MTG │ 大会レポート │ 高橋優太【MRL#7 -サイクリング + イゼットフェニックス -】

 

※ラッシュメディア記事内紹介のカードは
カード名のリンク、記事末尾の
バナーを
クリックで通販サイトへアクセスできます

通販サイト(https://www.cardrush-mtg.jp/)

■これまでのライバルズリーグあらすじ

ライバルズリーグでの好成績を目指すため、同じくリーグメンバーである井川、佐藤、熊谷、原根と共に修行を続けるタカハシ。

しかしリーグ戦の相手は歴戦の猛者たち。果たしてリーグメンバーの命運やいかに・・・

4月リーグ、ジャンドフードでの大敗により5勝7敗で13位に陥落。このときのジャンドフードは1-5で、過去最低の成績。

このシーズンから2フォーマットとなった事で、練習のための時間が全く足りなかったことがチーム全体での反省点。

上位を目指すためには勝率7割以上を維持する必要があり、いきなり崖っぷちとなったタカハシ。

5月リーグ、スゥルタイ根本原理とグリクシスパクトにより8勝4敗、8位に上昇。

このときのグリクシスパクトはヒストリック環境内で明らかに突出したデッキであり、強すぎてリーグ直後に《タッサの神託者》が禁止。

禁止級に強いデッキを選べたのは協力者の力が非常に大きかった。

6月、ストリクスヘイブンチャンピオンシップ。

ディミーアローグとイゼットフェニックスで11勝4敗、13位。これによりリーグ内5位に上昇。4位のLuis Scott-Vargasとは1点差で、逆転も現実的なラインに。

最後のリーグ戦で4位に入賞できれば世界選手権&MPLというゴールがあり、これまでのマジック人生で最大のチャンスを迎えたタカハシ。

自分に出来る限りの準備をすると心に誓うのであった。

■スタンダード:サイクリング

サイクリング
デッキリスト
4《ラウグリンのトライオーム/Raugrin Triome
1《サヴァイのトライオーム/Savai Triome
4《河川滑りの小道/Riverglide Pathway
4《連門の小道/Hengegate Pathway
4《針縁の小道/Needleverge Pathway
1《陽光昇りの小道/Brightclimb Pathway
1《清水の小道/Clearwater Pathway
1《荒廃踏みの小道/Blightstep Pathway
20 lands


4《繁栄の狐/Flourishing Fox
4《雄々しい救出者/Valiant Rescuer
3《ドラニスの刺突者/Drannith Stinger
4《アイレンクラッグの紅蓮術師/Irencrag Pyromancer
15 creatures

2《軽蔑的な一撃/Disdainful Stroke
4《型破りな協力/Improbable Alliance
3《驚くべき発育/Startling Development
2《血の希求/Go for Blood
2《切り裂かれた帆/Shredded Sails
4《記憶漏出/Memory Leak
4《天頂の閃光/Zenith Flare
4《願い与えの加護/Boon of the Wish-Giver
25 other spells


2《レッドキャップの乱闘/Redcap Melee
2《軽蔑的な一撃/Disdainful Stroke
2《否認/Negate
3《火の予言/Fire Prophecy
2《巨人落とし/Giant Killer
2《神秘の論争/Mystical Dispute
1《夢の巣のルールス/Lurrus of the Dream-Den
1《魂標ランタン/Soul-Guide Lantern
15 sideboard cards

サイクリングを繰り返しながら《繁栄の狐》やトークンで攻めて、最後は《天頂の閃光》でフィニッシュするデッキです。

デッキの殆どのカードがサイクリングを持つため常に選択肢が多く、おそらくスタンダードで最も難しいデッキでもあります。

長らく続いた事でスタンダード環境は固まっており、スゥルタイ根本原理・サイクリング・ディミーアローグなど、ある程度強いデッキの種類も絞られていました。

僕自身も最初は使い慣れたスゥルタイ根本原理・ディミーアローグが候補でした。

しかしチーム内の練習結果を参照したところ、サイクリングがスゥルタイ根本原理に少し有利というデータが出ました。

これはサイクリングが持つ《繁栄の狐》やトークンでの攻めに対してスゥルタイ側が除去を適切に引く必要があり、しかし除去を引くだけでは《天頂の閃光》の連打を防ぐことが出来ないなど、サイクリング側の多角的な攻めがその理由です。

