
5:《島/Island
4:《河川滑りの小道/Riverglide Pathway
4:《嵐削りの海岸/Stormcarved Coast

2:《ストーム・ジャイアントの聖堂/Hall of Storm Giants
21 lands


1:《黄金架のドラゴン/Goldspan Dragon
1:《溺神の信奉者、リーア/Lier, Disciple of the Drowned
1:《船砕きの怪物/Hullbreaker Horror

3 creatures

4:《表現の反復/Expressive Iteration
3:《アールンドの天啓/Alrund’s Epiphany
2:《轟く叱責/Thundering Rebuke
4:《棘平原の危険/Spikefield Hazard
4:《ゼロ除算/Divide by Zero
4:《予想外の授かり物/Unexpected Windfall
3:《ジュワー島の撹乱/Jwari Disruption
3:《感電の反復/Galvanic Iteration
2:《削剥/Abrade
2:《多元宇宙の警告/Behold the Multiverse
1:《燃えがら地獄/Cinderclasm
1:《消えゆく希望/Fading Hope
1:《襲来の予測/Saw It Coming
1:《悪魔の稲妻/Demon Bolt
1《否認/Negate
36 other spells


4:《くすぶる卵/Smoldering Egg
2:《バーニング・ハンズ/Burning Hands
1:《才能の試験/Test of Talents
1:《消えゆく希望/Fading Hope
1:《燃えがら地獄/Cinderclasm
1:《環境科学/Environmental Sciences
1:《マスコット展示会/Mascot Exhibition
1:《アルカイックの教え/Teachings of the Archaics

1:《船砕きの怪物/Hullbreaker Horror
1:《悪魔の稲妻/Demon Bolt
1:《プリズマリの命令/Prismari Command
15 sideboard cards

先週の記事で述べたように、今はイゼット天啓がトップメタで、それを追う形で白単と緑単、その他といった形です。
先週の記事はこちら

スタンダードチームから出された結論は、イゼット天啓が最強のデッキであり、これを使うしかない一強環境とのことでした。

ドロー呪文による安定性があり、単体除去と全体除去が揃っており、僕も同感だったのでイゼット天啓を使用。

自分たちがそう考えている以上、他の参加者たちも同様にイゼット天啓を使う可能性が高いため、《多元宇宙の警告》をメインから採用。

イゼット天啓は打ち消しを構えてドローゴーする展開になりやすいので、エンド時に仕掛けられるドロー呪文が重要です。予顕でマナを先払いできる点、《感電の反復でコピーできる点から、《記憶の氾濫》よりも《多元宇宙の警告に軍配が上がりました。

記憶の氾濫》は《感電の反復でコピーしても意味がありませんし、7マナでフラッシュバックするターンが《ゼロ除算に弱かったり《船砕きの怪物》のマナ域と被ったりで、今はあまり強くありません。

クリーチャーの選択は、どれも「ゲーム中1枚は引きたいが重なると弱い」という意見から、それぞれ1枚ずつに。クリーチャーを少なくすることで、相手の除去を手札で腐らせる狙いもあります。

新戦力の《船砕きの怪物はイゼットミラーに強いように見えますが、《ゼロ除算》《消えゆく希望で大幅にテンポを取られてしまうので扱いの難しいカードです。

僕だけサイドに追加で入れたのですが、7マナのカードだらけになってしまい失敗でした。入れても1枚が良さそう。

逆に《黄金架のドラゴン》は《予想外の授かり物との相性が素晴らしく、相手が《才能の試験》や《蛇皮のヴェールを構えているような時に仕掛けやすいカードでもあります。

黄金架のドラゴン》4枚のドラゴン型だと、5マナのソーサリーアクションが多すぎて同系に弱い原因になりますが、1枚引くと天啓コンボを推し進めてくれるので、2枚が適正だったのかなと感じています。

溺神の信奉者、リーアは緑単や白単の盤面を除去した後のゴールであり、手札を消耗するマッチにおいて強いカードです。しかしイゼット同系では出したターンに弱く、黒系の《真っ白での追放効果もきついので、1枚程度の印象です。

くすぶる卵はかなり多くのマッチでサイドインする良いカードではあるのですが、メインはコンボを重視して相手の除去を腐らせるのが狙いなので、サイドボードに4枚です。

イゼット天啓は特に後半が強いデッキなので、2ターン目をパスしない事を重視したくて、他のチームメイトたちよりもメインに少し除去を多くしました。

今のスタンダードは《ウルヴェンワルドの奇異》《エシカの戦車など3点火力と4点火力で除去できる範囲に差があるので、少し4点を多め。緑単にガードを下げたくなかったので《バーニング・ハンズ》も。

