MTG │ 大会レポート │ 高橋優太【MRL#2 – グルールアドベンチャー -】

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先週末はゼンディカーの夜明けリーグ・ウィークエンド#2にグルール・アドベンチャーで参加しました。

今回の記事ではその思考過程を記して行きます。

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■デッキ選択までの経緯

リーグ・ウィークエンド#2までのメタゲームの変遷を整理していくと以下のようになります。

1.リーグ・ウィークエンド#1でグルール・アドベンチャーの台頭。
2.その1週間後に開催された日本選手権ではグルールが使用率No.1。
3.グルールを対策したデッキ(ヨーリオン系・ランプ・ゴルガリアドベンチャーなど)は青黒ローグに不利な事が多く、グルールとローグの2強環境に。
4.その後ローグメタのデッキとしてラクドスが出現するも、グルールには結局不利で淘汰される。
5.グルールへのメタデッキとしてエスパー《予言された壊滅》が台頭。

「3」のタイミングで僕自身も《遺跡ガニ》や《ヴァントレスのガーゴイル》等の形で青黒ローグを試しましたが、どれもグルールに有利が付かず断念。

ローグ側がグルールを対策しようとするとクリーチャー除去や《凪魔道士の威圧》多めの形になるのです。しかしグルールがサイド後に使用する《運命の神、クローティス》《アゴナスの雄牛》2つに除去耐性があるため、お互いのサイドカード対決ではグルールに軍配が上がります。

この2つは《本質の散乱》などの限定的な打ち消し呪文でしか対処できず、かと言って《本質の散乱》を沢山入れすぎると今度は《エッジウォールの亭主》《漁る軟泥》等の軽いクリーチャーを除去できずに打ち消しを抱えたまま負けてしまう事が多くなります。

除去を増やしても《本質の散乱》を増やしてもどうしても裏目が発生し、グルール側が常に主導権を握っている状態です。

青黒ローグというデッキ自体、インスタントタイミングで動くことで相手のミスを誘う性質のあるデッキですが、相手の実力が高いほどミス待ちが出来なくなります。

実力者が揃うライバルズリーグでローグvsグルールをやったらグルール側が勝つだろうと考えて、素直にグルールを使用する事を決めました。

「5」のタイミング、デッキリスト提出直前のタイミングでエスパー《予言された壊滅》デッキが台頭してきたのですが、ヨーリオン系のデッキは青黒ローグに不利なため存在を甘く見ていました。

エルズペスの悪夢》で2マナクリーチャーを除去→《グレートヘンジ》《エンバレスの宝剣》を手札破壊しながら4ターン目《予言された壊滅》→自分のアップキープに《エルズペスの悪夢》を生贄、といった動きはグルールに対して圧倒的に強いです。

実際にアンチグルールデッキとしてライバルズリーグでもエスパーの使用者は多く、ここの部分に関しての認識は今回準備不足であったと感じます。

■デッキリスト

4《エッジウォールの亭主
4《山火事の精霊
3《漁る軟泥
4《砕骨の巨人
4《恋煩いの野獣
4《カザンドゥのマンモス
2《焦熱の竜火
1《アクロス戦争
2《怪物の代言者、ビビアン
3《エンバレスの宝剣
3《グレートヘンジ
4《髑髏砕きの一撃
9《
4《
1《奔放の神殿
4《寓話の小道
4《岩山被りの小道

サイドボード
2《アゴナスの雄牛
2《焦熱の竜火
2《アクロス戦争
1《探索する獣
2《解き放たれた者、ガラク
1《怪物の代言者、ビビアン
2《萎れ
3《運命の神、クローティス

