MTG │ 新弾レビュー │ 井川良彦【ダスクモーン:戦慄の館】

皆さんこんにちは。Rush Prosの井川です。

毎度おなじみ、最新エキスパンションである『ダスクモーン:戦慄の館』のレビューをお届けします。

可愛かった『ブルームバロウ』から一転、ホラーをテーマにしているということでおどろおどろしいカードの山。ホラーが好きではない僕は正直ちょっとテンション下がり気味ですが、イラストでカードの強さが変わる訳ではないのでなるべく気にせずいきたいと思います。。。

※『ブルームバロウ』でマジックを始めたプレイヤーたちが、キモさに萎えて辞めないことを切に願います。

それではスタート!

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★悪さをしろと言わんばかりの性能!「大主」シリーズを使いこなそう!

アグロが好きですし、とにかく軽いカードばかりに目を光らせがちの僕でも、これだけ強いと話は別です。

「兆候」という新能力をもったこの神話レアシリーズ。
兆候コストでプレイするとクリーチャー化するのはかなり先のターンになってしまいますが、他のカードと組み合わせると簡単に悪さができてしまうのがマジック!

話題になっているのは主にこの2種類。巻物変容》は単純にブリンクすることでクリーチャーとして戻ってきますし、《リッチの騎士の征服》は兆候でプレイした大主自身を生け贄にすることでリアニメイトできる=実質ブリンクのように働きます。

特に《ホーントウッドの大主》と《リッチの騎士の征服》の相性は特筆に値します。
3→5とスムーズに動けるだけでなく、兆候した《ホーントウッドの大主》+出した「偏在地」トークンと2つ生け贄にできるので、たとえば2ターン目に《蓄え放題》や《錠前破りのいたずら屋》で墓地を肥やしていれば、そこで落としたクリーチャーも一緒に釣ることができます!!

既存の《もがく出現》デッキとハイブリッドさせるのが最もスマートな運用方法でしょうか。デッキ名にもある通り《もがく出現》への依存度が高いデッキでしたが、《リッチの騎士の征服》により釣り竿も増えて安定感が増しそうですね。

また、大主+《リッチの騎士の征服》のコンボは「サクる→戻す」が一連の流れなので、安らかなる眠り》以外の墓地対策が基本的に効かないのも◎。

兆候は代替コストであり、マナ総量は変わっていないので、《豆の木をのぼれ》が誘発するのも素晴らしい!
豆の木をのぼれ》を一番活用しているデッキ=ドメインランプでも緑の大主はよく見るカードになりそうですね。《山積みの収穫》《洞窟探検》と熾烈な3マナ圏争いを繰り広げそう。

★除去されても戦場に残る?「永劫」シリーズで継続的に攻め続けたい!!

各色に用意された「永劫」シリーズ。「死亡したときにエンチャントとして戦場に戻ってくる」という能力をそれぞれ持っているため、喉首狙い》などの単体除去に非常に強いデザインになっています。

個人的に特に期待しているのが白の《永劫の無垢》と、青の《永劫の好奇心》。

永劫の無垢》は既存の白系コントロールにピッタリの性能です。《世話人の才能》に依存していたアドバンテージ源が増えるのはデッキにとって単純な強化ですし、《人参ケーキ》《噴水港》など相性良いカードは揃っています。
適当にチャンプブロックしてライフを保ち&エンチャントに変えてから、《太陽降下》を打ちましょう!

永劫の好奇心》も、既存のディミーアミッドレンジに最適。瞬速でのクロックはカウンターを構えたいディミーアにとって嬉しい新戦力ですし、もちろんドロー能力も《ヨーグモスの法務官、ギックス》の追加なのでめちゃくちゃ嬉しいです。

上では《永劫の無垢》《永劫の好奇心》の2枚にスポットを当てましたが、この2枚に限らずどれも非常に強力な能力を持っています。羅利骨灰》のようなクリーチャーやエンチャントを追放できる除去の価値はさらに上がりそうですね。

★強力なエンチャントが目白押し!「違和感」アグロの登場なるか?

エンチャントが戦場に出るたび、部屋1つを完全に開放するたびに誘発する能力が「違和感」。
どうでもいいのですが、この「違和感」っていうキーワード能力名に違和感があるのは僕だけでしょうか?

この「違和感」はリミテッドだけでなく、構築でも使えるようにか比較的強力なカードが多いように見受けられます。

盤面のサイズを上げてくれる《呑気な物漁り》。《気前のいい訪問者》が活躍したことを考えると、これもほぼ同様に活躍してくれそうですよね。

過去の歴史を遡っても、オーラのようにエンチャントが主体のデッキは単体除去に弱いのが常ですが、《グレムリンを手懐ける者》は《若き紅蓮術士》のように横に広げてくれますし、《精体の追跡者》に至っては瞬速があるのでかなりプレイタイミングを選べるようになっています。

そしてクリーチャーだけでなく、エンチャントも超一流のカードが揃っています。

従来は《神々の思し召し》《ケイラメトラの恩恵》のようなスペルを使っていたのに、なぜかオーラになった《破片魔道士の救出》。
1/1→0/2になったことで単純に《証人保護》より強くなっている《声も出せない》。
そして強すぎてテキスト三度見ぐらいした、このセットで最も強いカードである(と個人的に思っている)《幽霊による庇護》。

これだけ用意してもらったなら、もう組んでみるしかないですよね。
友好色は今回の新しいレア土地も使えますし、アゾリウス「違和感」アグロに乞うご期待!!

★新規2色土地!使い勝手が色の組み合わせで違うので注意!!

今回のレア土地は、なんとアンタップインかつ条件達成で2色目が出るという超画期的なデザイン!!!