サイクリングのリストが精査されて《記憶漏出》がメイン4枚になった事も、スゥルタイに対して有利な理由の一つです。

記憶漏出》は基本的にはサイクリングですが、中速デッキ相手には3マナでプレイする事も多いです。ドローの多いデッキなので黒マナ4枚でもたどり着けて、意外とプレイできます。

これにより手札破壊のあるコントロールデッキとして動く事が出来るようになり、中速デッキ全般に対する相性が大きく改善されました。

記憶漏出》で相手の手札を除去だけにしてから《願い与えの加護》で4ドローと、まるでコントロールのような動きもすることが出来て、サイド後にはスゥルタイに対して有効な打ち消し呪文も増えます。

序盤はクリーチャー除去が必要、中盤は《型破りな協力》を破壊する《古き神々への拘束》が必要、終盤は除去を手札に抱えたまま《天頂の閃光》《願い与えの加護》されるパターンもありと、スゥルタイ根本原理が嫌がる動きをサイクリング側が的確に突いていきます。

スゥルタイ根本原理はリーグ戦でも人気があるため、サイクリングがスゥルタイに少し有利なのは大きな加点要素です。

また、ディミーアローグに対してもサイクリングは有利です。

ローグはデッキの構造上相手のライブラリーを切削する性質を持つため、自動的に《天頂の閃光》の威力が上がっていきます。

「《天頂の閃光》を《湖での水難》で打ち消せば問題ない」という意見もあるかも知れませんが、問題は「常に《天頂の閃光》のためにマナを使いきれない状況を作らされてしまう」ことです。

フルタップしたら《天頂の閃光》が通ってしまう、だからと言って展開しないと《型破りな協力》《アイレンクラッグの紅蓮術師》で盤面を制圧されていく。常に不自由な2択を迫られて、良い場を作りにくく、それこそが不利だと感じる箇所です。

ディミーアローグは僕の好きなデッキですが、サイクリングに不利であることと、スゥルタイ根本原理に思ったほど勝率を上げられなかったことで断念(約46%)

サイクリングというデッキが最も弱点が少なくスゥルタイ根本原理に少し有利で、その上で他のどんな相手にも戦えるデッキと考えたので、チーム全員でサイクリングを選択しました。

夢の巣のルールス》は主にスゥルタイ根本原理に対して、サイド後から《アイレンクラッグの紅蓮術師》をサイドアウトして「相棒」に設定します。

型破りな協力》が《古き神々への拘束》で破壊されてもルールスで回収でき、対処しなければ行けないパーマネントが2つ出せます。

夢の巣のルールス》相棒と《記憶漏出》《願い与えの加護》こそがスゥルタイ相手の長期戦を支えています。

巨人落とし》は、サイクリングが対処しにくい《長老ガーガロス》《星界の大蛇、コーマ》への回答です。

サイクリング側がサイド後に《軽蔑的な一撃》を増やすことを予測して、スゥルタイもサイド後に《強迫》《神秘の論争》で《長老ガーガロス》を通す動きをして来ます。その点《巨人落とし》であれば、《強迫》《神秘の論争》のどちらも当たりにくい。
リーグ戦の上位者のこれまでのデッキ履歴から《長老ガーガロス》多めのスゥルタイ根本原理を予想したので、相手のプレイに裏目を作る役割で《巨人落とし》を2枚採用しました。

