MTG │ カード紹介 │ 井川良彦【最近あまり使われていないけど今後注目のカード】
皆さんこんにちは。Rush Prosの井川です。
もうすぐ『団結のドミナリア』が発売。それと同時にスタンダードがローテーションし、『ゼンディカーの夜明け』『カルドハイム』『ストリクスヘイヴン:魔法学院』『フォーゴトン・レルム探訪』の4つのエキスパンションがスタンダード落ちすることとなります。
今回のローテーションで個人的に大きいなと思ったのが、まず除去の変化。特にこの2種類はカードの採択に大きな影響を与えていたと考えています。
※タフネス1の人権を奪った《棘平原の危険》。重い単色カードを許さなかった《消失の詩句》。
また、土地の変化も大きいです。両面土地は《アダーカー荒原》を代表とするダメージランドの再録によりある程度カバーできそうですが、ミシュラランドの代わりはそうそうあるものではありません。
※アンタップインできるミシュラランドは非常に強力。パイオニアでは今でも一線級の活躍をしています。
といった感じで、ローテーションにより様々なカードの評価が変わることは間違いありません。
そこで今回の記事では、ローテーション後に残る、「最近あまり使われていないけど今後注目のカード」をピックアップしていきたいと思います!
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■天敵が消えた!コントロールのミラーマッチはこいつらの出番だ!
《表現の反復》《黄金架のドラゴン》といった強力カードたちの存在により、環境に存在し続けてきたイゼット系のコントロールデッキ。それらのデッキに標準装備され、土地であり除去として活躍してきたのが《棘平原の危険》。
あまりにも使い勝手が良いため4枚採用されることもしばしば。そのため《スカイクレイブの影》のように、コントロールデッキに対して強かったものの、あまり使われなくなったカードが多数あります。
そして《棘平原の危険》がなくなった今後、使われるであろうカードがこの2種類!
《心悪しき隠遁者》は1マナ浮かせてプレイすることにより《棘平原の危険》をケアできたため、これまでも使われていましたが、今後は使用頻度が上がること間違いなし!そのスペックの高さから、メインから採用するデッキも現れるかもしれません。
そして《棘平原の危険》に最も泣かされてきたであろうカードが《怪しげな密航者》!対コントロール、特に青いミラーマッチでの最高峰のカードでありながら、特に意識せずとも簡単に除去られてきた悲しきカードです。
今後はサイドボード後に先攻2T《怪しげな密航者》→除去できずにgg、といった展開が頻発するかもしれませんね。これまで《棘平原の危険》に甘えてきたコントロールプレイヤー達を罰するチャンス!
■ミシュラ無き今、敵対者シリーズでマナフラッドと戦おう!
マジックの歴史はマナフラッドとの戦いの歴史といっても過言ではありません。特に相手よりも低めのマナカーブでデッキを構築するアグロ系のデッキでは、「土地を多めに引きすぎたとき」「ゲームが長引きすぎたとき」にその余ったマナを如何に活用できるかどうかで、そのデッキの価値が大きく変わってきたものです。
その点、土地の枠で採用でき、スペルがないときでも起動して打点につなげられるミシュラランドは最高でした。全体除去の返しで殴って詰ませたり、カウンターを構えた相手に殴りかかったりと獅子奮迅の活躍をしたものです。
ミシュラランドを失ったあと、アグロデッキはマナフラッドとどう戦うべきか?その回答となりそうなのがこちら!
『イニストラード:真紅の契り』で登場した敵対者シリーズは、通常プレイでのスタッツもよく、マナフラッドの受けとして完璧です。特に《剛胆な敵対者》《幽体の敵対者》の2種類は《棘平原の危険》で1マナで捌かれるのが厳しかったのですが、その点も気にする必要なくなり、今後さらに評価が上がるでしょう。
今回の趣旨(最近あまり使われていないカードの紹介)とは少しずれますが、現スタンダードのトップメタの一角・ボロスアグロで使用されている《血に飢えた敵対者》は今後さらに活躍が見込めそうです。《稲妻の一撃》の再録に感謝!!!
■単色の大型クリーチャーに目を向けよう
たった2マナにも関わらず、あまりにも優秀な除去性能を有していた《消失の詩句》。エスパーカラーの他のカードが強かったこともあり、ここ一年間は環境を定義する除去の一枚として君臨してきました。
そんな《消失の詩句》ともスタンダードはおさらば。これまでは《消失の詩句》で簡単に対処されてしまっていた単色の大型クリーチャーも、今後は活躍が見込めそうです。
まず注目したいのが、《夜明けの空、猗旺》を始めとした『神河:輝ける世界』のレジェンド・ドラゴンたち。優秀なスペックと「死亡したとき」の誘発型能力を持っている=除去耐性が高いものの、出たときに何もせず、たったの2マナで追放されることによりほとんど使われることはありませんでした。
《消失の詩句》がなくなったことにより、こういったクリーチャーの価値は大きく上がるでしょう。特に《夜明けの空、猗旺》は警戒を持っていて《放浪皇》も喰らわないため、今後一線級の活躍を見せてくれるのではないかと個人的に期待しています。
事前評価は高かったものの、一部サイドボードにいた以外ではほとんど活躍できなかったのがコイツ。相性が良い赤や緑を基調にしたデッキが環境に少なく、白単には《スカイクレイブの亡霊》で追放され、青には《消えゆく希望》、エスパーには《消失の詩句》と散々な目にあってきました。
《消えゆく希望》こそ残るものの、《消失の詩句》《スカイクレイブの亡霊》といった天敵がなくなった今、黒いデッキの主軸として活躍する姿が今後見られるかも?最近出されていないだけで、いざ対面するとそのスペックの高さに改めて驚かされること間違いなし!
十分実績のあるカードですが、一応こちらもご紹介。出たときにドロー&盾カウンターありと除去耐性が非常に高く、ミッドレンジ~コントロールデッキでは最高級のフィニッシャーとして活躍するでしょう。《婚礼の発表》《放浪皇》も健在ですし、白をベースにした中速以降のデッキは相変わらず強そうですね。
■重い置物も許される時代が来たか?
《消失の詩句》がなくなったので、「出したターンには何もしないけど生き残ったら勝てる」系のカードを主軸にしたデッキも、今後現れるかもしれません。
その代表格がこのカード。エスパー全盛期にデッキが出てきたためすぐに姿を消してしまいましたが、その爆発力は本物です。《大勝ち》のようなドローカードはローテーション後も残っているので、活躍が期待できそうです。
似た系統のカードではこんなのもあります。こういうトンデモ系カードは悪用できれば大化けしそうなので、新ローテーション直後にデッキを組んで遊んでみたいですね。
★終わりに
ということで少し軽めでしたが、新セットレビューを行う前に「最近あまり使われていないけど今後要注目のカード」特集をお届けしました。
個人的なイチオシは《怪しげな密航者》と《夜明けの空、猗旺》です。カードパワーに反して使われていなかった印象なので、今後定番カードになれば嬉しい!
ローテーションや環境によってカードの価値が変わるがカードゲームの面白いところ。今回紹介したような、隅に追いやられていたカードたちがどうリベンジをするのか、新環境が待ち遠しいです。
各種敵対者シリーズなど、4枚使うレアは今後値上がりする可能性も高いと思いますので、早めに購入しておくと良いかもしれませんね。その際はぜひカードラッシュでどうぞ!(僕も買いました!)
次回は『団結のドミナリア』のレビュー記事です。お楽しみに!