MTG │ デッキ紹介 │ 高橋優太【スタンダード分析記事】
『ストリクスヘイヴン:魔法学院』が発売され、
今回の記事では大会の上位デッキを元に、
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■参考情報
$5K Strixhaven Championship Qualifierは、StarCityGamesが開催している大会で、
週末ごとに開催されており、、
競技イベントに興味のある方なら、
■ディミーアローグ
優勝/Konstantin Hopp【インポートデータ】 | |
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デッキリスト | |
1:《ロークスワイン城/Castle Locthwain》 4:《清水の小道/Clearwater Pathway》 4:《寓話の小道/Fabled Passage》 6:《島/Island》 3:《沼/Swamp》 3:《欺瞞の神殿/Temple of Deceit》 3:《ゼイゴスのトライオーム/Zagoth Triome》 24 lands 4:《マーフォークの風泥棒/Merfolk Windrobber》
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4:《湖での水難/Drown in the Loch》 2:《無情な行動/Heartless Act》 2:《取り除き/Eliminate》 1:《軽蔑的な一撃/Disdainful Stroke》 1:《無礼の罰/Didn’t Say Please》 2:《神秘の論争/Mystical Dispute》 2:《心を一つに/Of One Mind》 4:《物語への没入/Into the Story》 2:《アガディームの覚醒/Agadeem’s Awakening》 20 other spells 3:《スカイクレイブの影/Skyclave Shade》 |
『ゼンディカーの夜明け』発売時からずっと環境に居続けるデッキのディミーアローグ。
4-5マナのカードを中心にしたデッキに打ち消し呪文が強いため、スゥルタイ根本原理やティムールアドベンチャーに対して、有利にゲームを進める事が出来ます。
反対に、1-2マナのカードを中心にしたデッキには打ち消し呪文は効果的ではありません。更にサイドボードから投入される脱出クリーチャー《アゴナスの雄牛》《灰のフェニックス》も苦手としており、1-2マナ中心&脱出クリーチャーの構成である赤単アグロやグルールアドベンチャーには、苦戦を強いられます。
現在のスタンダードは、ローグ→スゥルタイ根本原理→赤アグロの3すくみと言えます。
ローグの打ち消し呪文の取捨選択について。
《湖での水難》は万能なので4枚確定。
ミラーマッチやスゥルタイ根本原理相手に強い《神秘の論争》は2番目に優先すべきだと考えています。しかし多く入れすぎると後半のゲームに弱くなるため、メイン・サイド合わせて計3枚。
《軽蔑的な一撃》は《否認》と枠を争う部分ですが、《否認》で打ち消したい全体除去や根本原理は《軽蔑的な一撃》でも打ち消し可能で、逆に《鎖を解かれしもの、ポルクラノス》《長老ガーガロス》などは《否認》をすり抜けて通ってしまうことを考えると、今は《軽蔑的な一撃》かなと思います。
《無礼の罰》はコストが重めですが、切削により《物語への没入》に繋げるための手段として少量は必要な部分です。相手の《神秘の論争》の的になりやすい欠点があるため、ミラーマッチでは弱いカードです。
《才能の試験》は相手の《出現の根本原理》を全て抜ける可能性がありますが、スゥルタイ根本原理側が《出現の根本原理》をサイドアウトしてくる可能性もあるため、そこまで信頼のおける打ち消し呪文では無いと考えています。
打ち消し呪文の質としては《才能の試験》よりも《軽蔑的な一撃》《否認》かなと。
ローグはプレイが難しいデッキですが、「なるべく早めにソーサリーアクションを消化して、インスタントアクションは相手のターンの行動に合わせる」を意識すると上手く行く事が多いです。
特に《夢の巣のルールス》の回収はタイミングが難しいですが、実は3ターン目回収によってその後の展開が楽になるケースも多いです。ルールスを出す事で相手にルールスの除去を強要=2マナ以上使ってもらうことが多いので、3ターン後の展開を考えてルールスを回収するか考えましょう。
■グルールアドベンチャー
準優勝/Will Pulliam【インポートデータ】 | |
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デッキリスト | |
