MTG │ 新弾レビュー │ 井川良彦【機械兵団の進軍】

皆さんこんにちは。Rush Prosの井川です。

毎度おなじみ、最新エキスパンションである『機械兵団の進軍』のレビューをお届けします。

今回は「バトル」という新カードタイプが登場したり、様々なレジェンドが共演してたりとプレビュー期間から話題に欠かないセットでしたね。新カードタイプはプレインズウォーカーが登場した2007年以来、実に16年振り!!

ということで、いつも通り趣味100%でお届けしたいと思います。それではスタート!

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★新カードタイプ「バトル」!その中でもオススメの2枚はこちら!!

「プレインズウォーカー」は自分のライフを擬似的に増やすとともに継続的なアドバンテージを取るパーマネントですが、今回登場した「バトル」は相手のライフを擬似的に増やし、その対価として盤面の優位を築こうとするものに見えます。

リミテッドではどのバトルも十分強そうに見えますが、構築目線でいうと

・アグロデッキは相手のライフを増やしたくない=わざわざバトルに殴りたくない
・コントロールデッキはそもそも戦場にクロックが乏しい=バトルを落としてバリューを取るのが難しい

ため、ミッドレンジデッキ以外では少し使いにくそうだな、というのが使う前=初見の所見です。

ですがそんな中でも、いくつか個人的に注目しているものがありますので順に紹介します。

表面は《精鋭呪文縛り》と同じ妨害能力、裏は全体強化&全体除去耐性。そして何より2マナ!!!!
バトル自体が非クリーチャー呪文ではあるので《スレイベンの守護者、サリア》との相性こそ悪いですが、アグロデッキで是非使ってみたい1枚です!

守備値も「3」と比較的落としやすく、しかもそこで失った打点は変身後の《光盾の陣列》によるターン終了時の全体強化によって補填してくれるので、バトル特有の使いにくさも感じづらいように見えます。

特にコントロールデッキ相手に輝く1枚なので、メインボードよりはサイドボードとして最適な1枚かもしれませんね。

このバトルはなんといっても表面が強い!!!
ただのソーサリーと考えても、「3マナで本体4点+クリーチャー1点」という超優秀な火力です!

さらにこのバトルは「2枚目の《レガーサへの侵攻》で1枚目の《レガーサへの侵攻》に4点与える」という使い方もできるので、相手のライフよりも盤面強化を優先するというフレキシブルな使い方も可能です。コレ自体で4点与えられるので、守備値「5」も他のものに比べると落としやすい=変身させやすいですね。

後述する、今回再録された《かき立てる炎》と合わせて一気に4点火力が8枚使えるようになり、バーン系統のデッキの復活も現実味を帯びてきました。相変わらず《黙示録、シェオルドレッド》には手を焼くかもしれませんが、これはかなり期待できそうです!

★新ギミックの「培養」は?気になるカードをピックアップ!

『機械兵団の進軍』では「培養」という新しいキーワード能力が登場しています。

「培養X」という能力で、Xの数だけ+1/+1カウンターを持ったアーティファクトトークンを出し、そのトークンは2マナを払うことによりクリーチャーに変身する、というものです。

2マナ払う必要があるため少し手間はかかるものの、単体のクリーチャーにボーナスとして付いている分には結構強い能力だなという印象。全体除去に巻き込まれず、返しにアタックできるという点ではアグロ向きの能力かなと考えています。

また「無料でアーティファクトが出せる」というところに焦点を当ててみるのもよいですね。スタンダードリーガルではありませんが、「金属術」「親和」といったキーワード能力や、《産業の塔》などと合わせると良さそうです。

あと数ヶ月限定ではありますが、『神河:輝ける世界』発売から1年以上眠り続けていたあのプレインズウォーカーとも相性バツグン!

変身させるよりも、培養X+4のパワータフネスのクリーチャーにして殴る方がお得!!

さて「バトル」同様、「培養」カードの中から気になっている物を順に紹介します!


「機体」が全体除去に強く、さらに「培養」も全体除去に強い。そして「培養」のおかげで搭乗要員にも困らない!

コモンにしてはなかなか書いてあることが強そうな気がします。ちょっと痩せすぎ?
今のメタゲームでは微妙かもしれませんが、頭の片隅に入れておくといつ輝く日が来ると思いますよ!

3/2/4飛行=《削剥》では死なないという最低限のスタッツを保ちつつ、生存すれば書いてあることはメチャクチャ強い!

スタンダードであれば《眼識の収集》や《かき消し》、《喉首狙い》《絶望招来》といった普通のカードを普通にプレイするだけであら不思議。いつの間にか「培養器・トークン」で戦場が埋め尽くされて圧倒的優位に!

モダンやレガシーでは《否定の力》《意志の力》で守りたいですね。出たトークンを「親和」コストにあてて《物読み》を打てばさらに大きな「培養器・トークン」が!

★新しい天使が来たぞ!コイツは活躍間違いなし!!

5マナの絆魂天使といえば《悪斬の天使》、そして《黎明をもたらす者ライラ》。

どちらもスタンダードで使用できたときは一線級の活躍をしましたし、その強さゆえ今でもパイオニアの青白コントロールでプレイされている程。除去耐性はなくとも、一度盤面に残ったときの制圧力は今でも最高峰です。

そんな一級品たちに比肩しうる、新戦力が登場しました!それがこちら!

