MTG │ 新弾レビュー │ 高橋優太【『イニストラード:真紅の契り』】
早いもので、「イニストラード:真紅の契り」のフルスポイラーが発表されました!
今回は過去のスタンダードで活躍した《中略》《英雄の破滅》《削剥》がナイス再録!
他にも2マナ以下の基本的な呪文がアップグレードされており、スタンダード環境に一石を投じるセットとなりそうです。
各色の注目カードを紹介していきます。
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■白
単体除去や全体除去を避けることが出来ます。
先制攻撃を得ることができるので、戦闘で倒すのは意外と難しそう。
除去しづらい2マナ3/1といえば《アダントの先兵》を思い出しますが、あちらはスタンダードで大活躍でした。《束の間の霊魂》も十分通用する性能に見えます。
《ガラスの棺》がスタン落ちして久しく、《ポータブル・ホール》は軽くてテンポが良いものの、除去できる範囲が狭いという短所がありました。
スタンダードは3マナに《老樹林のトロール》《傑士の神、レーデイン》といった除去しなければいけないクリーチャーがいるので、《監禁の円環》も少量は使われるでしょう。
2ターン目にパワー3を用意できれば、一緒に2回攻撃することで「訓練」により3/4までサイズアップします。1マナクリーチャーとしては破格!
先ほど紹介した《束の間の霊魂》と合わせて、1ターン目《有望な信徒》からの白単アグロが出来そう。
《光輝王の野心家》でカウンターを乗せた場合でも3マナの能力を起動できるので、相手の《エシカの戦車》を割りましょう。後半トップデッキしたときに弱いですが、それでも4枚使いそう。
自分の除去されたクリーチャーを墓地から追放して、《オリバクの救済者》が場を離れたときに戻せます。
ただ、他の《スカイクレイブの亡霊》と比べて相手のカードを除去するのに攻撃する必要があり、出たターンがただの1/2なのが残念。残念ながら《スカイクレイブの亡霊》《粗暴な聖戦士》が優先かな。
スタンダードは《感電の反復》《アールンドの天啓》を中心にしたイゼット系のデッキが活躍しており、それに待ったをかけるのが《スレイベンの守護者、サリア》。
既にモダンやレガシーでも実績は証明済み、白単アグロで間違いなく使われるでしょう。
《くすぶる卵》《黄金架のドラゴン》《溺神の信奉者、リーア》《老樹林のトロール》《エシカの戦車》と、今はタフネス4の強いクリーチャーが環境に多いので、除去としての信頼性が高い!
自分の《黄金架のドラゴン》を守る使い方でも強そう!白を使うなら《勇敢な姿勢》といった時代になりそう。
《アジャニの群れ仲間》より2段階強くなった《祝福されし者の声》。
モダンのソウル・シスターズ、ついに来るか?