4:《山/Mountain》 9:《森/Forest》 4:《寓話の小道/Fabled Passage》 4:《岩山被りの小道/Cragcrown Pathway》 21 lands 4:《エッジウォールの亭主/Edgewall Innkeeper》 |
3:《エシカの戦車/Esika’s Chariot》 4:《エンバレスの宝剣/Embercleave》 1:《グレートヘンジ/The Great Henge》 1:《アクロス戦争/The Akroan War》 3:《髑髏砕きの一撃/Shatterskull Smashing》 12 other spells 2:《アゴナスの雄牛/Ox of Agonas》 |
今までのグルールアドベンチャーとは少し異なる形で、《ヤスペラの歩哨》《絡みつく花面晶体》などのマナクリーチャーを採用しています。
そのマナクリーチャーから《エシカの戦車》を展開。マナ加速から複数展開してクリーチャーの頭数を並べる事で、《エンバレスの宝剣》を出せるターンを早めるようにした構築です。
《エシカの戦車》の比較対象としては同じ4マナ域の《探索する獣》ですが、《探索する獣》は《無情な行動》や《盗賊ギルドの処罰者》での相討ちに弱いという欠点ががあります。
スゥルタイ根本原理に標準搭載されている除去である《絶滅の契機》《無情な行動》を考えた場合には、場にパーマネントが残りやすい《エシカの戦車》の方が少し優れていますね。
僕は《アゴナスの雄牛》は3枚必要なカードだと考えています。1回の脱出枚数が多いことから、ローグの《物語への没入》《湖での水難》を一気に弱くできるためです。マナクリーチャーで展開が早まる分、手札も枯渇しやすいので、その手札補充の意味でも《アゴナスの雄牛》は適任。
赤いアグロデッキを使う際はサイドボードに何枚脱出クリーチャーを採用すべきかですが、4-5枚が適正といったところです。ローグは強いデッキなので、甘く見てはいけない。
スゥルタイ根本原理対策として赤いデッキ全般のサイドボードに《乱動する渦》は定番でしたが、《ウィザーブルームの命令》により信頼度は落ちています。
もしかしたら他のカードでも良いかも。
■サイクリング
3位/Kazune Kosaka【インポートデータ】 | |
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デッキリスト | |
4:《ラウグリンのトライオーム/Raugrin Triome》 4:《河川滑りの小道/Riverglide Pathway》 4:《連門の小道/Hengegate Pathway》 4:《針縁の小道/Needleverge Pathway》 1:《平地/Plains》 1:《山/Mountain》 1:《島/Island》 19 lands 4:《繁栄の狐/Flourishing Fox》
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4:《驚くべき発育/Startling Development》 4:《願い与えの加護/Boon of the Wish-Giver》 4:《血の希求/Go for Blood》 4:《天頂の閃光/Zenith Flare》 3:《霜帳の奇襲/Frostveil Ambush》 2:《軽蔑的な一撃/Disdainful Stroke》 4:《型破りな協力/Improbable Alliance》 25 other spells 2:《常智のリエール/Rielle, the Everwise》 |
1ターン目《繁栄の狐》からの速攻、《型破りな協力》からのトークン展開、《アイレンクラッグの紅蓮術師》。
単純なクリーチャー除去だけでは《型破りな協力》を止められず、《魂標ランタン》などの墓地対策で《天頂の閃光》を封じられてもクリーチャーで攻めたり、加えてサイド後は大量の打ち消し呪文を追加したりと、サイクリングは多角的な攻めを得意とします。カード1枚では対策しにくいデッキです。
ディミーアローグ相手には相手から切削を行い、自動的に《天頂の閃光》が20点砲台になるため少し有利で、スゥルタイ根本原理には打ち消し呪文を大量に入れるサイド後に少し有利、トークンでのブロックを突破してくる《エンバレスの宝剣》デッキには少し不利です。
新採用の《プリズマリの命令》は、主にアーティファクト破壊手段として入っていた《切り裂かれた帆》と入れ替わった部分です。
もともと《切り裂かれた帆》をサイドインする時はサイクリングする事が少なかったため、2点ダメージと手札2枚入れ替えのオプションのある《プリズマリの命令》に差し変わった形です。
「アーティファクト破壊+2点」で撃てれば《コラガンの命令》と同等の強力な性能!