単体で使っても5マナ5/5・飛行・先制攻撃・絆魂と《悪斬の天使》《黎明をもたらす者ライラ》と同等の能力!

それだけでも強いのに、「賛助1」により除去へのリスクを軽減してくれます!

特にパイオニアの青白コントロールでは《放浪皇》《サメ台風》トークンなどを先に出しておくことが可能なので、相手が《丸焼き》《戦慄掘り》のような除去でこの天使を倒そうと思っていても、一度は「賛助」の能力でライフを戻しておくことができそうです。先代たちには単体除去への耐性がなかっただけに、このメリットは大きい!!

そしてこれだけ強いカードが、なんと通常レア。え、神話じゃないの??

通常レアということは、リミテッドでよく遭遇する=よく敗北することになりそうです。《白の太陽の黄昏》といい、《永遠の放浪者》といい、最近は通常レアに最強クラスのレアがあってちょっともやっとしますね。なぜだWizards。。。

★その他、気になったカードたちをザックリ紹介します

赤単系カードその1。
ブロックができない、速攻もない《チャンドラのフェニックス》といえば聞こえが悪いですが、なんとコイツは《チャンドラのフェニックス》と違って直接戦場に帰ってくる!すごい!!!

今は《死体鑑定士》が跳梁跋扈していますが、そのうち本気出すこと間違いなし。早いうちに4枚買いましょう!

赤単系カードその2。
変身後は「果敢・果敢」と超強力ですが、無理して変身させずとも表面だけで十分強力です。赤単よりも、ヒロイックや巨大化系を打てるような尖ったデッキのほうが相性良いかも。

赤単系カードその3。使うならセット採用かな。赤単が明確に強化されますね。
今は《切り崩し/Cut Down》《削剥》《喉首狙い》など単体除去が非常に強い環境なので、2マナで1/1トークン2体出すのは結構嫌がられそうで。《かき立てる炎》は言わずもがな、実績ありの超優秀火力です。

オバカ系カード。めっちゃ引けそうに見えて大して引けていないってパターンが95%です。

トークンを並べて大量ドローできると気持ちよさそう(強いとは言っていない)。青いトークン…《波使い》とか?

今回の両面カードは変身させるコストが重いので、表面がどれだけ強いかに重きが置かれます。

その点コイツは強い!5マナ4/5威迫とそこそこのスタッツに、戦場に出ただけで1アドバンテージを稼いでくれます。
4ターン目《黙示録、シェオルドレッド》からの5ターン目《シェオルドレッド》の流れは美しいので加点要素。絶望招来》がスタン落ちしたら本気出します。

5マナ6/6到達トランプルと非常に優秀なスタッツに、なんと出ただけで2枚分のアドバンテージ!!
生き残りさえすれば盤面を制圧できる&手札に加わった森2枚のおかげで変身までつながるので、かなり使いやすい&美しいデザインといえそうです。単体で完結しすぎ!

珍しく「森・カード」としか書かれていないので、ギルランやデュアラン、《ドライアドの東屋》などもサーチできるのは良いですね。パイオニア以下で使う際にはお忘れなく。

レジェンド共演シリーズからはこのカードをピックアップ。
3マナ2/3飛行・瞬速とプレイしやすいマナコスト・スタッツに、アドバンテージを稼げる能力が付いているのは凄い!

スタンダードで《幽体の敵対者》《放浪皇》をプレイする青白フラッシュを組むのも良し。クリーチャータイプこそ違えど能力にマッチしているので、パイオニアの青白スピリットでサイドボードに使うも良し。

デッキの軸として使っても、アドバンテージ要員としてサイドボードで使っても活躍が見込める優秀なカードです。イラストも映画みたいで好き。

自身をアンタップできるクリーチャーに「賛助」で能力を付与するとあら不思議。無限ルーターの完成です。

パッと思いついたのはこの2枚。他にもあるかも?特に《天光を求める者》はコモン=パウパーでも成立する無限コンボということで少しは需要がありそうです。

ただ2枚コンボとはいえクリーチャー依存、召喚酔いNGの脆いコンボなので、過大な期待はしないほうが良いでしょう。

今回のイラスト枠。猫というかワンパンマン。

★おわりに

ということでお届けしました『兄弟戦争』レビュー。新カードタイプである「バトル」の評価が難しく、また「培養」も実際の使い心地が分からないため、総じて評価が難しいセットだなというのが正直な感想です。

初見では全体的には少しカードパワー低め、次のローテーション後に活躍しそうなカードが多いような印象を持ちましたが、こういう予想は得てして外れるもの。いい意味で裏切られることを期待しています!

評価が偏っているのもありますが、今回は赤いカードで強力なカードが多いように感じました。日本中の赤単愛好家たちが歓喜していることでしょう!アグロ好きな僕も嬉しいです!

あまりに既知なのであえて上ではピックアップしませんでしたが、あんちゃんこと《フェアリーの黒幕》も良いですよね。フォーマット問わずよく見かけることでしょう。

このカードをあんちゃん相手にプレイして「君、マジック上手いね」って言わせるのが当面の目標です。頑張ります。

それでは今回はここまで。また次回の記事でお会いしましょう!


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