本体のスタッツが良く、ドロー能力で息切れを防いでくれるので白単アグロの採用候補。
ただ3マナは《精鋭呪文縛り》《傑士の神、レーデイン》《スカイクレイブの亡霊》と競合も多いので、採用枚数が難しいところ。2枚程度かな。
■青
インスタントを追放できれば、継続してアドバンテージが取れそう。《考慮》やインスタントの打ち消し呪文でデッキを組めば活躍しそうに見えます。
ただ2/3というサイズが3マナにしては中途半端で、少し物足りなさがあります。
《通りの悪霊》をサイクリングすれば1ターン目に出せますね。
追加コストは厳しい条件ですが、相性の良いカードが出れば化けそう。今後に期待。
土地以外で1つだけパーマネントを選ぶ、《悲劇的な傲慢》に少し似ているカードです。
パーマネントを沢山並べるトークンデッキに対して強いですし、盤面が並ぶ統率者戦でも人気が出そう。
2マナで《マナ漏出》として使えたら、スタンダードの打ち消し呪文としては最上級。「降霊」持ちの裏面はスピリットですし、案外使いやすそう。
レガシーで《再活性》や《実物提示教育》したくなる性能。呪文もバウンス出来るので、場に出た後の制圧力は圧倒的です。
打ち消されない能力があるので、後半長引いたときに7マナでキャストすることも十分あり得る。
統率者なら《魔力の墓所》《太陽の指輪》を揃えてバウンスし続ければ無限マナも狙えます。
打ち消し呪文の欠点として「相手が動かなかった場合に自分がマナ損をしてしまう」という性質があるのですが、《過充電縫合体》は本体が3/3飛行なので、とりあえずエンド前に出すのも良いです。
トークンや降霊で生贄用のクリーチャーを用意する必要があるので、コントロールデッキでは使いにくいです。青白向けのカードかな。
追放効果があるので、降霊やフラッシュバック持ちを後腐れなく打ち消せます。
コントロールデッキに合った2マナ域ですが、たくさん入れすぎると自分のマナ要求が多すぎるので、2枚くらいが良さそう。過去のスタンダードでもそうでした。
役割としては《ジュワー島の撹乱》に少し似ており、こちらは事故防止も兼ね揃えているので、枚数が難しい。
予顕した《アールンドの天啓》なら1マナで打ち消せますね。降霊やフラッシュバックも1マナで打ち消せます。
特に青に強いので、サイドボードに採用されそう。
2マナでダメージを与えた時に1ドローするクリーチャー、実はマジック史上初です。今まではルーターだったり、3マナだったりしました。
しかし似た効果でブロックされない《怪しげな密航者》がイマイチだったことを考えると、ダメかな。イラストは最高に可愛い。
■黒
相手が呪文を唱えるたびに血・トークンが増えるので、攻撃時に7/6くらいのサイズになりそう。
ただ今回《英雄の破滅》が再録したこともあり、また《消えゆく希望》にも弱いので、現時点での評価はイマイチです。
カードアドバンテージが取りにくいパウパーでは、3マナ2/2+アドバンテージは重要。1点ゲイン土地から4ターン目にプレイすることが多いと思います。
ライブラリーを13枚追放するのはキーカードを減らしてしまうデメリットですが、使い方次第ではメリットにもなります。
例えば追放領域から唱えられる《霧虚ろのグリフィン》《永遠の災い魔》だったり、ライブラリーを減らすことで《タッサの神託者》の勝利条件を早く達成したりなど。
《コジレックの審問》と違い3マナのカードを落とせないのが欠点ですが、それでも使用に耐えうるレベルの手札破壊です。
多くの場合、初手キープの基準になるのは2マナ以下のカードなので、手札破壊で相手の初動を抑えられる点が良し。切除で確定ハンデスになるのも悪くない。
ターン1回制限こそついているものの、自分のターンと相手のターンにそれぞれ1回ずつトークンを出せます。
血・トークン起動でも良いですし、《信仰無き物あさり》のような手札入れ替えカードでも良いので、デッキの中心になりそうなカードです。
疑似マッドネス。手札から捨てた時は誘発型能力なので、打ち消されないのもポイント。
もしかしたらモダン以下での活躍もあるかも。
《墓の肉裂き》の濫用で自身を生贄にすれば、2マナで「対象のプレインズウォーカーを破壊する」も出来るので、呪文のように使えます。
2マナ3/3でデメリット持ちですが、それでもクリーチャーorプレインズウォーカー除去と考えると強そう。《夢の巣のルールス》や《立身+出世》で再利用可能なプレインズウォーカー除去というのも長所です。
能力は強いんです。しかしサイズが悪い!
現在イゼット系が採用している《棘平原の危険》をモロに食らってしまい、しかも追放なのでトークンも出ません。これなら2/2の方が良かった!
