MTG │ 大会レポート │ 高橋優太【THE LAST SUN 2024】

先週末は、晴れる屋さん主催の「THE LAST SUN 2024」に参加しました。

2日間に渡ってスタンダードとモダンの混合フォーマットで戦う、毎年の締めくくりとなる大会で、僕も毎年参加しています。
両方のフォーマットでディミーアを使いました。以下その解説です。

※ラッシュメディア記事内紹介のカードは
カード名のリンク、記事末尾の
バナーを
クリックで通販サイトへアクセスできます

通販サイト(https://www.cardrush-mtg.jp/)

■THE LAST SUN 2024カバレージ

大会カバレージ (晴れる屋)

■スタンダード:ディミーアミッドレンジ

【アリーナインポート】

遠眼鏡のセイレーン》《フェアリーの黒幕》など飛行持ちのクリーチャーで攻撃しながら、除去や打ち消しで相手を妨害しながら攻めて行くデッキです。
2マナ以下のクリーチャーのサイズは小さくブロック時は弱めですが、攻めている時は飛行で攻撃が通りやすく、《永劫の好奇心》《悪夢滅ぼし、魁渡》に繋げてアドバンテージを獲得します。

遠眼鏡のセイレーン》《フラッドピットの溺れさせ》を魁渡の忍術で戻す動きが強く、戦場に出た時の能力を持つクリーチャーを再度出し直せます。
特に《フラッドピットの溺れさせ》とのシナジーは素晴らしく、攻撃しながらタップ能力起動にスタックで《悪夢滅ぼし、魁渡》の忍術することで、麻痺している相手のクリーチャーをデッキに戻しつつ自分の《フラッドピットの溺れさせ》は手札に戻ります。実質除去に近い使い方をしながら、《フラッドピットの溺れさせ》を出し直せる!

現環境のスタンダードはディミーアミッドレンジ、グルール果敢の2つが飛び抜けて強い印象で、《分派の説教者》4枚はグルール果敢を意識した採用です。
高タフネスと接死により壁クリーチャーとして強く、攻撃時の誘発型能力で1/1絆魂トークンを生成するのが盤面を強くしてくれます。
黙示録、シェオルドレッド》も同様にグルール果敢を意識した採用で、《抹消する稲妻》や《焦熱の射撃》など特定の火力以外では除去するのが難しく、生き残りさえすればゲームに勝てる性能。

しかし《分派の説教者》《黙示録、シェオルドレッド》は、どちらもディミーア同系で弱いという欠点を抱えています。
どうしても《苦痛ある選定》《喉首狙い》とマナ効率の悪い交換になってしまい、自分のターンに3マナや4マナをフルタップしてしまうことで返しに《永劫の好奇心》が通ってしまい負け、という状況になりやすいからです。
そしてグルール果敢に寄せて《分派の説教者》《黙示録、シェオルドレッド》を入れても、サイド後は4点火力や5点火力で対処される事が多い。

ディミーアミッドレンジの抱えている最大の問題は、相手によって強さが異なるクリーチャーが多く、ディミーア同系に寄せるかグルール果敢に寄せるかで不自由な選択をしなければいけない事です。

例えば《フェイ花のいたずら》はディミーア同系ではとても強く、インスタントタイミングで仕掛けつつ2体出るので、相手のクリーチャー除去に対して耐性があります。
しかしグルール果敢に対しては1/1飛行2体がブロッカーとして弱く、一時しのぎにしかならない場面が多いです。
メインに入っている《遠眼鏡のセイレーン》《フェアリーの黒幕》もディミーア同系では強いですが、やはりタフネスが低いためブロッカーとしてグルール果敢に弱く、これらから《悪夢滅ぼし、魁渡》を忍術したとしても、返しのターンに速攻クリーチャー+《巨怪の怒り》で簡単に魁渡を突破されてしまいます。

僕自身が打ち消しと瞬速クリーチャーのプレイスタイルが得意なのでディミーアを選びましたが、直接対決ではグルール果敢の方に分があると思います。

サイドボードで最も活躍したのは《ギックスの命令》でした。パワー2以下全破壊が相手の横並べに対して強く、除去されたクリーチャーを2体回収しても強い!
ディミーアとグルール両方に、さらに版図ランプにもサイドインしていたので、実はメインの方が良いのかも知れません。

悪意ある覆い隠し》は、相手の1マナ連打や《多様な鼠》の新生化を1枚で対処するのに良いカード。3マナの全体除去が0枚だと、ジェスカイ召集に対しても負ける要因になりやすい。
ぎらつく氾濫》はジェスカイ召集と、《ラノワールのエルフ》が入ったデッキ全般への対策。《ラノワールのエルフ》《グリッサ・サンスレイヤー》と並べられた場合に2体とも除去出来ます。
覆い隠し》はディミーア同系に強い除去で、追放なので《永劫の好奇心》を対処できて、《悪夢滅ぼし、魁渡》を忍術された際にも追放できます。

デッキ構築で最も失敗だったのは《呪文どもり》を多く入れてしまった事です。僕はこういった2マナ払えカウンターが好きで良く使うのですが、フェアリーの数が少ないので2マナ払え止まりで、どうしてもケアされやすい。やはり《喝破》の3マナ払えと2マナ払えは天と地の差があります。
経験則ですが、3マナ払えは4枚許容、2マナ払えはデッキに2枚までで、入れすぎると手札で腐ります。