■グルールのカード選択

グルールミラーでは手札入れ替え効果のある《火の予言》の方が強く、過剰な土地や伝説のアーティファクトなどをドローに変えられるのが長所です。

しかし自分の選択肢がグルールorローグであったことから、ローグもある程度いると予想してガードを下げたくなかったので除去枠を《焦熱の竜火》にしました。

ローグは《アガディームの覚醒》《夢の巣のルールス》による墓地利用を戦略に組み込んでいるため、追放除去を苦手とします。

最も多いであろうグルールのミラーマッチで優位を取るために、《グレートヘンジ》を3枚。

ミラーマッチはまずは《グレートヘンジ》でのアドバンテージを得て、そのあと追加で《怪物の代言者、ビビアン》《エンバレスの宝剣》を多く追加した方が勝つというのが調整チーム内の認識でした。

コストが9マナなため、《精霊龍、ウギン》の[-X]に耐性があるのもポイント。

・《恋煩いの野獣》を奪うことで相手の《グレートヘンジ》を出すターンを遅くして、自分の《グレートヘンジ》を早める。
・同じサイズのクリーチャーが並び合った後の膠着ゲームで、2章の攻撃強制により盤面を強く作る。お互い《グレートヘンジ》の盤面でも同様。
・ただし《アクロス戦争》単体では何もしないカードであり、他に盤面を作るクリーチャーが居ないと2章の攻撃強制も意味を成さない。

使い方次第で強弱の差が激しく、非常にタイミングを選ぶカードではあります。

しかし後手時はこれが無いと一方的に押し付けられる事が多く、唯一無二のサイドボードだと感じました。

グルールミラーマッチはどうしても先手が大きく有利なゲームなため、後手でも追いつける《アクロス戦争》をメイン1:サイド2で採用しました。

グルールミラーでは《エンバレスの宝剣》に貫通されやすく、《グレートヘンジ》よりもアドバンテージ量が少ないため、《怪物の代言者、ビビアン》はプレイの優先度としては3番手。あくまでメインは伝説のアーティファクトを主軸にしています。

しかしサイド後は相手のクリーチャー除去が増える事で伝説のアーティファクトを出せるターンが遅れるため、除去に対して耐性のあるビビアンが活躍しやすく、どの相手にも入れられる最もサイドイン回数の多いカードです。

・トークンに警戒が付くため、ミラーマッチの《アクロス戦争》に耐性がある。3章の「タップ状態のクリーチャーにダメージ」の影響を受けない。
・ローグ相手には到達トークンで盤面を支え、《血の長の渇き》以外では対処が難しい。ローグのサイドインがクリーチャー除去や《凪魔道士の威圧》に寄ることも理由。
・全体除去の多いヨーリオン系のデッキに対して、1枚で継続的に盤面を作る事が出来る。

あまりにもサイドイン回数が多く、サイド後の主軸になるカードであるため、多めの3枚を採用しました。

僕自身は《探索する獣》に否定的な印象を持っています。環境解明が進むほど使われなくなるタイプのカードだと考えています。

カード単体のスペックとしては確かに高いのですが、環境に《無情な行動》という2マナで交換できるカードがあり、《凪魔道士の威圧》されたら最悪、全体除去に対する耐性も無く、グルールミラーでも《砕骨の巨人》《恋煩いの野獣》と交換なので良い働きはしません。

グルールのようにクリーチャー主体のデッキがTier1であるときに環境がクリーチャー除去に寄るのはマジックの世の常。攻略されやすい《探索する獣》はヨーリオン専用としてサイドに1枚に留めました。

出た段階で2パーマネントを生み、クリーチャー除去や全体除去に耐性があり、残ったらアドバンテージを生み続ける。

解き放たれた者、ガラク》は対ヨーリオンには《探索する獣》よりも信頼できると考えたので、こちらの枚数を多くして採用しました。1ターン残ればパワー6クリーチャーで《グレートヘンジ》に繋がるのも良し。

■リーグ結果

× Kenji Egashira(青白ヨーリオン)
× Thoralf Severin(グルールアドベンチャー)
〇 Ma Noah(マルドゥ壊滅ヨーリオン)
〇 Austin Bursavich(グルールアドベンチャー)
× Miguel Da Cruz Simões(グルールアドベンチャー)
× Zachary Kiihne(グルールアドベンチャー)

