MTG │ デッキ紹介 │ 井川良彦【禁止解除によって生まれたモダンの新デッキ達】
皆さんこんにちは。Rush Prosの井川です。
8月の《有翼の叡智、ナドゥ》《悲嘆》禁止から4ヶ月。暴れ続けてきたエネルギーデッキについに鉄槌が下りました!
それだけに留まらず、今回はなんと4枚ものカードがモダンで解禁!!!
《一つの指輪》禁止
《色めき立つ猛竜》禁止
《湧き出る源、ジェガンサ》禁止
《オパールのモックス》禁止解除
《緑の太陽の頂点》禁止解除
《信仰無き物あさり》禁止解除
《欠片の双子》禁止解除
日本国内では今週末にTHE LAST SUN 2024、そして来週末にはMMM Final 2024とモダンの大型大会の開催が迫っています。
ということで今回の記事ではモダンの禁止改定についてと、禁止解禁後のカードを使ったデッキたちをご紹介したいと思います。
THE LAST SUN 2024(公式)
MMM Finals 2024(公式)
※ラッシュメディア記事内紹介のカードは
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★禁止について
《一つの指輪》と《色めき立つ猛竜》については世界中で予想されていたカードたちであり、正直「やっと禁止になったか」と思った方も多いのではないでしょうか。
それぐらい《有翼の叡智、ナドゥ》禁止後のここ4ヶ月はエネルギーデッキおよび《一つの指輪》に支配されており、モダン自体がかなり魅力の低いフォーマットになっていました。
一方の《湧き出る源、ジェガンサ》については、正直意外でしたね。今回パイオニアでも同時に禁止になっており、カードプールが広がるごとに「相棒」への縛り(リスク)と8枚目の手札があることの強さ(リターン)のバランスが取れなくなっているのでしょう。他の相棒が今後どうなるのか、気になるところです。
なお、今回これだけ禁止が出たもののエネルギーデッキは第一線に残っており、そういう意味では今回の禁止はWizardsの望む方向になっているようです。
・マルドゥエネルギー by Vrym(Modern League 2024-12-17, 5-0)
もし《色めき立つ猛竜》ではなく《魂の導き手》や《火の怒りのタイタン、フレージ》が禁止になっていたら、デッキごと消滅していた可能性は高いですからね。
《死せる生》のときもそうでしたが、なるべく「禁止を出しつつも環境に存続させる」というラインで禁止を出しているようです。(《有翼の叡智、ナドゥ》のようなバグは除く)
★禁止解除について
◎《オパールのモックス/Mox Opal》
《オパールのモックス》は2020年の冬に禁止になったので、4年と11ヶ月振りのモダン解禁です。
当時一緒にモダンを荒らしていた《王冠泥棒、オーコ》+《アーカムの天測儀》は存在しませんが、元々「親和」「鱗親和」「ウルザソプター」など様々なデッキで使われていた強カードです。
不可能を可能にする0マナアーティファクトということで、禁止改定直後から多くのプレイヤーが既存デッキ/新デッキに挑戦しています。
・親和 by RNAPBP1(Modern League 2024-12-17, 5-0)
《オパールのモックス》といえば親和。ということで令和版の親和がこちらですね。直近の『モダンホライゾン3』からも《河童の砲手》を手に入れており、爆発力にさらに磨きがかかっています。
・ハンマータイム by DB_Disgruntled_Elk(Modern League 2024-12-17, 5-0)
親和同様、モダンの軽量アーティファクトを使ったデッキの代表格といえばハンマー。
こちらも《オパールのモックス》が入ったことによりかなりアーティファクトに寄せた構成になっており、《河童の砲手》まで投入されているのが面白い。「護法4」のおかげで除去耐性があり、ブロックされない能力もあるので《巨像の鎚》の対象として100点!
・鱗親和 by pfalcon777(Modern League 2024-12-17, 5-0)
こちらは上記2つのデッキに比べると0-1マナのアーティファクトの枚数が少ないため、1ターン目からの爆発的なアクションの確率は低めです。ただし元々2マナに偏ったデッキ構造だったので、2ターン目の1+2、3ターン目の2+2など、スムーズなアクションが《オパールのモックス》によって実現可能となっています。
なお禁止解除直後ということもあり、《オパールのモックス》を使用したデッキは非常に意識されています。どのデッキを見てもこれらのような、いわゆる「専用サイド」が取られている状態です。
《オパールのモックス》デッキを使う場合はサイドボード後にこれらをどう打たせるか、どう戦うかを考える必要があるので気を付けてください!
◎《緑の太陽の頂点/Green Sun’s Zenith》
《緑の太陽の頂点》は今回禁止解除されたカードの中で最も古く、2011年10月に禁止になったため、なんと13年振りのモダンリーガルとなります!
