MTG │ 新弾レビュー │ 井川良彦【ファイレクシア:完全なる統一】

皆さんこんにちは。Rush Prosの井川です。

毎度おなじみ、最新エキスパンションである『ファイレクシア:完全なる統一』のレビューをお届けします。
つい先日『兄弟戦争』のレビューをお届けしたばかりのつもりでしたが、もう新エキスパンションが出る時期になったんですね。時が経つのは早い!!

ということで、いつも通り趣味100%でお届けしたいと思います。それではスタート!

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★エスパーレジェンズをさらなる高みへ!最新型《ルーンの母》の登場だ!!

現在のスタンダードのトップメタといえばグリクシスミッドレンジですが、もう一つのトップメタとして今月一気に評価を上げたのがエスパーレジェンズ。

そのエスパーレジェンズを間違いなく強化するであろう、最高峰の1マナ域が登場しました!それがこちら!

1マナ1/1と小さいサイズながら、書かれた能力は超一線級!レガシーのデス&タックスで活躍している《ルーンの母》、モダンのハンマータイムに採用されている《ルーンの与え手》の系譜に連なる、優秀なシステムクリーチャーです。

ルーンの母》《ルーンの与え手》と異なりプロテクションは付けられないのでブロック時には役に立たないのが玉に瑕ではありますが、除去を避けたり、ブロック付与を与えたりと攻撃的なデッキでは遜色ない活躍が期待できます。

そして今のスタンダードには除去されなければ勝つ=守る価値の高いクリーチャーが多数います。特にこの《離反ダニ、スクレルヴ》は伝説のクリーチャーでもあるので、エスパーレジェンズにピタッとフィットします。

新環境のスタンダードで

1T:《離反ダニ、スクレルヴ
2T:《スレイベンの守護者、サリア
3T:《輝かしい聖戦士、エーデリン》or《策謀の予見者、ラフィーン
You win!!!!!!!!!!!

みたいな感じで、除去1枚ぐらいはものともせず、相手を一瞬で撲殺している姿が多数見られること間違いなし!
「トップメタのデッキを強化する」「軽いカード」が使われない理由はありません。真っ先に4枚集めることをオススメします!!!

またパイオニアに目を向けると、「1マナの伝説のクリーチャー」というだけで一定の価値があります。

パイオニアに残されている「可能性の塊」、《モックス・アンバー》をそろそろアグロで運用できる日も近そうです。

1ターン目《アクロスの英雄、キテオン》《モックス・アンバー》《離反ダニ、スクレルヴ》、2ターン目《輝かしい聖戦士、エーデリン》でプロツアー優勝いただきます。ご期待ください。

余談ですが、僕の統率者デッキにも採用が内定しています。《永久忠義の義丸》+《粗野な牧人、ブルース・タール》を守れる、ダメージ通せる、レジェンドなので後引きでも腐らない!ええやん!!

★3マナ域戦争に名乗りを上げるか?エンチャント環境に警鐘を鳴らす1枚!

帰ってきたミラディン次元。となるとやはりグリッサの登場ですね。

今回のグリッサは元祖《グリッサ・サンシーカー》の名前の韻を踏みつつ、さらに『ミラディン包囲戦』の《裏切り者グリッサ》の強みを引き継ぎ、そしてより無視できない能力を持っての再登場となります!

先制攻撃・接死と最強コンビにより「接触戦闘最強」は《裏切り者グリッサ》と同じ。そして「アタックもブロックもできないけど、まぁ3点なら通せばいいか」と考える相手を嘲笑うような誘発型能力が非常に魅力的です。

今のスタンダードは《鏡割りの寓話》《婚礼の発表》といった超強力なエンチャントが跳梁跋扈しているため、それに待ったをかけられそう。コイツを出された返しに《鏡割りの寓話》《婚礼の発表》を出す勇気がありますか?

エンチャントを割るだけでなく、1ドローは文字通りアドバンテージですし、カウンター3個を取り除く能力もプレインズウォーカーを落とす可能性を秘めています。立って無敵、殴って無敵、通すと地獄。うーん、これは強い。

もちろん除去耐性のない3マナクリーチャーではあるので《削剥》《喉首狙い》でテンポを取られる可能性もありますが、除去られなかったときのプレッシャー・制圧力はかなりのものです。

黙示録、シェオルドレッド》が強かったように、「除去されるからダメ」は真ですが「生き残ったら強い」もまた真。一度試してみたら病みつきになるかもしれませんよ。

★実績あるカードがアッパーバージョンに!「X=5」を使いこなせるかな?

