MTG │ デッキ解説 │ 井川良彦【モダンのメタゲームとマルドゥエネルギー解説】

あけましておめでとうございます。Rush Prosの井川です。
今年も定期的に記事を寄稿していきます。どうぞよろしくお願いします!

今回の記事では2024/12/16の禁止改定以降のモダンの動きをまとめつつ、年末に使ったマルドゥエネルギーの簡単な解説を書いていこうと思います。
週末にはモダン神挑戦者決定戦がありますし、2月には同じ環境でチャンピオンズカップファイナルも迫っています。

モダンの見識を一緒に深めていきましょう!

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★禁止改定後のモダン


こちらは1/7時点での、直近14日間にgoldfishに登録されたモダンのデッキ数によるメタゲームランキングです。

◎エネルギー

色めき立つ猛竜》《湧き出る源、ジェガンサ》の禁止も何のその。相変わらずエネルギーデッキがモダンのトップメタとして君臨しています!
ボロスが主流で1番人気であり、派生であるマルドゥも4番人気に位置しており、合わせて20%弱。いかにモダンホライゾン3のカードたちが強いか思い知らされますね。

ボロスエネルギー by Chichichi
Modern Challenge 64 優勝 9-1(2025/01/06) 

◎ディミーア眼魔

2番手に来ているのはディミーア眼魔。禁止改定の影響を受けなかったデッキであり、元々上位メタだったためそのまま居座っている格好です。
エネルギーとディミーアはそれぞれ強い相手が異なるため、この2強を打ち崩すのは中々難しく、メタゲームが少し停滞しているように感じています。どちらもブン回りがありつつ対策がしづらい、良いデッキですね。

ディミーア眼魔 by 532at
Modern Challenge 32 優勝 9-1(2025/01/06) 

◎ヨーグモス

上記2つへの対抗策として最近頭角を現し初めているのが、懐かしのヨーグモス。《有翼の叡智、ナドゥ》が登場してからはほぼ下位互換ということで全く見なくなっていましたが、《有翼の叡智、ナドゥ》の禁止、そして《緑の太陽の頂点》解禁によるデッキパワーの向上もありメタゲームの上位に上がってきました。

エネルギーの「横」には《スランの医師、ヨーグモス》が強く、ディミーアの「縦」には《飢餓の潮流、グリスト》でマウントが取れる構造になっています。注目株。

ヨーグモス by toondoslav
Modern Challenge 64#1 準優勝 8-2(2025/01/05) 

◎その他

エルドラージ系やアミュレットタイタン、研磨基地などのデッキは上位にいるものの、一つの指輪》が抜けた穴が大きく、特に対エネルギーで勝ちきれていない印象です。

※抜けた穴、あまりに大きく…

無敵効果による時間稼ぎ、そして大量ドローによる復旧/押しつぶしができなくなったため単純にデッキパワー/安定感が下がっていて、それがそのまま勝率の低下につながっています。

★マルドゥエネルギーについて

※BIG MAGIC LIVE(@MtgBigmagic_TV)より

大晦日に行われたBIG MAGICさんの企画、「RYUJIN」でマルドゥエネルギーを使いましたので、デッキの解説を簡単にしたいと思います

井川良彦 マルドゥエネルギー(2024/12/31 RYUJIN)

デッキリスト
2:《冠雪の平地/Snow-Covered Plains
1:《冠雪の山/Snow-Covered Mountain
1:《聖なる鋳造所/Sacred Foundry
1:《優雅な談話室/Elegant Parlor
1:《血の墓所/Blood Crypt
1:《大音声の劇場/Raucous Theater
1:《神無き祭殿/Godless Shrine
1:《薄暗い裏通り/Shadowy Backstreet
4:《血染めのぬかるみ/Bloodstained Mire
4:《乾燥台地/Arid Mesa
4:《湿地の干潟/Marsh Flats
2:《栄光の闘技場/Arena of Glory
23 lands


4:《魂の導き手/Guide of Souls
4:《オセロットの群れ/Ocelot Pride
4:《ナカティルの最下層民、アジャニ/Ajani, Nacatl Pariah
4:《オークの弓使い/Orcish Bowmasters
4:《火の怒りのタイタン、フレージ/Phlage, Titan of Fire’s Fury
20 creatures

2:《思考囲い/Thoughtseize
4:《致命的な一押し/Fatal Push
2:《岩への繋ぎ止め/Chained to the Rocks
1:《虹色の終焉/Prismatic Ending
2:《虚無の呪文爆弾/Nihil Spellbomb
4:《鏡割りの寓話/Fable of the Mirror-Breaker
2:《ゴブリンの砲撃/Goblin Bombardment
17 other spells