《棘平原の危険》は土地スロットでもあるので採用するのが簡単で、実際に多くのイゼット系デッキで採用されています。《棘平原の危険》があるうちは《首無し騎手》は出番が少なそう。
強いプレインズウォーカーの条件として、「継続したアドバンテージ」「自信を守る能力」の2つが必要とされています。
《不笑のソリン》は【+1】で《闇の腹心》効果で、ライフ喪失が厳しいときは手札に加えないことも選べます。【-2】で出てくるトークンは3マナ相当の能力であり、ソリンを守りやすい。
【-2】【+1】を往復するのが基本的な動きになりそうですが、【-2】2回で使い捨てても強いですし、なかなか優秀なプレインズウォーカーに見えます。デッキに2枚くらいかな。
序盤ブロッカーになって、変身すると3/4威迫+ドローはされるものの、手札破壊。
0/4というサイズがブロッカーとして機能するのは《くすぶる卵》で証明済み。裏面が軽くて強いので、今後黒の主力クリーチャーになりそうです。4枚揃える枠。
2マナ2/1飛行で除去されたときにオマケつき、変身したら飛行5点クロック。
書いてあることはかなり強いので、いかに血・トークンを5個生成するかです。幸い黒はクリーチャーの生贄が得意な色なので、吸血鬼シナジーに寄せなくても血・トークン5個は達成できそう。
■赤
ナイス再録。2マナ3点としても強い除去で、《エシカの戦車》《セレスタス》も破壊できます。
今後赤の基本的な除去になっていくでしょう。《削剥》が出たことで、アーティファクトの価値は下がるかも知れません。
7マナで使う追加ターン呪文としては、基本的に《アールンドの天啓》の方が強いです。
ただ赤アグロデッキが最後の一押しとして追加ターンを得る使い方も出来そう。《白金の天使》や《試練に臨むギデオン》の紋章などで「ゲームに敗北しない」状況を作れば、3マナの追加ターンとしても使えますね。
《戦慄衆の秘儀術師》と相性が良く、パワーを上げることでフラッシュバック出来る呪文の範囲を広げられます。2枚目、3枚目と重なると打点も大幅アップ!
ただ、クリーチャーが1体もいないとプレイできないのが難点。相手のクリーチャーに撃って1ドローすることも頻発しそう。
赤の墓地対策として使えるクリーチャーは珍しく、なおかつ2/1先制攻撃というなかなかの戦闘能力です。
モダンやレガシーでは1ターンにインスタントやソーサリーを沢山唱えるデッキもあるので、それに対して2点与えるヘイトベアーとして中々強い!サイドボードで見かけることになりそう。
「継続してアドバンテージ」は得ることが出来ますが、戦場に出たターンに「自身を守る能力」が無いのが難点。
対コントロールなど、遅いデッキに対するサイドボード枠かな。
《猛火の斉射》《マグマのしぶき》のアップデート版で、両方ともプレインズウォーカーにダメージが飛ぶようになりました。
特に《炎恵みの稲妻》は、《弧光のフェニックス》が活躍するパイオニアやヒストリックで良く使われるようになるでしょう。
召喚酔いしない《熱錬金術師》と考えると強そう。2種類とも入れた赤単バーンがパウパーで活躍するかも。
4マナ以上のクリーチャーは、戦場に出たときに何か効果を発揮するか、あるいは速攻を持っていたりしないと、自分より低いコストの除去との交換で損になりやすいです。
確かに《マナ形成のヘルカイト》は生き残れば大ダメージを与える能力なのですが、除去耐性がゼロなので使用には耐えなそう。
《表現の反復》が100点だとしたら、《無謀なる衝動》は50点くらいです。かなりの弱体化。
ただ単色ということで赤単でも使えて、コモンなのでパウパーのストームでも候補になるかも。
《燃えがら地獄》に加えてもう1種類、インスタントの全体ダメージが増えましたね。
《燃えがら地獄》はキッカーコストの赤赤が意外と捻出しづらかったので、シングルシンボルかつ血・トークンのおまけは嬉しい。
今回白単アグロが強化されそうなので、対策として《吸血鬼の復讐》もサイドボードで見そう。