スタンダードやパイオニアで、主にサイドボードとして活躍した《幻惑の旋律》。

シンプルながら強力なテキストであり、クリーチャーでのやり取りが主戦場であるスタンダードでは常に一定の活躍が期待できるカードですが、その上位互換ともいえるカードが今回登場しました!

基本性能は前述の《幻惑の旋律》と全く同じです。今のスタンダードであれば《鏡割りの寓話》から出たトークンを2マナ(X=0)で奪うのが最も効率よく、かつ強力なアクションといえそうです。コントロールを奪う=除去りつつ自分が出しているのと同義。つまりマウントを取り返しているので、たった2マナで不利な盤面を有利に持っていくことができます。

そして上位互換といえるのが「X=5以上」の場合です。コピートークンを出してくれるので、「戦場に出たとき」の能力を持つクリーチャーを対象に取れると特にお得ですね。奪えると最高なのは《聖域の番人》。一気に盤面に2体出るのは強すぎる!!

そして知っておいた方が良いのが、《黙示録、シェオルドレッド》や《夜明けの空、猗旺》といったレジェンドを奪うケースです。

「レジェンドはコピー作っても死ぬだけだから意味ないじゃん」と思うなかれ。今のスタンダードには《天上都市、大田原》がありますので、「コピーを作成→オリジナルを墓地に・コピーを戦場に」としておけば、盤面自体は変わらずとも相手の手札に戻されるリスクを排除することができます!

夜明けの空、猗旺》の場合は死亡時誘発の能力がありますので、「コピーを作成→オリジナルを墓地に」とやった上で、+1/+1カウンターをばら撒いたり、ライブラリートップから捲って盤面を作ることができます!ただでさえ強いカードを対処しているのに、こちらの盤面が一気に強化!お得すぎる!!

こんな感じでアグロ対策としてでだけでなく、ミッドレンジ対決にも一石を投じる可能性のある《青の太陽の黄昏》。意識されてないタイミングで使えば差を付ける1枚になりそうです。

★アンタップインで痛くない、歴代屈指の優良土地・通称ファストランドが再録!!!

こういった記事で絶対使う(というかあるものを使うだけ)土地を紹介するのは嫌いなのですが(ここまで前回のコピー)、影響が大きいので一応触れておきます。

スタンダード的に一番影響が大きいのが《闇滑りの岸》。現状のグリクシスミッドレンジは青マナが12-13枚しか入っておらず、2ターン目の《かき消し》が安定しない、《絶望招来》あるから黒マナは減らしたくない、でも《地底の大河》を増やすとダメラン多すぎて痛すぎる、という悩みを抱えていました。そんな悩みもこのカードの加入で一気に解決です!

また《銅線の地溝》も個人的には注目しています。これまでカードは強いのにイマイチ活躍しなかったグルールカラーのデッキですが、その理由の1つに色マナの不安定さがありました。今後は《熊野と渇苛斬の対峙》から《クウィリーオンの獣呼び》と動いているところを見れるかも?というか見たいです。期待してます。

パイオニアに目を向けると、《変わり谷》の採用でマナベースギリギリを攻めていたグルール機体、《スカイクレイブの亡霊》の白白を出すのがとにかくキツかったバントスピリット、最序盤の色拘束が両面土地が弱かったアブザンパルヘリオンあたりは特に強化されています。

たかがマナベースと侮るなかれ。不安定だった土地基盤が整ったことにより一気に駆け上がった事例も過去にありありますので、スタンダード・モダンともにファストランドの影響度はかなり大きいと言えるでしょう。

★その他、気になったカードたちをザックリ紹介します

ついに2マナ除去がプレインズウォーカーも触れるようになりました!エンチャント(あなたがコントロールしている基本地形)と条件こそ厳しいものの、その強さは疑いようがありません。

スタンダードの白単ミッドレンジですとほぼノーデメリットで使えますね。《軍備放棄》にこの《骨化》と、単体除去だけでいえば歴代でも最高峰のクオリティ。白、優遇されてるなー。

