MTG │ デッキ考察 │ 高橋優太【青白石鍛冶】

Hi,
先週はモダンに時間を割いて練習し、モダン神の試合では青白石鍛冶を使用しました。

残念ながら佐藤レイさんのヘリオッドカンパニーに0-3で負けてしまいましたが、この敗北によりマジックのやる気がみなぎっているので記事を書きます。今回は使用した《石鍛冶の神秘家/Stoneforge Mystic》について考察して行きます。

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■青白石鍛冶デッキリスト

4《石鍛冶の神秘家/Stoneforge Mystic
4《瞬唱の魔道士/Snapcaster Mage
4《選択/Opt
1《呪文嵌め/Spell Snare
2《マナ漏出/Mana Leak
1《論理の結び目/Logic Knot
3《否定の力/Force of Negation
2《謎めいた命令/Cryptic Command
4《流刑への道/Path to Exile
2《四肢切断/Dismember
1《饗宴と飢餓の剣/Sword of Feast and Famine
1《殴打頭蓋/Batterskull
3《時を解す者、テフェリー/Teferi, Time Raveler
3《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor
1《ドミナリアの英雄、テフェリー/Teferi, Hero of Dominaria

4《溢れかえる岸辺/Flooded Strand
1《沸騰する小湖/Scalding Tarn
3《天界の列柱/Celestial Colonnade
2《氷河の城砦/Glacial Fortress
2《神聖なる泉/Hallowed Fountain
4《廃墟の地/Field of Ruin
1《変わり谷/Mutavault
5《島/Island
2《平地/Plains

サイドボード
1《天界の粛清/Celestial Purge
1《解呪/Disenchant
2《安らかなる眠り/Rest in Peace
1《軽蔑的な一撃/Disdainful Stroke
2《神秘の論争/Mystical Dispute
3《霊気の疾風/Aether Gust
1《外科的摘出/Surgical Extraction
2《夢を引き裂く者、アショク/Ashiok, Dream Render
2《至高の評決/Supreme Verdict

■デッキの選択理由

先週の記事で述べたように、現在のモダンはアミュレットタイタンが一番手でした。

原始のタイタン/Primeval Titan》に対しては打消し呪文がスマートな回答ですが、アミュレットタイタンには《魂の洞窟/Cavern of Souls》が入っているため、ただ打ち消し呪文を構えているだけでは相手に《魂の洞窟/Cavern of Souls》セットを揃える時間を与えてしまいます。

遅いコントロールデッキではアミュレットタイタンに不利に感じたため、こちらから攻撃して時間制限をかけることで打消し呪文の価値を上げようと《石鍛冶の神秘家/Stoneforge Mystic》を使用しました。

アミュレットタイタンは除去がほぼ0枚に近いので、2ターン目の《石鍛冶の神秘家/Stoneforge Mystic》を止める手段が無く、また《原始のタイタン/Primeval Titan》は緑で《死者の原野/Field of the Dead》のゾンビトークンは黒なので《饗宴と飢餓の剣/Sword of Feast and Famine》装備でブロック不可になり、土地のアンタップで行動回数が2倍になります。

実際《魂の洞窟/Cavern of Souls》から《原始のタイタン/Primeval Titan》が通ってゾンビトークンが10体並んでも、《謎めいた命令/Cryptic Command》でタップし続けて勝った試合が何度もありました。

また、マジックオンライン上で常に活躍するエルドラージトロンに対しても《殴打頭蓋/Batterskull》が強力で《難題の予見者/Thought-Knot Seer》は相討ち、《現実を砕くもの/Reality Smasher》は殴り合うことが出来ます。

殴打頭蓋/Batterskull》は自身を戻す能力があるため、繰り返し使える4/4絆魂はエルドラージトロンにとって非常に厄介です。

それに加えてどちらのデッキも土地によるシナジーで行動回数を増やすため《廃墟の地/Field of Ruin》を4枚採用した上で《石鍛冶の神秘家/Stoneforge Mystic》を取るのが最善の策だと考えて、青白石鍛冶を使用しました。

予想外のデッキが来た場合も《否定の力/Force of Negation》《流刑への道/Path to Exile》により対応力が高いことも理由のひとつです。

■《石鍛冶の神秘家/Stoneforge Mystic》の長所

1.インスタントタイミングでの行動

常に2マナを残してターンを終了することで、相手の行動に合わせて動く事が出来て、打消し呪文との不自由な二択を相手に迫ります。

ソーサリータイミングの除去では細菌トークンへの対応が難しいです。

2.軽いフィニッシャーになる

殴打頭蓋/Batterskull》は自身を戻す能力があり、マナが余る後半なら何度も出し直すことができます。

クリーチャーが多く入ったデッキでは特にそうですが、1/1や2/2に剣を装備するだけで十分なフィニッシャーになります。

3.プロテクションの色が合った相手には絶大な威力がある

饗宴と飢餓の剣/Sword of Feast and Famine》は《死の影/Death’s Shadow》相手には装備すればほとんど対処されないですし、《火と氷の剣/Sword of Fire and Ice》は赤や青の単色デッキには特に強いです。

■《石鍛冶の神秘家/Stoneforge Mystic》の短所

1.除去耐性がない

本体のサイズが1/2なため数多くの除去を受けます。出したターンにブロックに参加しにくく、《稲妻/Lightning Bolt》と交換なのが、《タルモゴイフ/Tarmogoyf》と比較したときの短所です。

例えば青白石鍛冶の場合、青白コントロールなら本来は手札で腐っていたはずの《致命的な一押し/Fatal Push》《四肢切断/Dismember》などに価値を与えてしまうのも問題。

