MTG │ デッキ紹介 │ 高橋優太【ヒストリック注目デッキ】
今日からMTGアリーナ上で2日制の賞金イベント「アリーナオープン」が開催されます。
初日のトーナメントで7勝することで2日目に進出でき、7勝する前に3敗してしまうとそこで終了となります。また、初日については1日に何度も参加することが可能です。
初日はBO1(サイドボードなしの試合形式)、2日目はBO3、フォーマットはヒストリックにて行われます。
ヒストリックはMTGアリーナ専用のフォーマットで、イクサラン以降の通常セットに収録されたカードや「ヒストリック・アンソロジー」シリーズなどのMTGアリーナのみに存在するセットのカードを使用でき、セットのローテーション(入れ替え)はありません。
禁止カードなどの詳細はこちらを参照してください
最新セット『Jumpstart: Historic Horizons』がリリースされたことによって激変したヒストリック。まだ大会結果も少ないため、どのデッキを使うか迷っている方も多いことでしょう。
今回の記事では、新しいヒストリックのデッキを紹介して行きます。
※ラッシュメディア記事内紹介のカードは
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■大会結果
直近でMTGMeleeで開催された2つの大会、SCG Tour Onlineを参考にしています。
参考リンク
https://mtgmelee.com/Tournament/View/7597
https://mtgmelee.com/Tournament/View/7722
■BO3 ジェスカイオパス
ジェスカイオパス | |
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デッキリスト | |
2 《ヴァントレス城》 1 《島》 4 《神聖なる泉》 2 《氷河の城砦》 2 《灌漑農地》 4 《蒸気孔》 2 《河川滑りの小道》 4 《硫黄の滝》 1 《聖なる鋳造所》 4 《ラウグリンのトライオーム》 26 Lands 4 《奔流の機械巨人/Torrential Gearhulk》 |
1 《アズカンタの探索》 4 《大魔導師の魔除け》 4 《記憶の欠落》 4 《表現の反復》 4 《稲妻のらせん》 2 《神々の憤怒》 2 《プリズマリの命令》 2 《ミジックスの熟達》 4 《マグマ・オパス》 3 《ドミナリアの英雄、テフェリー》 30 other spells 2 《神々の憤怒》 |
前環境から存在し、人気のあるジェスカイオパス。各色の強いカードを詰め込んだグッドスタッフと言えるデッキです。
MTGアリーナ上で人気のあるデッキなので、どんなデッキを組むにしてもまずはこのジェスカイオパスを意識したい、Tier1と言えるデッキです。
全て受けに回るジェスカイコントロールとの差異は、自分から攻めていける《マグマ・オパス》《奔流の機械巨人》のコンボがある点です。
「5/6瞬速」+「4点ダメージ振り分け」+「4/4トークン生成」+「2ドロー」とまるで根本原理のような威力があり、特にアグロデッキに対して有利なデッキ構造になっています。
ただその反面、《マグマ・オパス》《奔流の機械巨人》はどちらも《神秘の論争》に弱いため、打ち消し多めの《サメ台風》型ジェスカイコントロール相手にメインで少し不利という点もあります。
アグロを見るならオパス、ジェスカイ対決を見るならサメといった所ですね。
打ち消し、ドロー、1マナ奪取と広範囲に使える呪文であり、《奔流の機械巨人》との相性も良い。
