MTG │ GPレポート │ 高橋優太【GPバンコク】
Hi,
先週末はグランプリバンコクに参加しました。
以下そのレポートです。
■エルドレインのシールド
MTGアリーナで何度かシールドを練習した感覚では、色の強さは黒→緑→青→赤→白の順です。
エルドレインの王権での黒はベストだと考えています。
黒は《パイ包み/Bake into a Pie》《壮大な破滅/Epic Downfall》等の除去が優秀で、《失われた軍団/Lost Legion》《意地悪な後見人/Wicked Guardian》で中盤を安定させつつ、《墳丘の魔女/Barrow Witches》《夜の死神/Reaper of Night》で後半のアドバンテージも手堅い。
特に《夜の死神/Reaper of Night》は手札破壊に4/5飛行が付いてきて、長引きやすいシールドで輝くカード。
2番手は緑。
前回の記事でも述べたように環境のサイズに3/3以下が多いので、4/4以上がコモンに居る緑はシールドで主力になりやすい色です。
https://cardrush-media.com/archives/4569
3番手は青。「出来事」を持つカードに対して、コンバットトリックの場合は《共に逃走/Run Away Together》のようなバウンスで対象不適正にすれば「出来事」スペルとクリーチャーの両方を防げます。
同様に《無礼の罰/Didn’t Say Please》で打ち消すことで「出来事」の両方をケアできます。「出来事」があるおかげで、打消し呪文をメインに入れることが肯定される環境です。
《不可解な幻視/Unexplained Vision》はコモンですが、一徹してプレイした場合はゲームを支配するほどの性能があります。強さの割にドラフトで流れて来やすいのも良い所。
白はシールドを20回以上やってもほとんど使いませんでした。
クリーチャーの質が低く相手の4/4以上に手こずりますし、クリーチャー強化呪文が多いせいで相手の除去やバウンスに2対1交換されがち。
ただここは経験値が少ないだけかも知れないので、もっと試行回数を増やして行きたいです。
■シールドデッキ
1《ヴァントレスのガーゴイル/Vantress Gargoyle》
1《通路の監視者/Corridor Monitor》
1《恋に落ちた剣士/Smitten Swordmaster》
1《黒槍の模範/Blacklance Paragon》
1《厚かましい借り手/Brazen Borrower》
1《ヴァントレスの聖騎士/Vantress Paladin》
1《ロークスワインの聖騎士/Locthwain Paladin》
1《鋼睨みのグリフィン/Steelgaze Griffin》
1《墳丘の魔女/Barrow Witches》
2《月明かりの掃除屋/Moonlit Scavengers》
1《夜の死神/Reaper of Night》
1《煮えたぎる大釜/Scalding Cauldron》
1《魔法の井戸/Witching Well》
1《壮大な破滅/Epic Downfall》
1《魂裂き/Reave Soul》
1《黄金の卵/Golden Egg》
1《神秘の論争/Mystical Dispute》
1《魔法の眠り/Charmed Sleep》
1《凶兆の果実/Foreboding Fruit》
1《カボチャ変化/Turn into a Pumpkin》
1《パイ包み/Bake into a Pie》
1《不可解な幻視/Unexplained Vision》
1《神秘の聖域/Mystic Sanctuary》
9《島/Island》
7《沼/Swamp》
サイドボード
1《選択/Opt》
1《蛙化/Frogify》
1《永遠の若さ/Forever Young》
1《よろめく鎧/Shambling Suit》
青が一徹するとメリットのカードがあり、序盤に出すカードも青が多いので青寄せの構築。
土地バランスは10:7、もしくは11:6でどちらかに寄せることが多いと思います。
《蛙化/Frogify》は最後まで入れるか悩みましたがサイド落ち。こちらのデッキのクリーチャーが多くないため1/1とも付き合う必要があり、相手が白や赤の横並べ戦略だった場合はあまり良いカードではないです。
サイズ重視の緑デッキだった場合にサイドインしていました。
強力レアの《厚かましい借り手/Brazen Borrower》を多く引ける幸運もあり、初日8-1で2日目へ。
■1stドラフト
1《石とぐろの海蛇/Stonecoil Serpent》
2《恋に落ちた剣士/Smitten Swordmaster》
1《通路の監視者/Corridor Monitor》
1《惑乱スプライト/Hypnotic Sprite》
1《誘いの魔女/Tempting Witch》
1《失われた軍団/Lost Legion》
1《氷の女王/Queen of Ice》
2《意地悪な後見人/Wicked Guardian》