2011年9月制限禁止カード変更点について(公式記事)
レガシーではエルフやナドゥ、マーベリックなど様々なデッキで活躍している通り、カードパワーは十分。当時のモダンでは《雲上の座》デッキやZooで使われていましたが、今回の解禁後も主にアミュレットやエルフのようなデッキで存分に力を発揮してくれること間違いナシです。
・アミュレットタイタン by DB_deftjad(Modern League 2024-12-16, 5-0)
《一つの指輪》を失いましたが、《緑の太陽の頂点》が入ったことにより安定感が増したアミュレットタイタン。
《樹上の草食獣》、《イリーシア木立のドライアド》、《原始のタイタン》など状況に合わせてサーチすることができるため手札が事故りづらくなりました。
サイド後は《オパールのモックス》デッキをメタった《溜め込み屋のアウフ》もありますし、このリストには入っていませんが《血染めの月》対策に《再利用の賢者》を採用することもできます。
・アブザンミッドレンジ by keyan926(Modern League 2024-12-17, 5-0)
《緑の太陽の頂点》が無ければ成立しなかったであろう新デッキ。これぞモダン版マーベリック!
《ドライアドの東屋》でのマナ加速を始めとして、《溜め込み屋のアウフ》、《ガドック・ティーグ》などのヘイトベアーたちもメインに採用しているのが特徴的ですね。
なお《ガドック・ティーグ》は自分の《緑の太陽の頂点》《活性の力》も封殺してしまうのでご注意を。
◎《信仰無き物あさり/Faithless Looting》
「《甦る死滅都市、ホガーク》の夏」の立役者であり、そのホガークと一緒に2019年8月に投獄されました。
2019年8月26日 禁止制限告知(公式記事)
ホガークだけでなくドレッジ、イゼットフェニックス、ブリッジヴァイン、ホロウワンなど様々な墓地利用系デッキの中核として活躍しており、今回の復活後も同系統のデッキでの活躍が期待されています。
・ラクドス昂揚 by ChimmyNorbit(Modern League 2024-12-17, 5-0)
ホロウワンの正統後継者。
《ネザーゴイフ》《探偵のフェニックス》《逸失への恐怖》《栄光の闘技場》と直近のエキスパンションで大幅に強化されており、今回の《信仰無き物あさり》復活により一躍トップメタに躍り出る可能性があります。
墓地対策に弱いカードが多いですが、そこを嘲笑うかのように《虚ろな者》連打で負けたりもするので対策がしづらいビートダウン。
《オークの弓使い》が相手の《信仰無き物あさり》を咎めつつ、自分の《燃え立つ調査》でコンボって気持ち良い!!
・イゼットフェニックス by mav807(Modern League 2024-12-17, 5-0)
過去にはホガークとともにモダンのトップメタに君臨していたイゼットフェニックス。
「計画」により1ターンのアクション数を増やせる《街道筋の強奪》、5-8枚目のフェニックスとして最大値を上げてくれる《デミリッチ》など、当時なかったカードも追加されています。ヒストリックで《渦まく知識》《表現の反復》が使えた日々が懐かしい。。。
こちらのリストには採用されていませんが、サイドボードにはもう少し墓地依存度の低い勝ち手段を用意するのが吉。今は《外科的摘出》も散見されるので、直撃して即負けになるのは寂しいですよね。
・ジャンド独創力 by dust01(Modern League 2024-12-17, 5-0)
《不屈の独創力》デッキのパッケージとして有用だった《頑強》が、《信仰無き物あさり》により2ターン目に《残虐の執政官》を釣れるように!!
《レンと六番》で余りがちな土地を捨てるのにも《信仰無き物あさり》が大活躍。ドローソースの少なさもカバーでき、デッキが大幅にアップデートされました。
◎《欠片の双子/Splinter Twin》
プロツアーフィラデルフィア2011、プロツアー『運命再編』と複数回の優勝を果たしている、元モダンの王。
ただのコンボデッキではなくテンポデッキとしての側面もあったり、また自由枠が多いためティムール、グリクシスなど様々な派生形も存在。その強さゆえ、2016年1月に禁止されていました。
ただし当時と違い、今のモダンは《電気放出》《邪悪な熱気》など単体除去の性能も非常に高く、また《否定の力》《活性の力》《孤独》のようなピッチスペルも存在するため、「3マナ+4マナ」のコンボデッキが活躍できるかはかなり怪しいのではないかと個人的に考えています。
・イゼットツイン by Zorro7x4(Modern League 2024-12-17, 5-0)
最盛期は《やっかい児/》や《鏡割りのキキジキ》も入れてコンボの枚数を担保している形が主流でしたが、こちらは4-4の最低限に抑えてイゼットウィザードとして振る舞い、隙を見てコンボを決める形にしているようです。《欠片の双子》を唱えるときのサポートとして《拒絶の閃光》を搭載しているのが特徴的ですね。相手のピッチスペルにはこちらもピッチスペルで対抗!
他にも、《詐欺師の総督》に追加して《逸失への恐怖》をコンボ要素として採用していたり(昂揚していれば《欠片の双子》を付けてライブラリーの枚数分だけアタック!)、ボロスエネルギーに《村の鐘鳴らし》+《欠片の双子》を搭載してみたりと様々な形が試されているようです。
★おわりに
禁止解除後はプレイヤーの熱がすごく、初日にもかかわらず多くのプレイヤーがMagic Onlineでモダンリーグ5-0をしていたため、その中でも特徴的なリストをご紹介しました。
解禁されたカードたちが活躍する様を見るのは気持ち良いですね!今が一番面白いタイミングだと思いますので、モダンが好きな人はぜひ新環境を楽しんでください!
それでは今回はここまで。
次回の記事でお会いしましょう!