《大魔導師の魔除け》はジェスカイコントロールなどの青系デッキを躍進させるカードだと考えています。マナベースは青マナに寄せる必要があり、このカードを入れるなら最低20枚は青マナが欲しいです。
《表現の反復》はヒストリックで最も強力なリソース供給であり、中速デッキ対決はこのカードを引いた枚数で勝負が決まると言っても過言ではありません。
もしミッドレンジやコントロールなどの中速のデッキを組むなら、まずは《表現の反復》4枚からデッキ構築をする。そう考えてよいほど、環境を定義しているカードだと思います。
ジェスカイコントロールデッキ対決では、サイドボード後はお互いが打ち消し呪文を構えあってターンを終了する展開になることが多いです。
お互いに構えあうゲームでは相手のエンド時に仕掛けられる《サメ台風》がゲームの起点になり、サイド後は《サメ台風》を多く引いた方が有利になりやすいです。
《終局の始まり》は5枚目の《サメ台風》といったイメージで、コントロール対決を重く見たいときに採用するカードです。
新加入の《ポータブル・ホール》は除去できる範囲が広く、特にジャンドフードの《パンくずの道標》《魔女のかまど》を対処できる点が高評価。
■BO3 ラクドスアルカニスト
ラクドスアルカニスト | |
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デッキリスト | |
4 《沼》 2 《山》 2 《バグベアの居住地》 1 《目玉の暴君の住処》 4 《血の墓所》 3 《竜髑髏の山頂》 4 《荒廃踏みの小道》 3 《寓話の小道》 23 Lands 4 《ドラゴンの怒りの媒介者》 |
2 《コジレックの審問》 3 《思考囲い》 2 《信仰無き物あさり》 2 《立身+出世》 4 《村の儀式》 4 《邪悪な熱気》 1 《魂標ランタン》 2 《コラガンの命令》 20 other spells 1 《魂標ランタン》 相棒 |
まず目を引くのは《ドラゴンの怒りの媒介者》《邪悪な熱気》でしょう。既にモダンやレガシーなどの環境でも活躍しており、非常に効率の良い1マナ域です。
ただし問題となるのは昂揚達成が難しい点で、《ミシュラのガラクタ》もフェッチランドも存在しないヒストリックではデッキ構築が難しい。
インスタント・ソーサリー・クリーチャーの3種類は墓地に落としやすいので、残るもう1種類をどうするかが課題になります。
《ドラゴンの怒りの媒介者》《邪悪な熱気》を上手く使うためには、早めに昂揚を達成したい。そのために必要なのは1マナのインスタントやソーサリーを複数採用して諜報を繰り返すこと。そう考えた時に、真っ先に思いつくのは手札破壊です。
《思考囲い》《コジレックの審問》は他のフォーマットでも活躍する超優秀な手札破壊で、1+1+1の序盤の動きを安定させてくれます。
手札破壊から軽いクリーチャーの脅威を仕掛ける、いわゆる「ジャンド系」デッキの構造が出来上がります。
1ターン目手札破壊から2ターン目《戦慄衆の秘儀術師》は特にコントロールデッキに対して強い構造であり、ヒストリックで人気のジェスカイコントロール系デッキ相手に優位にゲームを進めることができます。
手札破壊や諜報により自然と墓地が溜まるので、墓地から戻るフィニッシャーである《死の飢えのタイタン、クロクサ》はデッキのカードと非常に噛み合っています。
昂揚達成の為の《寓話の小道》ですが、ヒストリックは高速化しており序盤のタップインが致命的になることが多いです。
マナベースはまだまだ検討の余地がありますが、《寓話の小道》を全く採用しないと昂揚が難しいので3枚は最低限必要な枚数に思えます。
墓地対策に対して非常に弱いので、《安らかなる眠り》を破壊するための《大群への給餌》はお忘れなく。
■BO1とは?