1《厳格な者、コンラッド卿/Syr Konrad, the Grim》
1《墳丘の魔女/Barrow Witches》
1《鋼睨みのグリフィン/Steelgaze Griffin》
1《月明かりの掃除屋/Moonlit Scavengers》
2《魔法の井戸/Witching Well》
1《魂裂き/Reave Soul》
1《壮大な破滅/Epic Downfall》
2《魔法の眠り/Charmed Sleep》
1《カボチャ変化/Turn into a Pumpkin》
1《カラスの仕返し/Revenge of Ravens》
1《不可解な幻視/Unexplained Vision》
1《ヴァントレス城/Castle Vantress》
1《魔女の小屋/Witch’s Cottage》
7《島/Island》
8《沼/Swamp》
サイドボード
2《巨人の串/Giant’s Skewer》
1《墳丘の魔女/Barrow Witches》
1《魔女の復讐/Witch’s Vengeance》
1《魔術遠眼鏡/Sorcerous Spyglass》
1-1
色を決めずに使える強力レア。この環境の理想の初手ピックです。
1-2
環境最高の除去をピック。レア抜けのパックでしたが、《壮大な破滅/Epic Downfall》はアンコモンの中でもトップです。
1-3
弱めのパックだったので、黒を主張するためにピック。このカード自体は後半でも無駄になりにくく好きです。
1-4
出来事をスムーズに対処できるバウンスは強いです。初手級だと思っているので、このカードが流れてくると青のサインかなと考えます。
2-1
3/3サイズが多いので相手の4マナ域とも交換しやすい優秀除去。
3-1
1枚でゲームに勝つフィニッシャーを引きました。コンラッドは大体のレアより強いです。
土地含めて良いバランスのデッキが出来ました。しかし3戦目に青黒ライブラリーアウトに手も足も出ず敗北して2-1。
こちらの壁クリーチャーや《カラスの仕返し/Revenge of Ravens》が無駄カードになってしまうため、青黒の遅いデッキ対決ではライブラリーアウト側が圧倒的に有利です。
ライブラリーアウトに当たった時は、サイド後にデッキ枚数を増やしたり《永遠の若さ/Forever Young》を入れてライブラリーを増やすのですが、十分なカードが足りずにサイド後も戦略を変えられませんでした。
青黒を組むなら《永遠の若さ/Forever Young》のピックは意識したいですね。
■2ndドラフト
1《邪悪な貴族/Malevolent Noble》
4《失われた軍団/Lost Legion》
2《誘いの魔女/Tempting Witch》
1《残忍な騎士/Murderous Rider》
2《意地悪な後見人/Wicked Guardian》
1《揺るぎない騎士/Resolute Rider》
2《鋼睨みのグリフィン/Steelgaze Griffin》
1《墳丘の魔女/Barrow Witches》
1《沼のいたずら好き/Bog Naughty》
1《月明かりの掃除屋/Moonlit Scavengers》
1《夜の死神/Reaper of Night》
1《魂裂き/Reave Soul》
2《黄金の卵/Golden Egg》
1《カボチャ変化/Turn into a Pumpkin》
1《パイ包み/Bake into a Pie》
1《魔法の馬車/Enchanted Carriage》
11《沼/Swamp》
6《島/Island》
サイドボード
1《切望するマーフォーク/Wishful Merfolk》
2《無礼の罰/Didn’t Say Please》
1《物語への没入/Into the Story》
1《魔法の井戸/Witching Well》
1《ヴァントレスの聖騎士/Vantress Paladin》
1《魔術遠眼鏡/Sorcerous Spyglass》
1《死霊の金切り声/Specter’s Shriek》
1《神秘の聖域/Mystic Sanctuary》
1-1
他の候補がそこまで強くないコモンばかりだったので、使えたときに強力なカードをピック。黒単を意識します。
1-2
初手とも噛み合う強力なアンコモンをピック。黒は強いアンコモンが多いです。
1-3
2手目の都合で、食物カードを優先してピック。このカードはその後の受けも広がるので序盤にピックしやすいです。
1-5
単体で非常に強力なカードで、5手目に来るなら緑黒が空いているかも。緑黒食物を検討します。
2-1
強力なアンコモンも除去できるので評価高いです。《パイ包み/Bake into a Pie》の次くらい。
2-3
1パック目で緑のカードがほとんど流れてこなかったので、ここで青への転向を考えます。
3-1
重いので複数入れにくいですが、サイズもバウンスも良いカード。
3-2
レア抜けでしたが、それでもトップコモンが取れてラッキー!
