MTG │ 新弾レビュー │ 井川良彦【兄弟戦争】
皆さんこんにちは。Rush Prosの井川です。
ということで毎度おなじみ、最新エキスパンションである『兄弟戦争』のレビューをお届けします。
今回は収録後すぐ使いたい、個人的に気に入った・気になったカードを紹介していきたいと思います。
それでは、スタート!
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★君のような人材を待っていた!赤い2マナ3/3だ!!
《食肉鉤虐殺事件》の禁止もなんのその。皆さんご存知の通り、今のスタンダードはミッドレンジ一色に染まっています。
「ミッドレンジ」という分類がそもそもアグロに強く、コントロール用のカードが不足していたため、起こるべくして起きている現象ではあるのですが、やはりアグロやコントロールもいてこそのスタンダード。
今回のセットには、アグロデッキを後押しするようなカードが数多く収録されていますので、順に紹介していきます!!
まずはこちら!2マナ2/3が跳梁跋扈するスタンダードに風穴をあける、2マナ3/3クリーチャーの登場です!《切り崩し》が当たらないのは最高!
カードが足りなくて厳しかった赤系アグロに必須なカードとなりそうですね。《熊野と渇苛斬の対峙》や《ヤヴィマヤの偶像破壊者》あたりと一緒に使いたいところ!新戦力の《大石弓の技師》も合わせてどうぞ!
クリーチャータイプが「人間」「伝説」なので、グルールアグロだけでなくナヤヒューマンや5色レジェンズなどでも居場所を見つけそうです。2マナで出して殴りつつ、《輝かしい聖戦士、エーデリン》や《統べるもの、ジョダー》を守れるのは凄い!
パイオニアに目を向ければ、《バード・クラス》なんかもありますね。そろそろいけるか?
こんな感じで単体のスペックが高い&クリーチャータイプにも恵まれた有望株。期待してます!!!
★これだけお膳立てされたらきっといけるはず!新時代の白アグロは兵士に決まり!
『団結のドミナリア』で来たものの、相棒の少なさから悲しみを背負っていた《雄々しい古参兵》。今回お友達が大量に投入されたので、ついにデッキになりそうですよ!!
まずは期待の2マナ域!先程の《忠実な護衛、ハジャール》同様、レジェンドでも4枚使いうるスペックです!
デメリットや条件のない2マナ3/2飛行はマジック史上初!!すげーや『兄弟戦争』!!
「5体で殴るたび~」の誘発型能力はほぼオマケですが (5体で殴れてたら勝ててるだろ!)、数十試合に一度ぐらいは誘発のおかげで勝利するかも。《急報》太郎こと《毅然たる援軍》を複数枚引いたら早いターンで達成することもありそうです。
《光輝王の野心家》が1マナ重くなった代わりに追加能力を持って登場!
単体除去の場合はまず真っ先にコイツが除去されそうなので無意味ですが、出したターンの戦闘では光りますし、全体除去されても1-2体はトークンを生み出しそうなのでなかなかやる子。《先兵の飛行士、ハービン》の次のターンに出すカードとしては最適ですね。
待望の1マナ2/1兵士も来た!アンコモンにしては生意気にマナフラッドを受けれる能力も持っており、「このカード使ってくれよな」というWizardsの意志を感じます。使ってやろうじゃないか。
あとはカードプールを眺めてみたところ、今をときめく《敬虔な新米、デニック》が実は兵士だったり、《交渉団の保護》から出るトークンが兵士でちゃんと伏線張ってたりと、めっちゃテンション上がりました。
マナベースもアンタップイン土地が豊富で、まさにデザイナーズデッキといえそう。皆さんもぜひ兵士アグロに挑戦してみてください!
★2マナ出るマナクリにはいつだって夢が詰まってます。
《失われた業の巫師》だ!《失われた業の巫師》が帰ってきたぞ!!!
コントロールもアグロも大好きですが、過去にはマナクリたくさんから《龍王アタルカ》ドーン!というデッキでプロツアーにも出たことがある(参考記事)この井川。マナクリーチャーには目がありません。
2マナ出せるなら重くて強いクリーチャーをプレイしたいのが人の性。《龍王アタルカ》のように重くて出したい生物は、、、色々いるじゃないですか!
3T《ガイアの眼、グウェナ》→4T6マナクリーチャーと出したいので、《渦巻く空、開璃》や《トヴォラーの群れ率い》《聖域の番人》あたりがオススメです。相手が《婚礼の発表》や《鏡割りの寓話》を出した返しに先攻4Tに6マナの強力クリーチャーをプレイして圧倒してやろうじゃありませんか!
また、5色レジェンズで《統べるもの、ジョダー》と組み合わせると、3T《ガイアの眼、グウェナ》→4T《統べるもの、ジョダー》→アンタップ→さらに余ったマナで伝説クリーチャーという圧倒的テンポで凄い盤面を作れそうです。続唱先となる1マナの伝説クリーチャーもこのセットに収録されていますよ!!
スタンダードではありませんが、パイオニア以下の環境では《ガイアの眼、グウェナ》+《アーチリッチ、アサーラック》+《伝説の秘宝》による無限コンボが注目されているようです。
クリーチャーベースかつ《ガイアの眼、グウェナ》が召喚酔いしていてはダメ、と条件は厳しいですが、相性の良いカードもいくつかあるので挑戦してみても良いでしょう。
★やっと揃ったダメージランド
こういった記事で絶対使う(というかあるものを使うだけ)土地を紹介するのは嫌いなのですが、前回書いた以上は今回もご紹介する必要があるでしょう。
今回再録された2色土地(以下ダメラン)は以下の4種類。そう、これで全種類揃ったのです!