■緑
緑単アグロは1マナスタートできない弱点があったので、《隆盛な群れ率い》は待望の1枚かもしれません。2回カウンターが乗ったら3マナ相当のクリーチャーになります。
ヒストリックで初手に《虚空の力線》があれば最初から3/2で出ますね。
ここ最近は両面土地やスロウランドなど2色の土地が強めで、その影響でスタンダードでも基本地形の採用枚数はかなり減少傾向です。
なので基本地形をサーチする呪文よりも、《地図作りの調査》の方がマナブーストとして強く、特に《ハイドラの巣》など、ミシュラランドをサーチできた時が強いですね。
たまに外れるリスクもありますが、マナランプ系デッキのお供に。
クリーチャーを追放できれば自分のクリーチャー呪文が軽くなり、本体も3/4警戒と高スタッツ。
《忍耐》より少し劣るかも知れませんが、継続して使える墓地対策として《緑の太陽の頂点》でサーチする候補にもなりそう。
切除すると《魔性の教示者》。ただ、1マナとしても4マナとしても効果はイマイチ。
1ターン目人間→2ターン目《スレイベンの守護者、サリア》→3ターン目《小村の先兵》と繋がれば5/5で出て、除去するのにマナがかなり必要になります。
しかし2体以上いないと3マナ3/3以下で標準スタッツより低いので、少し使いにくいかな。
現代に蘇った《熊人間》!?タフネスが2なので《棘平原の危険》されないのが大事。
《レンと七番》を出すターンを早めてくれて、《レンと七番》の【+1】能力でサイズアップする可能性も。緑単の新しい2マナ候補になるか。
■多色
ここまで強ければスタンダードでも使われるでしょう。赤黒吸血鬼を組むならまずは《税血の収穫者》4枚からスタート。
ドローが強制的にトップ2枚追放に変わるので、使い切れなかった場合に損をする能力。
しかし一時的とは言え、2倍ドローに近い能力なので、ストーム系デッキならドローエンジンとして使えるかも。もちろん統率者としても面白そう。
《渦まく知識》で6枚追放する動きは凄い!
「継続したアドバンテージ」「自身を守る能力」の2つとも無し!
《未練ある魂》などでトークンを大量生成するデッキならシナジーがありますが、3マナで出したターンに盤面に殆ど影響が無いのはマイナス評価です。
3/4飛行速攻に墓地からリア二メイトしたクリーチャーも即攻撃と、かなり爽快感のある能力。
大型クリーチャーを走らせても良いですし、伝説の吸血鬼をリアニメイトすれば、《真紅の花嫁、オリヴィア》が除去されたとしても場に残ります。
オリヴィアを統率者にしても面白そう。
ちなみに、伝説の吸血鬼でリアニメイトして強そうなのは以下の通りです。
さあ、デッキを作ってみよう!
自身もゾンビかつ、濫用でゾンビを生み出してくれます。そろそろ青黒ゾンビが組めるか?
今回は赤黒が吸血鬼の色なのですが、残念ながらエドガーは白黒。吸血鬼デッキを組むとしたら、赤黒タッチ《魅せられた花婿、エドガー》の形になるのか。
3体トークンを生成したあとに表面にするとトークンが2/2絆魂なので、実は表面の4/4よりも裏面の《エドガー・マルコフの棺》が強いように見えます。可能なら早めにエドガーを生贄にして棺の状態にしておきたいです。
■アーティファクト
今回の墓地対策は、今までのものと比較しても強め。
戦場に出た時点で狙ったカードを追放できる点で《大祖師の遺産》よりも強いタイミングがあります。《ウルザの物語》の3章能力でのサーチ先としても良し。
■土地
マジックで一番大事なのはマナベース。スロウランドは2色土地の中でもかなり強く、スタン落ちするまでずっと付き合うことになるでしょう。まずはワイルドカードをここに使います。
■おわりに
僕の選ぶトップ5はコチラ!
吸血鬼がテーマだからか、今回は黒が特に強く設定されているように感じます。
《不笑のソリン》は久々に強いプレインズウォーカーの予感!(1か月後に全然使われていなかったら笑ってください)
それではまた。