■ヒストリック:イゼットフェニックス

イゼットフェニックス
デッキリスト
4《蒸気孔/Steam Vents
4《硫黄の滝/Sulfur Falls
4《河川滑りの小道/Riverglide Pathway
3《寓話の小道/Fabled Passage
3《島/Island
3《山/Mountain
21 lands


4《スプライトのドラゴン/Sprite Dragon
1《厚かましい借り手/Brazen Borrower
2《嵐翼の精体/Stormwing Entity
4《弧光のフェニックス/Arclight Phoenix
2《弾けるドレイク/Crackling Drake
2《アゴナスの雄牛/Ox of Agonas
15 creatures

4《渦まく知識/Brainstorm
4《選択/Opt
4《信仰無き物あさり/Faithless Looting
2《稲妻の斧/Lightning Axe
2《マグマのしぶき/Magma Spray
4《表現の反復/Expressive Iteration
1《丸焼き/Fry
2《神秘の論争/Mystical Dispute
1《約束の終焉/Finale of Promise
24 other spells


2《否認/Negate
2《厚かましい借り手/Brazen Borrower
1《神秘の論争/Mystical Dispute
1《軽蔑的な一撃/Disdainful Stroke
2《丸焼き/Fry
2《憤怒/Anger
2《溶岩コイル/Lava Coil
1《型破りな協力/Improbable Alliance
2《魂標ランタン/Soul-Guide Lantern
15 sideboard cards

チーム内の調整で、僕は主にヒストリックを担当。

練習を続けた結果、イゼットフェニックス・青白オーラ・5色《ニヴ=ミゼット再誕》の3つが候補として残りました。

イゼットフェニックスは《渦まく知識》《信仰無き物あさり》《表現の反復》などレガシー級のドロー呪文を多数使えるため手札を整える能力が非常に高く、序盤の土地事故や後半のマナフラッドといった土地枚数に悩まされることがほとんどありません。

この「事故らない」という点は「マジックというルールに強い」事でもあり、さらに圧倒的な安定性を持ちながら3ターン目に《弧光のフェニックス》2体というブン回りも併せ持つデッキです。

サイドボードから打ち消し呪文や除去、《厚かましい借り手》を使うことが出来るため対応力も高く、デッキとしての強度が非常に高い。

ただ問題なのは、リーグの猛者たち全員が「イゼットフェニックスが強い」と認識している点です。つまり今回のリーグは「イゼットフェニックスで真っ向勝負」もしくは「イゼットフェニックスに強いデッキを使う」と2極化した状態からスタートでした。

対イゼフェニ候補としてまず挙がったのは青白オーラ。

破壊不能である《アダントの先兵》にオーラをたくさん付けて、《圧倒的洞察》の絆魂でダメージレースも制する!

しかしこの狙いはイゼフェニ側が《厚かましい借り手》の枚数を増やす毎に勝率が下がっていき、結局イゼフェニに有利が取れなかったため断念。

青白オーラはイゼフェニを対策したデッキに対して強い点があり、対策の対策といった立ち位置だと認識していました。

次にイゼフェニ候補として挙がったのは5色二ヴミゼット。

イゼフェニは6/6飛行を除去するのにリソースを2枚以上使うのでアドバンテージ面で優位を取りやすく、《弧光のフェニックス》《アダントの先兵》に対しても《消失の詩句》で対処。完璧?

しかしここでも問題点が生じます、サイド後の《神秘の論争》をケアするのが非常に難しく、8マナまで伸ばしてから《ニヴ=ミゼット再誕》を狙おうにもイゼフェニはなかなかそんな時間を与えてくれません。

ここでも《厚かましい借り手》が強く、6/6飛行で手札を補充したとしてもバウンスされて、手札を使い切る前に押し切られるパターンが多発。

5色二ヴミゼットはタップインの土地が多いため、どうしても序盤の動きに後れを取りやすく、後半でも複数アクションしにくいのが問題点でした。

また、5色二ヴミゼットは青白オーラにも不利でした。ジェスカイオパスなどの遅いデッキ対決では5色二ヴミゼットは強いですが、イゼフェニにも青白オーラにも対抗できず断念。