■スゥルタイ根本原理
《出現の根本原理》を中心としたスゥルタイも依然として強力な選択肢の一つ。ディミーアローグに少し不利で、アドベンチャー系には少し有利、赤単には五分といったところ。
ストリクスヘイヴンからの新採用はこの2つ。
《クアンドリクスの栽培者》はヨーリオンで明滅しやすく、土地がアンタップインなので《神秘の論争》を構えやすいなど、何かと便利。3/4というサイズなので《砕骨の巨人》《不詳の安息地》と相討ちが取れる点も良いです。
しかし、青いカードでもあるため相手の《神秘の論争》に弱く、カードアドバンテージもそこまで多く得られるわけではない。
4マナ域は《鎖を解かれしもの、ポルクラノス》《古き神々への拘束》と他にも取れる選択肢が多いため、《クアンドリクスの栽培者》はだんだん減っていくカードに思えています。
《ウィザーブルームの命令》は対アグロデッキに対して良い性能で、特に《乱動する渦》をサイドインしてくる赤に対して活躍しやすいです。-3/-1で《歴戦の神聖刃》を除去出来るのもグッド。
ただソーサリーかつ、クリーチャー除去としては範囲が狭いので、枚数を多く入れすぎると手札で役立たなくなる可能性もあります。2枚くらいが適正に思えるカードです。
スゥルタイ根本原理は3色かつ80枚デッキなため、新カードを試す余地もあります。
僕も早速《オニキス教授》を入れてみましたが、6マナでカードを1枚引くor1体除去というのは、盤面に与える影響が少ない。
相手に《星界の大蛇、コーマ》《キオーラ、海神を打ち倒す》を出された時に除去耐性を無視して倒せるメリットもありましたが、それは盤面が負けている状態を少し緩和するだけで逆転するほどの力はありません。
《出現の根本原理》から《巨怪な略奪者、ヴォリンクレックス》《嘘の神、ヴァルキー》《キオーラ、海神を打ち倒す》の3枚を持ってくるパターンに《オニキス教授》が入るかもと考えましたが、《嘘の神、ヴァルキー》《キオーラ、海神を打ち倒す》の方が盤面を逆転する力は強いです。
現状は《オニキス教授》は無しのリストの方が良いと考えています。
■おわりに
前回の記事でも述べましたが、ミスティカルアーカイブでヒストリックは激変しました。
しかしそれと比較して新スタンダード、実はあまり変わっていない?
今回は全体的にカードパワーは控えめで、既存のデッキの追加パーツのようなカードが多かったため、現状のメタゲームは大きく変化せず。
ただそんなストリクスヘイヴンの中でも輝くカードはあるので、おススメをいくつか紹介していきます。
白では珍しい手札に干渉するクリーチャー。既にヒストリック・モダン・レガシーでも活躍し始めています。
《霊気の薬瓶》との相性は最高で、レガシーなら相手の「奇跡」の誘発にスタックで《終末》を防ぐことも出来ます。
※ドローステップに《終末》が奇跡を誘発、誘発にスタックで《霊気の薬瓶》から《精鋭呪文縛り》で《終末》を追放することで奇跡コスト1マナでのプレイを防ぐことが出来ます。
青い《コラガンの命令》。青い事で《否定の力》《意志の力》のコストにもなるので、レガシーのデルバー系やモダンのコントロールデッキでもチャンスあり。
8マナと重いですが、プレイする事が出来れば圧倒的なアドバンテージ!
自分で手札から捨てることが出来るので、墓地から唱えてマナコストを踏み倒せる《ミジックスの熟達》《奔流の機械巨人》などと組み合わせたい。
それではまた。