予期》に「増殖」が付いただけといえばだけなのですが、何を「増殖」するかで評価が大きく変わるであろうこのカード。

スタンダードには《鏡割りの寓話》や《放浪皇》など、カウンターを使うカードが多数あるので、それらと組み合わせるだけで一瞬で強カードに早変わり!
後述する《進化したスパイノダーム》の油カウンターを増やしてトランプルを失わせてダメージレースを制した日には、「俺上手すぎ!」と愉悦に浸れるかもしれません。

絶望招来》をコピーしたら絶頂。ただの単体除去をコピーでもまぁまぁ。グリクシスミッドレンジのようなデッキが、除去の薄いクリーチャーデッキ(エスパーレジェンズや兵士)に対してサイドインすると活躍するかも?

1ターン1回とはいえ、2点ドレインは破格!鬼流の金床》と最高のタッグを組んでくれそうです。《輝かしい聖戦士、エーデリン》とも相性良いので、エスパーレジェンズでもワンチャン。

オリカ選手権「使いやすいエディクト部門」優勝。

ちなみに英語名は従来通り《Sheoldred’s Edict》なのに、「布告」じゃなくて「勅令」って翻訳されていることに怒ってます。激怒です。ウィザーズ翻訳班は歴史の積み重ねをもっと大切にしてほしい。

3マナ3/3威迫が単純に強くて止まらないのは《暴れ回るフェロキドン》で学習済み。
アップキープ誘発なのでフルタップの際に出せば最低でも2点は保証だし、動けば5点クロックなのでめちゃくちゃ強そう。グリクシス・エスパーへのアンチテーゼとなるか。

うおおおお!!4ドロー!!!!
クリーチャータイプもウィザードだし、召喚酔いも関係ないしとグッドデザイン。できればモダンで《ミシュラのガラクタ》《溶岩の投げ矢》《魔力変》などと一緒に使ってみたいですね。気持ちよさそう。

5マナ4/4飛行速攻+後続にも全部+2/+2飛行。プロツアーのドラフトで初手で引きたい!
リミテッドで強いのはもちろんのこと、これだけ強いと構築でも可能性ありそう。

おじさん喚起!《ブラストダーム》が帰ってきた!最低でも1回は殴れそうなのでそれなりには活躍しそう。できれば他のカードで油カウンターを補充できるデッキで使いたいかな。

これ出して《ジョークルホープス》《抹消》打ちたい…打ちたくない?

スタンダード目線で言うと、コレがマナカーブのトップに来るようなアグロデッキでプレイしたいところ。カウンター耐性&除去耐性あるように見えますが、半端な構成/デッキで使うと《絶望招来》が直撃して昇天するので気をつけて。

大地の裂け目》と合わせて毒ストームデッキだ!《狼狽の嵐》も効かないぜ!と評判のコイツ。

確かに《狼狽の嵐》は効きませんが、ストームの誘発型能力スタックで除去されるので気をつけてくださいね。ストーム稼ぎにも使える&フルタップでも《稲妻》を避けられる《変異原性の成長》がオススメ。

「-1」で3/3、「+1」で2マナは元祖《野生語りのガラク》を彷彿とさせるデザイン。カッコいい!!

4マナでコレ→7マナで《産業のタイタン》というマナカーブは美しいのですが、それを実現するデッキをうまく作れるかは別問題。

あんまりイケメンじゃなくなってる。。。

荒んだ世界観に降り立った唯一の希望。名は体を表す。凛々しくて可愛い。
僕は犬派ですが猫も好きです。

★おわりに

ということでお届けしました『ファイレクシア:完全なる統一』レビュー。既存のデッキを強化するカードあり、新規デッキの参入を促すカードありと、バランスの良い楽しみなエキスパンションに見えましたね。

文中でも述べた通り、今回のイチオシはこのダニ!

スレイベンの守護者、サリア》《策謀の予見者、ラフィーン》がいる限りずっと使われること間違いなし。除去の枚数を増やすか、全体除去で対応できるようにしないとコイツに苦しめられることになるでしょう。《金属海の沿岸》が入ってマナベースが強くなっているのも大きい!!

それでは今回はここまで。また次回の記事でお会いしましょう!


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