その後イゼフェニと青白オーラに強いデッキとして、チーム内ではバントエンジェルが候補に。

確かにイゼフェニの除去が2点火力に寄っているため、タフネス4でシステムクリーチャー達を並べて圧倒的な盤面を作る戦略は、イゼフェニのメイン戦で特に有利。ただサイド後単体除去を連打するようなデッキに弱い欠点があります。

もし「イゼットフェニックスに強いコントロールデッキ」が出てきた場合、バントエンジェルは除去に弱い不安要素があったため選択しませんでした。

イゼフェニの安定性が非常に高いこと、サイド後含めて対応力が高いこと、自分のイゼフェニのプレイに自信を持てていることから、チーム内で僕だけイゼフェニを使用しました。

■大会結果

初日

〇LSV(ナヤアドベンチャー)
〇LuisSalvatto(スゥルタイ根本原理)
×RikuKumagai(サイクリング)
〇LSV(ディミーアコントロール)
〇MattSperling(ディミーアコントロール)
〇RikuKumagai(バントエンジェル)

二日目

〇MattSperling(ナヤアドベンチャー)
〇AustinBursavich(スゥルタイ根本原理)
×GrzegorzKowalski(スゥルタイ根本原理)
〇AustinBursavich(イゼットフェニックス)
×CoreyBurkhart(エスパーコントロール)
×MattSperling(ディミーアコントロール)

初日5-1、二日目3-3。

総合成績8-4で、最終成績はライバルズリーグ4位。

これにより10月に開催される世界選手権への招待と、MPLへの昇格が確定!

■おわりに

長い間プロマジックを続けてきて、目標としていた世界選手権の出場権を得ることができました。

仲間の協力、ライバルズリーグの超強い対戦相手無しにはたどり着けない場所だと実感しています。

対戦相手が必要なゲームにおいて1人で結果を出すのは効率が悪く、データを出すのに膨大な時間を必要とします。

効率よく上達するためには、自分と同程度か上のレベルのプレイヤーと対戦する機会を作るべきです。

マジックの強さをレベルで表すならば、地元の大会でもレベル30→40といった風にある程度のレベルには上げられます。

しかしその後効率よくレベルを上げるためには、自分より上手いプレイヤーと対戦する機会を作るべきです。自分よりレベルが上のプレイヤーは、自分より格段に多い情報量を持っています。その情報を吸収する機会が、上手いプレイヤーとの対戦です。

リーグに向けたチーム練習、それに加えてリーグ内で猛者と戦い続けたこと、これにより自身のレベルアップを実感できた1年間でした。

また、自分が長年マジックを続けてきた事による恩恵も実感しています。

ミスティカルアーカイブで《渦まく知識》が再録されて以降、僕のヒストリックの成績は明確に良くなりました。

僕はレガシー・ヴィンテージなど下のフォーマットが大好きで、おそらく《渦まく知識》や《思案》は1000回以上プレイしており、使い慣れています。

細かいドロー呪文で手札を整えていくタイプのデッキが得意なので、サイクリングやイゼットフェニックスといったデッキは自分のプレイスタイルに非常に合っており、運良く環境に自分の得意なデッキが多かった。

渦まく知識》は正直強すぎるので今後ヒストリックで禁止になる可能性はありますが、それでも世界選手権の権利を獲得できたのは大好きな《渦まく知識》が再録されたおかげだと考えています。

これにて1年間のリーグも終了。長いようで短かったですが、この1年の経験は生涯忘れないと思います。

しばらく大会の予定も無いので、今後は気楽にモダン・レガシー・ヴィンテージを楽しんで行きます。配信も見てね♪

それではまた


↓クリックで通販サイトへ↓

関連記事一覧