■ヒストリック「イゼットフェニックス」

イニストラード・チャンピオンシップ:8位 By高橋 優太【インポート
デッキリスト
3:《山/Mountain
3:《島/Island

4:《河川滑りの小道/Riverglide Pathway
4:《蒸気孔/Steam Vents
4:《硫黄の滝/Sulfur Falls

2:《寓話の小道/Fabled Passage
20 lands


4:《ドラゴンの怒りの媒介者/Dragon’s Rage Channeler
1:《厚かましい借り手/Brazen Borrower

4:《弧光のフェニックス/Arclight Phoenix
3:《弾けるドレイク/Crackling Drake

2:《アゴナスの雄牛/Ox of Agonas
14 creatures

4:《信仰無き物あさり/Faithless Looting
4:《考慮/Consider
4:《選択/Opt

4:《邪悪な熱気/Unholy Heat
3:《炎恵みの稲妻/Flame-Blessed Bolt
1:《棘平原の危険/Spikefield Hazard
4:《表現の反復/Expressive Iteration
1:《霊気の疾風/Aether Gust

1:《神秘の論争/Mystical Dispute
26 other spells


1:《厚かましい借り手/Brazen Borrower
2:《魂標ランタン/Soul-Guide Lantern
2:《両手撃ち/Dual Shot
2:《否認/Negate
1:《削剥/Abrade
1:《霊気の疾風/Aether Gust
2:《神秘の論争/Mystical Dispute
1:《プリズマリの命令/Prismari Command
1:《焼けつく双陽/Sweltering Suns
1:《覆いを割く者、ナーセット/Narset, Parter of Veils
1:《反逆の先導者、チャンドラ/Chandra, Torch of Defiance
15 sideboard cards

『Jumpstart: Historic Horizons』で《ドラゴンの怒りの媒介者》の高速クロックと《邪悪な熱気による広範囲除去が加わり、強化されたイゼットフェニックス。

特に《ドラゴンの怒りの媒介者は生き残ると、諜報でライブラリーをガンガン掘り進め、《弧光のフェニックス》《アゴナスの雄牛に辿り着きやすくしてくれます。

選択》《考慮》《信仰無き物あさりなど、1マナのドロー呪文が多く、事故が起こりにくい安定したデッキであることも長所です。

今回のヒストリック練習で最終候補に残ったのはゴルガリフードとイゼットフェニックスの2つ。

メインから《魂標ランタン》が入っており、全体除去の《食肉鉤虐殺事件がクリーチャーの横並べにも強く、ゴルガリフードはイゼットに7:3で有利です。イゼットフェニックスに強いことから、チームメイトたちはゴルガリフードを選択しました。

しかし僕はフード系のデッキに苦手意識があり、逆に《表現の反復》デッキのプレイには自信があったので、使い慣れたデッキを選ぶことにしました。

インスタントのドロー呪文を多用するデッキの方が自分のプレイが活きやすいとの判断で、途中のラウンドまでは良かったのですが、後々痛い目を見ることになります。

セレズニア人間カンパニーの《エスパーの歩哨》《スレイベンの守護者、サリア》、ヘリオッドカンパニーの《魂の管理人》など、タフネス1を意識していたため、《両手撃ちを2枚サイドボードに。

ただ、セレズニア系以外にサイドインできる相手が少ないので、他のクリーチャーデッキも見て《神々の憤怒にすべきでした。イゼットフェニックスの同系対決で、後手では特に《神々の憤怒》が必要です。

サイド後イゼットコントロールに変形できるように少し重いプレインズウォーカーを採用しましたが、これは失敗だったかも知れません。

ヒストリックは1マナと2マナのマナ効率がとても重視される早い環境なので、準優勝したSimon選手のように《秘密を掘り下げる者で1マナに寄せたアプローチの方が勝てたかも。

ただ、単体除去や《波乱の悪魔》《よろめく怪異といったカードに弱くなる原因でもあります。

■大会結果

スタンダード

〇イゼット天啓
×ディミーアコントロール
〇黒単ゾンビ
〇イゼット天啓
×白単アグロ
〇黒単コントロール
〇緑単アグロ
〇イゼット天啓

ヒストリック

〇5色二ヴミゼット
〇セレズニア人間カンパニー
〇ゴルガリフード
×イゼットフェニックス
〇ディミーアコントロール
×イゼットフェニックス
〇ジャンド城塞

スタンダード6-2、ヒストリック5-2、合計11-4でトップ8へ。

決勝(ヒストリック)

×ゴルガリフード
×ゴルガリフード

残念ながら、トップ8は不利なゴルガリ2連戦で敢えなく沈没。

■おわりに

トップ8は勝っても負けてもゴルガリフード包囲網でした。不利マッチであることを承知でイゼットフェニックスをデッキ登録したので、退路なし!


しかし世界選手権に続いて結果を残せたことはとても嬉しく、チームメイトたちが来年の世界選手権を獲得したことで、最高の環境で練習が出来そうです。ワクワク♪

これにて今年の競技イベントはひとまず終わり。しばらくはモダンやレガシーをカジュアルに遊んで行きます。配信もよろしく!
それではまた。


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