3-3
《沼のいたずら好き/Bog Naughty》用の食物が取れていないのと、《月明かりの掃除屋/Moonlit Scavengers》のシナジーも考えて早めにピック。
序盤に黒単ピックしたことで黒のカードは十分集まりましたが、2色目を決めかねていたせいで2マナ域が不足しています。
ただ《失われた軍団/Lost Legion》4枚なので3ターン目以降はスムーズに動けそうです。3ターン目の《失われた軍団/Lost Legion》を確定させるためにも沼11にしました。
赤黒騎士、白赤騎士と当たり、後手で《魂裂き/Reave Soul》をちゃんと引ける幸運もあり2-0。
3戦目はID(合意の引き分け)して、トップ8進出!
■決勝ドラフト
1《マーフォークの秘守り/Merfolk Secretkeeper》
1《フェアリーの荒らし屋/Faerie Vandal》
1《惑乱スプライト/Hypnotic Sprite》
1《願いのフェイ/Fae of Wishes》
1《氷の女王/Queen of Ice》
1《秘本の略奪者/Tome Raider》
1《誘いの魔女/Tempting Witch》
1《誓いを立てた騎士/Oathsworn Knight》
1《残忍な騎士/Murderous Rider》
1《意地悪な後見人/Wicked Guardian》
1《鋼睨みのグリフィン/Steelgaze Griffin》
1《滝の賢者/Sage of the Falls》
1《沼のいたずら好き/Bog Naughty》
1《厳格な者、コンラッド卿/Syr Konrad, the Grim》
1《月明かりの掃除屋/Moonlit Scavengers》
1《夜の死神/Reaper of Night》
1《選択/Opt》
1《黄金の卵/Golden Egg》
1《湖での水難/Drown in the Loch》
2《魔法の眠り/Charmed Sleep》
1《欲深い衝動/Covetous Urge》
1《不可解な幻視/Unexplained Vision》
1《神秘の聖域/Mystic Sanctuary》
1《魔女の小屋/Witch’s Cottage》
8《島/Island》
7《沼/Swamp》
サイドボード
2《鋼睨みのグリフィン/Steelgaze Griffin》
1《永遠の若さ/Forever Young》
1《乱闘の華/Belle of the Brawl》
1《選択/Opt》
2《ヴァントレスの聖騎士/Vantress Paladin》
1《荒くれたちの笑い声/Outlaws’ Merriment》
1-1
文句なしの最強クラスの神話レアをピック。赤白騎士を意識します。
と思いきや黒の強力アンコモンが流れて来たのでピック。ドラフトの序盤は色にこだわらず、単純に性能でピックして空いている色に行きます。
2-1
また強力レアを引いてしまった。これで黒を確定、2色目を考えます。
2-2
後半の土地をスペルに変えて、「2枚目のカードを引いたとき○○」効果とシナジーがある強力アンコモン。流れてきたので青は空いていると考えます。
2-3
壁として相手の5マナ域まで止めますし、願いとして使っても良い。青は空いてそう。
3-1
2マナでありながら3/4飛行まで育つ、プレミアムアンコモン。
3-2
一緒のパックにFoilの《貪るトロールの王/Feasting Troll King》と《カタカタ橋のトロール/Clackbridge Troll》がいて頭を抱えました。
カタカタよりもコンラッドの方が強いです。
3-3
3ターン目に出すと8点以上は持っていけます。黒のポジションは成功してそう。
青も黒も理想的なポジションにいたと思います。このGPでは青黒ばかりやっていましたが、その中でも最高の青黒が組めました。
優勝できるデッキかと期待しましたが、松本さんの赤単に先手で押し込まれて1没。
《怒り狂うレッドキャップ/Raging Redcap》に除去を打つか壁を出すかの2択で壁を出して、巨大化で10点くらい負け。素直に除去すべきでした。
■おわりに
青黒は一周するようなカードでも強いデッキを組みやすく、比較的成功しやすいアーキタイプです。
《鋼睨みのグリフィン/Steelgaze Griffin》《不可解な幻視/Unexplained Vision》など5マナ以上が増えやすいので、3マナ以下が9-10枚になるようなピックを目指したいですね。
今回のGPトップ8で来年のプロツアーの権利も獲得できたので、またしばらくはプロとして情報発信をして行きます。
それではまた。