グリクシスミッドレンジはこれでより《絶望招来》が安定するでしょうし、黒単タッチ青(カウンターのみ)みたいなデッキを組むことも可能です。ナヤヒューマンもこれでマナベースが全部揃いました。《熊野と渇苛斬の対峙》→《スレイベンの守護者、サリア》のボロス最強ムーブも再現可能!
ということで、デッキ構築の幅が広がること間違いなし。『兄弟戦争』の新戦力がなくとも、マナベースが整うだけで急浮上してくるデッキもあるかもしれませんね!
★その他、気になったカードたちをザックリ紹介します
試作って書いてあるけど「3マナ3/3・威迫・絆魂・護法」だけで十分オーバースペックでしょ!黒絡みのデッキの常連になりそうな予感です。
逆に除去耐性が護法のライフ支払いだけなので、コントロールデッキやランプ系統のデッキが使ってもそこまで強くない=《ワームとぐろエンジン》のような使い方は期待しないほうが良いでしょう。攻めてる側はライフ7点ぐらい余裕で払ってきます。マジックはそういうゲームです。
試作をブリンクして完成体にさせるなら、ブリンク目的だけのカードよりも汎用性の高いカードがオススメです。スタンダードなら《精霊界との接触》、パイオニアなら《魅力的な王子》《空を放浪するもの、ヨーリオン》あたりでしょうか。
《屑鉄場のたかり屋》をオマージュしたような能力。今はミッドレンジ環境で攻守が変わりやすいので「ブロックできない」の1文が重くのしかかりますが、それでもカード自体は非常に強力です。
特に相手が3色デッキだとほとんど基本地形が入っていない=たった2マナで、しかも+1/+1カウンター付きで帰ってくるのはさすがに凄い!
2マナ2/2威迫に加えてメリット能力が付いてるのはさすが現代マジックというべきか。スタンダードの赤いデッキではパワーストーンの使い道が少し限られますが、《血に飢えた敵対者》の誘発型能力に使えるのが嬉しいですね。1ターン早く5マナ=火力再利用できるのは強そう。
パイオニアでは《爆片破》が最高の相棒かな。
3マナ2/3という平凡なボディに、長ったらしいテキストが付いた謎レジェンド。しかしよく読んでみると…これ強くない??
4マナで手札を全部捨てる&同じだけ枚数引きますが、捨てたカードの中の1,2,3マナ域を踏み倒して戦場に出せるのは凄い!手札を循環させつつ、マナも踏み倒しつつ、カウンターもケアして動けるのは流石に圧巻。構築条件は多少ありますが、動いたときの爆発力が半端ないので早く試してみたい!!
《遍歴の騎士、エルズペス》《槌のコス》《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》《反逆の先導者、チャンドラ》といった4マナの攻撃的なプレインズウォーカーが僕は大好きです。
今回の《金線使い、サヒーリ》も、そういった面々に比肩できるパワーがあるかも?トークンの「飛行・速攻」が相手の《放浪皇》《不笑のソリン》といったプレインズウォーカーに対して強力なのも嬉しい。
忠誠度の増やし方が特殊なプレインズウォーカー。こういう変化球は良いですね。好き。
カード自体は結構強いと思うのですが、今の環境に合っているかと言われるとちょっと怪しいのが悲しいところ。すぐ使うかは正直微妙ですが、この類のプレインズウォーカーは1年半あればいつか使うと思います。ドローできる&トークン出せるプレインズウォーカーは強い!はず!
単色スペルシリーズからはこちらを紹介。白単で使えば《剣を鍬に》に近い性能です。嘘です。多分《失脚》ぐらいです。
とはいえアグロなら今回新登場した《ミシュラの鋳造所》、ミッドレンジ/コントロールなら《道路脇の聖遺》を使うだろうから、意外と使いづらい可能性あり。《黙示録、シェオルドレッド》の返しに除去できなかったらキレる自信あります。
世界100万人のデス&タックスファンが泣いて喜んでるかも?《カラカス》で再利用できる《再利用の賢者》です。
起動型能力の「お互いドロー」も、《迷宮の霊魂》がいれば自分だけドローに早変わり!
《大いなる創造者、カーン》の選択肢が増えました。これだけ強くなると、パイオニアで緑単信心がいつまで使えるのか少し不安になっちゃいますね。
カードタイプこそ違いますが、同じ2マナだし絵の雰囲気/色合いが似てるしで、ドラフト時に間違えてピックしそうで怖いです。
公式カードギャラリーも隣同士。これは狙ってやってるとしか思えない。
《苦しめる声》シリーズもここまで強くなりました!!!
残ったエンチャントをサクったりブリンクして再利用するも良し、捨てたクリーチャーをリアニメイトした際に速攻をつけて殴って良し。起動型能力に1マナかかるのがプレイテスターたちの自制心を感じます。良デザインカード。
あまりに弱すぎてテキスト読み間違えたかと思いました。《骨断ちの矛槍》を返してくれ。
クマ可愛い。
★おわりに
ということでお届けしました『兄弟戦争』レビュー。正直に言うと全体的に少しカードパワーは低めだと思いますが、低マナのクリーチャーにいくつか超構築級のカードがあり、そのあたりの活躍次第ではスタンダードが一変するかもしれませんね。
また、パワーストーン関連のカードに関してはまだカードプールが狭いこともあり少し活用が難しそうですが、重くて強いアーティファクトが登場した瞬間に化ける可能性大。期待して待ちましょう!!
それでは今回はここまで。また次回の記事でお会いしましょう!