2.マナ効率が悪い

石鍛冶の神秘家/Stoneforge Mystic》本体が除去されてしまったとき、3マナの装備品をプレイするのは盤面干渉がゼロで、《殴打頭蓋/Batterskull》は5マナとモダンレガシーでは許容できない重さです。

殴打頭蓋/Batterskull》は合計4マナで4/4絆魂、3マナの装備品は攻撃するまでに合計6マナかかります。特に6マナかけて装備した後に除去されてしまうと、序盤の数ターンを無駄にしたことになります。

その4-6マナを使う間に相手が脅威となるパーマネントを出した場合は対処する必要があり、そうなると《石鍛冶の神秘家/Stoneforge Mystic》の起動が遅れて1/2が意味を成さないターンが生まれてしまいます。

例を挙げると

→2ターン目に《石鍛冶の神秘家/Stoneforge Mystic》を出したものの相手のヘリオッドカンパニーが無限コンボパーツを連打してきたため対応に回らざるを得ず、結局2ターン目の1/2が盤面に意味を出せたのは5ターン目で遅かった。

といった具合です。

3.手札破壊に弱い

持ってきた《殴打頭蓋/Batterskull》を手札破壊されてしまうと、残った1/2の価値が低い。これは《死の影/Death’s Shadow》系やエルドラージトロン相手に良く起こります。

またデッキの根本的な問題として、装備品を通常ドローしてしまったときにデッキに残っている《石鍛冶の神秘家/Stoneforge Mystic》の3枚目、4枚目の価値が下がる。

渦まく知識/Brainstorm》が使えるレガシーなら引いた装備品を戻す事で緩和できますが、モダンでそれが可能なのは《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor》だけで、コストの重さからあまり現実的ではありません。

4.《時を解す者、テフェリー/Teferi, Time Raveler》に弱い

灯争大戦で登場した《時を解す者、テフェリー/Teferi, Time Raveler》は、青いデッキの歴史を大きく変えました。

例えば後手2ターン目に《石鍛冶の神秘家/Stoneforge Mystic》を出したとして、返しの3ターン目に《時を解す者、テフェリー/Teferi, Time Raveler》でバウンス。
後手3ターン目に《石鍛冶の神秘家/Stoneforge Mystic》を出し直し、返しの4ターン目《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor》でまたバウンスでゲーム終了。対戦ありがとうございました。

この4ターン目は除去でも良いですし、相手のインスタントタイミングでの妨害がなくなるため《謎めいた命令/Cryptic Command》はより強く使えます。

これは僕が《苦花/Bitterblossom》を使わなくなった理由でもあります。《時を解す者、テフェリー/Teferi, Time Raveler》はクロックパーミッションというデッキそのものを否定します。

良くサイドインされる《夏の帳/Veil of Summer》《神秘の論争/Mystical Dispute》と言ったカードも、テフェリーの前では効果が半減!テフェリーはあまりにも強い!

■石鍛冶or氷雪?

石鍛冶の神秘家/Stoneforge Mystic》の短所を検討した結果、青いコントロールデッキが求めているものは「除去耐性がある」「マナ効率が良い」「手札破壊に強い」「テフェリーに打ち消しを構えられる」です。

そんなわがままな条件を満たせるカードがあるのか?実はあります。

出た時点で1ドローして、2マナの除去にもなり、複数引いても無駄なカードにならず、瞬速により構えやすい。《氷牙のコアトル/Ice-Fang Coatl》こそが求めていた、ものです。

ただ、コアトルのデメリットは《原始のタイタン/Primeval Titan》デッキに対して何もしないことですが、それ以外の相手に対しては概ね《石鍛冶の神秘家/Stoneforge Mystic》よりも優れています。青いので《否定の力/Force of Negation》カウントにもなるのがポイント。

またドロースペルの質として、《選択/Opt》よりも《アーカムの天測儀/Arcum’s Astrolabe》の方が優れています。

色マナ事故を減らし、フェッチ+ショックランドによるライフ喪失も軽減し、《血染めの月/Blood Moon》に対して耐性が出来ます。《時を解す者、テフェリー/Teferi, Time Raveler》で手札に戻せるドロースペルなのも重要。

上記を踏まえたうえで、今は《石鍛冶の神秘家/Stoneforge Mystic》よりも《氷牙のコアトル/Ice-Fang Coatl》の方が優れていると考えています。

そう考えてバントコントロールを使用したところ優勝しました!

スタンで大活躍中の《自然の怒りのタイタン、ウーロ/Uro, Titan of Nature’s Wrath》はモダンでも強力。《流刑への道/Path to Exile》以外の単体除去に耐性があり、フェッチランドにより墓地が貯まりやすく、ドローと回復とマナブーストとコントロールに必要な要素を全て兼ね揃えています。

ただ、ゲーム中複数引く必要が無いので枚数は2枚ほどが適正かなと。
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■おわりに

1週間調整した《石鍛冶の神秘家/Stoneforge Mystic》についての考察でした。
2010年に印刷されて以来僕もこのカードを愛用してきましたが、近年のカードパワー上昇で周りが強化されており、以前ほどの強さは無いと感じました。

モダンでは《時を解す者、テフェリー/Teferi, Time Raveler》が天敵であり、レガシーなら《王冠泥棒、オーコ/Oko, Thief of Crowns》で装備品を大鹿にもされます。

2019年に印刷されたカード達は本当に強かったんだなと実感しています。

誰もが認める2019年ナンバーワンカード

それではまた。

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