
MTG │ デッキ紹介 │ 高橋優太【《新たな夜明け、ケトラモーズ》について考える】
さて、今週は霊気走破のトップレアとして注目を集めている、《新たな夜明け、ケトラモーズ》の特集です。
「追放領域に7枚以上のカードがないかぎり、これでは攻撃もブロックもできない」
かなり厳しい条件に見えるものの、モダンやレガシーなどカードプールが広い環境なら、意外と簡単に達成できます。《忌まわしき眼魔》が初見では評価が低かったように、こういったデメリットがあると最初は評価を落としがちですが、考えを改める必要があります。
「あなたのターン中に墓地や戦場から1枚以上のカードが追放領域に置かれるたび、あなたはカード1枚を引き、1点のライフを失う。」
この能力こそがこのカードが評価されている要因で、追放する除去なら手札が減らず、墓地を追放する能力と最高に相性が良い!
あなたのターン中だけなので、相手のターンに追放除去を使ってもドローできない事に注意!
そして追放領域に7枚溜まったら、4/4威迫、絆魂、破壊不能とクリーチャーとしても高性能。3ターン目ケトラモーズから、その後追放除去を撃っているだけでゲームに勝ててしまいます。
マジックオンラインのモダンチャレンジの結果を元に、どんなデッキでケトラモーズが使われているか見て行きましょう。
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■オルゾフブリンク
デッキリスト | |
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2:《平地/Plains》 1:《沼/Swamp》 4:《湿地の干潟/Marsh Flats》 4:《溢れかえる岸辺/Flooded Strand》 2:《神無き祭殿/Godless Shrine》 2:《薄暗い裏通り/Shadowy Backstreet》 1:《神聖なる泉/Hallowed Fountain》 1:《ブリーチボーンの境界/Bleachbone Verge》 17 lands 3:《骨の皇帝/Emperor of Bones》 |
2:《思考囲い/Thoughtseize》 3:《虹色の終焉/Prismatic Ending》 3:《大祖始の遺産/Relic of Progenitus》 4:《儚い存在/Ephemerate》 4:《致命的な一押し/Fatal Push》 16 other spells 3:《石のような静寂/Stony Silence》 |
既存のオルゾフブリンクに、なんと《新たな夜明け、ケトラモーズ》4枚採用!
もともとこのデッキは《ベイルマークの大主》を兆候したあとに《溌剌の牧羊犬、フィリア》や《ちらつき鬼火》で追放して5/5として戦場に戻すのを主戦略としており、ケトラモーズは《溌剌の牧羊犬、フィリア》《ちらつき鬼火》の追放効果でもドロー出来ます!
《ベイルマークの大主》の兆候で、ケトラモーズを探しに行く動きも噛み合っている!
《大祖始の遺産》はケトラモーズとの相性の良さで注目されています。
タップ起動で毎ターンお手軽に墓地を追放しながら1ドロー。全追放を起動したときには2ドロー。
自分のターンに起動しないとドローできないので、相手のターンに墓地を活用されるのをケアしたいなら、1マナ残して全追放能力を起動できるようにしておきましょう。全追放能力を使えば、多くの場合、ケトラモーズは攻撃やブロックが出来るようになります。
《骨の皇帝》も《大祖始の遺産》と同様に、毎ターンお手軽に墓地追放しながら1ドロー。
《ボガートの獲物さらい》と合わせて、相手の墓地利用を絶対に許さないデッキ構成になっています。
最近のモダンは《死の国からの脱出》が主流デッキであり、《火の怒りのタイタン、フレージ》もいるので、メインに墓地対策を入れる事が肯定されやすい環境になっています。
そしてケトラモーズと相性抜群なのが、《孤独》と《儚い存在》のコンボ。
ケトラモーズを出してから、《孤独》想起で相手のクリーチャーを追放して1ドロー、《儚い存在》で自分の《孤独》を対象にして1ドロー、《孤独》が戦場に戻って来て相手のクリーチャーを追放して1ドロー、次のアップキープに《儚い存在》で自分の《孤独》を対象にして1ドロー、《孤独》が戦場に戻って来て相手のクリーチャーを追放して1ドロー、なんと合計5枚ドローしています!手札が減るどころか2枚増えてる!