「アリーナオープン」の初日はBO1(サイドボードなしの試合形式)で行われます。
1ゲームのみなので「サイド後対策されやすいがメインはブン回れば勝ち」のようなデッキ選択が肯定されやすいです。
BO1フォーマットに大きな影響を与えたのが《混沌の辛苦》。デッキに入れる3マナ以下のカードを《ティボルトの計略》のみにすることで、続唱により確定で《ティボルトの計略》を唱えることができます。
そしてスタック上にある《混沌の辛苦》を対象に《ティボルトの計略》を唱えて、《精霊龍、ウギン》《絶え間ない飢餓、ウラモグ》をマナコストを無視しながら唱えるという豪快なデッキです。
《混沌の辛苦》がキーカードなのでこれを引くまでマリガンしなければならないことと、打ち消し呪文や《スレイベンの守護者、サリア》《エメリアのアルコン》などの弱点も多いことから、サイドボードありのBO3には向いていません。
ただし回った時の破壊力は環境随一。1本勝負で対策されにくいBO1ならではのデッキと言えます。
《混沌の辛苦》デッキを倒すための条件としては3つ。
1.序盤から攻めて、4ターン目ウラモグでも返しで勝てるような場を作る。
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2.《スレイベンの守護者、サリア》などヘイトベアーで《混沌の辛苦》を唱えさせない。
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3.打ち消し呪文を大量に入れて、《ティボルトの計略》を全部打ち消す。
ただ、3の戦略は1と2に対して弱いので、1の超速攻デッキか、2のヘイトベアー戦略を選ぶのがおススメです。
BO1用のデッキも紹介していきます。
■BO1オススメ 赤単マッドネス
赤単マッドネス | |
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デッキリスト | |
15 《山》 2 《エンバレス城》 3 《バグベアの居住地》 20 Lands 4 《ボーマットの急使》 |
4 《信仰無き物あさり》 4 《癇しゃく》 4 《邪悪な熱気》 12 other spells 1 《獲物貫き、オボシュ》 相棒 |
《ドラゴンの怒りの媒介者》《邪悪な熱気》を上手く使えるのが、この赤単マッドネス。手札を高速で使い切る赤単なら《ボーマットの急使》は後半の手札補充になりますし、アーティファクトであるため昂揚達成にも一役買ってくれます。
赤には2種類のマッドネス呪文《猛火のルートワラ》《癇しゃく》があるため、手札を捨てる《信仰無き物あさり》《傲慢な新生子》との相性が抜群。
《信仰無き物あさり》《傲慢な新生子》で手札を整えながら展開して、通常ではデメリットになる「手札を捨てる」能力をメリットに変換、0マナと1マナで爆発的に展開していきます。
《歴戦の紅蓮術士》は手札の入れ替えと、後半もトークン生成で消耗戦に強いカード。もちろん捨てたカードをマッドネスしても良し。誘発型能力で捨てる手札が1枚以下でも、カードは2枚引くことができることを覚えておきましょう。
手札を捨てることにより2コスト軽減される《虚ろな者》。《信仰無き物あさり》《歴戦の紅蓮術士》を経由すれば1マナでプレイでき、3枚捨てたら0マナになります。アーティファクトなので昂揚達成にも貢献します。
1マナ域が多く手札を使い切るデッキなので、後半の息切れ防止で《アゴナスの雄牛》も採用されています。《信仰無き物あさり》や《歴戦の紅蓮術士》で墓地に置いておくカードとしては最適で、《ドラゴンの怒りの媒介者》の諜報で墓地の枚数を稼いだりと、脱出8枚の条件達成もそこまで難しくありません。
プレイが簡単で安定性も高いので、BO1でまず最初に回すならこの赤単マッドネスをオススメします。
■BO1オススメ 白単人間
白単人間 | |
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デッキリスト | |
19 《冠雪の平地》 3 《不詳の安息地》 22 Lands 3 《無私の救助犬》 |
3 《石の宣告》 3 other spells
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相手の非クリーチャー呪文のマナを増やす《エスパーの歩哨》《スレイベンの守護者、サリア》と、手札からキーカードを抜く《精鋭呪文縛り》。
相手の行動を制限するクリーチャーを並べて攻撃することをヘイトベアー戦略と言います。ヘイトベアー戦略は《混沌の辛苦》デッキに強いだけではなく、ジェスカイコントロールに対しても効果的な戦略です。
『Jumpstart: Historic Horizons』で新加入した《イーオスのレインジャー長》。非クリーチャー呪文を唱えられなくするので、《混沌の辛苦》にスタックで生贄にすることで《ティボルトの計略》を防ぐことができます。
1マナのクリーチャーサーチ能力も強く、除去したいときは《巨人落とし》、盤面を強化したいときは《月皇ミケウス》と多岐に渡って活躍します。
デッキのほとんどのクリーチャーが人間なので、《サリアの副官》で全体強化。ちなみに《不詳の安息地》もクリーチャー化すれば+1/+1カウンターが乗ります。
■おわりに
「アリーナオープン」のため、新デッキを紹介していきました。
初日のBO1は赤単マッドネスもしくは白単人間が簡単かつ強いので、特にオススメです。
僕自身も「アリーナオープン」に参加予定で、うまく初日を突破できたらまたデッキをTwitter上に掲載していきますので、そちらも参考にしてください。
それではまた。