その反面強かったのは《強迫》で、理由は1マナというマナ効率の良さと、自分の強いカードを押し付けるプランが取りやすくなる事です。サイドに3枚目欲しかった!
分派の説教者》《黙示録、シェオルドレッド》《永劫の好奇心》《悪夢滅ぼし、魁渡》と、生き残れば勝つカードがたくさん入っているので、相手はそれに対する5点火力や追放除去を使ってきます。《強迫》で相手のやりたい事をやらせず、自分の強いパーマネントを残しやすい。

長年《強迫》を使っていますが、いつも正しく評価するのが難しいカードだと感じます。

■モダン:ディミーア眼魔

【インポートデータ】

墓地を増やすカードを多用して《忌まわしき眼魔》《濁浪の執政》《超能力蛙》の定着を狙い、除去されたら《発掘》で戻して、打ち消し呪文でバックアップしながら攻撃していくデッキです。
禁止改定の影響を全く受けなかったので、使い慣れたディミーア眼魔を使用しました。
先週の記事でデッキの詳細を解説していますので、そちらも参照して下さい。

MTG │ デッキ解説 │ 高橋優太【MMM優勝「ディミーア眼魔」解説&モダンの禁止改訂について】

禁止改定の影響で《レンと六番》が再び活躍したり、《信仰無き物あさり》から《残虐の執政官》を《頑強》するデッキが現れるなど、モダンは多種多様なデッキが増えました。
メタゲームが読み切れない時は、非クリーチャーを打ち消せる呪文を多くした方がコンボデッキに対応できると考えて、打ち消し呪文を多めに。

呪文嵌め》は《レンと六番》や《頑強》を意識したのと、エネルギー相手に《致命的な一押し》か《呪文嵌め》が初手に無いと押し切られてしまうので、4枚フル採用。
呪文貫き》は先ほどのマナ払えカウンターの話につながりますが、やはり2枚がベスト。持ってたり持ってなかったりする枚数が一番ケアが難しく、3枚以上だと手札で腐ります。
対抗呪文》のような確定カウンターとマナ払えカウンターを併用する事で、相手視点ではケアするのがより一層難しくなります。

忌まわしき眼魔》や《濁浪の執政》を出すターンはどうしてもフルタップになるので、返しのターンに致命的なカードを通さないように《否定の力》は4枚必要だと感じています。
今のモダンは高速化しており、コンボデッキは3-4ターン目にゲームを決めるカードをプレイしてくるので、それに対して対抗できるのは《否定の力》だけです。

鋼と油の夢》は《一つの指輪》の禁止によりその役目を終えました。《火の怒りのタイタン、フレージ》を追放できるのは確かに良いですが、クリーチャーかアーティファクトだけだと手札から捨てさせられない事も多いです。
厳しい説教》はエネルギー全盛時期に使っていましたが、今は枚数を取らなくても良さそう。《スランの医師、ヨーグモス》とかが流行るなら再び採用。

最近は1点火力で倒せないクリーチャーが多く、《オークの弓使い》はそこまで大活躍というわけではありません。ただ《信仰無き物あさり》デッキに強かったり、相手のオークを倒すにはオークが一番なのでサイドに採用。
海の先駆け》は3色以上のデッキ全般と、エルドラージ系、アミュレットタイタンなどにサイドインします。発掘》があるおかげで以前よりも使いやすくなり、《海の先駆け》の為に《》を採用しても良いと思えるように考えが変わりました。

今回は不採用でしたが、サイドボード候補たち。
今後ディミーア眼魔が増えるなら、《忌まわしき眼魔》《濁浪の執政》は両方ともバウンスが効くので《厚かましい借り手》がおすすめです。
不意に《虚空の力線》を出されても《厚かましい借り手》があれば希望を持てます。

神秘の論争》は同系と青単ベルチャーに強いサイドですが、サイドインできる範囲が狭いので悩むところ。
苦痛ある選定》は追放なので《発掘》されず、《火の怒りのタイタン、フレージ》にも効くので1枚サイドに入れておくと強そう。

仕組まれた爆薬》は《オパールのモックス》デッキに0起動が効きます。他にもエネルギーの《静牢》を破壊できるのが良い!

■大会結果

・スタンダード
〇グルール果敢
〇ディミーアミッドレンジ
×版図ランプ
×ボロスハツカネズミ
〇ディミーアミッドレンジ
×グルール果敢
×ディミーアミッドレンジ
・モダン
〇ジェスカイコントロール
〇リビングエンド
〇ハンマータイム
〇マルドゥエネルギー
〇ボロスエネルギー
〇繁殖鱗コンボ
ID

スタンダード3勝4敗。
モダン6勝0敗1引き分け。

合計9勝4敗1引き分けで、18位でした。 

■おわりに

デッキの好みからディミーアを選びましたが、スタンダードはやはりグルールが一番強いです。
心火の英雄》は1マナと思えないほど高打点を出しますし、《熾火心の挑戦者》は高打点な上にアドバンテージを取る能力付き、ここに《多様な鼠》が加わり、序盤から終盤まで隙が無い!
しばらくはグルールマスターを目指すべく、アリーナで練習します!

そして《忌まわしき眼魔》《超能力蛙》《発掘》のセットが本当に強く、モダンでこのデッキを使い始めてから連勝しています!
今後対策されて《安らかなる眠り》や《虚空の力線》が増えるようなら話が変わるかも知れませんが、まずは《忌まわしき眼魔》を使ってみて強さを体感してください!

それではまた来年!


↓クリックで通販サイトへ↓

関連記事一覧