2:《敏捷なこそ泥、ラガバン/Ragavan, Nimble Pilferer
1:《虚無の呪文爆弾/Nihil Spellbomb
1:《スレイベンの魔除け/Thraben Charm
2:《石のような静寂/Stony Silence
2:《薄氷の上/On Thin Ice
1:《摩耗/Wear
2:《スカルドの決戦/Showdown of the Skalds
2:《血染めの月/Blood Moon
2:《思考囲い/Thoughtseize
15 sideboard cards

【インポートデータ】

前週のMMM Finalsのためにエネルギーデッキを走り込んだ際に、個人的にどんどん嫌いになっていったカードがありました。それが《静牢》と《電気放出》です。

色めき立つ猛竜》が禁止された今、エネルギーの補充先が限られているのが厳しく、特に《静牢》はすぐに維持できなくなるケースが多発しました。
電気放出》も4点以上で打てるケースが激減。2T《超能力蛙》に対してコレを持っていて泣きました。

除去枠の採択を考える上で、リュウジのデッキを「ディミーア≧エネルギー>>ホロウワン、親和系」と予想。
そこで《超能力蛙》《忌まわしき眼魔》のラインをしっかりと除去できるよう、致命的な一押し》《岩への繋ぎ止め》に寄せました。プレインズウォーカーには触りづらくなりますが、その分確実性を優先した形です。

色めき立つ猛竜》時代は使えませんでしたが、今はこういうカードも採用できるようになりました。《静牢》と同じような役割で、代替品です。エネルギーで維持する必要はなく、《濁浪の執政》こそ触れませんが、大抵のカードに対処できます。使い勝手良くて◎

追加の除去枠は《岩への繋ぎ止め》の3-4枚目ではなく《薄氷の上》を採用。
これは《海の先駆け》に対して平地1枚だけで対処できるようにです。こちらは増田くんのアイディア。様々なカードを日々実際に使って試している彼は凄い。

ミラーやディミーアにメインから差を付けるために採用したのが《虚無の呪文爆弾》。特にエネルギーのミラーマッチは《火の怒りのタイタン、フレージ》ゲーになりがちなので、メインから墓地対策できるかどうかは勝率に大きく影響します。

火の怒りのタイタン、フレージ》対策という意味では《スレイベンの魔除け》でも良いのですが、1ドローの価値と早いターンの設置=ディミーアの《発掘》への牽制も考えてこちらを優先しました。ミラーで弱い《思考囲い》を減らし、メイン2枚の採用。

今のメタゲームはエネルギーやディミーアの他にも研磨基地、ストーム、独創力、御霊など様々なデッキが墓地を活用してくるので、メイン《虚無の呪文爆弾》は結構オススメです。

最後に3マナ域の採択について。
ボロスエネルギーでは《歴戦の紅蓮術士》が優先される傾向にありますが、僕は断然《鏡割りの寓話》派です。

ミラーマッチで《オークの弓使い》を構えているところに3T《歴戦の紅蓮術士》を出すのは非常にリスキーですし、墓地対策に対しても《火の怒りのタイタン、フレージ》との噛み合い的にも鏡割りの寓話》のほうが優れていると考えているからです。

こちらはRYUJINで実際に合ったシーンです。
リュウジは《ラクドスの魔除け》を構えていましたが、その上から《鏡割りの寓話》で《火の怒りのタイタン、フレージ》をディスカード→《栄光の闘技場》セット→即「脱出」してゲームエンド。相手としては劣勢の状況ですし、何もない墓地に対して《ラクドスの魔除け》を使いたくはないですよね。出して即ディスカードを強制される《歴戦の紅蓮術士》ではこうはいきません。

このように、ディスカードのタイミングがこちらに都合よく、《外科的摘出》《虚無の呪文爆弾》などに対して強く出れるので、火の怒りのタイタン、フレージ》デッキであるエネルギーでは《鏡割りの寓話》が良いと思っています。

友人の某Qくん曰く「ラクドス想起のときも《歴戦の紅蓮術士》から始まって、結局最後は全員《鏡割りの寓話》になってた」
今は《歴戦の紅蓮術士》が主流かもしれませんが、今回のエネルギーも最終的には《鏡割りの寓話》に帰結するのではないでしょうか。

★おわりに

禁止改定から約一ヶ月が経過し、モダンのメタゲームもかなり固まってきました。

デッキ選択も大事ですが、モダンはどのデッキも強いためやり込みも大事です。ここ一番の大会に向けて、しっかり自分の刃を研いでおきましょう!


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