《虹色の終焉》はクリーチャー以外も対処しやすい追放除去で、このカードのために《神聖なる泉》で青マナが出るようにタッチされています。
■オルゾフネクロ
デッキリスト | |
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3:《沼/Swamp》 2:《神無き祭殿/Godless Shrine》 2:《薄暗い裏通り/Shadowy Backstreet》 2:《血染めのぬかるみ/Bloodstained Mire》 2:《汚染された三角州/Polluted Delta》 1:《湿地の干潟/Marsh Flats》 1:《新緑の地下墓地/Verdant Catacombs》 2:《ブリーチボーンの境界/Bleachbone Verge》 15 lands 4:《ダウスィーの虚空歩き/Dauthi Voidwalker》 |
4:《致命的な一押し/Fatal Push》 4:《思考囲い/Thoughtseize》 1:《不憫な悲哀の行進/March of Wretched Sorrow》 4:《大祖始の遺産/Relic of Progenitus》 2:《不快な群れ/Sickening Shoal》 4:《ネクロドミナンス/Necrodominance》 4:《不敬者破り/Fell the Profane》 4:《魂の撃ち込み/Soul Spike》 27 other spells 4:《氷砕き/Break the Ice》 |
《ネクロドミナンス》デッキにもケトラモーズが採用されています。
もともとこのデッキは《ネクロドミナンス》を引かなかった場合にアドバンテージ源を《一つの指輪》に頼っていました。しかし《一つの指輪》禁止後はデッキ自体が減少傾向にありました。
ケトラモーズは《ネクロドミナンス》を引けなかった場合のアドバンテージ源として優秀で、《ダウスィーの虚空歩き》《骨の皇帝》《大祖始の遺産》などの墓地対策と合わせながらカードを引いていきます。
《ネクロドミナンス》は自分の墓地に置かれるカードを追放する効果もあるので、ケトラモーズの7枚追放の条件達成も早く、ネクロで失ったライフをケトラモーズの絆魂で回復する動きがスマート!
例えば追放領域が5枚なら、相手のターン中に《魂の撃ち込み》で追放領域を2枚増やして、いきなりケトラモーズが顕現してブロックに参加する事は起こりそうです。
ケトラモーズの効果は「あなたのターン中に墓地や戦場から1枚以上のカードが追放領域に置かれるたび」なので、《魂の撃ち込み》《不憫な悲哀の行進》で手札から追放してもドローできない事に注意!
■エスパー眼魔
デッキリスト | |
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1:《島/Island》 1:《沼/Swamp》 2:《湿った墓/Watery Grave》 1:《神無き祭殿/Godless Shrine》 2:《神聖なる泉/Hallowed Fountain》 2:《地底街の下水道/Undercity Sewers》 1:《行き届いた書庫/Meticulous Archive》 4:《溢れかえる岸辺/Flooded Strand》 4:《汚染された三角州/Polluted Delta》 2:《湿地の干潟/Marsh Flats》 20 lands 4:《超能力蛙/Psychic Frog》 |
4:《考慮/Consider》 2:《呪文嵌め/Spell Snare》 2:《思考囲い/Thoughtseize》 2:《致命的な一押し/Fatal Push》 3:《虹色の終焉/Prismatic Ending》 4:《発掘/Unearth》 1:《塵へのしがみつき/Cling to Dust》 2:《大祖始の遺産/Relic of Progenitus》 4:《対抗呪文/Counterspell》 2:《染みついた耽溺/Tainted Indulgence》 1:《害獣駆除/Pest Control》 2:《否定の力/Force of Negation》 29 other spells 4:《記憶への放逐/Consign to Memory》 |
ケトラモーズは《超能力蛙》とも相性が良く、墓地3枚追放で飛行を得ると1ドローします。手札を捨てて+1/+1カウンターを乗せてから、飛行を得て1ドローのサイクルが出来るので、《超能力蛙》が予想外のサイズになって攻撃する事も起こります。
さらにケトラモーズは《発掘》の圏内なのが嬉しい!
■もしスタンダードでケトラモースを使うなら
スタンダードでケトラモーズを使う方法を模索中で、追放除去中心のコントロールです。
モダンの《大祖始の遺産》のように便利な墓地対策が無いから、なかなか顕現しない!
《幽霊の裁き、ケイヤ》は墓地追放しつつトークンで場を作ってくれますが、スタンダードの速度に追い付けているかは微妙なラインです。
《死人に口無し》の証拠収集で追放領域を一気に増やせるので、もう少し増やしても良いかも知れません。
《除霊用掃除機》はケトラモーズと相性がとても良いのですが、ケトラモーズを引かなかったときに何もしないのが気になります。
■おわりに
《新たな夜明け、ケトラモーズ》の特集記事でした。
《大祖始の遺産》はケトラモーズの最高の相棒で、この2つのセットは今後も見る事になりそうです。
それではまた。