メインカラーがどちらの色なのかもケアしないといけないのが、従来とは一線を画しているポイントです。古いカードで例えると《涙の川》に少し近いかもしれません。

例えば、白青土地である《フラッドファームの境界》は白ベースのデッキ、たとえばアゾリウス兵士のようなデッキであれば《平地》の代わりに入れてもほぼ問題ないですが、逆に青ベースのデッキ、たとえば《対抗呪文》を打つようなデッキでは事故リスクを抱えることになります。

赤緑土地である《ソーンスパイアの境界》は、パイオニアのアタルカレッドのような赤ベースのデッキであれば問題なくプレイできますが、逆にグルール機体のように1ターン目に緑を要求するデッキにはマッチしないでしょう。

また、しっかり2色土地として運用するのであればデッキ構築する際に「基本土地タイプ」の枚数に気をつけないといけません。M10ランドのときは入れすぎるとタップイン地獄になりましたが、今回の土地はそもそも色が出なくなる=単色事故を起こす危険性があるのです。3色デッキ以上のデッキを組む際は特に注意しましょう。

★その他、気になったカードたちをザックリ紹介します

イラスト怖い><
力強い跳躍》がここまで強くなった!!
これだけ性能が良いと、構築でもワンチャンありそうに感じますね。対象をエンチャントにするので、これを相手の《偉大なる統一者、アトラクサ》に打って《第三の道のロラン》で除去、なんて動きも可能です。

3マナ5/5相当、かつ1枚で2パーマネントなのでかなり強そう。
かつての《恋煩いの野獣》みたいに運用できるんじゃないかなーと期待しています。

召集の2種類目がスタンダードでも使えるとなると、パッと見はボロス/ジェスカイ召集が強化されたように思えます。ですがマナ・コストの白白が非常に厳しいため、基本的には2Tに唱えるのは難しそう。そうなると微妙かなーと。

構えて動くのは見え見えすぎますし、《敬慕されるロクソドン》のように盤面強化するわけでも《イーオスの遍歴の騎士》のようにアドバンテージを稼ぐわけでもないので、ただデカいバニラで終わる可能性も高いです。期待し過ぎないほうが良い気がしています。

墓地6枚のコストは非常に重いですが、《救いの手》《再稼働》で釣ればそんなの関係ねぇ!!

1T諜報土地で墓地に落とされて、2Tに釣られて即投了に追い込まれる。そんな不幸な人を生む悪のカードです。やられたら泣くので、やる側に回りましょう。

単体で20→18→9と脅威の11点クロック!除去しても麻痺カウンターアリで帰ってきて、麻痺カウンターがなくなればまた戦闘に参加して、また返ってきての繰り返しです。

流石にこれだけ盛り盛りだと強そうですが、3Tに出す→4Tに戦闘で死ぬ(麻痺カウンター2個で帰って来る)のパターンだと、アンタップして次に殴れるのは7ターン目。ちょっとラグり過ぎている感も否めないので、実際に使って強さを試してみたいですね。

ボロスの反攻者》的な能力を持っていて、さらにはライフゲインも阻止してくれるアグロ好きがデザインしたであろう1枚。真っ先に試すであろう1枚でもあります。

強いとは思うのですが、昨今のカードパワーに本当について行けるのか正直不安でもあります。喉首狙い》されている未来しか見えない気も。

アンコモンではありますが、出たターンから「生存」を達成できれば、環境のエースになれる程のパワーがあります。
地底のスクーナー船》だけでは少し足りないので、もう1種類ぐらい相性良いカードがあればワンチャン。《切り崩し》されたら泣きます。

2マナ3/2速攻にメリット能力が付くなんて!!!

切り崩し》こそ当たりますが一番使用率の高い《喉首狙い》が当たらないのは神。一度コイツが墓地にいけば、2枚目のコイツが昂揚を達成してくれそうなのも良い。4枚使いましょう!
昂揚の条件を考えると、《熊野と渇苛斬の対峙》が使えるパイオニアの方がスタンダードよりも活躍するかも。

相性が良いので3枚まとめて紹介。
闇の中の研究者、ナシ》が忍者、かつ回避能力があるので、今回の目玉PWである《悪夢滅ぼし、魁渡》と一緒に使えと言わんばかりのデザインとなっています。除去枠に《逃げ場なし》を採用すればヒット率も上がって良いですね。

ビジュアル的にはスゥルタイで組んで、《闇の中の研究者、ナシ》から《月の後裔、ナシ》につなげたいところ。マナカーブも美しい!

今回の可愛い枠。ちゃんと2/2=熊サイズなのが好感持てます。

★終わりに

ということでお届けしました『ダスクモーン:戦慄の館』レビュー。

既存デッキを強化するカードあり、新規デッキを生み出しそうなカードありと、スタンダード激変の予感です!
特に《ホーントウッドの大主》からの《リッチの騎士の征服》は簡単かつ強力で、半端なミッドレンジを圧倒してくれそうです。ド派手に行こうぜ!!

今回の僕のオススメはこの3枚。
ホーントウッドの大主》で圧倒するも良し!永劫2種で《喉首狙い》を構えている相手に新時代の到来を教えてあげるも良し!

アンコモンまで含めると、2位に百馬身差を付けて《幽霊による庇護》。デッキは選びますが、とにかく書いてあることが強すぎる!!!
本来リスクになるはずなのに、複数枚付けると護法が重複して安心感が増すのもズルい。間違いなくこのセット最強の1枚でしょう。

スタンやパイオニアなど、様々な白いアグロデッキに採用されると予想しています。
逆にパイオニアのラクドス果敢や緑単信心、スタンダードのラクドストカゲなど、除去の薄いクリーチャーデッキはこのカードに苦しめられることになりそうです。

それでは今回はここまで。また次回の記事でお会いしましょう!


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