× Simon Görtzen(ボロスサイクリング)
〇 Luis Salvatto(グルールアドベンチャー)
〇 Chris Botelho(マルドゥ壊滅ヨーリオン)
〇 Théo Moutier(エスパー壊滅ヨーリオン)
〇 Louis-Samuel Deltour(エスパー壊滅ヨーリオン)
〇 Ivan Floch(青黒ローグ)

7勝5敗。

グルールアドベンチャーはどうしても先手ゲー、《グレートヘンジ》先出しゲーの要素はありますが、それに至るまでの過程や《アクロス戦争》の使い方が大事です。

ただ、1戦目のThoralfさんは明らかにプレイが僕よりも上手く、相手のマナがないタイミングで《漁る軟泥》を6/6にする事、《アクロス戦争》された場合の《恋煩いの野獣》の使い方などミラーマッチの要点を抑えていました。

Thoralfさんのプレイを真似したことがその後のミラーマッチに活きたので、初戦で当たれたのは幸運でした。

予言された壊滅》ヨーリオンには合計4回当たりました。

最初のMa Noahさんに20ターン以上の長いゲームをして勝ったことで、サイドボーディングの方針が決定。

壊滅ヨーリオン側のアドバンテージ獲得手段が少ないため、グルールをミッドレンジ寄りのデッキに変えれば長いゲームでも勝機はあります。(下部に記載)

■サイドボーディングガイド

・グルールミラーマッチ

先手

2《焦熱の竜火
4《山火事の精霊
1《エンバレスの宝剣

2《アクロス戦争
2《解き放たれた者、ガラク
1《怪物の代言者、ビビアン
2《萎れ

後手

4《山火事の精霊
3《エンバレスの宝剣

2《焦熱の竜火
2《アクロス戦争
1《怪物の代言者、ビビアン
2《萎れ

サイド後は2ターン目にお互い除去を構えてエンドする事が多く、どの除去も当たる《山火事の精霊》は真っ先に抜けるカードです。

火の予言》《焦熱の竜火》の3点除去は後手側が《カザンドゥのマンモス》《砕骨の巨人》を除去するためのカードで、先手だと良いタイミングで使える事が少ないです。

先手は先に《怪物の代言者、ビビアン》《グレートヘンジ》を目指して展開するゲーム、後手は3点火力で1ターン稼いで《アクロス戦争》で追いつくゲームと言った印象です。

・青黒ローグ

4《山火事の精霊
3《グレートヘンジ
1《アクロス戦争

2《焦熱の竜火
1《怪物の代言者、ビビアン
2《アゴナスの雄牛
3《運命の神、クローティス

多くの場合、青黒ローグのサイドインは除去と《凪魔道士の威圧》なので、《運命の神、クローティス》《アゴナスの雄牛》《怪物の代言者、ビビアン》でクリーチャー対策に強いミッドレンジ型を目指します。

このマッチのみ《焦熱の竜火》の価値が高く、《盗賊ギルドの処罰者》《空飛ぶ思考盗み》を追放できればその後のルールスをかなり弱く出来ます。

・《予言された壊滅》ヨーリオン

2《焦熱の竜火
4《山火事の精霊
3《エンバレスの宝剣
1《アクロス戦争
1《漁る軟泥

1《探索する獣
2《解き放たれた者、ガラク
2《萎れ
1《怪物の代言者、ビビアン
2《アゴナスの雄牛
3《運命の神、クローティス

カード1枚1枚のアドバンテージの積み重ねを続ける、とても長いゲームになります。《山火事の精霊》は《鍛冶の神のお告げ》《エルズペスの悪夢》の的なのでサイドアウト。

対《予言された壊滅》ヨーリオンのポイントをいくつか以下に挙げておきます。

・《エルズペスの悪夢》を綺麗に食らわない。

2対1交換された上で《予言された壊滅》を張られるとゲームに負けます。《エッジウォールの亭主》は1ドローできるときに出す、《漁る軟泥》はパンプできるときに出す。クリーチャーを出さなければ3マナの《強迫》なのでそこまで強いカードではありません。

・《予言された壊滅》デッキの性質がクリーチャー除去に寄っているので、グルールが何もプレイしない事が正解になる事がある。

例えばお互い土地以外のパーマネントが0なら《予言された壊滅》《エルズペス、死に打ち勝つ》はプレイしにくいカードです。

・相手の撃ちたいタイミングで《絶滅の契機》《空の粉砕》を撃たせない。

相手が《スカイクレイブの亡霊》や《空を放浪するもの、ヨーリオン》を出した後でグルールも展開、という事も起こります。

・ヨーリオン側のアドバンテージソースは《裏切る恵み》に寄っているので、カード枚数を増やすものはそこまで多くないため長期戦を視野に入れて良い。

・《漁る軟泥》は6ターン目以降のカードで、《エルズペス、死に打ち勝つ》2章の後に出すのが望ましい。

■サイドボーディングの思考

ここまで読んで疑問に思った方もいるでしょう。なんと主要なマッチの全てで《山火事の精霊》をサイドアウトしています!

たしかにメインは《エンバレスの宝剣》《グレートヘンジ》両方と相性が良くマナカーブを支えるナイスガイなのですが、1/1なためあらゆる除去の対象となり、2対1交換されやすいのが現状。

現在グルールはTier1デッキであり対策される側。そのためサイド後は《血の長の渇き》《エルズペスの悪夢》等を上手く使わせないためにも《山火事の精霊》は抜くことが多いです。

だからと言ってメインから《山火事の精霊》を抜くのかと言ったらそれはまた別な話で、これを抜くとメインのカードの噛み合わせが悪くなります。

メインはデッキの主役になるカードだがサイド後は相手の対策を考えて毎回アウト。記憶を辿った所、これに思い当たるカードが1つありました。

かつてスタンダードを支配したデッキであるマルドゥ機体の主役《模範的な造り手》です。

この1ターン目パワー3から《キランの真意号》の動きはアグロデッキという印象を与えるため、対策する側はサイド後にクリーチャー除去を増やします。

そうしたクリーチャー除去を増やした相手に対して、《模範的な造り手》をサイドアウトしてプレインズウォーカーを増やす事でミッドレンジに変形。結果としてクリーチャー除去が効きにくくなる「対策をかわす」サイドボーディング方法です。

山火事の精霊》による強烈なビートダウンの印象が強いからこそ、対グルールとしてクリーチャー除去を増量。

しかしグルール側は《運命の神、クローティス》《怪物の代言者、ビビアン》でクリーチャー除去が効きにくい形に変形。良く似ていますね。

あくまでこれはサイドボーディングの一例であり、上記の《予言された壊滅》ヨーリオンへのサイドボーディングはヨーリオン側が長期戦用に《精神迷わせの秘本》《裏切る恵み》を沢山残すなどの選択肢も取ることが出来ます。

しかしドローカードを多く残し過ぎると除去カードが減って今度は《山火事の精霊》に弱くなるといった欠点もあり、サイドボーディングの読み合いが発生します。

こういった読み合いが発生した場合、攻める側の方がゲームレンジを短くするか長くするか選べるのが利点です。

読み合いが発生した上で、グルール側に選択権があるのがデッキの強みだと思います。

■おわりに

1週目6-6
2週目7-5
総合成績13-11

48人中、17位。ここから上位を目指します。

4週間に渡るライバルズリーグもいったん終わり、残りのリーグ戦は来年1月以降になります。

年末の「ゼンディカーの夜明け」チャンピオンシップまでは休養期間に入れそうです。

またTwichでモダンやレガシー、ヴィンテージの配信も再開しますので、そちらもよろしくお願いします。

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Yuta Takahashi@Vendilion/MTG Rivals League Competiter.

それではまた。

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